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[導師に頷き返した学長は、ここまで辿り着いたゼルギウスとゲルダにいつもと変わらぬ笑みを向けた]
良くここまで試験をくぐり抜けて来ましたね。
その努力に敬意を表して、あなた方には、特別に私の秘密を教えて差し上げましょう。
[今は、「影」ではない生身の姿で、そう口火を切る。やたら楽し気に見えるのは気のせいではないだろう]
実は、この身体は「賢者の石」と呼ばれるものの器です。私の内に封印された石のおかげで、私は無限のマナを供給され、肉体は、どんなに破壊されても必ず再生します。
まあ、要するに、この世界で一番丈夫で長持ちな魔法使い、ということですね。
[なんだか突拍子も無い事をさらりと言いながら、指輪を嵌めた手を二人の前にかざした]
無論、無限に再生すると言っても、ダメージを受けないわけではありませんし、使う魔法は普通のものですから、勝負は公平に可能ですよ。
ただ私は何があっても私が死ぬことがありませんし、マテウス導師も丈夫さは折り紙付きですから手加減も遠慮も無用だということです。
まあ、ここまで勝ち残って来たあなた方には言うまでもないことかもしれませんね。
[青の石が始まりを告げるように輝きを増す]
さあ、それでは全力でいらっしゃい。御相手しましょう。
学長 オトフリートが「時間を進める」を選択しました。
/*
夕方に終わっちまうと追試の時間が無いな。
かと言って表のバトルが終わっちまうと表がやること無い。
クッキー当ての出番か!(違います
[促されるままバトルエリアへと足を踏み入れる]
導師二人が相手とはな…
[受けてきた講義でも、またこの迷宮においても、導師の魔力は別格だというのは十分以上に理解していた。]
[さすがに戦う前から緊張が走る]
[エリアの変化と、オトフリートの告白]
[いずれも自分たちを戦いやすくするためのものだと理解する]
お気遣い、痛みいる。
[そして同時に、身の内にどうしようもない衝動、業ともいえる感情が沸き上がる]
.oO(…ここまで舐められっぱなしは少ししゃくじゃないか?)
[無論、これは試験なのだということも、相手が実際に強く尊敬に値する導師ということも知っている]
[それでも衝動は止まない]
.oO(まったく度しがたいな、我がことながら…)
[そして、軍刀を抜き放つ]
[足下、至近の草花は一瞬で焦げ付き、少し離れた草木は熱に萎れる]
[山火事、野火が形をもったがごとき灼熱の人がたは、一度剣尖を下げると]
ベナリアのゲルダ、…参る。
[名乗りをあげ、そして会話はそれだけで十分だとばかりに戦闘を開始した]
シッ!
[いつものように小手調べ、剣から火炎がほとばしり、相手へ殺到する]
オーヴァン、ゴー!!
「探すの俺かよ!!」
[なんてじゃれあいながら使い魔を探し始める。]
「しょうがねぇなぁ、ホント。」
[水色の異界龍はどこか嬉しそうな声で探している。
そのうち、使い魔の一匹を見つける。]
「…おい、いたぜ!」
やった!
「なんか、だんだん体力ついてきたなぁ。」
[なんとなく方向性を見誤ってる気もする。
使い魔から素材を手に入れると、少し考えて]
ヘルムート、持ってて。
あともう一個、あたしが取ればそれで大丈夫でしょ?
[その前に他の追試験者が取りに来る可能性もあるんだが。]
良い闘志です。
[笑みを崩さぬまま、殺到する炎を避けるでもなく、輝きを増した青の石に軽く口づける]
『この手に宿るは力の色、青き力の色に従いて、青き氷の刃となれ』
[古代語の詠唱と共に、青の光が冷気を纏い、絶対零度の氷の刃となって炎を切り裂いた]
ちょっと熱かったですねえ、では、お返しです。
『青き刃よ、炎を貫け!』
[優雅に弧を描きながら、けれど鋭く振り下ろされた腕の動きに従って、氷の刃は炎の源、灼熱の人型と化したゲルダに向かって一直線に飛ぶ]
[ちなみに、炎を避けずに受け止めた学長の身体はすでに再生が始まりかけていたが、再生できない焦げた上着からは、ぷすぷす煙が上がっていた]
あれ、それ言っちゃうんですか。
[オトフリートの告白にけら、と軽く笑って言う。
元より知っていたようで、その告白に対し驚く様子は微塵も無い。
丈夫だから、と言う言葉には小さく肩を竦めて]
ま、学長程では無いですがね。
そこそこ自信はある。
と言うわけで遠慮なくいらっしゃい。
[種族特性にもよる身体能力の高さは良く知られている。
故に隠すことなく言い、ちょいちょい、と挑発するかのように右手を動かした]
って、前はゲルダじゃなくてゼルギウスなのか。
剣技対決でもするかと思っていたが、当てが外れたなぁ。
まぁ良い、予定通りにあれを使うとしよう。
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