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はいはい。ホットのストレートティーね。
今持ってくる……あ、イレーネさんお帰りー。
お腹痛いって大丈夫か?薬持ってる?
[階段を上がるイレーネの背中に質問を投げかけるも、そのまま行ってしまったイレーネに心配]
君の紅茶は味がいいんで、そのまま楽しむのが一番良いように思うんですよ。
[冗談めかした口調で言いつつ、にこりと。
ユリアンがイレーネを気遣う様子には、そういえば彼女は昼間もあんな調子だったか、と思い返し]
…きっと、色々あったから。
疲れた…
[それでも、いつも眠る小さなベッドよりも相当寝心地の良いベッドは、彼女を眠りにと誘った。]
[...はオトフリートの台詞に照れた]
いや、美味しいのは僕の腕というよりここの紅茶の葉が上質だからだと思いますよ。
この近辺で売られてないような茶葉がごろごろありますし。一体マスターはどんなルートで仕入れているのか謎。
[...はおすすめメニューと注文のホットストレートティーをオトフリートの前に置いた]
いやいや、茶葉を生かすも殺すも、淹れる者の腕と気持ち次第。
少なくとも、俺の育ての親はそう言ってましたが?
[育ての親──生命の竜王の事をふと思い返しつつ、楽しげに言って。
いただきます、と一礼してから料理を食べ始める。
竜としても特異な存在であり、そして時計が存在するこの地では人間的な食事は不要なためか、食べるペースはゆっくりのんびり]
まあ、こんなよい茶葉を目の前にしてぞんさいな扱いはできないしね。父にお茶の入れ方を教わって本当によかったと思いますよ。
[...はオトフリートに笑いかける。
そして視線を階段にやると]
なんかやっぱり心配だなあ。
ハーヴェイさん、確かこの辺に常備薬ありましたよね。
[...はごそごそ棚を漁るとお目当ての品発見。
ついでにリンゴを一つとると手早く剥いた。
そしてそれらを持って二階へ]
―回想―
[北へ向けた足を最初は進められた順番どおりに森へ。
満ちている翠樹と大地の強い気配。
それほど深入りはせず、ただその雰囲気だけを掴んで後にする]
[そのまま更に北へと足を向けたが]
……なんか、やだ。
[遺跡の外れまで来たところで足が止まった。
多数の人間が集まった空間はバランスがいいとは言い難い。
しかしそれなら南通りもそうだったはず。
あそこにはこんな印象は受けなかった]
この先にあるのは遺跡なんだよね。
……誰かにもっと聞いてからにしよう。
[顔をしかめて踵を返す。
戻る歩調は来た時よりも早いものになっていた]
なるほど。
君に扱われて、茶葉の方も幸せそうだ。
[くすくす笑いつつ、カップに口をつけて。
上へと上がる姿を、のんびりと見送る。
その気配が、完全に途切れるのを待って]
に、しても。
これだけの属が一箇所に集うなど、俺が『生まれた』時以来ですか。
[ぽつり、呟く言葉は店主にのみ届けられ]
[どうせならと広場ではなく東の住宅街を抜けてゆく。
雑多な気配の集合。それでもここはあれほど嫌な感じはしない]
あ、図書館。
[途中で見つけたそこの前では、遺跡目当ての冒険者達が何やら情報交換をしていた。
聞くともなしに聞いていると一つの単語が耳に入る]
鍵の書?
「やっぱりここの北にあるみたいだぜ」
「凄い魔術書であることは間違いなさそうだな」
「手にした者に望む知識を与えてくれるんだろ?」
『違う……!』
[流石に声にはしなかったが。驚いて足を止めた]
[...はイレーネの部屋のドアをノックした]
イレーネさん、大丈夫?薬飲んだ?
[呼びかけても反応がないので、...はそっとドアノブを回した。簡単にドアが開く]
おっす。今日のオススメは何だ?
[と言いながら入店。黒板を見て、固まる。]
大豆。大豆か……。
なあ、マスター。オススメメニューってこれだけか?
