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―東殿:回廊―
[中に入る。
何か音がしでそちらを見ると、機械の竜が飛んでいた。]
[色の違いには気づかない。]
なにをしているんでしょう?
[まぁ良いかと、そこを離れ、ゆく先。
小さな人影がそこにあった。]
[私の忠告を少しは心に留めてくれていると思うは…思い上がりか。
仔は自ら歩み寄りこそはしないが、その場を離れようともせぬ。
至極ゆっくりと、しかし確実に此の前へと欠片は近付いた。
幼き腕でも幾らか歩み出て伸ばせば、安易に触れられる距離。
僅かに上がる腕を制するように、身体を絡ませる力を微か強くする]
「ベアトリーチェ様。悪い事は云いませぬ、どうか――」
[此処までこれば、身を転じるのも覚悟せねばならぬ。
強い意を感じたか、幼子の視線が己へと注がれる。しかしながら好奇心と――父に会う期待と相すれば完全なる静止には遠いか。
その欠片へと、 指先が僅か、触れた。]
狽ヘ!オトがいつの間にか来てる!
すみません一人かと思って自重しなくてすみません…!
騒ぎだけ起こして逃げるつもりだっただなんてそんn(
……姿なんて考えてナイヨー。
[幼子だ、というのは認識出来た。
危険な自体が起きていると、知っているだろうか。]
[気がかりで歩を進めると、子の目の前に黒いのがいるのに気づく。]
あ、それは、だ――!
[口に出すのは、かなり遅かった。
あわてて駆け出す前で、変化が始まる。]
―――自室
……すぴー……。
[結構な長い時間寝ているわけだが、いまだに起きる気配が無い。
力を消費しすぎたとか、疲れていたとか、そういう尤もらしい理由ではなく、ただ単にルーズに寝こけているだけである]
ん……ん。
[悩ましげな声を発して、ごろりと寝返りを打つ。
その勢いで、大方の予想通り大股開きになり、とんでもない格好になった。
開けっ放しにしていた窓から流れる風が心地よい。なんとも、寝るには絶好の条件だ]
―――。
[ゆらり。
ゆらりと、その窓から降りてくるのは黒い塊―――昨夜、大騒ぎが起こった混沌のカケラだ。
なんとも頼りなげに風に吹かれ、もしくは、力の波動に引かれて、部屋の中へと舞い降りる]
……んふふ……。
[そんなことも露知らず、ナターリエが寝笑いを漏らした。
きっと、なんかエロい夢でも見ているのだろう。
そのナターリエのすぐそば……まさにギリギリ触れるか触れないかというところに混沌のカケラが落ちる。
先程、寝返りをうっていなければ触れていたのは間違い無い。
なんとも、運の良い話である]
……ああ……いいわぁ……。
[ごろり―――あ]
―――東殿・回廊
でーーーーーーーーーーーーーっ!!
[目覚ましと言うには、あまりにもな目覚まし。
元々、攻撃力は高くないのに、寝起きばなに襲い掛かってこられたのだからたまらない。
ナターリエは着るものも着れずに、その場から逃走。
簡単に言って、ストリーキングである]
何!?
これは、何なのよぉ!?
[頭が回らない。こんなところにこんなものが出てくるとは思いもしない。
―――そのナターリエの後ろからは、ジャイアントスラッグがぬめぬめと彼女を敵とみなして追いかけてきていた]
えーと。
確か、えーと……。
[全速力で走りながら、東殿のMAPを頭の中に浮かべる。
誰かが追い払ってくれるのが一番ではあるが、最悪自分で対処しなければいけないときのために、ある場所へと向かう]
…! あ…
[凝縮された闇が一寸解き放たれる様に仔の腕へと絡みつく。
己へと届く直前に、欠片はその形を変えて引き下がるが――
此処までこれば幼子の眼にも、それが異常だと感じ取ることは既に容易い。
怯えるように一歩、その小さな足は下がる。
姿を変えたそれは瞬きの間に肥大し、幼子の遥か幾倍の大きさへと変貌した。]
……っ!
[振り下ろされる触手の撃を防ぐは突如現れた一陣の風。
とっさの事に何事か判らず、幼子は眼を見開いた。]
ところで
勝手に風の魔法を前に展開させたんですが。
……実はオトを守るための陣だったら、どうしよう。とか
今更ながら思い当たった…しまった。大丈夫かな。orz
逃げて!
[ティルに指導を受けて良かったと思ったかどうか。
発動した魔法は、子を守るのに確かに成功した。]
[闇の少ない朝方だ。戦うには不利。
しかしせねばならないときもあるのだ。]
[まったく、本当に時折荒事に絡んでよかったと、子を守るために、わずか引いたそれとの間に身を滑らせた。
唱えた呪文は、成立。]
切れ!
