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……。
[ 余り他者の機微に聡いとは云えぬ青年でも、其の様子が不自然なのは明白で、如何したものかと視線を彷徨わせ額に手を遣り息を吐く。]
無理すんな、って云っても其れこそ無理だろうが。
少しは吐き出せ。
[ 然う云い遣るも神父の言葉を耳に留めれば其方へと視線を向ける。]
……人狼?
昼にも、云っていましたが……。『退治屋』だとか。
[ 訝しげな声。]
[ 確か。表向きの彼は聞いていない筈だから、然ういう反応をしなければならない。悟られてはならない。知られてはならない。……嗚呼、同族も叉、斯うして欺く事を憶えていったのだと理解する。]
……ハ。
[ 微かに自嘲の聲。]
[悲鳴の衝撃から][暫く後]
トビー。は、なれて。つら、い。
[震えがまた]
[それでもしがみ付く腕を捥ぎ離そうとはせず]
[不快感と恐怖の入り混じった][眼。]
ねえ、なんで。
なんで、あんなことするの?
あんな、酷い……。
[足以外のアーヴァインの遺体を彼女は見てはいなかった。
昨日見たものも十分に酷いものだったが、自分の部屋にあったあれは、既に人であったとは思えないものだ。
アーヴァインの遺体を自分達が見ることを止められた理由がやっと、実感として理解できる。]
なんで私なの?
ええ。
異端審問官とは、元々そういった職業です。
職権濫用をなさる方も少なくないのは、嘆かわしい限りですが。
何をお聞きになりたいので?
[ハーヴェイの方へ視線を。]
[ネリーに縋る少女と、周りで交わされる会話に暫し思考が止まる。
その視界の隅でローズを捕らえ、部屋の隅で座り込む姿にそっと近寄る。
その様子は怯えているようで、視線を合わせるようにして囁く]
…大丈夫、ローズ。
大丈夫、だから。
[そう言ってそっと抱き締める。
少しでも安心させようと]
す、こし、やす、みたい。
どこか、ある?
[じっとりと][脂汗の浮いた]
[蒼白な顔面に][何とか笑みめいたものを]
[少年に向ける]
……書物の読み過ぎではないのですか。
[ 其の様な話は彼も読んだ事が無くはないが、コーネリアスの云い様に口唇から零れたのはそんな感想。あくまで物語上の話だ、馬鹿げている。
ルーサーの視線を受ければ何を訊ねたものかと口許に手を当てるも、今直ぐに言葉は出て来なかった。]
取り敢えず、広間に入りましょう。此処では冷えますから。
[ 然う云って、皆を促す。]
[休める場所と訊かれて、その顔色と脂汗に改めて驚く。]
えぇと、何処か部屋に…お兄さんの部屋って何処…ううん、ボクの部屋でいいならそこに…っ!
[自分の部屋に戻れるのなら訊きはしないだろうと、まだ遠くはない自分の部屋へと、笑みに答えるように頷いて。]
何故、…?
[視線は階上を睨んだまま。その手に僅か力が籠る]
それは、…
恐らく奴等だから、です。
人の気など知らない…いえ、知っているからこそ、あのようなことを。
[小さな小さな、囁くような声。
あのようなことをする生き物を、彼女は一つしか知らなかった]
[少し落ち着いた様子のローズをソファに座らせて、自分もその隣に座る。
手は離さないままで。
やがて広間に人が入って来るのを見て、ほっと息をつく。]
……そんな簡単に出来ない事くらい、俺だって解っている。
話したって、理解して貰えない事もあるんだし。
[ 俯いたメイに返す言葉は素っ気無く、何処か冷たい響きを持つか。然れども其れは確かに本音に違いない。彼とて他者に云えない事くらいは有るのだから。]
けど、俺はこういう云い方しか出来ない。他に知らない。
[ 少しばかり苛立ちを孕んだ表情は近しい者にしか見せぬもので、然し其れも瞬きをして再び吐息を洩らせば、直ぐに消え失せる。]
中。入っとけ。
[ コーネリアスの声は聞えていたろうか、振り向かずに開かれた扉の内へと入る。]
[突然聞こえた、ネリ−以外の声に肩を怒らせて顔をあげる。
見上げればそこには牧師……いや、今はもう神父となった男の姿。
彼の側には金の髪の少女。その背後に居並ぶ面々に、やっと他にも人がいたことに気づく。
他者の存在が、抱き締めた腕の温もりが、ヘンリエッタに安心と落ち着きを少しずつ取り戻させる。
落ち着きは、少女に昼間話を聞いた時から心にあった疑問を思い起こさせる。]
……あの音が聞こえた時、私達は皆、広間にいたわ。
玄関にあれを置いてくるなんて不可能じゃないの?
……ああ。
[コーネリアスの言葉を聞き。]
やはり。
この場所は……呪われているようですね。
30年前に、全て封印したと言うのに。
[ぼそり、と。]
[ 死を厭い感じ取る彼女と、
死を齎すであろう自分と。
其れらが交わる事は、無いだろう。
相容れぬもの。
だから、表面上の付き合いにしか過ぎない。
其れ以上は、――面倒臭い。
其の筈なのに、如何して斯うも構ってしまうのだろうか。]
[突き放すような言葉に、小さく息を吐いて]
……わかってるよ、そういう言い方しかできないのは。
でも。
[でも、どちらかといえば。
その方が自分にはありがたいから、と。
それは心の奥で呟くに止め]
ん……ここ、寒いから、ね。
[代わりに声に出したのは、こんな呟きで。
ゆっくりと、広間の中に入って行く]
[懇願の眼で見つめられて。
傷に触れぬように、すぐ支えられるようにと傍らに寄り添いつつ、彼の部屋へと案内する。
最後にベットメイクされたまま、誰も寝ることなかった剥き出しのシーツに倒れこむように沈んだ身体に、剥ぎ取ったままだった上掛けをそっと被せて。
洗面台に置かれたままだったタオルで、額の脂汗を拭った。]
……どうしよう。誰か…呼んだ方がいいのかな…。
[呟きに答える声は無く。]
「三十年前――」
[ルーサーから漏れた言葉に、少女はピクリと反応する。
しかし解かれる抱擁にその変化を滲ませることなく、少女は男の手に導かれ広間へと足を進める。]
[途中、ネリーと共にやって来た、憔悴しきったヘンリエッタを視線に収めれば、眉を下げ泣きそうな顔で頭を下げて――]
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