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―集会場内・医務室―
[男の後ろに浮かんでいた机が突如こちらに向けて飛んできて、
すばやく横に飛び回避、そのままの勢いで男の足元をかけぬけようとし]
くっ…ごふっ……
[男の反応はこちらの予想よりも早く、横っ腹をけられて床を転がる。
苦痛の呻きと吐息が漏れ出し、床を転がる感触に体が痛む。
転がった先が入り口のほうだったのは不幸中の幸いだろうか。
痛む体に鞭打ちそのまま駆け出す]
このまま…逃がすわけにもいかないのだが……
[今のこの状況ではどうすることもできない。後ろから足音が迫ってくるのが聞こえるが、振り返る暇はなく、
集会場の外に飛び出し、少し進んだところで目の前に瓦礫が落ちてくる。
足を止めて、やや遅れて自分の左右にも瓦礫は落ちてきてちょうど囲まれる形に。
開いた側の方、集会場の方を振り返ると男は入り口に立っていた]
俺は犬じゃないから、檻はいらんぞ……
―住宅街―
私達のことより、レッグくんどうかしたの?
座り込んで…どこか怪我でも……っ…!?
[良かった、というレッグの様子がどこかぎこちなくて、不安から傍に近づいてしゃがみこめば、脇道に倒れ伏している骸に気付いて息をのみ。]
かるろす…くん…?
[知らず、ぎゅ…とレッグの肩を抱きしめて]
[ゆっくりと、重なった意識は、体の痛みに震えて蹲ったまま。
頭に流れる様々な声を、右に左に聞いては流した。
「抵抗するものは―――」
「裏切りは許さない――」
「炎が使えるものは燃やせ―――」
「殺せ――」
そんな物騒な単語が通り抜けて行く。
(いい刺激だったし、感謝したい所だけど。使えないから裏切り者扱い?冗談じゃないわ。)
その思考は『私』のもの。
一つになったのに『いい子の私』は、いまだ動いてはくれない。
目が覚めるまで、ぼんやりと通り抜ける言葉の波間をたゆっていた。]
―― 住宅街 ――
……はぁ
…………はぁっ
[走った先に、見知りを見つけたのか
ナターシャが声を掛ける人物を見て
息を整えながら]
あぁ ……ノブの、 お友達、の
[ゆっくり、二、三度、頷いた。
二人の会話を、聴きながら
自身の手の中にある、拳銃へ視線を遣った。]
─アコルデ家・玄関先─
[ジョエルが中へ向かった後、先の襲撃者をちらりと見やる]
……何だって、こんなことにっ……。
[口をつくのは、掠れた呟き。
それから、周囲の音に耳を澄ます。
いつの間にか上着の中に潜り込んでいた右手は、そこにある冷たい感触を確り、*掴んでいた*]
―住宅街―
や。俺は。
怪我らしい怪我、してねー。
[瓦礫塊の掠めた頬は血も滲んでいるが、その痛みも感じない]
する前に。
身体が動いちまった。
[肩に乗せられた司書の手に力が入る。
一瞬躊躇ってから、銃を持たない手を伸ばして相手の肩を宥めるように叩いた。怯えているのかと思って]
カル、サイキッカーだったみたい、だ。
あんな塊、軽々と扱ってさ。
[真実は分らない。自由自在にとも少し違っていたのだから。
そしてPSIを感知できるような能力はないし、そういった道具を持っているわけでもない]
何で俺を狙うんだよ、馬鹿。
─アコルデ家・玄関前→台所─
先程交番でパトラッシュさんにお会いしました。
集会場で何かが起きたらしいと、先をお急ぎだったようなので詳細は聞けませんでしたが。
その後私も襲われましたので、おそらくは混乱が広がり暴動らしきものが起きているのではないかと。
………それだけでは無いようですが。
[ここへ辿り着く前に見た炎。
明らかに普通のものでは無い]
……では、そのように。
[気を使わずに、と言われ、了承するように声を紡ぐ。
足手纏いについてはその通りであったため、臆面なく頷いてからエリカが居ると思われる台所へと向かった]
(銃を撃ってしまったからな、既にこちらは気付かれているだろう。
……捨て身覚悟は性に合わないんだがな)
[かと言ってエリカがどうなって居るかも分からないため、あまり考えている猶予は無い。
自分の銃はホルスターに戻し、拾った銃を構えて台所の入口へと近付き。
一呼吸置いてから台所の中へと乗り込んだ。
動くな、なんてお決まりのセリフを言うことも無く、見知らぬ姿を見れば牽制の一発を放つ]
―住宅街―
ちがうって……ちがうって、いってるだろ!