[入り込む風は刃となり、触手を切りつける。力は人とたいして変わらなく、弱いが。]
確か……此処を曲がって……あそこを直進して……。
[全速力で走りながら、いまだあまり覚えてない東殿のMAPを思い浮かべる]
「―――」
[後ろからは、それに追いつけずも、引き離されずにずっと混沌のカケラが追いすがってくる]
……しつっこいわねぃ!
で・も!後は、そこの角を曲がって……!
[速度を緩めずに、十字路を曲がる。
―――と、そこにオトフリートとベアトリーチェの姿が見えた]
―――お仲間さん!?
って、あああ、そんなに荒事に強そうなメンバーじゃないかしらぁ……。
―――ああもう!なんか、他にもいるし!
[その仲間を発見したと同時に、もう一つの混沌のカケラも発見]
「…! 闇竜殿!」
[欠片との間に立ち塞がる人物に、私は声を上げた。
しかしその通り、力を持たぬ仔が傍に居ては、妨害にしかならぬ。]
「ベアトリーチェ様、お逃げ下さい。
この場は貴方様には危険過ぎます故!」
[仔には逃げろとの言葉に従えと促せど、足が竦んだか一向に動く気配を見せぬ。
一、二歩と更に下がりはすれど、ただ声も上げず怯えるのみ]
[子が逃げ出せぬ様子を感じとり、攻撃のために開いた口を変える。
守るための陣ならばと、昔使った言葉を重ねた。]
――界!
[簡易の防御壁。
子を守るために、風はそのまわりを廻るはずだが、発動を目でみれはしなかった。]
[子の方をむいた為、敵は背後というせいもあったが。
見えてしまったアレが、呪文より声をあげさせたせいだ。]
だから服を着――!
[叫ぶ言葉は、向こう側のかけらに気づいたからか、
それとも、背後からの攻撃を背に受けるせいか]
……オトフリート!?
えっと。ああ、もう!ごめん、もうちょっと待っててねぃ!
[攻撃を受けたオトフリートへと声は上げたが、速度はゆるめず、そのままオトフリートとベアトリーチェの横をすり抜け、そばにある扉を開けて飛び込んだ]
―――。
[ざぷん。
大きな波音を上げて、ナターリエが浴槽へと飛び込む。
体の隅々まで染み渡る、水の心地よさ。
その冷たさは寝起きの頭に丁度よく、神経が針の先程鋭くなる感覚。
速やかに―――覚醒していく。
少しだけ恍惚の表情を浮かべると、薄い笑いを浮かべて、水を体にまとわりつかせる]
―――さあて……。
反撃の始まりかしらぁ?
[水を体中にまとわりつかせた姿―――少しだけ濁っているので、体の各所は隠された―――で、浴室から静かに回廊へと移動した]
/中/
……今気づいたが。
なんかギャグキャラになっているような気がする……。
全裸キャラは最初から考えていたので自分的に無問題だけど。
─回想─
[粗方の情報交換が終わり、各竜共各々の行動を取り始める。それを見やると、己もその背に砂で作られた翼を展開し、宙へと舞う。目指す先は我らが竜王の身体たる、果てなき境界──]
[中に戻ろうとした途端だった。
走る足音と扉が叩きつけられるような音が聞こえた]
まさか。
[嫌な予感がして、その音が聞こえた方へと走る]
― →東殿・回廊―
─明け方・果てなき境界─
[ザムエルは休むことなく飛び続ける。目的地の果てなき境界は竜郷全体を囲う峻険。中心部にある竜都から目指すとなると、かなりの距離がある。現状を考えると休む気にはなれず、一刻も早く辿り着くよう急ぎ空を駆けた。
空が白む頃、ようやく果てへと到達する。地竜王の身体たる険峻、それを目の当たりにして顕著に感じる変化]
大地が揺れておる……。
これもまた地竜王様が封ぜられし影響か。
[断続的な揺れ。今は微弱なものではあるが、その回数は尋常ではなく。また、封印が長く続けばその揺れは日に日に大きくなっていくことだろう。
その様子に顔を顰めながら、地竜王留守の際に果てなき境界へと配置される留守居の者達を探す。宙を飛んだまま、探し回り、ややあって聞こえてくる喧噪]
……まさかとは思うが。
[嫌な予感と言うのは当たるものです]
「ええい、何じゃこいつらはっ!」
[喧噪の先では案の定、逃げ回っている腐れ縁の爺と数人の若き地竜。その後ろには、広い範囲で地面を覆う黒いものが彼らを追いかけている。良く見ればそれは無数の小さな虫。そりゃもううじゃうじゃと。
若き地竜達が技を繰り出し進行を止めようとするが、如何せん一個体ではないために、何匹かが潰されても周りの虫が合間をぬって更に進み出てくる。何度やってもキリがない]
なーにをしとるかお主らはっ!
