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そっちの影響受けて…いや、受けなくてもそもそも姐さんが居ない。
俺らの方が止まれば、全てのものの命の循環が滞る。
止まれば緩慢な死の始まりだ。
さてそいつは困ったな。
[ふぅと、一度天を仰ぐ。]
…向こう、戻れるようなら一旦戻りたいんだが。
今はまだ、駄目なんだよな。さて。
[どうすっかなと、言わんばかりの息をついた。]
何でだろうねぇ?
[ナタの最後の言葉には、こちらも笑みを含んだ言葉で返し。]
攻撃力の問題でもないだろ。
生命力が有り余っているんなら、
ナタに謙譲したらどうだ?
需要と供給が満たされるんじゃないかね。
[ 彼の奥に秘められた色に、ノーラが気づいたかは定かではない。一連の、恐らくは幾度も繰り返されているであろう遣り取りが終わった後、変わらぬ茫とした表情と命竜の口真似で言うと、影は相対する二人の間に入る。一通りの会話が終わるまで、退くつもりはなさそうだ。何処までの効果があるかは知らぬが。]
海が荒れれば湖に浮かぶ島に築かれたこの竜都も、
ただでは済まないでしょうねぃ。
他の属性にも影響は及び、均衡は崩れ、混乱は広まる。
面倒な事ですわぁ。
[ 困ったような写しの口調で言うも、表に出ることはない。
月闇の竜に眼差しを向けると、黒布の下より伸びたノーラの手が、その頭を軽く叩いた。撫ぜるというよりは、土を均すに似た態だが。
そうするのは、影としての役割故か、それとも他のものか。*我も知らぬ*]
[オトフリートが深く礼をする様子を見て、先程までのような笑みを浮かべ]
ええ。
御気分を害しました。
[単刀直入に言った]
ただ、貴方が悪いというわけではないわぁ。
話の道の上に、焔のが陣取っていただけですからぁ。
だから、貴方が気にする必要性は無いのよぅ?
―――それでも、気にするというのなら、今度、一夜の戯れのお相手をお願いしましょうかしら?
それで、私の気分は、確実に晴れるのですから。うふふ……。
[冗談交じりに。しかし、了承が取れれば実行はするだろう]
あっはっは!
俺の意見だけじゃ不満なら、アーベルに同じ事聞いてみればいい。
さてオティーリエは可愛いかどうか?
[おそらく傍観しているだろう精神に振っておいた。
アーベルがどう応えるか。実に楽しみだといった様子。]
別に俺、安全じゃない事は何一つしてないんだけどな。
[そんな台詞をのうのうと吐いた。吐ききった。]
極端に、過ぎたる力は何とやらだ。
[ナターリエの棘にもへらりと笑み返す。]
高すぎれば問題だろうが、無さすぎるのもまた問題、ってな。
それが破壊であれ癒しであれ。
例えば俺は、目の前で王が殺されようとしてもそれを止める事すら出来ん。
俺にあるのは癒しと自分への無限に近い回復力、それだけだ。
姐さんが傷つくだけなら癒せるからいーんだけどよ。まぁ良くないが。
まぁこんな事体だ。
万一まかりまちがって荒事が始まったら、俺じゃそっち面の力にゃなれないからな。
そういうことだ。
ええ。困ったものよ。
此方としても、そのような一時の変化は望んでいませんですからねぃ。
早急な解決が望まれるってところかしらぁ?
そのための、原因―――水が生まれる場所を見つけ出さなければねぃ。
見つけ出したのなら、次は、水を止める手段。
さて、うまい具合にことは運ぶのかしらねぃ?
嗚呼。大変大変。
[言いながらも、顔には笑みが浮かんでいる。
一時とは言え、変化が起こるトラブルというやつはとても楽しいから]
[ノーラの言葉に、また少し笑んだ]
生命のは、浮気ものですからねぃ。
色んなものにちょっかいを出しては、命を芽吹かせているわけで。
……もしかしたら、私よりも性欲旺盛なのかも?うふふ。
…いや、喰われる感覚は慣れないからちょっとな…。
[あの時味わったモノの一旦は、癒せるとはいえどうにも嫌なものらしい。
ノーラに渋面しつつそう告げて。
オトフリートとの間に入られれば、それ以上先へは無理に進まない。]
さって…と。
竜都内なら自由行動OKなんだよな。
少し調べ物でもしてくるわ。
じゃ、またな。
[ひらとそこに居た者に手を振り、中庭を*離れ。*]
何をそんな馬鹿げたことを言ってるんですか。
[クレメンスへ告げると、ため息。
アーベルの答えを聞く前に、そうやって入った。]
あなたが安全だと言い張るのは、竜郷が破壊される可能性と等しいですよ
[つまりほとんどないという話らしい。]
破壊と癒し。
なるほど。極端だわ。
過ぎたる力を守りと、他者と交じり合う力に使えないものかしらねぃ。
……全てが、ただ広がる水の如く一つに混ざり合えば、どんなに良いことか。
[最後は、少し小さな声で呟いた]
―――さて、焔の手段以外に何かあるか、私も探してみますかねぃ。
[一時後、語るのを止めて、また流れる水のように、ふらふらと*歩いていった*]
[アーベルから問いの答えは聞けたかどうか。
どちらにせよ、けらけらとひとしきり笑ってから。]
えー。俺ほら攻撃力ないし。安全安全。
[きっと安全の意味が違う。]
それは可能性はなくないって事だな。
[実際問題結界が強化されるまで、その可能性もあったしとか。
…どちらにせよ、今は無いし、そもそも薄い、という事なのだろうが。]
ああそうだ、剣、の事なんだが。
剣は剣のままで在るもんなのか?
