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カヤちゃんだと抵抗しそうだもの。
先に拘束させてもらうわね。
[その動きは、普段と異なる素早さで]
[ユリアンの両腕を捉える]
[カヤの命がフーゴーによって奪われるまで]
[見せ付けるかのように、その拘束は緩めない]
[凡その視線はその二人に集まっているだろう]
[その中で、男は]
[唯、ユリアンの表情を見つめ]
[薄く、けれど、はっきりとした笑みを浮かべていた]
嗚呼、愉しい――……。
[クロエの言葉を]
[カヤのその結果を聞いたのなら]
[耐え切れぬという勢いでの哄笑]
[其れと共に、ユリアンの背中から、紅の飛沫が散った]
……そうか……しろ、だったか……。
[クロエの呟きを聞いて、小さく反芻する。すまねぇ、ともう一度謝ってからその場を立ち上がった。足元に広がる血溜まり。背に刺した短剣を抜くと、その広がりは加速する。赤に濡れたカヤの顔を見て「後で綺麗にしてやっから、我慢しててくれ」と告げると、皆の居る方へと向き直る]
…カヤが違うってことは、人狼は他に───!?
[居る、と言いかけた時。振り返った刹那に見たのは、飛び散る赤。突然のことに硬直し、目を見開いたまま赤が飛び散った先を見た]
[白磁の頬を濡らす程勢いの有る紅の奔流]
[拘束していた腕を解いたのなら]
[音を立てて、転がる身体]
[上半身を折り曲げて、倒れたユリアンの身体を覗き込む]
[他者の姿など、眼に入らないとでも言いそうな仕草だった]
[フーゴーに尋ねられたなら、男が口にしたのもまたカヤの名前だった。
そのカヤがフーゴーの手で処刑されるまでを、黙したまま見つめ]
……ハ。
[やがて緩く息を吐いた。
――哄笑が響いたのはその直後か**]
神父見習い ウェンデルが「時間を進める」を選択しました。
細工職人 ヴィリーが「時間を進める」を選択しました。
作家 ヘルムートが「時間を進める」を選択しました。
[反芻するフーゴーの言葉に、こく、と頷く。
声を出したら泣きそうだったから。
泣き出さなかったのは、決めた事もあるけれど。
まだ、終わらない、とわかっていたから]
……っ!?
[不意に、聞こえたもの。
哄笑と、それを追うような、『声』]
ふえ……な、なにっ……。
[『声』の示す方を振り返れば。
目に入るのは──あかと、しろ]
そうか…。
[クロエの告げる結果に眼を伏せた。
謝罪の言葉は今はやはり口に出せず。フーゴーに頷こうとした時だった]
…なにっ!?
[響いた哄笑に、反射的にクロエを背に庇うようにして。
紅を吹き上げ崩れてゆくユリアンと、それを覗き込むヘルムートを見て、息を飲み込んだ]
/*
何かやたらと喉が渇くと思ったら、体温37度ですって奥さん(誰
また歯から来たらしい。
どうするかな、まだ起きては居たいんだが。
[突然のことで床に転がる音が聞こえるまでフーゴーは動けなかった。凝視した先では床に転がるユリアンを覗き込むヘルムートの姿]
…ルーミィ、おめぇ…!
[おめぇが、と繰り返し、ぎりと歯を食いしばる]
宿屋主人 フーゴーが「時間を進める」を選択しました。
[クロエの言葉に、少なからず落胆と、カヤへの哀惜の念を瞳に浮かべ。
側へ行こうとした、その時。]
な…に…?
[哄笑と、瞳を染める朱。
とさりと落ちる、ユリアンの身体に近寄る、ルーミィの姿。]
…お前が、人狼か。
宿屋主人 フーゴーは、作家 ヘルムート を投票先に選びました。
/*
ところでデフォがまたウェンデルだったのだが。
ゲルダ→ゲルダ→ウェンデル→ウェンデル の流れ。
何をしたい、ラ神。
約束は全てが終わってからだったけれど。
愉しかったから、先払いだよ。
[其れは、「傷付ける」というには]
[余りにも深すぎる傷]
[其れでも結果を待つ姿勢を止めないのは]
[既に箍が外れきったがゆえか]
……ルーミィ、さん?
