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小説家 ブリジットは、青年 アーベル を能力(襲う)の対象に選びました。
小説家 ブリジットは、おまかせ を能力(襲う)の対象に選びました。
小説家 ブリジットが「時間を進める」を選択しました。
[話が一区切りした後、どこからともなく現れたスタッフがユーディットを『回収』して行くのを見送り。
イレーネを促して、建物まで戻って休息を取った。
それでも、色々と思うところがあってか、やはり眠りは浅く早朝に目は覚めて。
食事を用意して(やっぱり心配なのかイレーネの分も一緒に)済ませると、外に出ていた。
出る前に広間に寄って端末を覗き、付け加えられていた文言と、
『Judith=Kruger:Niederlage』
の表示に]
……悪趣味。
[と、呟いていたりもしたのだが]
青年 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
−東部・湿地帯−
[――ぱちゃり。
湿り気のある空気に、泥濘んだ地面。
一度は建物に戻ったが、それはあくまで「確認」のためで。
その姿は、そう長く其処には無かった。
点在する木の幹に凭れかかり、スニーカーに着いた泥を払うも、その場しのぎにしかならなさそうだった。
顔を上げる。
空は、灰色がかっている。]
にしても、だ。
[幾つかの、違和感。
昨夜、戦っているのはユーディットとオトフリートと聞かされていたのに。
実際に対峙していたのは、真紅の姿]
……なんか、前に聞いたような聞かなかったような気はするが。
[影を使い、暗殺や諜報の仕事をこなす人物。
その仕事場で、紅い人影を見かけた、という噂。
さして気に止めてもいなかったそれがふと、思い出され……それが、昨夜のアレだとすれば、その辺りは理解できるのだが]
……まるで、見てわかった、って物言いだったよな、アレ。
[ぱきり。
また、乾いた音]
―中央部・廃墟群―
[風に吹かれながら手元の端末を叩く。
広間の端末から拾い上げたデータ。昨夜チラリとモニターに映った勝負の敗者はユーディットだったらしい]
紅い女…紅?
影と紅、ねぇ。
[ふと一人の人物が思い出される。
彼の身を護った影。掠めた紅。
だが両者を結びつける情報まではまだ手に入っておらず]
注意だけはしておくか。
[それよりも今は頭痛の種があるわけで]
どこまで信用していいのだろうか。
お姫様の中の「もう一人」は。
−回想−
[冷たい床を踏み、彼女は地下を歩む。
スタッフにより運ばれた敗者は、「最低限の」手当てを受けて、個室に隔離された。拘束こそないものの、それは、最期の時を待つ死刑囚と然程、変わりは無い。
腕輪と化した鎌は、ユーディットの手首から外されはせずに――不可能だったのか、意図的になのかは、不明だが――其処に在る。]
どういう仕組みなのだろうな。
[見つめる眸は、冬の緑だった。
寝台に横たわる少女の腕に触れかけて、その手は止まる。]
『注意はした方がいい。だがそれも含めて「お姫様」になる』
簡単に言ってくれるよね。
[端末の中の文字に向けて苦笑する。
と、向きの変わった風に自分以外の気配を感じて]
おっと。
[手早く端末を操作。ポケットに仕舞って、背の低いビルディングの跡地から周囲を見回した]
少年 ティルが「時間を進める」を選択しました。
[ユーディットに意識があったかは定かでなく。
しかし、構う事も無く。
心に思い浮かぶままに、問いを投げる。]
貴様の言う、「主」とはなんだ。
そもそも、存在するのか。
幻想か、現実か――
そうまで、忠誠を誓えるものなのか。
わからないな。
[否、零されるそれは、問いにも満たない。
答えは求めていないような口振りだった。]
ま、なんにしろ。
……障害になるなら、ぶち破るのみ。
[小さく呟いて。
口の中の甘さが溶けた所で、感じた気配に、短く声を上げる]
……ま、『用事』があるなら、向こうから来るだろ。
[小さく呟いて、もう一欠片、口の中へ。
甘さが心地よい]
さて……俺は俺で、どうするか。
[個室を後にして、モニタールームに向かう。
ポツリと置かれた椅子に腰を下ろして、足を組み、頬杖を突いた。
片手で操作盤に触れて、映像を展開していく。情報は、武器だ。
同時に、「ブリジット」を見なければならないのは、苦痛でもあったが。]
酷いものだな。
[イレーネとの会話を辿る。
側から見れば、まるで謎かけのような会話。]
制御に問題があるとは、思っていたが。
やはり、同じ能力を有する以上は、耐性がある――か。
[傍らに置いた端末に、結わえられた飾りに指先で触れる。
二つの鈴のうちの、一つ。初めから在ったほうは、音を奏でない。根元、紐と繋がる部分には、尾の生えた玉。母の胎内で眠る胎児にも似た形。
失敗かな。声無く呟いた。]
確認を取るか否か。
[わざと流されたと思しき声にクッと哂う]
まあ彼なら。
いきなり来ることもない、と思えるか。
[そのままビルの端から外へと足を踏み出す。
落下は着地の直前で緩やかなものとなり、僅かに浮いたまま声の方へと移動していった]
[近づく気配に、すい、と細くなる蒼。
周辺は、今はあらゆる意味で『自分の空間』。
何か事あればいくらでも対処できるから、と余裕は崩さず]
よう、散歩か?
[近づく気配にかける声は、軽く。
左手の、半分ほどになった包みと合わせても、妙に日常的なものを感じさせるやも知れず]
まあそんなところだね。
ここが一番「いつもの」の感覚でいられるところだから。
[地面に足をつけないのは警戒の為。
それでも相手の方が『有利』であるのは承知の上]
おくつろぎのところすまないね。
あなたならまだ話せるかと思ったものだから。
[チラリとその左手の包みを見て。
この状況ではまるで平和の象徴のようなそれに、揶揄うような笑みを零す]
大切な彼女からの贈りもの、かな?
[降り立たない様子に、くく、と笑う。
さすがに、こちらの糸の事は、わかっているようで。
それ故のやり難さと面白さのある相手ではあるのだが]
「いつもの」ね。それは同意だな。
妙な話だが、こういう場所は見慣れてる。
[軽く返して。
贈り物、という言葉にはまーな、と、さらり]
[そもそも、「不要品」の話が真実ならば、危うい立場なのは彼女とて一緒で。
それに「実験」が失敗したとなれば、使い捨てられるのは目に見えていた。
しかし尚も、彼女に感情のいろは窺えない。
まるで関心の無い様子だった。
深い緑の眼は、何処か、異なるものを見ている。]
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