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―庭の一角(温泉)―
[突然の事に私は混乱しつつも、顔を水面から上げる。
咄嗟に息を詰めたのが幸いしたか、全身が濡れただけに留まった]
…嗚呼、衣が…仕方なきか。
[私は溜息を零し、温かな水中で衣を剥ぐ。
水に濡れたそれに手間取りつつも余り戸惑わぬは、元より入ろうとしていた故に。
やがて濡れた衣を岩場へと掛け、私は泉へと身を浸す。
温かな湯が、痛む脚を癒してくれる事を*願って*]
ん。
[大丈夫そうかな、と見て椅子に座りなおす。
スプーンのはちみつを指につけてペロリと舐めながらまわりの騒がしい空気を楽しむ。]
[空いている席に座るエルザに気付き]
こんばんは。
何か食べるものをお持ちしましょうか?
希望がありましたら、遠慮なく言ってくださいね。
[不思議そうなハインリヒには、やっぱり特に説明するつもりも無いらしい。大規模な怪我などを治療しようとすれば、対価として本人の生命力を大幅に消耗して多大な疲労感を伴うが、たんこぶくらいならどうという事も無い筈だし、と]
ていうかリディも結構ね、人間界に遊びに行くんだけど
取り返しのつかないとこまでいっちゃう人にさ、いい人だったら一緒に取り返しのつかないとこまで行くとかしない?
ていうかメイドさんは何か、人を堕落させてるような感じがしたね!気のせい?
[ムースを食べながらハインリヒの次の行動を不機嫌そうな顔で待っていたのだけれど、そこに月闇の気配を感じればわずかに表情に変化が現れるだろうか。
それが対である属性がゆえに]
…。
[不機嫌そうな顔で紅茶のカップを空ける]
…そうだったね。
全属性集まるのって珍しかったんだ。
[なにせ故郷を出てきた最初に揃うような事件に首を突っ込んだりしていたわけで。その辺の自覚は甘いんです]
ミリィさんには居心地悪いの?
[ようやく思い出せた名前と共にそんな疑問を投げて]
あれ、どこかいくの?
[突然歩き始めたアーベルを視線で追った]
うーん。リディ様も面白い方ですよね。
悩みますね。
親子二代に渡って騒動の中で、できちゃった婚とか。
[事実と反しているのはユーディットの主観だからです]
マシになってるなら、良い傾向だけど
まだまだ、足りないよ。
[もっと、荷物を落としても良いぐらい。
オトフリートの苦笑に、眉を寄せたまま、呟いて。
でもこれ以上言うのは、やめ。
俺はイレーネだけど、ノイで、オトフリートより幼いし。
偉そうなこと、いえない。]
…アーベル?
[ふら、と。
歩き出すアーベルに、きょとんと瞬いた。
さっきまで、話してたのに。どうしたんだろう。]
[無から有を生み出す訳ではなく、ただ活性化を早めるだけである。怪我人本人の生命力で賄えない場合は、それ以外の動植物から生命力を奪って分け与えることもときに可能だが……]
[水中から顔を出し、呼吸を整える。
コエは届いていたけれど、返すに間があったのは心配をかけたくなかった――よりも知られるのが恥ずかしかった故に]
…大丈夫です。少し…驚いただけ。
[偽りなくも十分ではない答え。
なれど、衣以外は無事とも言えるのだから、他に応えようもなく]
[広間の片隅。
白梟に見守られつつ、黒猫と戯れていた機竜の従魔が、ふいに動きを止めた事に、気づいた者はあったろうか]
「…………」
[唇が小さく動く。紡がれた言葉は声にはならず、他者の耳に届く事はなかったろうが。
従魔はしばし、虚空を見上げ、それから、音もなく外へと駆けて行く。
一歩遅れて、白梟がそれに続いた]
[気付けば幾人か(ダーヴィットやエルザ)が広間に増えていることを理解して]
あ、どーも。
[痛みが消えた不思議な感覚が残ったまま、呑気な挨拶をする]
[ブリジットの言葉に顎に指を当て思案顔。]
んー。居心地は別に悪くはないんだけどね。
私の生まれたところも『季節』ってやつがある場所だったし。まあ、流石に一度には来なかったけど、ね。
[ブリジットの笑みが、何だか強張ってるけど、何だろう?
すごいことだと、思うんだけどな。]
ねー、アル。凄いよねぇブリジット。
何が「よく言う」なの?
「――餓鬼に教えることなんざ無い。」
痛い痛い痛い!ひっぱんないでよ!
