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マダム。
「美は神が与え給う、究極の才能である」という話を聞いたことがあります。
――ですが。
過ぎた「美」は、人間の血の熱さを表現する機会を奪ってしまうのも、また然り――…。俺はそれ故に、完璧なる「美」は好みません。
血がたぎり、筋肉が軋み、汗を流す――そんな美醜を兼ね備えた人間の「舞踏」ほど、この世で人間の魂を震わせるものはございますまい。
そこにいらっしゃる乙女達のそれは勿論――…マダムもまた、それ故にこの「舞台」に選ばれたのではないですか?
全てのことを冷静に感知し処理する貴女の血が沸騰する瞬間は――さぞや美しいのでしょう。
[琥珀色の瞳を細めて、笑った。]
[見知らぬ娘の顔に一瞬ぎくりと身を強張らせたが、]
[ゆっくりと理解がのぼり、それがこの城の前で出会った娘と解った。]
[そしてここがどこかも。]
――ここは……
[男はゆっくりと辺りを窺いながら身を起こした。]
んん。
[壁に凭れかかり立てた膝の上に手を置いたまま、
交わされる会話を聞いていた。
暖炉には、番人の手によってか、
いつの間にか火が点されていた。
低い位置から、揺れる焔を見据えている]
そもそも、終焉――終わりって、なんなのかな。
……はっきり言うもんだ。
[蔑むようなイザベラの言葉に、口をついたのはこんな言葉]
そこの『番人』だけを見るなら、そう言いきれるだろうが……。
[現実的に考えたなら、彼女の解釈は理に適っていて。
しかし、そのまま受け入れるに至らないのは、霞がかる記憶と、唐突にこの場所に現れた、という状況故]
ま、何にせよ……ここで文句だけ言ってても始まらん、か……。
[そこには彼の見知らぬ人間が大勢――少なくとも10人以上――居り、何やら話し合っている様子であった。]
私は一体、
[額に指を当て、眉を顰める。]
城の広間よ。
ナサニエル、貴方廊下で倒れてたらしいわよ?
クインジーと……あら、あの人なんて言ったかしら。
その二人が運んで来てくれたの。
[ナサニエルが起き上がることで額に乗せていた濡れタオルが落ちて来る。それを受け止めながら声をかけた]
どこか痛むところとかは、無い?
[紅紫色の視線から眼帯を逸らすべく上げた手を、そっと外した。]
いや……それほどではないさ。
ただ、この場所が時折疼くだけのこと……。
気がついたら、これは俺と共にあった。
俺にとっては、最初から目はひとつだった……。
それしか覚えていないのだから、仕方ないのさ。
キャロル様?
[鈴の音に振り向けば、女性は立ち上がりこの場を去る様子。
一瞬身体が動きかけるも、途中で止まり頭を下げ返すに留まった]
あら。貴方は良い思想をお持ちなのですね。
実は美学の専門家などではないかしら?フフフ。
[眼帯の青年に、感嘆の右眼を向ける。]
高度なご意見だと思います。実に興味深い。
…。
[周りで交わされる言葉を解するのが、だんだんと難しくなっていきます。
疲れているのでしょうか。
ふと、意識を戻したのは鈴の音。
金と赤の鮮やかな色が、遠ざかって行くのを眼で見送りました。]
[現実的な解釈の受け入れを阻む、もう一つの因子。
それは、疼き続ける左の腕。
現状を否定しようとすればするほど、それは強く痛みを与えてくる]
……っとに……何だってんだ……。
[苛立ちを帯びた思考は、意識の奥に留まり]
[額からずり落ちたタオルがぽとりと胸に落ちる。
それを受け止めてくれた少女に感謝の視線を向け、]
そうでしたか……。
お手数を掛けてすみません。
痛い……かどうかは。
すみません、よく分からないのですが多分大丈夫です。
[初めて聞く男のひとの声が一つ。
そう言えば少し前に、倒れたひとがいると運ばれていたのを思い出しました。]
目、覚めたのですね。
[周りの様子からそれを悟り、そちらを向くと青い色が見えました。]
眼帯の目が疼く、か。
傷でもあるのかしらね。
同じ隻眼でも、傷をそのまま晒してる人も居るけれど。
[視線はふともう一人の隻眼の人物へと向けられる]
気付いたら、ね。
まるでいつの間にかここに居た私達みたいな感じだわ。
それでも、なんだか厭うような仕草だったから。
謝罪だけは受け取って頂戴。
ぷはー!