[思い出したように問うこれは、確認の意味も含めた。]
……三秒で戻るのに、何が安全ですか。
[切り捨てた。]
言い方をかえましょうか。
竜王方がまともな状態で、竜郷が破壊されるのと同じくらいの確率、と。
[ため息。]
――剣の形状は。
わかりません。変わるのかもしれません。竜王が守るものですし
[唐突に、クレメンスとの間にノーラが入り込む。
オトは驚いたように、翠の目を瞬かせた。]
[顔がオトへと向く。
ノーラの手は確かに頭を叩いた。撫でたというよりも、あやすようにも感じられた。
思いもよらなかったことに、ただ驚いて見返すしか出来なかったが。]
[手が離れてゆき、ようやく我を取り戻したとき、そっと感謝の言葉を口にして、心底からの微笑を浮かべた。]
まぁ酷い。俺の少ない取り得なのに…!
[芝居じみた声で嘘泣きしたが。すぐ戻る。]
はっはっは、そいつは限りなく薄いな!
それこそロウとカオスがくっつくくらいの確率だ。
それとも揺らすものが直接出張ってくるくらいか?
[どちらも、世界が滅ぶまであり得そうにない。
あ、つまりそういう事と、言ってから気づいたとか。
まぁ気づいた所で態度は毛ほども変わりようがないわけだが。]
[ナターリエは軽く、しっかりと言葉を返してきて。
申し訳なく思ったが――]
――いえ、あの、それは無理ですから。
ええ。
[求められるものに、ふると頭を振った。]
そういうのは、そこの生命のにお任せします。
[ノーラをはさんだ向こう側へと、権利を投げた。]
ふん…ってことは、剣ばかり注視は出来ないんだな。
『聖魔の剣』は聖魔併せ持ち、天聖と流水に属するモノ。
『神斬の剣』は神も斬り倒す、影輝と精神に属するモノ。
そして『真なる剣』は何者の干渉も許さず退ける。
か。
[それは少し前、アーベルが口にした言葉。聞いていたらしい。]
さてノーラとナタからは強い力の感じはまだ受けなかった。
上手に隠してるのか、それとも持ってないか、外から探っただけだと微妙なとこだが。
先にちっと他の奴等を当たってみるわ。
[やる事は一応、あの騒動の最中でやっていた。
よく食えない、と王に言われる所以はこの辺りにもある。
被りきった道化の仮面は浅くない。
へらりと笑い告げながら、向かうは竜殿を離れた先。]
その取り得のせいで、幾度も命は助かったんでしょうね。
[投げる声は、存分に諦念を含んでいた。]
ええ、そういうことですとも。
だから態度を改めてくださいね。
わたしは、…"オトフリート"は男なんですから。
[聞いていたことを咎めはしない。]
ちゃんと探っていたんですね。
…そういったものにはあなたは強そうです。
[自分では気付かれず探ることなど、難しく。]
宜しくお願いします。
わたしは――側近殿を探します。
[本の虫よろしくある本を粗方読み漁り。酷使した目をマッサージするように目頭を揉む]
ぬぅ、少し根を詰めすぎたか。
[大きく息が漏れた。読み終えた本を棚へ戻すと、腰を伸ばすように一度伸びをしてから大図書館を出る]
さぁて、どうしたものかの。
[一言漏らすと、一旦そのまま商店街へと足を向けた]
─大図書館→商店街─
全くだ。俺が望む望まないに関わらずな。
[さらりと言った言葉に、内の感情は乗せず伏せた。
告げた事実には、軽い笑みがついてくるだけ。
続く言葉にも笑みは絶やさず。
それはつまり、隠しているものが少なからずある、という事なのだが。]
相変わらずで。
どう取り繕おうと、生まれ持った性が変わることはない。
そうまでしてでも片割れの代わりになりたいのかね?
[オティーリエが男に、オトフリートに拘る理由。本人から理由を聞いたことは当然無い。
口にする言葉は、命王から伝え聞いた事柄からの予想ではあったが。
軽い笑みは、僅か希薄になった。]
―商店街―
[竜皇殿を出て向かう先は、知の宝庫だったのだが。
その前に通りかかった商店街で見かけた爺その1にひらり手を振る。]
よぉザム爺。また飴でも買いにきたのか?
