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[上着を取りに自室へ戻り、ふと思い出して、昨日薬師の忘れていった写本を手に取る]
・・・・・・・
[今、診療所に出入りするのは噂の広がりを考えると頭が痛かったが、放っておくことも忍びなかった。結局、出かけたついでに届けることにして、写本を持ったまま図書館を出た]
― 診療所 ―
むぅ。しまったな。
[仮眠室も兼ねた作業部屋の中央に立ち、腕を組む姿があった。
両親の住む家は別にあるが、作業に更ける事の多い彼女は
ここに泊まり込むことも珍しくはない。
それでも毎日、父の様子を診に行くことは欠かさないが。
その傍らには、今日の往診用の薬を詰めた袋。
悩みの内容はと言えば、昨日忘れた本のことだった]
まあ、どうせ用はあるのだから、そのときでいいか、
……
…………………。
[瞬間、昨日聞いた噂が脳裏を過ぎり、文字通り頭を抱えて転がった。
しっかり周囲の袋やら本やらを避けているの、ある意味、技だ。]
―広場―
[綿毛畑を目指し広場を横切りかければ、
ただならぬ雰囲気、人々のざわめきが聞こえる。
[訝しく感じ歩みを止めた。
[腰の袋からトカゲの頭がちょこんとのぞく]
…?
なにか、あったの??
あ、エルザねえちゃん!
[なついている蒼の女性をみつけ駆け寄って。
周囲の人々からも、絵師の筆の盗難の報をきいて]
[ぜーはー。
きっかり一分転がったところで身を起こし、
息を整えて、乱れたリボンタイを締め直す。
眼鏡は若干フレームが歪んでいる気がしなくもない]
いや、動揺するから付け込まれるのだ。
平然としていれば大丈夫だ大丈夫……。
[呪文のように呟き、袋を肩から提げ部屋から出ると、
診察室のブリジットに一言伝えて外に出た。
見送る助手の眼差しが不安げだったのは言うまでもない]
― 広場 ―
[ざわめきたつ人々に例の噂かと警戒していたが、
耳をそばだて窺ってみれば、どうやら異なるよう。
円を描くような人の群れの中心へと、足を向ける]
何かあったのか?
と、ベアトリーチェもいたか。
昨日は、すまなかったね。
[頃合を見て作り置きをしているから待たせることはなかったが、
直接応対できなかったことに、幼子に対して謝罪を述べる]
――え。
えしさまの ふでが?
どうして。
それを盗んでどうするのだ、って…。
[きゅっ、と眉根を寄せる。
不安になってエルザの服の裾をつかんで、
彼女もまた、男性の服を掴もうとしているのに気づいた。
なんて連鎖状態]
えふでのちからを、生者に向けること、も……?
じゃあ、じゃあ…でも……
そんなこと。そんなことするひとなんて、いない、よね…。
[聞こえた絵師の言、表情が強張っていく]
はい?
[気の長い作業が漸く一段落するかという頃、訪問者によって知らされた事件。
思い切り眉間に皺を寄せて聞き返していた。
絵筆が盗まれたこと、このままにしておくと危険であること。
長から一通りのことを聞き出した後、深々と息を吐き出す]
…冗談、ではありませんよね。
いくら兄さんでも、こんな性質の悪い嘘は吐きませんし。
[というかあれだけ言ったのに逃げたんだ、なんて言葉はこの場では飲み込んでおいた]
それで、兄さんは?
…そうですか。
済みません、お手数を。
[お茶でも如何ですか、と尋ねれば丁重に断られたので、そのままで]
他にも回られるんでしょう。
無理はなさらないでくださいね。
[そう言い置いて、一度奥に行こうと踵を返し。
が、ひたと止まった]
…?
ああ、いえ。
何でも、ないです。
[何か、と尋ねる長に対して、曖昧な笑みで手を振り。
その後はすぐに片付けに向かい、早足で家を出る。
故に、ふと沸き上がった違和感の正体に気付くのも、もう少し先の話]
あ、薬師さま、どうもです。
い、いえ。ブリジットさんには優しくしてもらったから…。
いつもありがとうございますって。
おばあちゃんも伝えてくれって言ってました。
[浮かない顔でお辞儀をした]
[彼女の問いには]
…。
あの、みんなの話によれば、
絵師様の…力ある筆が盗まれたみたいなんです。
―海―
―― もう、ちょっと……! ――
[目をさましてから、少女は海の底を目指す。
この時間には人がなかなか来ないことを知っている。
もってきた小さな袋に、すでに酸素はない。
それでも、進むことはできなかった。
昨日と少しの差。
口がゆるみそうになり、通路をゴーグル越しに見て地上へ戻る。]
いやいや。
薬師として当然の事だか
……、は?
[レンズの奥の瞳は一瞬丸くなった後、細められた。
転じた視線は鋭くエーリッヒを射抜く。
人の多さゆえに直ぐには居るのだと気付けなかったようで、
薬を押し付けるために袋に手をかけながら見上げる]
…………お前は何をやっているんだ。
[目にのこる深い青。
意識は保っていたはずだったけれど、少女を後ろから波が襲う。
慌てて逃げる拍子に、脇に生えた海草に腕を傷つけられ、海から上がってむせた。]
うぁ……
あんなの、ひさしぶり……
[くたりと座り込み、タオルを体に巻く。
そうしてしばらく、体を落ち着けていた。]
― →広場 ―
[人だかりは広場の中央の泉を中心に広がっていた、集まっては拡散していく人の姿は都市全体が不安に脈打つようにも見えた]
絵筆一本でこの騒ぎか。
[苦々しく呟いて、騒ぎの中心に足を向ける。が、垣間見えた赤い三つ編みに、一瞬足を止めた]
[波以外になにかきこえる気がして、少女はまわりを見回す。
そして誰もいないことに気づくのと、それが彼女のものだと気づくのは、そう先のことではなかった。]
みつかっ……
え?
ちがう?
[思わず声にも出た]
[この状況では早々逃げられないだろうと詰め寄り、
昨晩調合した湿布薬と栄養剤入りの小袋を押し付ける。
ベアトリーチェの祖母に作ったものとは異なり、
打撲用に特別の配合をしたものだった。
ちなみに、栄養剤の苦さは言うまでもない]
……全く。
いっそ、全員に自白剤でも飲ませるか?
[大袈裟に溜息を吐き出して、冗談とも本気ともつかぬ台詞]
あー……
血、ついちゃった。
[服をきて、タオルをしっかり抱える。
それから足を向けるのは、広場のほう。
というより、家があるのがそちらだからなのだが。]
うー……うるさい
[失敗した少女には、ちょっと気分を害す人の声だった。]
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