[また髪の毛引っ張られた。そろそろはげちゃう。
言い当てられたからって、拗ねること無いのに。
何でオレばっかり怒られるんだろ。
まるで「あんな言い当て方認めない」みたいな感じだけど
……わっけわかんない。]
[やり直しを要求してきたヘルガをちら、と見れば、その不機嫌さは増しているように感じられ]
…………。
[今やったところで許してくれないのでは、と言う考えが頭を過ぎる。いつまで経っても許してくれないんじゃ、と言う考えは持たないのだろうか]
相変わらず”新たな仔”は――未熟だね。
流れを読むことに関しては、やはりメーアの方が上手のようだ。
[少し楽しげに響く声は、誰にも聞かれること無く]
[声を掛けてきたメイドに。]
あぁ、ありがとう。
何か適当に見繕ってくださる?出来ればお野菜中心で。
後は……アペリティフでも頂ければ。
[青年が歩き去る様子を視界の隅に止めつつ、言葉をかけなかったのは、意識がどこか他所へ行ってでもいたためか]
……ま、それはおいおいと。
取りあえず、俺には時間だけはありますし?
[ゆるり、と一つ瞬いてからイレーネに返す、口調は冗談めいていたけれど。
異眸はどこか静かで。
その奥にある光、そこに宿るある意思は、果たして読み取れるだろうか。
そこにあるのは、孤独を律とする属、それ故に、孤高たらんとする頑なな意思の光]
取り返しのつかないところにいってしまうのでも、夢を叶えるのでも、それをただ見ていたかっただけなのです。
好んで失敗させているつもりはないのですが・・・。
だから、『悪魔』なんて呼ばれてしまったりするんですかね。
[罪の意識などはまるでないようだ]
驚いた……って、一体何が。
[ようやく返ってきた声に、どこか戸惑いを交えつつ、返す。
よもや、自分の呼びかけがその原因とは思わずに]
……と。
セレス?
[セレスが駆け出したのに気づいたのは、その直後か。
それを伝えてきたのは、魂を分かち合う、白梟]
今でもこんなことを考えているのですからね。
所詮はわたしも魔族の端くれ。
ひとの幸せのためにはならないのかもしれません。
[楽しげに笑う]
んー…、別に?
ずっとこうだしさ?
[こくんと口の中の物を飲み込んで、暢気に答える。
実際、ずっと治りきってはいないわけで。
切り口を喰いちぎられた部分は、痕を残しつつもふさがったけれど。]
悪魔ー。
[そうは言ったが特にユーディットを咎める気も無い]
まあ、過干渉はあんまりよくないし。
[それはあくまで精霊の理屈だが。
ハインリヒの隣を離れて、ユリアンのほうへ]
……さっさとしてほしいんだけど。
またぼっこぼこにされたいのかな。
[様々な理由から苛立ちはクレッシェンドの一途をたどり。
もはや微笑むのも面倒だとばかりにきろりとハインリヒをにらんだ。明確に。
とばっちり以外の何でもないのだが。
姿を現した月闇の女のほうをかすかににらんだ後視線はそらし紅茶とともにいろいろな感情を飲み込み]
あー、喧嘩しちゃだめー!?
[鴉とイレーネのやり取りには手をわたわたさせて。
会話の断片的に、多分自分がやったことを妖精が不満に思っているんだろうなというのは分かったから]
ごめんね、どうしてもわかんなかったから。
もうあなたにやったりしないから、ね?
[直接手を届かせることは出来ないからそんな風に言って]
[駆け出し、広間を抜け出した従魔は、屋敷の前で空を見上げる。
金色の髪の上に、白梟を乗せて]
「…………」
[天青石の瞳に宿るのは、微かな不安の色彩]
/中/
性格の部分でも相性悪そうだよね。
ヘルガとエルザって。
これはこれで面白いな。
女王キャラと、素直でかわいらしい少女と、クールビューティ(?)と。
ちょうど白ワインを開けたところでしたので、お持ちしますね。
レンズ豆の温製サラダとメロンのスープ。
それと南瓜のムースを。
[厨房へと姿を消し、すぐに両手に皿を持ち戻ってくる。
手際よく皿を並べるとぺこりと一礼し]
ごゆっくりどうぞ。
――…、刻か。
其れが、貴殿の強さなのかもしれぬが。
[背負いしものに溺れぬようにな。
じ、と。瞬いた異眸と同じように、ゆるりと瞬いた蒼を向けて
ぽつりと零した言葉は、少年のものと言うよりはむしろ]
…アーベル、どうしたんだろ?
ちょっとおっかけて来る。
[ふと、何事も無かったかの様に首を傾ぐと
青年の向かった方へと、軽く駆け出す。
頭上にとまっていた鴉は、ひらりと離れて地面へと降り立って]
[とばっちりを食ってるなんてことは本人は知る由も無い。全て自分が撒いた種だと考えて]
いやだからもうやらんから!
依頼を受けて調べようとした俺が悪かったですごめんなさい。
もう金輪際探るようなことは致しませんのでどうか許して下さい。
[蛇に睨まれた蛙の如く。脂汗とも言える汗をだらだらとたらしながら直立不動の体勢から、腰で90度曲がるような感じで頭を下げた。口調も言葉を発するごとに丁寧になっている]
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