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水人 クロエは、妊婦 ブリジット を投票先に選びました。
[ゼルギウスの言葉には、きょとり、としつつ。
それでも、ここでできる事は限られているから、わかった、とだけ返して]
いんや、謝る必要なんてない、ない。
俺にできるのは、このくらいなんだしさ。
[首を傾げるローザに、笑顔を向ける]
あ、そっか、産湯用……か。
はい、りょーかい。今かけてる分、沸いたらそれ用に持ってくるよ。
[クロエにも頷いて。
ブリジットが我が子に語りかける声に、ほんの一瞬、瞳を翳らせた]
職人見習い ユリアンは、妊婦 ブリジット を投票先に選びました。
…太い紐、ねぇ……。
ロープとかか?
いっそタオルきつく捩って作った方が早いよーな?
[結局はその辺りに放置されていた裁縫道具で、数枚のタオルから器用に綱に似た物を作り、元居た部屋に戻る]
こんなん作ってみたけど…。
要るようなら、使って。
[誰にともなく、差し出した]
今はな…ま、ないものねだりをしても仕方ない
湯も用意されてるのか。じゃあ布な…
[とユリアンが湯を用意していたのを見た後。ローザに答えて、部屋から出ようとしたところで、様子が変わったブリジットを見て足を止める]
…おい…悲しさ苦痛。生まれてもいいことだらけとは限らないが、それでもいいこともある…だから来い
[それは母体への励ましではなく。生まれ来るものへの...なりの願い]
行商人 ダーヴィッドは、妊婦 ブリジット を投票先に選びました。
ああ、後でな。ちょっといっておかなきゃならないことが出来ちまったしな
[ここですぐ問いたださないロミやクロエやユリアンに頷き返す]
うん、ありがとう。
…でも、無理はしちゃだめだよ?
[ロミの返答には心から感謝を述べるが、この状況はロミに辛いものもあるのは解っていたから言葉をついで。
ハインリヒの言葉には苦笑を返した。自分は母という存在を知らないから。]
うん、本当に。
…クロエも無理はしないでね?
[自分が初めて立ち会った時は、むせかえる血と体液のにおいに倒れそうになったことを思い出して]
[ゼルギウスの言葉を聞いて、その様子に気にはなったけれどブリジットを放すわけにも行かず]
悪い、後で聞かせてもらうな。
[とだけ返して。
それでも自分に出来ることは、こうして手を貸すことくらいなのだけれど]
「おそろい、おそろい」
[楽しげに言うものの、驚いたようにも見えるカルメンの様子に、鸚鵡はこきゅり、と首を傾げ]
「うん、すきなのに、きらいなのー。
だから、うたわないのー。
ユーリィ、ヘンでしょー」
[なんか色々、あっさりばらしてます]
───。
[視界はこの痛みが始まってからずっと、よく見えなかった。
この世界が見えなかった。
代わりに見えていたのは───光。
自身の腹に溢れている光の集合体だった。
それが、少しずつ薄れていっているのが、ブリジットには見えていた。
より正確には、自分の子供だけではなく、近くにいる人物全てが光に見えていた。
これは生命の輝き。
生物が生きている魂の光。
人間とか、人狼とか、動物とかそういうのは全て関係なく生き物が持っている大事な心が光っているのだ]
?
ごめん、あたしには後で教えて。
[ゼルの言葉には何かがあったのだろうか、と思うもこの場を離れることは考えられず。
ユリアンの返答には、ありがとうと微笑み、ブリジットの声には、同じ思いを込めてブリジットの下腹部を撫で。]
…ぁ、ダーヴィッドさん。
ありがと、わざわざごめんね。
…こんなもん、かな。
[受け取ると、ベッドの桟に両手で持てるように引っ掛けて]
─台所─
[自分の反応に首を傾げるロートスが分からず、その理由を言うことは出来なくて。
お揃いと楽しげに言う声に笑みを浮かべた]
すき、なのに、きらい。
だから、うたわない。
きらい、だから、うたわない、は、わかる。
すき、なのに、きらい、わかんない。
うん、へんー。
[同意を求められると、うんうんと頷いて見せた]
[聞いたことをそのまま受け取り、そのまま話すカルメン。
彼女に知られたと言うことは、そのうち他にも伝わる可能性が高いと言うこと。
ふと思い出した時に口にすることが多いが、果たしてどうなる事やら]
[ダーヴィッドの用意したものを、ローザがベッドに仕掛けるのを見て、ブリジットの手をそれに導いて]
ほら、これを掴んどけ。
[そう言って掴ませようと。
掴まれていた自身の腕にはしっかりと手の跡が残っている]
大丈夫。血には…。
[ローザに答えかけ口篭る]
僕も一応、男じゃないから。
少しは耐性あると思うよ?