[背に庇われた状態で、震える声を上げる]
ルーミィさん、が……でも、どして……。
[何故、ここで、この場でユリアンを殺めるのか。
それがわからず、呆然と呟いた]
[右手は既に獣の様相]
[深く紅に濡れる其の合間には、白金の毛並みが見える]
残念だな。
貴方の望む力は得られなかったみたいだね。
折角の御褒美だったのに。
[低い声で囁いたのなら、漸く上半身を起こし]
[ゆるり]
[辺りを見回した]
[視界に入る、様々な負の感情]
本当に、良い気持ち。
[陶然とした表情で男は哂った]
――……そう、貴方の言う通り。
[すい、と、人の形の侭の指先がヴィリーへと向けられる]
なかなか見つけてくれないから。
[其の理由を結びつけるものを、直ぐに言い出しはしない]
[己を指差し、見つけてくれないから、と言うルーミィの目をまっすぐ見据え。]
御託は、いい。
お前が、ゲルダを、殺したのか。
[そういいながら、懐からフーゴーから借りた銀色の牙を取り出し、ルーミィに向けて。]
切り捨てられた、か。
…馬鹿野郎。
[ユリアンが直前でヘルムートをと言い出したこと。
それがどうしてなのかはまだ分からないが。
その結果としてどうなったのかは見ての通りだった]
見つけられないから。何だ。
[良い気持ち、というのに嫌悪の表情が浮かぶ。
そこに何が繋がるのか分からず、眉間の皺が深まった]
[曖昧な問いかけに、眼差しはクロエに向かう]
[庇うように立つ人間の視線は気にも留めず]
こんなときにも、クーちゃんは、さんづけしてくれるのねぇ。
[一言の呟きは、常のルーミィの口調]
[けれど、其れは刹那に掻き消える]
愉しいから、か。
愉しかったから。
[どの様な問いかけでも、恐らく答えは其れに成るだろうと]
上手く潜んだものだな。
普段から性別を偽っていた延長か。
[見つけられなかった理由は相手の演技力にあるか、と。視線は手元にある血濡れた短剣に落としたまま。これでは歯が立つまいかと考える]
僕は無駄とも言えるものを愉しむのが好きだけれど?
[御託と切り捨てられたモノ]
[其れを拾う者があるのだから、答えを返す]
見つけられないから……何人も死んでしまう。
ものがたりは、おわらない。
[嫌悪の表情を浮かべるアーベルに言い含めるよう柔い響き]
だ、って。
ルーミィさんは、ルーミィさん、だし。
他の呼び方、でき、ない。
[呟きに返すのは、ある種場違いといえる言葉]
……愉しい。愉しかった……から。
[返された答えを、繰り返す。
理解と容認の距離は、遠い。
足元のぶち猫が低く唸る。
身構える仕種に合わせ、銀の鈴が微かに音を立てた]
[ヴィリー自身の問いかけには、薄く口を開き]
ライヒアルトなら。
きっと、其れには沈黙で答えるだろうね。
[即ち其れは、ゲルダを喰らったことの肯定]
こういう時にも、正面から向かい合う…貴方のそういう素直な所は好ましいな。
[銀の短剣を眼の前に、くすくすと、余裕の笑みを見せる]
[笑みを浮かべ、己の質問に答えた女…否、男性を、変わらぬ表情で見据えたまま。]
…俺は。
こうとしか、生きられない。
お前は、そうとしか、生きられないのか。
[短剣を構えたまま、そう問いかけて。]
…残るのは、お前だけか。
[グッと右手を握り締める。
見つけられなかったのは間違いない事実]
どうして、愉しめる…。
[もう人狼に効くだろう武器は手の内に無い。ヴィリーの邪魔をしてはいけないと、声はひそめて呟く。
鈴の音とツィンの唸り声に、僅か視線が下を向く]
[フーゴーに向けるのは、くっきりとした笑み]
何度か僕は言った筈だよ?
少なくとも、貴方には。
ヘルムート・フォン・ティークは作家だと。
演技は三流でも。
創り上げる物語次第では、それなりに成る。
男としてのヘルムートも、女としてのルーミィも。
狼としてのセザーリオも。
作家で在ることだけは確かなのさ。
雑貨屋 クロエが「時間を進める」を選択しました。
雑貨屋 クロエが「時間を進める」を取り消しました。
作家故に創り上げることが出来、創り上げた物語を周囲に読ませ錯覚に陥らせる、と。
要はそう言うことか。
それで、今になって化けの皮を剥がしたのはどう言う理由からかね。
単に見つからないのが詰まらないと言う理由からか?
それとも……物語を終わらせたいのか。
物語を創り上げるのに飽きたのか。
[見つけないからものがたりはおわらない、と。ヘルムートはそう言った。理由はそこにあるのかと、ようやく視線を上げヘルムートを見据える]
[場違いとも言える呟きには、低い声で哂った]
そんなふうに。
貴方は優しいけれど、決して強くない。
だから、とことんまで思いつめてくれそうで、ずっと喰らわずに残していたんだ。
[さらりと告げる言の葉]
[低く唸るぶち猫には淡白な視線を向けるだけ]
[ルーミィとして接していた時にも]
[結局一度もツィンに触ることはなかった]
[切り替わる様にも見える人格は]
[決して何れが主人格というわけでもなく]
[舞台の上で演じ分けられる役柄に似て、同一の意識の元に在る]
やさしいのね。
[ルーミィの雰囲気でヴィリーに与える言葉も、ゆえに本心から]
愉しくなければ、生きている意味が無いよ。
[低い響きで告げる其れもまた本心]
[最後の問いかけに返るのは、先程と同じ沈黙という肯定]
[己の愉悦の為に、残したと。
そう告げる目の前の存在に、ぎり…と、知らず歯をかみ締めて。]
其れだけの為に、ゲルダを。
………お前、だけは。
[許さない。と、低く呟き。]
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