人のはなしもきかないで!
[声を荒げる。
知る者が見たなら、常と異なる様子に驚いただろう]
そっちが、『サイキッカー』なんじゃないか!?
[口にすれば、それが本当のような気持ちになった]
だったら……
[慣れぬ反動に手間取る相手の手から銃が離れる。
そこへ向かって躊躇なく引き金を引いた。
赤い色をした熱線が宙を走る。
何かの焦げるような音がして、鼻につく臭いと、少し遅れて倒れる音]
―住宅街―
[ぼやいても視線は遺体へと向けられない]
俺はグレッグ。
お察しの通り、ノブ先輩の後輩。
[改めて、何度も見かけたことはある女性に名乗ってみた。
大きく息を吸って、吐く]
―― 住宅街 ――
あ、……うん。
ノブから、聴いてる。
[改めた自己紹介を受け、相槌。]
私は、アヤメ。
きちんとお話するのは、初めて、かな。
……宜しくね。
[大きく呼吸するさまに、
僅か、心配そうな眸を向けた。]
―集会場前―
[こちらをいたぶって楽しんでるのだろう、男は笑ったままにすぐに止めをさすつもりはないらしいが、逃がしてくれそうにもなかった。
腰のホルスターからリボルバーを抜き構える]
「先輩っ!今助けるっすっ!!!」
[その声は聞き覚えのある声で、集会場の横の路地から飛び出す姿がひとつ。
最新モデルのアサルトライフルを手に掃射をしながら男に突っ込んでいく]
ドイっ!無茶をするんじゃないっ!
[さすがに何発も打ち込まれる弾は防げないのだろうか。
いくつかの弾は途中不可視の壁に阻まれて地面に落ちたが、残りの弾が男の体にいくつもの風穴をあけていく。
男の顔からはにやにやした笑いは消えて、後輩の方をにらみ手を振り下ろす動作をする。
それを最後に男の体は、自らの血溜りの中にそのまま崩れ落ちて。
大き目のガレキが後輩にぶつかり、その体は通りの向こう側へと転がっていった]
ドイっ!
―アコルデ家・台所―
[離れて行く感覚に、自分以外の誰かが狙われているのはすぐ分った。
様子を見に来た主だろうか。それとも。
(ジョエルさん戻ってきたのかしら。)
どちらにせよ、相手はサイキッカーだ。きっと分が悪い。
何とかしないとと、動かない身体を無理やり動かそうと試みるが、四肢はガタガタと壊れた機械のように震えるばかりだった。]
[牽制が運良く当たる事はなく、打たれた方は倒れたメイドの傍から離れ、すぐさま2発発砲する。
それが避けられるのは想定しているのか、3発目の代わりに閃光を放った。]
―住宅街―
カルロスくんが…!?そんな………、あ…まさ、か…
[レッグから、其処に倒れている彼がサイキッカーだった、と告げられれば驚きに目を見開いて。
次いで、彼が友人を撃ってしまったという事実に気付き、悲痛に目を閉じて肩を抱く力を込めた]
…―良いの、それ以上言わなくても。
早く逃げましょう、此処から。
何処か、何処か安全な…
[言葉の先が出てこなくて言いよどむ。
シャッターで囲まれた此処の中に安全な場所など何処にあるというのか。
答えが出てこなくて途方に暮れ、*空を仰いだ*]
―住宅街―
だね。俺も名前は知ってた。
あの放送の前にもクレープ持って歩いてたよね。
[実は見ていたなんてことを告白しつつ]
あー。呆けてる場合じゃないよな。
早く家に戻って…。
[その家だって安全なのだろうか。語尾が萎む]
…ふらふらしてるよりはマシ、だよね。
遭わなくていいものに会わないで済む。
……
[掌へ視線を遣った。
小刻みに続く、震え。
顔を顰めて、呼吸を繰り返す。]
(だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶ)
[眸を閉じて、こくりと喉を鳴らした。]
―集会場前―
[そちらの方に駆け寄っていくと、まだ微かに息はあり、
それでも地面に転がるようにして倒れたその体はいまだ生きてることの方が不思議な状態ではあった]
「せん…ぱい…ぶじ……で……」
[口から血をこぼしながら微かに漏らす声に首を振り]
しゃべるな、ドイ。ありがとうな助かった、早く手当てをするぞ。
[無駄だと理性は告げても、見捨てることは自分の感情が許さなかった]
「いいっす、せんぱい………、たすからないのは……、…でも……これで、にかいきゅう…とくしんっすね……」
