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―詰所傍―
[また再び、翡翠が紅玉を捕らえる。
判ったと、頷く姿に、昨夜のことを思い出したゼルギウスは]
あ。ミハエル君にも、信じたい人できたんだね。
[本当に嬉しそうに頬を緩めて微笑んだ。
繋いだ手に承諾を示す力が加わると、ゆっくりと立ち上がる。]
うん。そうだね。皆に知らせなきゃ。
けど、やっぱりミハエル君ってしっかりしてるなぁ。
[会話はミハエルの方が年嵩のように。
立ち姿はゼルギウスが年嵩なのは当り前だが。
金と銀。年齢的にも若干の無理を感じさせつつも、
それでもまるで親子のように連なって*宿屋へ*]
容赦なし、って事ね……。
[子供に詰め寄った、と聞けば零れる。耳にいい話ではない為に。
それから占い師の件に関しては、少しコエを固くし]
ん……わかったわ。
ミハエル君がゼルを信じてくれたのなら、よかった。
[信用された事をきけば、それは和らいだ。
少なくとも早々に彼が夫の敵に回る事はないだろうから。
夫の邪気無きコエに、自然と狼の妻の表情は緩んだ。
愛おしげに、楽しげに。]
でも本当に…気をつけてね。
[だけど最後には、やはり念押すように想うコエを伝えておいた。]
難儀な奴らだな。
[ヴァイスルヴの言に渋い表情。
それは自衛団に向けてのものではあるが]
……そうか。
ミハエルに告げたか。
ヴァイスの助けを無にはしないさ。
[状況を知ればゆると頷く]
其れを知る者が他に居るならミハエルを喰えば
ヴァイスの信が上がるか。
だが――…、……。
[未だ早いかと思案するような間]
自衛団に差し出すのは赤毛の男が無難だろうな。
この村の者ではないし
何処から来たとも知れない。
会話さえ成り立たねぇでやがる。
[グラォシルヴにはそんな呟きを漏らす。
喰らう相手は未だ浮かばぬのか其れには触れず]
そうだな。
あの道が使えるようになれば容易く村を出れる。
機を待つこととしよう。
喰らい抵抗するのはその時間を稼ぐ為と思えば良い。
そもそも知っている人が、まだ少ないでしょうしね。
[だとしたら、ミハエルを喰っても利は薄いかもしれないと。]
……後は能力者、かしら。
占い師、霊能者、守護者。
クロエちゃんは、霊能者なのよね……
クロエちゃん、律儀に皆に言って回っていたし。
[そこもまた、喰うに十分な理由になるだろうかと呟いた。]
―回想・昨夜眠る前―
[素で抜けたらしい一句>>*53をリヒトは気には止めなかった]
柔らかくて良い匂いがするからな。
好きだぜ。
[狩りで食欲と獣欲を満たしていたのも事実。
子を残す為ではなく欲を満たすだけの行為。
情を通わせる深い仲の者はいない。
人の世で浮いた話が無いのは修道士という立場を重んじての事]
……如何だかな。
記憶にねぇなら案外流れの奴が喰らったのかも知れねぇぜ。
[覚えのなさそうな同胞にそんな言葉を向けて
その話題を切り上げた]
―回想・了―
ああ、あの人……良く分からなくて苦手なのよね……。
[あからさまに危険人物すぎて、全く近づいてない赤毛の男の印象は、
思った以上に周囲にも悪いようなので、始めの生贄は容易く決まると思った。
時間稼ぎには、同意するような意識を向け。]
ん…もう少し、考えましょうか。誰を襲うかは。
クロエちゃん以外の能力者のことは、まだ何も分っていないし…
一日に数人襲うのは難しいでしょうから。
[狭く限られた中で、機を見ながら狩りをしなければならない為
例え二人でも、多数を狙うのは避けた方がいいよねと囁いた。]
だな。
それに俺は子供より女の肉の方が良い。
[クロエの名が同胞の口から紡がれれば
嗚呼、と思案するような聲]
それも悪くはねぇな。
ただ、守護者が居るなら……
クロエの話を聞き守る可能性もある。
[懸念を口にし、如何するかな、と呟いた]
細工師 イレーネは、洗濯女 クロエ を能力(襲う)の対象に選びました。
あ、そっか。
[ほぼ全員に知れたとなると、
守護者が居た時、その護衛の可能性もあるのを失念していた。]
