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[しばらくそうしていたのですが、声に顔を向けると、いつだか見たような男の子と、まったく知らない男の人とがいるのが見えました。]
こんばんわ。
[にこっと微笑いながら、ぺこっとお辞儀をしました。]
/中/
ちょっとイレギュラーな使い魔で申し訳ない。
ベアちゃん居るし、全員となんとか接触しておきたいんで、勘弁してねー。今だけだからー。
…………。
さりげなく、脅されている気がしてならないのは気のせいかな?
神父サマ。
[妙に引きつった笑顔。
オーダーしたプリンパフェに手を付ける事すら忘れているように見える。]
うん、そしてこうやって……。
[薄紅と少年を交互に見。]
なんとなく、ね。
長いこと、かぁ……。
だから、なのかな?
変化自体は、悪いことじゃないんだけどね。
変化しなければ、澱んでゆくのみで。
ただ、急激な変化は……激流となって、弱いモノを呑み込んでしまうから。
そうならなければいいんだけど……。
そうか。実在するのか「鍵の書」は。
そんなに厳重に隠されているのなら。
きっと見つからない方がよいものなんだろうな。
そんなにして隠さなければならないものなら、
初めからないほうがよいのに。変なの。
ーKirschbaum・店内ー
[ハインリヒに向かって首を振る]
いいえ、脅してなどおりませんよ。
主の御心に誓って、心から心配しているだけです。
[真顔]
[ベアトリーチェは気付くはずもないが、彼女は気付いている。
この地に多様な属性の者が集っている事を。
それが、予感を覚えさせたのだから。
目の前にあるのは、流水の精霊と、翠樹の魔族だろう。
それに、あの猫は通常の生物ではなく、彼の使い魔であることも。
本来は彼女が彼を監視するつもりであるのに、実際には、自由に動けない彼女を監視しているのは彼の方なのだろう。いいや、彼女だけではないに相違ない]
うん、多分。
……ううん、たぶんじゃないね。ぜったいだ。
あれは、必要だからって作られたんじゃないかな。
でも。
本当に。
隠しておくのなら、最初からなければよかったのに。
最初からなければ。
でもこうやって表に出てきたのは、なんでなんだろう。
[ため息。]
こうやって桜を、毎年、変わらずにみることが、僕の、しあわせだったのになぁ。
コーヒー?
[彼女はまだそれを飲んだことが無かった。
とりあえず危険な飲み物らしいと認識することにした]
それなら良かった。
気をつけないと危険がいっぱいね。
[にっこりと微笑み返す。
それから桜の樹を見上げてその幹に手を触れた]
本当に綺麗。綺麗で優しい。
[桜の樹はここの空気と同じように安定した気を放っていて。
若干疲れていた彼女にも気持ちが良かった]
[挨拶を終えて、再び落ちてゆく桜の花びらを追っていると、木の根もとに居る黒猫と眼が合いました。その姿は今にも闇に溶け込んでしまいそうで、ベアトリーチェの金いろの髪とはまるで対照的です。]
[ぺこりと頭を下げた金色の天の人の子に、苗床は微笑む。]
桜、好き?
[それから水の精の言の葉に、頷いて]
こうやって。ただただ、すごしていられれば。
話をしながら、すごしていられればいいね。
この桜が僕を好いてくれているのなら、それだと思うよ。
ずっとずっと、綺麗に咲いていてくれるようにって、祈っていたんだ。
[そして変化に対しては、少し顔を曇らせて]
僕もきっと飲み込まれてしまうよ。……ううん、違うか。僕は飲み込まれるのではないね。
僕はたとえ。仮令、変化が必要だとしても……それがおきては欲しくないんだ。
今のままに変わらず。そうでなければ……
[ふと口をつぐみ、それから子どものように、子どもらしく笑う。]
桜が見れなくなってしまいたくないしね。
[雷撃の力を持つ人間と話しながら、その手を胸のロザリオに添える。聖別され、毎日のミサで天聖の力を帯びた銀の奥に、沈む様に埋められた水晶の珠。最初は透明だったその石は、今は虹のように…いや虹以上に多彩な輝きを見せている。無論誰の目にもその輝きは写りはしないのだが]
[春の陽気に誘われたように、店内の隅のソファーで、うつらうつらとうたた寝したまま…この時間。ぬいぐるみのような物を抱いたままの寝顔は、普段よりずっと幼く見えたかもしれない。]
……まあ、体質に合わない、なんていうのは、珍しいんだと思われますが。
[微笑みに、返すのは苦笑]
……この場所は、とてもいい均衡がとれていますからね。
全てが、自然な在り方を保てている。
[その理由が何かは言うまでもなく、それ故に寛げるのは、否定すべくもないのだが]
笑うなよ、神父サマ。
こっちは真剣なんだ。
[ようやく、解けている部分を全部食べきった。
口の周りをペーパーナフキンで拭き取る。]
……なあ、神父サマ。
最近、冒険者やら旅人やらの入りが多過ぎると思わねえか?
[先程までとは違い、真剣な表情で。]
桜だけではないよ。
ベアトリーチェは、世界が好きだよ。
だって、ベアトリーチェは、この世界にあるのだから。
[眼は猫に向けたままですが、ベアトリーチェはそう答えます。なんでもないことのように、当たり前のことのように、答えます。]
変わるのも、変わらないのも、ベアトリーチェにはよくわからない。
でも、ベアトリーチェは、ベアトリーチェの思うままにしようと思うよ。
[それから、二人の会話を聞きながら、独り言のように云うのでした。]
――だって、ベアトリーチェは、この世界に生きているのだから。
一ヶ月……
どうしてそんなに急に、流れ出したのだろうね。
何か、あったのかな……
もしも、何かが起きる前兆なのだとしたら……
少しくらい、危険でも。あれを、喪わせてしまえば……
[しかし、無理かな、というような様子で]
……あんなにたくさん人がいると。それにここは、かれがバランスをとっているから。
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