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[乱される髪に揺らめく意識。
僅かに見開かれる、緑の瞳]
マイルズ様、……主。
[続く言葉は直ぐには紡げず、俯き。
下りる影が、その表情を覆い隠す]
俺のような者に、勿体の無い。
[伏せられる眼]
[其の様に]
[僅かに肩を竦めて]
[乱した髪は撫で梳いて]
……如何してそう、お前は何時も。
[言いかけた言葉は]
[犬の挨拶に途切れる]
[元気な様子が一瞬で消える犬に]
[不思議そうに首を傾げた]
[背中の傷痕が疼くかのような、感覚。
息を整え、手は、自らの腕を、強く掴む。
撫ぜられるのに僅かばかり、落ち着いたか]
……、
[唇を、噛んで。
気配が去れば瞬きを]
[ぽんぽんと]
[落ち着くまで繰り返し]
……大丈夫……の筈が無いか。
[ぽふと]
[もう一度撫でてから]
[手を戻し]
……私を護ろうとばかり考えるな。
私にも護らせろ。
これ、どうぞ。
余っているから。
[クローディアの分だけは取り分けてある]
[犬はどうせ犬だから食わないだろうと少年にのみ差出して]
[顔を上げて、浮かぶのは戸惑いの表情]
ですが。
だから、俺は…、
[それ以上続けられずに、正視も出来ずに。
視線は少し逸らされ、緑の瞳はゆらと揺れる]
[此処まで表情が変わるのは]
[滅多に無いことなのだろうなどと]
[そんなことを考えながら]
……気負うな。
[もう一度]
[同じ言葉を繰り返して]
私は、お前には自由になって欲しかった。
自由に生きて、進んでくれればと。
私のことなど捨て置けば良い。
助けられたことが未だに気になるのなら……
もう、忘れてしまえ。
[その言葉に主を真っ直ぐに見。
ゆっくりと、一度、左右に首を振る]
俺の存在が邪魔だというのならば、今すぐに失せましょう。
だが、俺から貴方を離す事など、出来ようはずもない。
貴方を捨て置いて、忘れたとして。
俺に一体、何が残りましょうか。
何も残りはしない。
何も有りはしなかったのだから。
父も母も兄弟も亡くして、縋るものも失くして。
死ぬはずだった俺を救ったのは貴方だ。
命も、生きる意味も。貴方が与えたものだ。
[淡々と並べられる、感情の無い言葉。
しかしその瞳だけは、酷く揺らぎを持って]
[手は無意識に]
[自身の前髪に触れる]
[其の奥の]
[視力を失った左目が]
邪魔である筈が無い。
だが……
[私の傍は危険すぎる]
[もう二度と]
[そんな目には遭わせたくない]
[だから]
[今の内に離れて]
[そんなことを]
[口には出せない]
……何時か。
私以外の存在理由を見付けられるよう……
……願っている……
[告げる声は]
[何故か]
[震えを伴っていたけれど]
[思考の間に俯いていた顔を上げられず]
[踵を返して]
[*部屋の中に滑り込んだ*]
[主の様相を真っ直ぐ見詰め、微動だにせず。
前髪に触れる仕草には緩やかに瞬いたろうか。
普段と異なる声にも気付きはしたが口は開かず――開けず]
……
[踵を返す主に、無言の儘、深く頭を下げる。
扉の閉まる音に漸く顔を上げ、腕から手を離す]
それでも、俺は、
[何時の間にか乾き始めた髪。
肩のタオルを手に取り、顔に当てる]
[キッチンで材料を見回し、手にしたは一匹の兎。]
[血抜きのしてあるそれは誰がやったのか、それの腹に肉のペーストを詰める]
[玉葱、シャンピニオン、トマトなどの野菜、香辛料。]
[用意して一緒に鍋に入れる。]
[同時に取り掛かるのはパン。]
[なぜ今日自分が作っているのかは謎だと思いながらも。]
[しっかり生地を作りオーブンに]
[大きな白い、縁に濃紺で模様の描かれた皿を出して、煮えた兎肉を取り出す。]
[飴色の兎肉が湯気を上げる。]
[とろけそうなトマトもよく煮えた色。]
[飾るように盛り付ければ、香辛料と…兎の血の匂いも少し混じっているかもしれない、そんな良い匂いは既に部屋の中にまで届き。]
[他にも片手間に作った鍋]
[そこにはもやしとベーコンがあるだろうか]
[軽く塩コショウで味付けされた、コンソメのスープ]
/中/
http://www.tsuji.ac.jp/hp/dkpo/ai/homec.html
描写を少しいただきました。
難しいな
[やがて料理を完成させれば、久しぶりに腕を奮って疲れた顔で、部屋の中でクローディアやネロと一緒に、食事にありつくだろう。]
[犬にはとりあえず兎肉の足の部分だけ最初に*あげているかもしれないが*]
うわあ、良い匂いしますねえ。
今日のご飯は何ですかー?
[へらりと笑いつつ、現れる。]
[何も言われないうちから食べる気満々のようである。]
[フォークとナイフで取り分けている時に降りてきた男]
今晩和。
兎の肉だが。
[さらり、告げて。皿とフォーク、ナイフを差し出し。]
それならどうぞ。
一匹は矢張り多いから。
[そして綺麗に肉を切り、取りやすいようにして]
スープも、此方に、そのまま持ってきておくか…
[呟いて、キッチンへとってかえしスープの鍋を運んでおく。]
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