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[一瞬、おっさんの目が翳ったのをあたいはちゃんと見てたんだ。
んだよ、おっさんあんただって………
ってあたいは口を開く前に、おっさんの言葉の後、薔薇色の光に包まれたのさ。]
っ!!
[うわっ、こいつぁ………くっそ、夜じゃねーからって油断してた!
あたいは逃げる間もなく、どっか別な所に放り出されたのさ。]
…………あ、っ。
[さっきと同じ、座り込んだままの状態で、あたいは反省房に座ってた。
格好は相変わらず雪色のまんま。不安定だったさっきよか、今は全然安定して……る………。
ってかおっさん、秘宝の力なんかであたい送るから影響モロ受けて定着しちまってるじゃねーか!暫く元に戻んねーぞこれ!?
あたいは周りを見る余裕もなくて、暫く呆然とそこに座り込んでたのさ。]
あー、あー、はいはい。
わかってます、わかってます。
……完全に暴発したわけじゃないんだから、いいでしょー?
[真面目に説教をする幻影に、けらけら、と笑いながら、言って。
それから、表情をす、と引き締める]
……ぼくの……『私』の本質は、ご存知のはずですよ?
ま、言っても詮無いことはおいといて。
大人しくしておりますので、ご心配なく。
[静かな言葉に幻影は揺らめき。
やがて、転移の力が発動するのがわかる。
眩い閃光が走り、そして]
[抑えきれないそれと葛藤していた、その時に、自分の頭に触れる手の感触、その手は小さくか細くて、
触れて捻じ曲げれば簡単におれそうだなと、その手を掴み。
顔をあげ触れる彼女の方を見やる]
ビーチェちゃん…
[彼女の名前を、依然とは違う形で呼び、見やるその目は深い闇に沈んだように、光のないくすんだ翡翠の目で]
かわいいね…簡単に壊れちゃいそうなくらい……
[ぽつりと、かすかに震えながらその手を掴む、自分の手には徐々に力がこもっていく、彼女が痛みを感じるくらいに。
彼女が痛みを訴えたならばはっとしたように、その手を離すだろうか]
わんっ、わんっ。
[水盤から人影が消えて、こちら側に人の気配が増える。
イヴァンはまだ向こうに居たから、それに向かって吠えて。
マテウスがベッティを薔薇色の光を以ってこちらに送って来たのにも、いつもより高い声で吠えた。
一度は護った姿が水面から消えると、耳と尻尾が垂れて。
子犬は首を巡らせて、丸々とした金の瞳でこちら側の空間を見回した]
おねーさん…?
[榛名に手を取られ、その言葉遣いが自分の知る彼女のそれと違うのに気付きあれ?と思うものの。
それよりも、暗い輝きを湛える瞳と緩やかに強まる力に眉が寄った。]
おねえさん、いた、い。
[そう、小さく呟けば手を離されるだろうか。
離された後、彼女の顔を見つめて問いかける。]
おねえさんは、なにかを、こわしたい、の?
……で、だね。
[何事もなかったかのように、ぐるり、周囲を見回す。
背に開いていた深紅の光はいつの間にか消えうせて。
舞い散る粒子も、陽光の属を取り戻し始めている]
……なんで、榛名がここにいるのかと。
[彼がベッティを送るのは、何となく予測がついていた。
妙に、気にかけていたようだったから。
しかし、つい先ほどまで対峙していた榛名がいるのは、さすがに疑問]
あれ…?
おねえさん、だぁれ?
[気がつけば白い印象の知らないお姉さんが座り込んでいて、そちらに首を傾げ。
そこにナタルも転移されてきて、きょと、と瞬きした後。]
ナタルおね…おにい、さん?
[ナタルの投げた血石はすこんっといい音を立ててユベールの額にぶち当たった様子。
しばし痛みに呻いているのだった**]
[翡翠の先、間近に迫った炎に動揺する榛名。
いつものようなどこか眠そうな声じゃない。
身を捩って。ふっつりと]
…へっ?
[何処かへ消えてしまった]
……オヤモッテ!
[なんで。どうして。なにが起きてるの。
大混乱しながら、息を吸って吐いた]
どこいっちゃったの!?
[ぐるっと見回すけれど。どこにもいない。気配もしない]
違う…
[手を離し、かかるビーチェの声に首を振り、
彼女から離れようと後ずさりを]
私は…そんなこと……望んでません……
[否定の言葉は弱弱しく、他のものの言葉も視線にも気付けずに、
気付けるものならば、その奥底、目覚めようとしている深い闇と、負の感情に彩られた力を知覚できるものもいただろうか。
ナタルならば、邪神に近しいそれに気付いたかもしれない]
こないで……だめです……
[かつて里で自分が拒まれたように、すべてを拒むように。
今まで抑えられていたためか、その力はいっそう目を覚まそうと。
保てない心の平衡は、目覚めようとするそれを完全に抑えることもできず、
一度少しでも引き出したそれは、自らにかけられた呪の力をはねのけようと]
[名前呼ばれたあたいは、やっとこさ顔を上げて周囲を見回したのさ。]
あ……。
[っと、ビーチェは知らねーんだっけか。
うーん出来れば隠しときたかったんだけど。]
わたし、は……
[って口開きかけたら、向こうから爺さんが「姫さま〜!」とか何とか言って突進して来た。
ちょ、ちょぉ、じじぃぃぃぃぃぃ!!!!!]
