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[腕の中、こぼれ落ちる赤の雫が止まったのは、アーベルの心臓が止まったせいだろう。男は、狼を抱いたまま、じっとその場を動かない。刃は未だ、手の平に食い込んだままだった]
[クレメンツ、イレーネ、ナターリエがいる窓の近くまでよる。崩れた。と言う言葉だけ聞こえて]
で、どうだ?
[イレーネを見て問う]
[男が振り向く。
刃が見えた。赤が見えた。
腕に抱いた、蒼い狼は動かない。
風は静かだった。音は無かった]
――……………ッ、
[離した手を、思い切り、振り上げる]
[高らかに、音が響き渡る]
……んで、だよっ
なんで、
なんで、そんな……っ
[今度は、堪えられなかった。
一度堰を切った涙は、留まるところを知らず]
アーベルを……!!
[派手な音と共に男の頬が張られた。先刻上着の裾を掴まれた時にも思ったが、この青年の力は意外に強い]
………ってーなあ………
[掠れた声でぼやいて、ダガーを狼の身体から抜くと、そのまま右手も一緒に上着のポケットに突っ込んだ]
[ちらりと、イレーネの朱い花を見てから]
そか。ほんとに手間だぜ。ちゃんと死んでるんじゃねえの
[何をした?という目をクレメンスに向けながら]
もし失敗したらどうするおつもりです?
[少し脅すような声音で言った後で、小さく笑う]
[クレメンスがイレーネを見て問うのには考える仕草を]
イレーネさんですか…?
どうなのでしょう…わたくしは見ていませんから。
大丈夫だと思いますよ、一応。
というより、それしかなかったもので
[シスターに笑った]
それに言ったじゃないですか
アーベル君は覚悟して、それを飲んだんですよ。
仕方ねえだろう。俺も、こいつも…
[男は雪の上に狼を横たえ、気怠げに口を開く]
生きる為に戦っただけだ。
[立ち上がり、背を向ける]
覚悟…二度と目覚めないかも知れないという覚悟、ですか……。
二重の意味での覚悟だったわけですね。
目覚めますよね?
[さすがに少し不安になった]
[クァ、]
[鳴く鴉は何かを伝えようとしているようで]
仕方ない、って……
……仕方ないって、なにさ……!
[白い雪の上に、
蒼い狼が横たえられて、
赤い色が広がっている]
[ぼやけた世界では、それが真実]
[身体から、力が抜けた]
なるほどな
[あの時、あっさり落ちたのはそういうわけか、と合点がいく
そして森のほうから軽いざわめきと複数の足音が聞こえる
あの咆哮は村まで届いたのだろう]
遅すぎる…が、ちょうどいい。またいってくるぜ
[手をひらひらとさせながら、背を向けて、来た道を戻っていく]
予定では、一日くらいで目が覚めると思います。
[シスターに答えるのは飄々と]
さて、アーベル君の死体を、見せなければなりませんねぇ。
そして隠さないと。
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