[誤魔化すよに、軽口のように続ける]
流石だなぁ。
[ダーヴィッドが差し出すタオル綱を見て、ハインリヒに同意した]
[自分の出生は、よく知らない。
ただ、後に聞いた話ではカテゴリーF───要は失敗作だったらしい。
自分でもコントロールの出来ない力。
更に、使えたところで、周りの生物の光が見える。それだけの力でしかない。
そういう経歴で捨てられ、生きてきた人間がまともに生きられるはずが無かった。
それを変えてくれたのが、今の旦那だ。
自分の全てを包み込み、支えてくれて、励まし、心配もしてくれた大事な人。
この3年間、とても幸福だった。とてもとても幸福だった。
出産は絶望的だと言われていた。
小柄な体、元来の体の弱さ、それ以上に、子供が出来ない体質なそうだから。
だからこそ、子供が出来たといわれたときはとても嬉しかった。絶対に産みたいと思った]
はいです。
無理、しないです。
[小さな声ながら、ローザには気丈にうなずくのだった]
ちゃんと生まれて、一緒にお家に帰るですよ。
ロミも遊んであげるです。
[お腹の子に向けてか、手は掴んだままでそっと言う]
んじゃ、俺、台所戻るよ。
カルメンとロートスだけにしとくのも、心配っちゃ心配だし。
[微笑むローザに、できるだけ明るい声で言って。
足早に、産室となっている部屋を出る。
数歩、廊下を進んだところで、ふと、足を止め]
……大丈夫……だよな。
[誰に言うともなしに、呟いてから、台所へ。
……鸚鵡がいらん事言ってるなんて、知る由もなく]
─ →台所─
後で?何を?
[何人かから、ゼルギウスに伝えられる声に首を傾げ、そちらを向いた]
器用っつーか、あるもの使うのが旅の智恵ってね。
脱走にも便利だし。
[謎の使用方をあげてみる。
ローザに綱を渡したなら、軽い口調で]
どういたしましてっと。
[カルメンが笑う様子に、鸚鵡は嬉しげにくるる、と鳴いて。
同意が得られたなら、やはり嬉しげに、再び歌うような鳴き声を上げる]
[いらん事言いは天然か、それとも故意か。
長く生きる鸚鵡だけに、後者の可能性、高し]
[部屋へ向かう途中。ダーヴィッドに]
後でな…ここじゃちょっとしづらい
[と、すれ違い様に声を潜めて伝える
そして倉庫へと向かい。本当に手当たり次第。布をもってくる
とはいえ、あの大人数の中。この荷物もいれると、いざというとき邪魔になると思い]
邪魔になるから廊下と…広間においておくぞ。
[と廊下から部屋へと声をかけ。半分を扉のすぐ横に。そして広間へと残りを持っていく]
― →広間―
[その大事な子供の光が失われかけている。
それがブリジットには耐え難く苦痛だった。
この子が消えてしまった後は、2度と子を成せないのだと思った。
だから───]
……世界は……素晴らしいんだよ……。
色んなところに……希望があるんだよ……。
美しいものが……いっぱいあるんだよ……。
楽しいことが……溢れるほどあるんだよ……。
そりゃまあ……嫌なことも……苦しいことも……痛いことも……色々とあるけど……それでも……この世界に生まれて良かったって……心から思えるんだよ……。
だから───
[だから───]
─台所─
[ロートスの歌うような鳴き声に、真似するように音を取る。
リズムを取ろうとしているのか、身体が左右に軽く揺れた]
la lu lala lu luli lula la...