[大豆が駄目らしい。]
─北部・路地裏─
「あんた、たしかこの街の教会のシスターさんだよな」
「こんな夜中にこんなとこ出歩いてどうしたんだい」
「暇なら、俺たちの相手をしてくんね?」
[下卑た笑いを浮かべる3人組の男たち。その様相から冒険者の類であることは容易に想像がつく。その顔もほんのり赤く染まっており、アルコールでも入っているのだろう
冒険者向けの酒場街を歩いていると、馴れ馴れしく声を掛けてきたのが彼ら。私を3人で取り囲み、この路地裏へ連れ込んだわけで
まあ、彼らの目的がその鬱積した欲求の解消であるのは火を見るより明らか
それを冷めた目で見ていたが]
……まあ、こうも簡単に釣れるとは。本当にこういう類の人種は単純というか馬鹿というか
[彼らに見せつけるように見下した視線で軽く嘆息]
十四精霊王の代替わり。
あの騒動がなければ、『無限なる虚』が揺らぐ事はなく、俺が生まれる事はなかったろうな。
……新たな精霊王の強き力に、竜族としての力を合わせるために必要となった新たな竜。
……あの交代劇が、そして揺らぎがなければ、俺は。
今も『無限なる虚』の一片、ただ、揺らめくだけの意識体だったんだろう……な。
[ふとこんな事を考えたのは、育ての親である命竜王、それに近しき存在に出会ったからだろうか]
不用心だなあ、イレーネさん…寝てるみたいだし。
[...は躊躇ったが、意を決して部屋の中に入った。
そしてベッドサイドの机に頭痛薬と水差しとウサギさん林檎の皿が乗っているお盆を音をたてないように置くと、静かに部屋を後にした]
[彼女が精霊界から出てくる前。
他の精霊達の話の中でそれを聞いたことはあった。
勿論彼女は全てを知ることが出来たわけじゃないけれど]
『でも、そんな簡単に手にできる物じゃないのに……!』
[ぐるぐると思考が回る。
だからといってどうしたらいいのかも分からず、街の中をぐるぐると歩き続けていた]
─Kirschbaum・1階─
[ユリアンを見送った後、ふと囚われた物思いから覚めて]
……やあ、どうもこんばんは。
[店主に何やら訴えているハインリヒに、挨拶を]
おかげさまで。
賑やかだし、環境はいいし、お茶は美味しいし。
中々、馴染んでますよ。
[挨拶を返すハインリヒに、にこりと微笑んで]
……今回は、来てすぐ注文じゃないんですね。
[それから、不思議そうにこんな言葉を投げかける。
大豆が苦手だとか、そんな事は当然知る由もなく。
……知っていても、言いそうだが]
――広場――
[時計塔を一瞥した後、水路の源、泉へと。]
[傍らにしゃがみこみ、そっと両手を浸して息を吐く。]
いい場所だね。
[シャワーなどよりも急速に満たされてゆく。]
[だからだろうか?感覚が過敏な状態。]
[普段なら気にしないはずの、人非なるものの気配を感じ取れてしまった。]
んぁ……?
[昨夜、あの店にいたシスターが教会を出るのが見えた。]
[なんとはなしに立ち上がり、彼女の消えた方へと歩いていく。]
――→北通り――
―中央広場・夜―
[昼間よりは人通りの少なくなったそこまで戻ってきて]
星、綺麗だな。
[ぼんやりと空を見上げながら呟く。
どこか浮かない顔なのは、悩み事が解消していないせいだろうか]
ああ、宿に戻らなくちゃ。
あそこならもっと落ち着いて考えることも出来るはず。
[それでもなお星を見ながら。ようやくゆっくりと歩き出す]
─北通り─
今日は出直した方がいいのかねぇ?
[明かりのついていない工房。場所は覚えたし、また来れるだろう。
腰の拳銃につけた飾り緒を一度撫でると、踵を返す。]
―東通り―
[ブリジットと別れてから図書館へ向かい、やがてとっぷりと陽が暮れ司書に追い出される。]
[この通りは、商店の無いぶん他の通りと比べて静かだ。喧噪が無いというだけで、家並みからは様々な音が流れ出し路地に溢れて居る。]
[ミハエルは、知らずうちに顎に触れた。
小さな爪痕。
そう、大した傷跡では無い。森を歩けば小枝に引っ掻かれて付く程度の物だ。だが顔面は止まり木では無い。]
[東通りを抜けて広場へ出ると、流水の精霊の後ろ姿が見えたが気に留めなかった。水は流転するもの。何処へ向かうかなど知る由もない。]
苦手なもの……ですか?
[問いに、不思議そうに一つ瞬き。
それから、軽く首を傾げて]
んー……ないですねぇ。
何せ、養母が厳しい方でしたから。
[好き嫌いなんてできませんでした、と笑って見せる。
実際には、食に対するこだわりが紅茶にしかないだけ、なのだが]
「なんだと!?」
[3人の中でガタイのいい一人が私の胸倉を掴もうとにじり寄って来る]
『トスッ』
「……え?」
[その男が不思議そうな声を上げる
それはそうだろう。彼の胸には今黒い剣が生えているのだから。だが彼が驚いているのはそれだけではないだろう。何故なら
腹を貫かれているにも関わらず『一切の痛みを感じていない』のだから
するりと剣を持つ腕の袖からブルーが姿を現す]
……死なない程度に食べてよし
「ひゃはっ、待ってました」
[ブルーが剣の柄に絡みつき、亡と剣が輝いたと思うとどさりとその男が崩れ落ちる]
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