ギュンター………
[名前呼ぶ声は大分呆れてた、ってか色々諦めた色々と………。
あたいは力ない笑みを少し浮かべながら、ちょっと泣いてるような爺さんの背中をぽんぽん叩いたのさ。]
[ベッティ(本当の名は最後まで知らなかった)を反省房に送り込んだ後、妖精王の放った光が、ナタルを捕らえるのを見る。同時に榛名が消えたことには、さすがに意外の表情を浮かべ]
これはまた…
[結局、反省房送りを免れたのは、僅かに三人。薔薇色の空が、大きく揺らいだように見えたのは、恐らく見間違いではないだろう]
中
ログ見たら爺さん勝手に動かしてたっぽいから、あたいも勝手に動かして見たんだけど大丈夫だよなたぶん…。
前後きっちり見てこなかったんだけど。
おにーさんで、あってる?
[気付かれたか、というナタルに首をかしげて確認するようにじっと見たが。
榛名が自分から離れようとするのに気付いてそちらに視線を向けて心配そうに見つめた]
榛名、お姉さん。
[こないで、というのは自分になのか、何に対してなのかわからなくて。
手を伸ばすことも躊躇い、名を呼ぶだけで留まった。]
[そうしていると現れたのは、雪色の女性
まあ、実際のとこその正体にほぼ確信は得てるわけなのだが]
…………だがじぃさん。それは空気読まない行動だろ
[情けない声で雪色に駆け寄るギュンターに頭を抱えた]
[水盤を見ていたいけど、榛名やベッティの様子も気になって。
金の瞳が水盤と周囲を行ったり来たり]
わふっ。
[鳴き声に均衡の力を載せようとするも、元々不足している状況ではさしたる効果も無く。
ただ気休めに鳴いたような、そんな状態になった]
[妖精王の力をもってしても、余り長い間、この結界が維持されるとは思い難かった。だとすれば…]
間に合うか…?
[視線はイヴァンの手から、一度は離れた薔薇色の白引へ、しかし、そちらに近づこうとは、今はせず]
ひめ、さま?
[見覚えのないお姉さんが口を開いたところを、おじいちゃんが突進していって。
おじいちゃんが姫様と呼ぶということは、とちょっと考えて。]
おねえさん。
おうさまと、じょおうさまの、こども?
また『秘宝』の力?
でもまだここにあるし。
[落ちたままの薔薇色にそぅっと近づいてみる。
蔓環してても直接触るのはまだちょっと怖い]
ねえ、今何が起きたんだか…。
[見えてた?と振り返った先にも姿が一つ足りない。
そこに居たのはマテウスだけ]
………。
……来たのは三人か。
[榛名の様子は目の端に。
ナタルには敵意の籠る視線を一瞬のみ向けて。
そして雪色の女性――ベッティに視線が向いて]
姫?
[駆け寄る騎士団長が発した言葉に、片眉を上げた]
ナタルは、オカマ、じゃ
[おにーさんおねーさんで疑問符浮かべてたビーチェに不思議そうに何か言った。
ってかオカマだってずっとおもってたんだけどあたい。
そのナタルがあたいに訪ねてきたんで、あたいは爺さんをぽんぽんしつつ見上げたのさ。
答える前に、爺さんに本名呼ぶな、とだけ口止めはしといた。]
出来る、よ。
[姿変わってピン止めされたけど、まだ今のあたいは氷破の属だ。他の属性混ざっちゃいるけど。
だからこっくり頷いたのさ。]
封印、するの、は、……ハルナ?
[さっきから遠くで様子が変だなーってのは見てたんだけど。
そう?って一応確認しといた。]
[そうして、ゼルと漫才をしていた(彼女視点)ナタルが雪色に声を掛けるのに、ああ、まあいいかと思い]
しっかし、姫、ねぇ
あのお転婆お馬鹿っ娘が、ねぇ
[ブツブツそう呟いていたとか]
[ゲルダと視線が合うと、男は、ゆっくりと首を振る]
ベッティ殿も消えてしまった。何がどうなっているのか、判らんな…
[その言葉を二人が信じるかどうか]
[黒江から向けられた視線>>+32には気づいていたが、突っ込みは後回し。
今は他がかなり、まずい気がする]
……ほう。
この場で禁句を口にするとはさすがだね。
…………じゃあなくてっ!
[さらりと禁句を口にしたベッティ>>+33に、つい突っ込みたくなるのは、押さえた。
ちなみに、不用意にその言葉を口にして寸止めに刻まれたものは数知れず──というのは、恐らく友のみが知る所だろう]
……榛名本人、というか。
榛名の中の何か、だね。
根本的な解決になるかはわからないけど、それを押さえないと色々と危険な気がする。
……闇の力は、まあ、頑張って相殺するさ。
まだ、戻りきってないけどね。
/*
無理に今進めようとするなー!
ちゃんと寝てくれー!
……エンドが見えてないし、キャストロールもつくってないのよ、まだ(ほろり。
[男は距離を保ったまま、イヴァンとゲルダを見比べるように見る。探査の力を持つ二人がこの場に残ったのは偶然ではないだろう。まだイヴァンにダメージの残るこの機会を捉えて、その足を踏み出すか…それとも、踵を返し、姿を隠すか…迷いは、その表情にも顕われたか]
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