/*
そして。
見事に。
トラウマぶん抜かれ、か……。
気のせいでしょうか。
くろねこ、ブリスの人には多分、かなりの回数ネタシンクロしたり、地雷ぶん抜かれたり、トラウマ踏み抜かれとる……!
――集会所1階・廊下――
[始めのうちはブリジットに付き添っていたけれど、慌しく行き交う皆が一室に集うのとは入れ違いに、部屋の外に出ていた。
一人っ子にとっては出産など間近で見るのは初めてで、表情には緊張が窺えた]
……ふう。
さすがに、あの人数じゃ、今戻っても邪魔になるかな。
[気にはなるけれど、タイミングを逸した気がして。
壁にもたれかかって、溜息を零す]
宿の窓から降りるとき、とか?
[謎の使用法に思い出し笑う]
そう。
みんなキミを待ってるよ。
[ロミたちが子供に話しかけるのを聞いて、同じように言う。
ブリジットの顔を見て額に眉を寄せる]
…神よ。
[初体験ではあるが、顔色が悪すぎないかと思った。
思わず呟き祈る]
よっこらせ。っと
[残りの半分の布を広間の隅におく]
…休んどくか。長く時間がかかるかもしれんのに、全員過労で倒れたとかいったら洒落にならんしな
…ゲルダさんもそうしたら?
[目ざとく。自分と同じようにか部屋から出てきていたゲルダを見つけて声をかける]
[失われかけている光に、『自分の光』を集めて、注ぎ込んでいった]
早く……こちらの世界に……いらっしゃい……。
[大きく微笑む彼女の顔は、たったこの数秒の間で、驚くほどに白く、白くなっていった]
───は……っ!!
[子が。
ブリジットの体から、産みだされようと、その体を見せ始めた]
ん、そうだね。
男の人よりは耐性あるもんね、あたし達。
[ハインリヒがブリジットにベッドの柵の綱を握らせてくれたのを確認しながら、クロエには肩を竦めて微笑み。ロミの言葉に頷いてブリジットのおなかに手を当てたままささやいた。]
皆、あなたを待ってるよ。
お母さんとお父さんと、皆があなたを待ってるから元気に産まれておいで。
……ふむ。
なにげにお気に入りかねぇ…。
[ぽそりと、ユリアンには聞こえぬよう、その背中に向かって呟き。
なんだか、お手製ロープを褒める声があるようなので、]
あんまり褒めると図に乗るよん。
いや、不要に騒ぎはしないけどさ。
[それでも明るい声を紡ぎ、常のようなちゃらけた様子を見せるのは、場の雰囲気を緩ませるためか]
─台所─
[戻ってくると、カルメンと鸚鵡の唱和が耳に届いた]
……て、もう音階たどれんの……?
[紡がれている曲が何かに気づき、思わず惚けた声を上げた]
フォーサイスさん。
ご苦労さまです。
[声をかけてきた人物に目を向け、苦笑を浮かべる]
……まあ、そうですね。
まさか、こんなことになるなんて。
[朝にも、似たことを思った覚えがある。
もっとも、意味はまるで違っていたけれど]
う……ぐ、ああ、あ……あああああっ!!
[強く、その手に握られた太い紐、タオルを握り締める。
今までよりも、更に更に強い力で]
はうあ、ああ……ああ、ぐ、うううっ!!
[汗が次から次へと、流れて止まらない。
自然と体全体に力が入る]
ふ、う、ああ……すーすーはー……!
[ふと、思い出したかのように言われたとおりに2度吸い1度吐く呼吸法を]
ぐ、ううう!!
[すぐにその呼吸も崩れるが、それでも、同じように2度吸い、1度吐く]
…っ!!!
ブリジットさん、いきんで!
[赤ちゃんの頭が見えたと思うがいなや、落ちないように布を積み敷いてクッションを作り。]
がんばって…がんばって─…!!
[バカのひとつ覚えのように同じことしか繰り返せない自分が情けなくなりながらも声をかけ続け。]
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