[逃げる腐れ縁他の横を並走するように飛び、怒鳴り付けた。収拾をつけられぬ不甲斐無さと、彼らが混沌のかけらに触れていた情けなさが言葉に乗る。エルザが発した警告は間に合わなかったようだ]
「おー! ザムエル良いところに!
こいつら蹴散らすの手伝えぃ!」
何だってお主らあれに触っとるんじゃ!
「話は後じゃ!
あれやるぞあれ!!」
えーい、仕方のない!
[話している場合でないことは確か。「あれ」と言われてザムエルは簡易な印を組む。それに呼応するように周囲の砂が大きなうねりとなって鎌首を擡げた]
砂塵縛!
[うねる砂は行く手を阻むように黒い集団を囲い込み、凝縮するように一か所へと集めて行く。
ザムエルが黒い集団を食い止めている間に、腐れ縁の爺も印を組み、砂塵の上空に巨大な岩石を組み上げていた]
「よぉーし、行くぞーぃ!
ギ ガ ン テ ッ ク プ レ ェ ス ! ! 」
[掛け声と共に、組み上げた巨岩を砂塵へと勢い良く落とす。逃げ場を無くした黒い集団はなすすべなく巨岩に押し潰された。大きな衝突音を響かせた後、辺りは静寂に包まれる]
……お主、相変わらずネーミングセンスが無いのぅ。
「何おぅ、カッコ良かろうて」
[静寂の後になされたやり取りは、何とも間抜けなものだった]
[事態が落ち着いてから、先程の追いかけられていたモノも説明をし、郷の状況を教えてもらい。情報交換の後に再び砂の羽を広げる]
他の者達への伝達を忘れぬようにな。
あれは触らずやり過ごせば厄介なことにはならんはずじゃ。
「おぅ、承知した。
こっちのことは任せておけぃ。
おんしこそヘマするでないぞ」
だーれに言うておる!
貴様よりは上手くやっとるわい。
「何おぅ!」
[相変わらずのやり取りをして、いがみ合いの後にようやく竜都へと飛び立った。
様子を眺めていた若き地竜達は、”喧嘩するほど仲が良い”と認識していたり]
[待ってねじゃないとか、敵をおいていくなとか、時が時でなければ叫んでいたに違いない。]
[しかし敵と認識した相手をあきらめるつもりはないのか、欠片はナターリエを追った。]
―東殿の一室―
[ベットに横にも夜着を纏う事もなく、椅子に腰掛け目を閉じた青年の眠りは深い。騒ぎが起こって少ししてから目覚めたのは、夢の中で刻んだ記憶の欠片を繋ぎ合わせる作業に無意識のほとんどを割いていた為だった]
――…?!
[ぱちりと音がしそうな勢いで瞼が開き、首を巡らせながら立ち上がって扉を開く。そして滑るように叫び声の聞こえた方へと動き出した]
[流水殿の姿にか、現れし別の欠片に気付いた為か。
幼子に見せて良いものか一寸逡巡したのは否定せぬ。
――しかし何れにせよ、目の前の敵から気を逸らしたのは私とした事が愚策であった。]
…、後ろ…っ!
[言葉が詰まる様な子の声に、闇竜殿の背に繰り出された事態を知る。
闇竜殿によって直前にて巡らされた陣は幸いと言うべきか――子竜に害は及ばねども]
「オトフリート殿!」
[子が伏した闇竜殿の傍へと駆け寄るのと、水竜殿が欠片の前へと立ちはだかったのはほぼ同時か。
幼子とは言え、自らの仕出かした事は理解出来たらしい酷く泣きそうに写る。]
[叫び声に聞こえたのは、心の叫びというか激しい動揺の気配だったのだが、非常事態である事には違いない。
夢渡り飛びこむは迂闊と滑る様に向かう]
……無事か? 一体何が…
[邪魔せぬよう囁くような問いを投げる。夢中であれば聞こえない程度に密やかに]
−東殿自室−
[目が覚めたのは何時頃だったか。
寝台から起き上がりむくり。体を伸ばしこきこきやりながら、あー良く寝たと扉を開けて。
―――――びゅん。
何かが目の前を通り過ぎた。
――――――びゅん。
その後を追いかけるように何かが通りすぎた。
どちらも共通して何やら寝起きに染み渡る光景だった。気がする。
ぱたり。
扉を閉めて、何事も無かったかのように*二度寝決行。*]
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