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きゃー、お兄ちゃんこわーい。
[笑いながら物凄く棒読みで言った]
本気なら、ね。
うんうん、その二つは特にな。
…獣やら何やらよりも、恐ろしいのは人間なのかもなぁ。
[同意した後の呟きは、どこか確信めいたものを含む]
[真紅が宙を彷徨っている辺り、無意識に紡いだ言葉のようだ]
んー……マシなのかな。
段々ときな臭くなって来てる気もするけど。
まぁマテウス、人狼について、お前はどう思う?
[少し前まで為されていた会話の対象]
[それを持ち出し訊ねかける]
…言い切りたく、ないのかもしれません。
弱いんでしょう、
ちょ、え、あ
[咄嗟に手が出た。
しかしよく滑る食器は巧く手の内には収まってくれず]
許されざるもの。人と相容れぬ獣。
人を喰らうもの…。
[そんなはずはない、という思いが大半だが、そうであるかもしれない、という思いが全く無いわけではない。
複雑な顔のまま、給仕は進んでゆく。]
…子供の悪戯を戒める為の、大人が作り出した獣、だと思っていたのにな。
[ぽつりと呟きながら、エーリッヒとウェンデルの会話にも耳を傾ける。
二人の間にある微妙なズレには気づいているものの。そういえば、その理由などはよく分からない。
そもそもエーリッヒはウェンデルが2つの時に村を一度出たし。
大人になれば皆変わっていく、その一つのようにも見えなくはないが。]
悪い。ちょっと話し込んでいたからな。
[エーリッヒに軽く謝罪して。
腹が減る、にはその通りだなと返しながら。]
[重力に正確に従って、落ちていく皿を見て。]
……………そうだったな。
[エーリッヒに、皿を持たせてはいけないと。
大事な事が一つすっぽ抜けていた。]
…片付けるか。
エーリッヒ、箒と塵取。
[持ってきてくれ、むしろ持ってこい、とは黙したまま目で語り。]
[掠めるような苦笑に、こくり、と頷く。
教会に対する、何処かしら荒い物言いには、2度の瞬き]
本当に「元」なんですね。
[声音に感情は薄い。
ただ納得を伝えるだけのような。
突如、耳を塞ぎたくなるような不協和音]
…っ、ライヒアルトさん?
大丈夫、ですか。人…呼んだ方が?
[何処か尋常ならざる様子に問い掛ける]
…。
よそい終えた皿でなくて、よかったですね。
[あまり、フォローになっていない。
むしろそれは、中途半端に手を出した自分にとっての救い。スープ入りだったのならば、目も当てられなかった]
………そんなによく、落とすんですか。
[しゃがみ込んだまま、エーリッヒを見上げる]
[甲高い音を聞くのは、ここに来てはや三度目]
……やっちまったい。
ああ、ごめん。俺が自分で片付けるから。
そういや家に補充分取りに行くことも出来ないんだよな。
[助けてくれようとしたウェンデルには小さく謝って。
現実逃避のよにぶつくさと言いながら]
ハイ、ワカリマシタ。
[ナターリエの目に、少しばかり怯みつつ。
掃除道具を探しに厨房を出た]
[ゼルギウスの棒読みに軽く笑いかけ]
それでもまだ、問答無用で容疑者全部殺せって殺しにかかってないだけ、まだましなのかもなってな。
[人狼のことを聞かれればまじめな表情になり]
そうだな、ただ御伽噺だと一笑にふせるものではなさそうだ。
悪意で人を殺すことがあるのが人間の性ならば、
それがより大きななにかを抱えてるのが人狼なのかもな。
俺には人の恐ろしさも十分にみてきたしな、
何かの比喩なのか、そのものなのか…。
ただ、俺は親しいものも多い中、その誰かを手にかけなきゃいけない事態になるとかは……。
[思考をめぐらせ、言葉を区切り区切り、
その様子は何かをおさえるように]
それでも必要なときは……くるのかもだけどな…。
ああ、火傷とかしたら困ったし。
何よりゲルダの食事を無駄にしなくて済んでよかった。
いや、そんなに落としているわけでも…。
[家事に関してだけ不器用なのはどうしてか、自分でも分かっていない。そして単純にここ5年間は殆ど運んでいない。否、運ばせてもらえていない。
ウェンデルの視線からも逃げるように、そそくさと]
/*
空気クラッシャー発動。
はらぺこマテウスさん、ごめんね(苦笑
さて、掃除道具って物置にありそうなんですが。
ここで向こうにも絡むと、流石にアレだよなぁ。どうしよ。
何もかも信じないわけにはいかないが、
信じたくないという気持ちが大きいな。
実際に、普通じゃない殺人事件がおきている。
似たような御伽噺がある、そして殺気だった村の雰囲気に集められた容疑者。
ここまで舞台もなにもそろうとな…。
[その目は若干の憂いを帯びているだろうか]
穏便に済まされるとはおもえないな…。
[数回、荒く息をしてから、首を左右に振る]
大丈夫、だ……騒ぎ立てるような、事じゃ、ない。
[痛みの理由は、わかっている。
どうすれば止まるかも、わかってはいた]
だから……人を、呼ぶとか、しなくていい……。
いや、むしろ……誰にも、言うな。
[額から手を離しつつ、告げる声は、いつになく低いもの]
エーリッヒと皿は相容れない。
相性があるとしたら最悪。
それくらいには。
[否定するエーリッヒに代わりきっぱりと、そう言いながら。
しまってある袋を取り出し、散った細かな破片を注意しながら指で取り袋に入れていく。
大きいもの意外を袋に入れた後で、手早く料理を2.5人分、盆にもりつけた。]
ウェンデル、エーリッヒに、食事は運んであるって伝えておいてくれ。
これ以上割られたら堪らないからな。
[そう言い残し、一度広間へと戻って行った。]
―→広間―
問答無用じゃないだけ、か。
そう考えるなら確かにマシかもな。
[マテウスの言葉に小さく頷いて]
人狼が実在するのかとか、伝承が事実なのかとか。
俺にはさっぱり分かんねぇ。
お伽噺として聞いて来たから、それ以上の何ものでも無い。
考えられるとしたら、人狼と言う架空のものを装った「誰か」。
説得が効くならそれに越したことは無いなぁ、なんて。
そんなこと考えてたりする。
人狼が実在すると言うなら、そんなもの効果を及ぼさないんだろうけど。
ここに居る以上、少なからず覚悟はしなきゃならないみたいだな。
[何かを抑えるようにしながら語るマテウスにじっと視線を向けて]
お前に、覚悟はあるか?
