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いろんな、もの。
[小さく繰り返す。
寂しいがわからない、という言葉。
余り変わらない表情。
どこか、何かが、引っかかる]
……命も足りなかった。
それを、君に、くれたもの……?
[名らしきものは途切れていたが。
それが、少女のまとう天聖の気と関わりがあるのでは、とふと思った]
[伸ばされた手はよけもしない。触れられるままに]
望みだよ。
……少なくとも、言わぬ言の葉があるだけだ
[そしてコトバが呼ぶ。かれの元にいる子らを。
おいで、はな、つた]
―中央部・広場―
[Kirschbaumへ足を向ける。]
[広場を通る際に一度、教会へ目を向けたがそのまま通り過ぎて、西通りへ。]
[ゆっくりとベアトリーチェのいる窓の方へと向かう]
足りない命を吹き込めるほどのもの。
それは、いったい、なに?
[そっと右手を彼女に伸ばす]
―Kirschbaum―
[戸をくぐる。
席についていつものとおりにアイスティーを注文。
窓辺に椅子があり、窓は開いたままで(そこからベアトリーチェが外へ出たのだろう)庭の様子が見えた。]
ー礼拝堂ー
[笑む]
ああ
[影が降りる、魔の影が]
それが、ほんとうの望みか。
[右の手は、その細い頸に伸び、小枝を折るように、折り取ろうとするか]
―Kirschbaum―
ん?……ティル。
[...は振り返って店内を見渡す。
ふわもこの鼻先で鎮めていた蝶の姿がいない]
[方位磁石とメモ、筆記具を手に迷宮を進む。
やがて、ヒカリゴケに覆われた、小さな洞窟のような場所に辿り着く。]
おーい、誰かいるかー。
いたら返事しろー。
[少々ボリュームを絞った声で、呼びかけてみる。
……たった一人で、モンスターとやり合うつもりは毛頭ないからだ。]
―礼拝堂―
[伸びてくる手を避けようともしていなかったが、その手の触れるか否かのところで、左の手が伸びた。]
ほんとうの望みだ。
変わらぬままに、かの女の生が、しあわせにあることだけ。
[手をかけ、力をいれ、その腕から離れる。]
君にはどうやらお気に召さなかったようだね
うん。
[コエは、すぐに返す。
戻ってきた花と蔦には、場に似合わぬ柔らかな笑みが浮かぼうか]
君があんまりにも僕の力を使うと、風だって君に望まれるままに振舞おうとはしまいよ。
だから、しばらくこの子たちは返してもらうね。
[嘘をつくのは、得意なのだ。]
─Kirschbaum・庭─
[影輝の精霊と天聖を宿す少女、二人の様子を見つめつつ、考え事をしていたが。
不意に、新たに加えられた氷破の気配。
それから、疾風の少年が呟く、ここにはいない翠樹の魔の名に、ふと、思考から抜け出す。
直後に感じた羽音に、左腕を天へと差し延べ。
舞い降りる白き梟、その表情はやや、険しくもあり]
……どうした、ヴィンター?
……マジでなんかいそう。巨大モンスターとか。
[笑えない冗談を呟きつつ。
奥に続く細い道を見つけ、慎重に進んでいく。]
こういう場所は、トラップがあるんだよなあ。
[小部屋状の部屋へ入る前に、懐からペーパーナイフを取り出し。
入口に当たる場所をつつく。]
……よし。問題ない。
[トラップが仕掛けられていない事を確認し、一歩踏み出す。]
[触れた場所からはほんの少し、ブリジットに近しいものの存在――天聖に属する精霊の力が感じ取れたことでしょうか。けれどもそれは人間と混じり合い、融け込んでしまっていて、ほとんどわからないほどにわずかなものという工合でした。]
ブリジット、どうかしたの?
[真っ直ぐに見たままに、ベアトリーチェは訊ねます。]
まるで、精霊みたい。
[触れた指から伝わってくる天聖の気配。
人間の持つそれではなく、自分達のそれに近い力。
けれどそれはすぐに人間の気に溶け込んでしまって]
……ううん、なんでもない。
きっと気のせい。
[手を離すと小さく首を振って笑った]
いきなり、ごめんね?
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