なかなかの葡萄酒じゃねーか。
だがどうせ貰ってくならもっと強い……
[空になった瓶を投げ捨て、消えそうな蝋燭の灯りを頼りに広くない地下室を探る。片隅に置かれてた瓶を持ち上げて炎に照らし口笛を吹く。焦茶の目に映るブランデーの深い色]
あるじゃねーか、いいヤツが。
二、三本いただいて…あ゛ー、気付けとか言ってたっけ。
もうどーせ起きてるだろうしいいか。
[小さめの瓶を一本ポケットに突っ込み、二本小脇に抱えて地下の階段を上がる。扉を閉めた弾みで残された蝋燭は消え、暗闇に煙が細く揺れた]
くすくす。まぁ、受け入れるとは言っても、
すべてを額面通り受け取っているわけでは。
全面的に信頼するには、ナンセンスですから。
[メモを取るペンが鈍く光る。]
たとえば。あくまでも、架空の物語ですよ。
私が、今ここでこのペンを振り回して。
虚を突かれて、みんな餌食に。有り得そうですね。
[思案するばかりの一同を見回しつつ。]
美学の専門……どうなのでしょうか。
ただ俺は、神が与え給うた「美」を素直に享受できないだけの、愚者かもしれません……
[奇妙な動きをする右目に、静かに声を掛けた。]
お礼は私よりクインジーに。
頭をぶつけたりとかしてなければ良いのだけど。
良く分らないと言うのも不安だけれど、大丈夫なら良いわ。
[受け止めた濡れタオルを手元へと引き寄せたたみ、視線を向けて来るナサニエルに微笑んだ]
[男の記憶は意識が消失していた間に、随分と上書きが進んでいた。]
[そのお陰で、侵食に伴う混乱が大分軽減されていたのだが]
そう卑下しなくてもいいと思いますよ。
貴方は私の興味を引いた。誇ればいいです。
[眼帯の男に笑みを向ける。]
貴方とは有意義な話ができそう。とても。
そう。
人狼と呼ばれるものは、
それを齎す為に居るのだって。
[己が異質とは知れど]
[己と同じ者に会ったことはない]
[されど、その違和に気づかぬままにかれは言う]
そうそう。
名を名乗るのを忘れていました。
俺の名は、「ギルバート」……
おそらく、自分の名をこれと認識しているようなので、これが俺の「名前」なのでしょう。
以後、お見知りおきを。
[恭しく、一礼。]
そう言ってもらえるなら。
気も楽になるわ。
[笑み返してくる眼帯の青年にもくすりと笑みを返した。そう言えば、とその青年に自分の名を告げ、相手の名を聞き出そうとする]
[困惑したようなナサニエルの言葉にまずは頷きを返して]
ええ、ここに居る人は皆同じ境遇らしいわ。
番人を除いてね。
話は……信じるのも馬鹿らしい話ではあるのだけれど。
[そう前置きをしてから、アーヴァインから聞いた話をそのままナサニエルへと告げた]
[誰に断る事も無く、女は廊下の先を行く]
[チリン]
[鈴のか細い音色が、足を留める動きに合わせて鳴った]
ごきげんよう。
[ブーツの重たい音にも、女は唯くれないを横に引くのみ]
[二度三度と首を振る。
翠は揺れたまま、意識して逆の方向へ。
転じられた先は窓の外に輝く望月]
あんなにきれいなのに。
[会話から外れた呟きが毀れた]
[若く無邪気な同族の聲が、聞く『耳』を擽る。]
成る程。
終焉を齎す者……か。
であるなら。
それは俺に最も相応しい。
[男は喉を鳴らすようなかすかな嗤いを聲に乗せた。]
[覚えのある声に、そちらを見やる。
先に担ぎ込まれたナサニエルが目覚めたのを見て取り、そちらは他に任せればいいか、とすぐに視線を逸らした]
……きれい……?
[それから、ふと耳に届いた呟きに、蒼氷はそちらへと]
ギルバートさんね。私はイザベラ。
[ギルバートのことをメモに残す。]
さてね。彼の話はどうあれ、今後のことを
みんなで考える必要があるかもしれないわね。
集団生活には、ルールが必要ですから。
ありがとうございます、マダム。
お褒めいただき光栄にございます。
[イザベラに微笑み、そして周囲に視線を向ける。]
――ところで。
先ほど赤毛の青年が言った通り、この「終焉」とやらは何の終焉なのだろう……ひどく、奇妙だ。
「終わり」は、「始まり」が無ければ終わりはしない。「始まり」の無いものは、ただ漫然とそこにあるだけなのだ……ということを忘れてはいけない。
「始まり」を提示されていない「終焉」は、何の「終わり」なのだろうか――…
このまま「番人」の御方からの説明が何も無いままならば、答えは極めてシンプルだ――…
[僅かに頭を傾け、今聞かされた内容に考えを巡らせる。]
では、端的に言って、彼は私達に殺し合えと言っているのですね。
[思慮深い、平静な表情。]
[玄関を目指す方向から聞こえていた鈴の音にもブーツは止まらず、待ち受けていた女の紅が刷く形を見る]
よお、ご機嫌は悪くないぜ。
食いもんもあればもっとよろしくなるがな。
[右から左へと足にかける体重を移し、体を揺らして前に出る]
ペンを?
[女のひとの声に、また視線を動かします。
ペンの形は見えませんが、そのぎらりとした光は見えた気がしました。
思わず眼をぎゅっと閉じます。]
まぁ、そう言うことになるわね。
その話を信じるならば、なんだけど。
[ナサニエルの言葉には少し肩を竦めるような仕草]
イザベラが言うには、信じないことには話は進まない。
確かにそうかもしれないけれど、信じるにはちょっと、ねぇ。
俺は、
終焉に在って、決して滅ぶことの無い者だからさ。
[愉しげに]
[だが一抹の自嘲を込めて、まだ若い同族の耳元に囁くように聲を送った。]
[ギルバート、と名乗った男から投げられた問いに、微かに眉を寄せ。
思案するよに腕を組む]
……「始まり」のない「終わり」はない、か。
「始まり」が、俺たちがここに来た事……と定義できるなら。
そこから繋がる「終わり」は、俺たちがここから立ち去る……居なくなる事、と読めるかね。
……その手段や在り方はともかくとして、な。
[目を閉じる刹那。
もう一度、眩暈がしました。
青い髪の男のひとが、はっきりと映って。
薄らと眼を開けてみましたが、映る色は既にいつもの通りでした。]
「始まり」は此処にはなく、私たちがこの城へと現れた時、集った時にはもう決められていたのでしょう……
その答えを我らが忘れているだけで。
[男は半眼に目を閉じ、そっと呟いた。]
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