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俺見た目若いから。
[何の自慢か]
[暗にマテウスが老けてるとも言ってるかも]
さぁて、子供かも知れないね。
空白の時間を歳に換算しないのであれば、俺はまだ10歳だ。
[からかうような言葉には、肩を竦めて言葉を紡いだ]
[尤も記憶がないからと言って年齢まで退行はしていないのだが]
…で、何で肩叩かれてどんまいとか言われるかな。
あれは冗談で言ったっつーの。
―広間→厨房―
だったら、そもそも『恩返しで貰う嫁』は違うだろうに。
本気でないならあまり言うな。
薬師殿の見た目に騙されて、懸想する女が居るとも限らんぞ。
[ゼルギウスにそう笑み返した後、厨房に入ると、どこか心ここにあらずといったようなウェンデルの姿が目に入った]
…ウェンデル?
どうした、どこか具合でも。
[そう声をかけながら近づく。]
よ、エーリ君。
エーファのことか?
一人で動けるくらいには回復したらしい。
[マテウスからも視線を向けられ]
[曖昧ではあるがそう言葉を紡いだ]
俺より婆ちゃんに聞いた方が良いよ。
ずっとついてたの婆ちゃんだから。
[聞こえてきたエーリッヒの言葉に振り向いて、老婆は答える]
ええ。
今のところは落ち着いていますね。
ただ、具合が悪くても、口に出すような子じゃなさそうなので、時折様子を見に行く必要はあるようですけれども。
……本当はついていってあげたいんですけれども、あまり過保護にしすぎるのも良くないですからんねえ。
[気づき、逆に声をかけてきたウェンデルに首を振ると。]
別に問題ない。そう狭い場所じゃないからな。
…そういえば、さっきゼルギウスに治療してもらったようだったが。
[大丈夫か?と。]
だって冗談で言ったもーん。
[離れて行くナターリエの背中にはそれだけを返し]
最後のは褒め言葉と受け取って良いんかな。
[何故かマテウスに視線を向けて訊ねた]
そうそう、エーファちゃん。
とりあえずは良かったな。
俺もそれとなく気をつけておこう。
[薄い笑み。それでも浮かべることができた。
それぞれの言葉を聞き、ヨハナの所見には軽く頷いてみせ]
ちなみにヨハナ婆のそれ、俺が小さい頃からですよね。
もはや神秘の領域。
[軽口を叩けば、普段の温度も取り戻してゆくか]
はい。多分。
何を話していらっしゃったんですか。
[まるで禍事のように、静かに口にした単語は]
人狼、
[窺う翠玉の眼差し]
の話し。なんですか。やっぱり。
大丈夫です、この通り。
体調も、特に不安な点はありませんので。
皆様方に、心配をかけるようではいけませんね。
[笑みを返し、左手を軽く振ってみせる。
隠されていることで、気は多少楽になっていた]
ナターリエさんの方は、大丈夫ですか?
気にかかる点などは。
老けてて悪かったな。
[肩をすくめて]
過去も大事だが、今も大事だとおもうぜ。
過去がどうあれ今はその歳でこうしていなきゃいけないのは変わらないからな。
[笑いかけながら]
冗談で口説くとは、すみにおけないな、ゼルギウス君も。
[エーファに対するゼルギウスの返答を聞けば視線をヨハナへ話を聞き、
口に出すような子じゃないというのには同意しながら]
その辺は難しいところか、まぁ気を使ってなにかありそうなら、
すぐに対応は出来る程度に気を配ってだな。
直接あれこれせずともな。
っと、そうだ。
ゲルダに食事が作ってあると聞いてきたんだけど。
[厨房に先に行く、という思考はそもそも無い]
まだ残ってますかね?
そう、か……。
それで、人を気遣うとか。
どこまで。
[呆れたような呟きを漏らして。
投げかけられた問いに、一つ、息を吐いた]
……ああ。
[返す肯定は、短い]
ほっほっほ。
女性には、幾つもの男性には分からない秘密があるものです。
特に年齢なんてものは、異性には分からぬ大きな秘密の一つですよ。
化粧一つで、女性はいつでも若いままの姿を留めておけますからね。
さぁな、冗談かえしかもしれないぜ。
[ゼルギウスの視線にそう答え]
ああ、今俺の分ナタリーがとりにいってくれてるぜ。
[エーリッヒにそう答えた]
[マテウスが肩を竦める様子に、けけ、と短く笑う]
そりゃ分かってるけどね。
……最近たまに何か思い出しそうになるんだ。
結局、何も思い出せないんだけど。
今日だって──……。
[夢のことを思い出す]
[あれは確かに自分だった]
[けれど自分にはあの光景を見たことがない]
[記憶の断片]
[それが今垣間見えたのは何を意味するのだろう]
あんなの挨拶みたいなもんじゃない?