[少し前、陽光の幼竜に飴玉渡していたのを思い出しながら。]
おお、クレメンス。
ハリョン殿に全て渡してしまったでな。
ベアトリーチェ殿の分も買っておこうと思ってのぅ。
エーリッヒも食べたがりそうじゃし。
[かけられた声にそちらを向いて。振られる手に呼応するように、クレメンスに対して右手を上げた]
―竜都・商店街―
[連絡の後、東殿の一室を借りて僅かな休憩を取り。調べたいことがあったので本殿に向かった。
だが事態の収拾のために常より高いレベルでの立ち入り規制が掛かっており、それならばと街へ出た]
御師様、クレメンス様。
[同じようにそこに居た、或いは向かおうとしているとは知らず。見えた姿に軽く礼をする]
[それは軽い違和感となって。一拍の沈黙。]
少なくとも、わたしは良かったと思いますよ。
同族殺しはしたくありませんから。
[後に出た言葉には、わずかな困惑が秘められて。いつもどおりを装った。]
――…代わりになど、なれるとは思っていません。
[だが突かれた言葉に、僅か遅れて返す。
心の奥で、昔に夢を抑えたその感情は、少し揺れるだけだったが。]
[ザムエルの上げられた、おそらく利き腕には特に気にする風もなく。]
うはは、ちょっとにしとけば良かったのによ。ザム爺気前良すぎだぜ。
ああ、もう一人のおチビさん…お嬢ちゃんだったな。
…そういやエーリッヒもまだチビだっけ。外見それほどでもないからよく忘れるんだけどよ。
[どうにも見た目で相応の青年に見てしまいがちだが。
そういえばまだ25歳と若かったなとは、今更だ。
そんな会話を続けていた最中、かけられた声に振り返り、こちらにも軽く手を振る。]
よ、エルザ。
そっちも買い物か?
[同じように尋ねる。]
まぁ細かい探知になると専門家じゃないから十分た言えんが。
そっちは正直だからなぁ。
性格は行使する力にも現われるぞ。
[笑いを含めいう言葉には、気をつけろと、軽い警告のようなものが含まれた。具体的に口にする事はないのだが。]
…おうよ。まぁ、一番高い可能性はそこだろうし。
上手くいけば一発で当たりだ。頑張れよ、っと。
[そう簡単なことではないだろうが。
軽く―いつもの風に、言葉は紡がれた。]
おお、エルザも。
お主も買い物か?
[見えた姿に軽く右手を上げる。クレメンスへと視線を戻すと]
小分けにする袋が無かったでな。
それに沢山あった方が喜ぶじゃろうて。
うむ、ベアトリーチェ殿は樹竜王様のお子じゃ。
エーリッヒはあの外見じゃが、まだティルより下じゃからのぅ。
ハリョン殿に渡す前に飴を見せたら目を輝かせておったわい。
[孫のことを話すように楽しげに笑いながら言葉を紡ぐ]
そう言うお主はどこへ行くつもりじゃったのじゃ?
買い物と言う柄でもなかろうて。
いいえ、私はこの先に図書館に。
少し調べたいものがありますので。
[ゆるく頭を振ってクレメンスに否定を返し]
御師様の飴。
そういえばよく頂きましたね。
[今よりずっと幼かった頃を思い出し、僅かに眉を下げる]
[オカリナを下ろし、右手をすい、と上に上げる。
青の瞳が見つめるのは、雲と風の流れ]
ん。
ここからできそうなのは、こんなもん、と。
本気でやるとしたら、『座』の力でも借りねーと……って、それはそれで、ねーさんに怒られっかなぁ……。
[ぶつぶつと呟きつつ立ち上がり、オカリナをしまう。
よ、と軽い掛け声と共に城壁を蹴り、その高さをものともせずに下へと飛び降りた]
さぁて、と。
ちょいと歩いてから、戻るか。
─ →商店街─
秩序の王と混沌の王について。
そしてこの剣についてどこまで知られているのかを。
[その言葉は口には出されず、強く意識するだけで]
ふむ…やはり不可思議を知るには過去を記述されし書か?
儂も今行ってきたところじゃ。
[エルザの言葉に頷きながら言葉を発し。続く言葉には表情を崩す]
お主も喜んで食べたおったのぅ。
いつの年代でも、飴は皆好むものじゃった。
参考程度に頭にいれておきます。
[軽く答えて、ついでの警告の意を感じ取る。
少し不満そうに、呟いた。]
……正直ではないと思いますけど。
そうですね、側近殿の可能性はかなり高い。
注意してゆきます。
――大きな騒ぎにするつもりはありませんし。
─商店街─
[先の疾走とは逆に、ゆっくりのんびりと戻っていく。
風が拾うざわめきの声には、異変を察知したものたちの不安げなそれも時折聞こえ]
わはー、本気でめんどーになりそ。
[などと呟きながら進んだ先には、見知った姿がいくつか]
あれ?
みんなして、買い物ー?
[きょと、と瞬き一つした後、そちらへ足を向けつつ声をかけた]
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