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[見るのをやめて、ふいと後ろを向いた瞬間に、頭に響く声。
初めての体験に、思わずぐるんと頭を回して大きく振り返る。]
……??
……おやま。
[驚いたような反応に、思わず声がもれた。
反応したのだから、彼女は同族で間違いないのだろうけれど]
『しかし、命竜の御方様の眷属が外にいるなんて……』
[思い当たるフシがない訳ではないが]
ええと。
どうも、こんにちは?
[取りあえず、視線があったので。ごく普通の挨拶を]
[大きく振り向いた、自分の動きに少し戸惑いながらも挨拶をされたのでぺこりと会釈をした。]
…こんにちは。
今何か…貴方、が?
[自分でも良く分からない質問が口を出る。]
[会釈を返されれば、微かに笑んで]
何か、ですか。
それが俺からと感じたのなら、きっとそうですね。
[投げられた質問には、どこか曖昧な答えを]
…そう。
[この違和感に、なんといっていいか分からず。
良い言葉も思いつかないまま、なんとなく近くまで歩み寄り、不思議そうに瞳を覗き込む。]
……何か?
[覗き込む様子に、不思議そうな口調で問う。
感情が読めないと言われる翠の瞳には、今は微かに目の前の同族への興味が浮かんでいるだろうか]
わからない、というのは、ある意味では良き事。
それは、知ると言う楽しみがそこにあるという事だから。
[視線を外すのを気にした様子もなく、口にするのは謎かけめいた言葉。
視線を向けられた白梟は、挨拶するように、やや首を傾げて]
[オトフリートの言葉に、梟に手を伸ばしながら首をかしげて]
…楽しみ。
それも、私には良く、分からない。
[うつむきながら呟いて、梟の頬を撫でてみた。
何故か、怖いとは思わない。]
おやま。
なら、何が楽しみなのかを探す事も、残されているという事になる。
[対する言葉はどこか曖昧。さながら、無限に謎かけを続ける彼の王の如く。
撫でられた白梟は特に嫌がる様子もなく、その手を受け入れ]
楽しみを、探す…
楽しみ。
…生きる事に対する渇望を、見る、とか。
[最後の呟きはとても小さく、聞かせるつもりもなく。
梟の思わぬ手触りに、少し目を細める。]
ー広場・教会の前ー
【今日の最後の告解者である若い人妻を見送って、外に出て来る】
ああ、こんにちは。良い陽気になりましたね。
【挨拶をしてくる商店主に、にこやかに返礼して、辺りを見渡し、二人の竜族の姿に視線を向ける】
おやおや、珍しい光景だ。
【小さく呟く】
……輪転の理を慈しむ、か。
やはり、彼の御方様の……。
[辛うじて聞き取った小さな呟きに、こちらも小さく呟いて]
我が相棒、お気に召しましたか?
[続いた言葉は一転して軽く、冗談めかした響きのもの]
[ふ、と。力の波動を感じ取る。
天聖と……そのヴェールに包まれた、それとは異なる力]
『……この気の感じは……』
[いつか、どこかで出会ったような。そんな感触に、軽く、視線を向けて]
[オトフリートの呟きは、内容までは聞こえなかったようで]
…うん。
とても…手触りが、良い。
[ふと、慣れない日差しの強さに空を仰いだ]
今日は、暖かい。
昼間に梟がここにいるのは…平気?
[梟に手を伸ばしたまま、オトフリートに問うた。
自分から話しかける事の珍しさに、彼女は気がついていない。]
それは良かった。
[呟きが届かなかった事はさして気に留めず。
続いた問いに、空を見上げて]
ええ、平気ですよ。
相棒は、俺と同じで変わり者ですから。
[冗談めかした口調で答える。
それから、視線は再び教会前の神父へ。
翠の瞳には、微かに疑問の色彩]
【イレーネの会釈に礼を返し、ゆっくりと歩み寄る】
こんにちはイレーネさん。こんな時間にお会い出来るとは珍しいですね。
オトフリートさん、お久しぶりです。お元気でしたか?
【オトフリートに右手を差し出す】
…そう。変わり者。
[再び口の中で呟く。クレメンスに視線を移し、ひとつ頷く。]
爺の息子が来ていて、暫く宿生活。
今日は、なんだかだるくて寝過ぎてしまった。
─教会─
[教会内の掃除をしつつ、朝のことを思い返す
夜明け前に眠りについたのだが、強大な天聖の気配を感じ取り目が覚めた
カーテンの隙間から眼下の広場を見下ろすと、そこには予想通りの人物の姿
人にして人にあらざるほどの天聖の力を宿す少女
そしてそれを奇異の目で見る少年たち
ちらりと中庭を見る。そこで眠る件の少女から天聖の気配は、今はほとんど感じられない]
…………これも、鍵の書の影響?
お久しぶり……?
[ほんの一瞬、戸惑い。右手を差し出す人物の外見には、特に見覚えはなく。
だが、感じる気には覚えがあり。
躊躇しつつも、礼儀か、と握手に応じれば、感触は記憶を揺り起こす]
……ああ。あなたか。
[呟きは、相手にのみ届いたろうか]
そうですか、親子の団欒とは、喜ばしいことですが、あなたにとっては難儀なことですね。
長引くようでしたら、教会にお泊まりになっても構いませんよ。宿代がかかりませんからね。
【微笑んで、イレーネを見る】
ええ、変わり者です。
[呟きにさらりと返し]
ん……宿?
もしかしてあなたも「Kirschbaum」に?
[それから、ふと感じた疑問を投げ]
はい、私です。
【オトフリートの呟きに、にこやかに返答する】
もしやと思いましたが、お会いできて嬉しいですよ。
お泊まりは「Kirschbaum」ですね?
一体、いつ以来になるのやら。
この数日、既知との再会の多い事で。
[冗談めかした口調で言いつつ。
確かめるような問いには、ええ、と一つ、頷いて]
【オトフリートとイレーネの二人に頷きを返す】
あの店は、良い場所ですからね。
随分と色々な方が集まっているでしょう?
鍵の書をお探しの方も幾人か、いらっしゃるようですし、楽しみな事です。
【語る口調は世間話と変わらず】
[イレーネの返事に、やはり、と心の奥で呟いて]
それは奇遇。俺もあちらに泊まっていますので、滞在中はどうぞよろしく。
コーヒーですか……今度、頼んでみますかね。
[クレメンスの言葉に、首を傾げた]
かぎのしょ…??
[オトフリートの言葉には、瞳を見ながら「こちらこそ」と呟きつつ深く頷いた。]
自警団の方に紹介されていったんだが、確かにいい場所かと。
[色々な意味で、と小さく付け加え]
鍵の書……ああ、噂になってますねぇ。
[織り込まれた言葉を、こちらも何気なく口にする]
…………さて
[ベアトリーチェを見ていた視線を外─広場の方─に向ける
そこに感じるのは、昨日も会った強大な竜の気配と3年前から迷い込んでいる竜の気配。そしてうちの胡散臭い神父様の気配]
…………何をしているのやら
[そう呟くと、掃除道具を片付け、倉庫から持ってきた毛布をベアトリーチェに掛けてやると、日傘を差し自分も広場へと出て行く]
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