……あの赤毛さんが守護者や占い師だなんて、
都合のいい話は期待しない方が良いでしょうしね……
[ふぅっと小さく溜息を。]
自衛団の連中も赤毛の奴には手を焼いてそうだ。
いっそあっちで何とかしてくれっと楽なんだがな。
[赤毛の男が自衛団員に連行されるのを見ていたから
そんな希望が漏れるが実際如何なるか知れない]
一日に一人が無難だな。
それ以上は喰いきれねぇし。
[同胞に同意の頷きを向けて]
誰を襲うか、か。
ブリジットやベッティあたりも美味そうかとは思うが
そうだな、もう流れを見てからでも遅くはない。
赤毛が守護者や占い師、か。
それだとかなり楽ではあるんだがな。
[あの調子では名乗り出たとしても
信用を得るのは難しいだろう]
ヴァイスの言葉をあっさり信じたミハエルも
占い師ではなさそうだし。
[人狼と人間との戦いは始まったばかり。
未だ序章と思えば次の狩りもしくじる訳にはいかず
リヒトは慎重な態度を見せた**]
それはそうねぇ…。
それくらいは期待しても良いかしら。
[そんな少し楽をしようという心持くらいはいいだろう、
相手が相手だし。そんな事を思い。
喰いきれない、には至極真っ当な理由だと思って頷いた。]
ふふ、リヒトはブリジットちゃんとベッティちゃんの二人がお勧め?
[そう楽しげに一度笑ってから、再びコエは真剣な物へと変わる。]
ん……最悪、悩みすぎて決めきれなくて一日見逃してしまうくらいなら、
二人で方々を見て、襲えそうな人を見つけ次第、襲いましょうか。
[同時の方が効率と安全はあるが、
好機を捜すのなら手を分けるのも悪くはないかと思い提案した。]
それは、そうね。
[ミハエルが何物か。
少なくとも占い師ではないというリヒトの判断には同意した。]
伝承では能力者は一人が常、なんだっけ?
私はあまり、詳しくはないのだけど…
[その辺りの知識の大半は、ヴァイスから伝えられた物で。
多少記憶がおぼろげで、周囲の言葉から思い出したり
補完したりした部分も多く自信がなかった。]
……うん、まだ時間は有るのだし
急ぐ必要はない…かしら。
[結局の所、こちらも保留のまま
少し考え込むように、青い目は伏せられた**]
もう少し脂がのった方が好みではあるんだがな。
[お勧め、と訊ねられれば僅かに首を傾げる。
自らの歳と同じか少し上を獲物として好む獣は
少しばかり不満を漏らす。
当て嵌まるのは同胞とカルメンくらいだが
同胞に関しては無論喰う気になどならない。
カルメンは未だ村に来て浅いという事もあり
いざとなれば時間稼ぎにでも使う心算なのか
其の名を紡ぎはしなかった]
ブリジットは煙草の匂いが気になるから
ま、ベッティの方が味は良さそうか。
[提案には少し考えてから頷く]
それも悪くねぇ考えか。
一応考えがまとまったら知らせるつもりだ。
[伝承の話となれば本の知識を引っ張り出し]
伝承では其々一人が多いようだな。
他のパターンも無いとは言えないようだが。
[ふと考えるのは結社を名乗った翁の事]
結社の方でも能力者の把握できてねぇのかな。
そういや、結社員は二人一組で動くって話も見た事があるが
今回は如何なのかねぇ。
[だとしたら厄介かもしれぬ、と暗に示し
伏す青へと眼差しを向けた**]
/*
さて。
赤と思しき方からの白宣言を受けたわけですが。
人狼探しに対して縋るものが無いから、無条件で信じるだろうなぁ、この子。
後現状で信じられるのは人の証明を持ったゲルダだけども。
どのタイミングでゼルギウスに言うか。
今はまだ時期じゃないかな。
とりあえずゲルダを信じるRPしとこう。
……と思ったがゲルダが泣いてるですね。
どうしよう。
─翌朝・宿屋─
ん…あ、れ?…そっか、ここ、ベッティんちだ。
[疲れ果て着の身着のまま眠りについたものの、起床はそれほど遅くはなく。
見慣れぬ部屋に首を傾げるも、すぐに昨日ベッティに頼んで泊まらせてもらったのを思い出した。
体を起こしベッドを軽く直しているところに空腹を感じ、そういえば昨日はサンドイッチ以外食べてなかったと気付いてベッティに何かもらおうと部屋を出たのだ、が。]
?なんか、あったのかな…?