[最後に軽口を残して、数回の呼吸と吐血の後動かなくなったその体を前足でかかえるようにして]
ああ、ドイ……お前の死は無駄にしないよ……。
[奥歯をぎりっと噛み締めて、その肩からアサルトライフルをとると自分の肩にかけた。小型化されたそれは、肩にかけたままでも四足歩行できた。
一度、集会場前の端末を操作すると弾の補充を行った]
―住宅街―
……、はー……
[肩で息をしながら、銃口を下ろす。
立ち上がって膝をはたく。
先程の衝撃の所為で、眼鏡の右のレンズには罅が入っていた]
……これが『ギム』なんだよね。
[確かめるような口調からは、罪悪感等といった感情は伺えない。
地面に転がる元人間は2つに増えていた。
その何れにもその目は向かず、近くの建物へと向いていて]
あ。
ここって、エリカさんの……
[目の前の事態にばかり気を取られていて、他の喧騒にまでは意識が回っておらず。
奏者の家の近くまで来ていたことに、今漸く*気がついた*]
/*
仮想的にエリカとジョエルで撃ち合ってるwww
そしてドイ殉職完了、思ったよりかかった。
どうでもいいけど四足歩行って打とうとすると四速歩行とはじめでてかさかさと歩くパトラッシュを思い浮かべたんだ(n・ω・n)
(あら――)
[先に気づくのは、こちら側に居続けた『私』]
(共鳴、共振?)
[何処からか聞こえてくる、声とはちがう音に、楽しげに。]
(―生まれようとしている貴方は誰?)
[囁き返す]
―集会場前―
[その場を去る前に、後輩の亡骸のに向けて敬礼をして]
今は、事態の収束を…。
これ以上無駄な犠牲を増やさないためにも…。
[混乱の渦中にある区画内のどこかへと*かけだした*]
……安全。
何処、かな。
[ナターシャの言葉を続けるように呟いた。
応えはシャッターの向こうに飲まれてしまった気がした。]
あ、見られてた?
[クレープの姿を見られてた事には
あえて、ふざけた調子で言って笑うも
少し引き攣ってしまったかもしれず]
だいじょうぶ。
……私の家に、行こう?
[二人を誘う、声。]
―住宅街―
ん…ありがと。
[それでも動きだしきれずにいたら、司書の肩を抱く力が増した。
人のぬくもりに一度ギュッと目を閉じる]
どっちにしても移動しないと。
先輩、置いてきちゃったし。
家の方で落ち着けそうならラッシュに連絡取れないか試してみる。きっと忙しくしてるだろうけど。
[大丈夫、と司書に囁き。肩を抱く手から開放してもらう]
アヤメさんの家、お隣なんだっけか。
うん。行こう。
[少し引き攣ったように笑って言う作家に、同じくどこかぎこちない笑みを返し。
誘う声に*頷いた*]
─アコルデ家・台所─
[相手が離れる足元に同僚の姿を確認する。
震えたようにしか動かぬのを見て、何かをされたことを察知した。
しかしそれを分析する暇も無く、二発の銃弾がこちらへと向かって来る。
室内であるために大きく動くことは出来ず、掠めるようにしながら致命を避けた。
左の頬と左肩にその痕が残る。
反撃に銃を向けた時、追撃の閃光が正面から襲いかかって来た]
なにっ……くっ!
[バチリと弾けたそれは主に構えていた銃へと集まり、そこから伝うようにして身体へと放たれる]
……サイ、キッカー……!
[今までは運良く人間相手だったが、ここへ来て面倒な相手に遭遇してしまった。
衝撃の走った腕は痺れ、構えていた銃を取り落とす]
……なるほど、それでエリカが動けないのか。
[追いこまれた状態では口調を保つことも忘れ、相手に対し舌打ちをする。
痺れた腕で落とした銃を拾おうとするが、それを阻害するように銃の近くに一発撃たれた。
手を引っ込め、痺れを取るように右手をぶらぶらと動かす]
やれやれ、こんなところで死ぬ気は無いんだがな。
本当に、面倒なことになった。
[時間を稼ぐように言葉を紡ぐ。
手の痺れが緩和し、相手の隙を突くことが出来れば、自分の銃で仕留める自信はある。
相手の動向を窺うように翠を細めた]
―― 住宅街 ――
うん、だから。
ノブにも、来るように謂われてたし、ね。
集まれるなら其処で集まった方が。
[緩く、こめかみを押しながら]
……安全、でしょ?
[どれほどかは、定かでは無かったけれど。
縋るよに、言葉に代えた「安堵」。]
歩け、る?