お得意様喜ばしたりするには丁度良いんだ。
[良くやってるみたいです]
気にかかる点、か…。
[ウェンデルに言われて暫し考え。]
うん…いや、特にこれといったところは。
ただ、あの自衛団に連れてこられた、灰青の髪をした子。
心配でもあるが…何か、どこか変じゃなかったろうか。
自衛団に手荒に扱われて、ショックでああなのか。
それとも…何か見聞きでもしたか。
[そう、やや声低く呟くように。]
エーリッヒは、良く気の付く人で。
しかも、気付いたら放っておけなかったりするから。
[その言葉からは堅い口調が抜けて。
表情は乏しいながら、柔らかな響き。
眼差しを伏せ、呟くのは]
あの。きっと、止めても無理をやめないと思うんです。
だから、傍に居て余裕が有ったら手を貸してあげてくれませんか。
お願いします。
[頭を下げると、髪が揺れる。
ふ、と短い答えに嘆息を吐き、思い付きを問い掛けた]
…ライヒアルトさんは、教会の方だったりするんですか?
[ナターリエの台詞に、先の事を思い返す]
…人狼は御伽噺ではないと、言っていました。
誰かが「食べられた」というようなことも。
[抑揚なく答える]
以前にも、遭遇したことがあるのかもしれませんね。
……村の子では、ないんですよね。
無理に思い出せないのならいいんじゃないか?
人っていうのは記憶するものであり忘却するものでもある。
思い出そうとしても思い出せないように、
心の奥底にしまわれてるってことは、それは過去に思い出さないようにしたからかもしれないしな
[少しまじめな調子で]
パンドラの箱は開けてから後悔しても遅いんだぜ。
もっとも気になったままでいられないのならどうにもならないがな。
[すぐに笑いかけて]
挨拶みたいなものね…、
この様子じゃそのうち女に後ろからさされたゼルギウスを見る羽目になるか、
いやそれよりそうならないように護衛頼まれたりするのか?
ヨハナ婆が言うと説得力あるなぁ。
[少しばかりしみじみとした声で答えて。
マテウスの言葉に厨房の方を向いた]
ありゃ、もう少し早く来れば一緒に頼めたか。
仕方ない、自分で取りに行くかな。
[厨房に向けて歩きながら]
なに、ゼルって悪い男?
じゃあヨハナ婆もベアトリーチェも気をつけないとね。
[マテウスとゼルギウスの真面目な会話には口を挟まず。
最後の部分にだけ、その場の女性達を示して茶々を入れた]
何人も何人も。
人狼は実在するかも、なんて。
信じてるみたいに真剣に話し出して。
[嘆息は呆れから来るのではなく。
いっそ怖れから]
やだな。
[人狼に自分が、誰かが殺されりのも。
人狼たる誰かを滅ぼすというのも。
遠い世界、お伽話の中の事だと信じたいのだった]
……まあ、お人よしなのは、わかっていたが。
得体の知れない俺の身元引受人、引き受けたくらいだしな。
[五年前の事を思い返しつつ、呟いて]
……俺には、人は、救えない。
余り……期待せんでくれ。
[頭を下げながらの言葉には、目を逸らしつつ、こう言うのが精一杯だった。
他者に踏み込むのも、踏み込まれるのも。
今の自身には、重いもの故に]
……元、な。
今は、違う。
[再び鍵盤に向き直り、旋律を紡ぎながら。
問いには端的な事実だけを返した]
ん……思い出したくないから忘れてるってのは、一応分かってんだ。
…けど、忘れてるのが大切な何かな気がして。
忘れてて良いのか、って言われてる気がして。
……まぁ、どのみち思い出せないから。
無理に思い出そうとはしない。
[真面目に返してくれるマテウスに頷きを返す]
[続く言葉には調子を戻して]
あのなー、いくら俺でも言う奴と言わない奴くらい弁えてるっつの。
言ってるのは俺がそう言う軽いことを言う奴だって理解してる奴らだけ。
中年のおばちゃん達には口説き文句が効果抜群なんだ。
けどまぁ、万一刺されるような事態になりそうだったら護衛頼むわ。
[良い笑顔になった]
婆ちゃん口説く勇者が居たら俺が見たい。
[エーリッヒの軽口に真顔で返した]
ベアタは……本気にしそうだから言わない。
と言うか、どっちかって言えば妹みたいな感じだし。
食べられ…。
それって、現場を見たという事…なんだろうな。
[語られる声に、軽く眉を潜め。]
私は見かけた事のない子だった。
…まぁ、住んでいる場所が場所だからな。
あまり村の近況に詳しくないせいもあるかもしれんが。
…私は、件の死体を見てきた。
あれは、人の仕業じゃない。
獣の仕業だと、これだけは、断言できる。
[そう、目を伏せゆるく息を吐いた。]
…ウェンデルは。どう、思っている?今回の件。
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