掃除用具がありそうなのは。
[まっさきに浮かんだのは先ほどの物置。
けれど足が向かない。自嘲が浮かぶ]
ああ、おそらくあっちにもあるよな。
[見当をつけて裏口の方へと。
予想通りに見つけたそれを持って、厨房へと戻る]
無駄にしたら、きっと、マテウスさんが怖いと思います。
[皿は一つ犠牲になったものの、緊張は少し解れた。
怯むエーリッヒを見て、口元に笑みが象られるくらいには。
逃げ出す……もとい、掃除道具を取りに行くエーリッヒと、広間へ戻るナターリエを交互に見送る。彼女の言葉には、はい、と答えを返して]
うそ。
大丈夫になんて見えない。
[途切れ途切れの声。
反駁するも、余計な体力を使わせるよりはと考えたか]
分かりました。
誰にも伝えません。
だから、きちんと休んで下さい。
必要なら、食事も運びますし。
[いっそ、有無を言わせぬ態度]
[戻る前に、大きな欠片くらいはと拾おうとして、指先に痛みが走る。
案の定、切ったらしい。
滲んだ赤が、白を染めた]
…あーあ。早速。
[嘆息。
間もなく戻ってくる気配がして、立ち上がった]
[ゼルギウスの言葉に同意するように]
もっぱら同じような意見だな。
それに突然人狼という化け物がこの中にいますとかぴんとこないのが一番の理由だ。
親しいやつや、前から知ってるやつはもちろんのこと、
エーファは確かに不思議な感じがするし現場にいたとか気になる点もおおいが、熱に倒れる女の子の…化け物ね…、
ベアトリーチェも同じく化け物ですとかみえねぇし。
アーベル……
[その名を呟いて人物像と印象を思い出しながら]
化け物ねぇ……。
[肩をすくめて]
やっぱ、ぴんとこないな。
人の皮をかぶったとか比喩でいうがなぁ…。
覚悟か…、
[じっとゼルギウスを見返して]
俺は生きるために人の命を糧にしてきたんだぜ?
[その言葉が意味すること、
それが必要ならば殺すこともまたいとわないこと]
もっとも、ゲルダや親しい人たちが相手ならば…、
[考え込むようにしてから顔をしかめて]
実際になってみないとわからないな。
思うところは同じか。
[信じたくないと言うマテウスに小さく笑みが零れた]
人狼が居ると言う証拠がない限りは、俺は信じるつもりは無いけどね。
あの事件だって、どこに野生の獣じゃないって証拠がある?
降り積もった雪に獣とは違う足跡でもあった、ってなら少しは信じられそうではあるけど。
そんな話も聞かないからね。
[憂いを帯びるマテウスとは対照的に、ゼルギウスはいつもの様子で肩を竦める]
[厨房から戻って来たナターリエに気付くと、「お帰り」と声をかけて]
そっちで何か大きな落としたけど大丈夫だった?
[ゼルギウスに応えて程なくして配膳された食事に表情を崩してぐてぇっと机につっぷして]
おにいちゃんもう、おなかぺこぺこでうごけない。
たべさせてなたりーちゃん。
[冗談めかすようにそういってナタリーのほうをじーっと見た]
本当に、大したもんじゃ、ない……ただの……。
[言いかけた言葉は、とっさに飲み込んで]
……持病みたいな、もんだ。
[取ってつけたように、言い換えた]
……すまない。
とはいえ、すぐに、落ち着くから、大丈夫だ。
あと、食事くらいは、ちゃんと食べに行く。
別に、身体がどうこう、という訳でもない、から。
[有無を言わせぬ態度に、一つ息を吐く。
とはいえ、反論する余力もないのは事実で。
持病という表現と、最後の部分の矛盾には気づかぬまま、早口にこう言い募った]
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