[グレッグを見遣りながら、首を傾いだ。]
?
[共鳴に乗る、言の葉。
其れは今までの頭蓋から響く音とは確かに違う、音。]
(何、これ……)
[動揺を周りに伝える事なんて出来やしない。
伴う痛みを和らげようと、こめかみを押しながら]
(………貴方こそ、誰?)
[何故、そんな問い掛けを浮かべたのか、解らない。
されど、其れはまるで必然のように。]
─アコルデ家・台所─
[姿を見る事は出来ないが、主ではないような気がした。主に動き的に。
だがそれに安堵する事はなく。何とかしないと―そればかり考えていた。
見えないところで何が起こったのかは知れないが、ジョエルが相手に気づいたような節は見えた。
負傷したのだろうか。ならなおの事。
閃光を当てた侵入者の方は、相手が銃を落としたのを見ると安心したのか、外さないようにジョエルの方へと近づいてゆく。
その通り道に震えながら、指はカリと懸命に床を掻き指を伸ばし、ズボンの裾をほんの僅か―――ひっかけた。
転ぶほどではないが、ほんの僅か動きが止まる。]
[――ほんとうは、ほんの少し距離は足りなかった。]
(だめ、お願いだから―動いて!)
[そう願うとほんの少しだけ、裾の方が指へと”動いた。”]
[『いいこの私』は他の事に夢中で、まだこちらに気づこうとしない。
だから代わりに、『私』が応える。]
(私?私は……アリシア。)
[少し思案したのは、元の名前と今の名前と、どちらを名乗るか考えあぐねた為。
結局、前と同じように古い名を名乗った。]
(貴方も不運ね、それとも幸運かしら。
こんな時に目覚めるなんて。
…いえ、こんな時だからこそかしら。)
[『わたしたち』も、こんな状況でなければ一つになれなかった。未だ完全ではないが、それももうすぐの事。
新しく生まれた、PSIを持つ者に、だからほんの少し親近感があった。]
─アコルデ家・台所─
[相手を注視していた翠は僅かな動きを見逃さなかった。
即座に右手を上着へと滑り込ませ、銃を引き抜き。
相手の眉間目掛け抜き撃った。
距離が狭まっていたのもあって、狙いは違わず相手を撃ち抜く。
相手は悲鳴も上げぬまま、大きな音を立てて後ろへと倒れて行った]
……4発目。
補充確定だな。
[ふぅ、と息を吐きながら、死に面していたとは思えない様子で残弾数を確認する。
銃をホルスターに戻すと、落とした銃を拾い上げ、同僚の傍へと寄った]
エリカ、意識はありますか?
[傍らにしゃがみ込み、声をかける。
どこまでがサイボーグ化しているかは分からなかったため、軽く頬も叩いておいた]
……
[グレッグ、ナターシャ。
其々を心配そうに見遣りながら
時折、こめかみを押して]
ノブは、家が綺麗、って言ってたけど。
多分、料理なんかは全然だと思うの。
何か作るから、さ。
ちょっと、一息、つこう?
[あえてそんな、場の空気を読まないような事を、言う。
ぎこちない笑み、で。
此処までの緊張のせいか、
時折、眉が痙攣しているが、それも*押し殺すように*]
[眉が、頬が、指先が。
ひく、ひくり、と時折、痙攣する。
自覚すれば、それは共に恐怖心を孕んだ。]
ごめん、貴方が何を言ってるか――。
目覚める?
そもそも、アリシアって……
[解らないことだらけ、だった。
PSIに関しての知識は、ニュース程度ならあるが。
それが詳細かと云えば、矢張りノーであるから。]
私は、『 』。
………?
あ 。
『 』
[頭痛が、酷い。]
『 』。
[名が、響かない。
何か、違うものに遮られてしまう。]
『 』!!
[精一杯載せる、菖蒲の響き。
けれど矢張り伝わない。]
……どうして。
[続く頭痛に、眸を閉じた。]
─アコルデ家・台所─
[頬を叩かれると、ぎゅっと目が閉じ眉が寄る。痛みはあまり無かったが。]
起きて、ます。
………ジョエルさ…ごめんなさ…
[ほぼ完全に機械化された四肢の痺れはまだ残っていたが、生身に近い中心部分はいくらか回復しつつあった。
意識の確認の次に、口から零れるのは謝罪。]
……ごめんなさい。私、動けるまではもう少し、時間が…
先に、ぼっちゃまと公園に…炎が、あれもきっと、サイキッカーの…
[ぽつりぽつりと、避難先に適当だと思う箇所と、炎の事を伝えておいた。]
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