[扉の方がやけに騒がしいのに気付きそちらに向かえば、自衛団員とアーベル達が話しているのが見え。
その会話の内容に、目を見開いた。]
ギュン、じいちゃんが。
[殺されたの、と続けることも出来なくて。
動くことも、赤毛の男が飛び出ていくのを止めることも出来ぬまま立ち尽くした。]
ぁ…、ゲル、ダ…!
[自分も哀しいし、恐ろしかったけれど、彼女の様子を見れば放っておけるわけもなく。
ゲルダの叫びと泣き声に、ようやく時が動いたように足が動いた。
ライヒアルトが彼女の頭を撫でるのを見れば安堵の色を浮かべて、そっとゲルダの隣にしゃがみこむと肩を支えるも、名を呼ぶしかできなかった。
彼女が顔を覆う手首の包帯が乱れているのを見れば、ライヒアルトの顔を見上げるが何も言うことはなく。
彼女が落ち着くまでは、傍にいようとしたけれど。]
・・・ベッティ!!
[扉がまた開き。幼馴染が投げ込まれるのを見ると思わず立ち上がった。
ユリアンとアーベルが彼女の傍についてくれたのを見れば、そのまま心配そうに見つめるも先程飛び出ていったはずの赤毛の男の言葉に思わずきょとんとして。]
…え?
―朝方・宿屋食堂―
[ゲルダ>>268の声にも少し煽られていたかもしれない。
彼女の声より先に自分の心の重さに囚われ、切り替わってしまっていたからその過剰さには気がつけなかったけれど]
気にしない。大丈夫?
[助け起こしたベッティ>>254に尋ねて、痛めてそうな所があればアーベル>>261の言うとおりだと治療を勧めて。
立ち上がったのにあわせて周囲を確認すればゲルダが蹲っていて]
……ライさん。ゲルダちゃんの手も。
包帯ぐしゃぐしゃ。
[毒気を抜かれたおかげで態度を取り繕うことはできるようになったけれど。今の気分のまま接するのは良くない気がした。
ライヒアルト>>272があやすのを見ながら、さてどうしようかと思案しているとアーベルからの小声が届いた]
助けて、くれたの、かな。
[ベッティの代わりという訳ではないのだろうが、自衛団員に連れていかれる赤毛の男をぽかんと見送った後、ぽつりと。
だが、すぐにベッティが投げ込まれたことを思い出してライヒアルトに彼女の手当てを、と頼んだ。]
ベッティ、朝ご飯のしたくなら私でも手伝えるから。
無理しちゃダメだよ。
[ゲルダの背を撫でながら、男勝りで女の子らしい幼馴染を心配して見つめた。]
[そうして、ゲルダが落ち着くまでは傍にいようと思った時。
先程とは違う顔ぶれの自衛団員がきて、自分の名を呼ばれ。
なんだろうとそちらを見るも、今しがたの事があった為表情は強張り睨むようになっていた。]
私に何か用ですか?…ギュン、爺ちゃんが?
…わかりました。行きます。
[自衛団長の遺した指示の中に、自分に何かあった時には骸をクロエに見せるように、というのがあったと言われると、表情は硬く変わり自衛団員の後についていこうとして。]
ゲルダ。ごめんね、ちょっと…行ってくる。
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