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[小さっぱりと身なりを整えて、フユは給湯室へ向かった。
冷蔵庫に誰かの作り置きの麦茶が入って居て、出過ぎのそれは少し苦そうだったがコップに注いで、それを持って食堂へ行った。
フユはひとり、テーブルについて麦茶を飲む。
苦いが、冷たかった。]
うー……
[恥ずかしそうにおなかをおさえて]
フユせんぱい笑うとかひどいですよーっ!
食べます
[でもしっかり頷く。とことこと、彼女の方へ]
だって。
あんまり凄い音したから。
[尚もくすくすと笑いながら、マイコを伴って調理場へ。
少し探すと素麺があった。
鍋に水を張ってコンロに乗せながら]
これで良い?
って言っても、あんまり色々作れないけど。
……その服どうしたの。
アンタがそんな格好してるの見たことない
ひっどい、そこまで笑わなくってもいいじゃないですかー!
[ぷんぷんと怒った顔をして]
うん。食べたいです。
作ってくれるんですかー?
[ものすごく嬉しそうだ。多分しっぽがあったらぶんぶんゆれている。]
あ、服。お義母さんがずっと前に送ってくれててー
なんとなくきてみよっかなーって。
かわいいですかー?
[にっこーっと笑って一度ターン]
[昨夜は、一度寮に戻って、食事を摂った。食べながら、その夕食がマコトの用意したものだったことを思い出し、苦い思いに囚われる。しかし、それも一瞬のこと、一度部屋に戻って仮眠を取ると、早朝に寮を抜け出し、フユに弾き飛ばされた矢を探した]
[マイコが回ると、ワンピースの裾がふわりと広がって小さな花が彼女の周りで踊った。]
うん。
[フユは涌いたお湯に素麺を入れ、暫くしてから水にあげる。
二つの小さな器に盛りつけ、盆に乗せた。
手際だけは良かったが、ただ盛られただけの素麺は見た目がどうも良くは無かった。]
何でいままでそういうの着なかったの?
[盆を持ち、食堂の方へ。]
[ぴたっと止まってポーズ。
そういうのはさすがに慣れたもので。
手際よい動作に、わぁっと感嘆の声をあげる]
え、なんでって。
なんでだったかなぁ
[ちょっと考えて]
オンナノコオンナノコしたくなかったのかもしれませんねー
─昨夜─
[どこかふらつく足取りで寮へと戻り、食堂に置き去りにした荷物を抱え上げる。
食事を取る気には、なれなかった。
喉の奥の方にまだ、血の感触が残っているような気がして。
一度部屋に戻り、着替えを持って、シャワーを浴びに行く。
紅に染まった胴着の下、受けた傷はほぼ癒えていた]
…………。
[僅かな傷跡をつい、と撫でて、絡みついた汗を洗い落として。
部屋に戻った後は、諸々の疲れからか、夢すら見ない眠りに落ちた]
[板についたポージングに頬笑んだ。]
……女の子らしくしてみる気になったんだ。
誰に見せんの。
[少し笑ってからフユは食堂の机に、素麺とつゆの器を並べて座った。一口食べたら茹で過ぎだった。]
―弓道場―
[戸に手をかけて、昨夜から鍵が開けっぱなしだったことに気付くと、苦笑が唇に浮かぶ。尤も、あの状況で鍵をきちんとかけて出ていたら、それはそれで自分に呆れたかもしれなかった]
………
[弓道場に入り、補修道具を引っ張り出す。夜明けの静寂の中、竹を削り矢羽根を付け替える僅かな作業の音が、やけに大きく響くように思えた]
見せる人はもういないですけどねー
我慢しなくていいかなーって思っただけです
[あはっと笑って、自分もその隣に]
いただきまーすっ
[少しゆですぎでやわらかくなりすぎた麺を口にする。
彼が死んでから、そう認識してから、味覚などとうにおかしくなっていた]
[翌朝。光を感じて目を覚まし、着替えようとして。
……選んだのは、何故か剣道着。
昨日のものは自分の血が染み付いて黒く変色していたから、まだ下ろしていない、新しい物に袖を通す]
……ん、よし。
[小さく、呟く。
恐らくは、自己暗示なのだろうが、気が引き締まるような気がした。
そうして、竹刀ではなく、木刀を肩に担いで、足早に寮を出る。
気配は感じていた、けれど。
それよりも、気にかかる事があったから、真っ直ぐに、桜の元へ]
見せたらおわっちゃうような気がしてまして。
ゆめってはかないじゃないですか
[にっこり笑って、素麺を食べる。
量はそこまで多くは無く、皿の上で白が減る]
−校内・2階廊下−
[食事を済ませ、最低限の身支度を整えて
部屋を出ると、2階の廊下へと向かった。
昨夜と打って変わり、校舎の中は静かだった。
床を彩る赤は、予想よりも少なかった。
逝った者のは桜に吸われ、憑魔のものは消え失せ、
残されたのは生ける者の血だけ故とは知らないが。
割れた窓ガラス。散らばる破片。
怪我をしないよう、仔犬を頭に乗せた。
誰の物か、弾き飛ばされた竹刀、数本の矢。
更に奥に行けば、弓が落ちているのも見えたろう。
存外、冷静に観察している自分がいて、厭になった]
[つるんと食べ終えると]
ごちそうさまでした。
[手をあわせて、笑いかける。]
うん、はかないですよね。
信じていて、本当になるものかなぁ?って思うけど。
フユせんぱいは、本当になったユメってあるんですか?
─桜の大樹─
…………。
[樹に、近づく。
見えた。
それは、異常に冷静な一部分が予測していた状況]
…………。
[唇をかみ締めつつ、上の枝へ視線をずらす。
桜色の小袖の少女は、まだ、そこにいた]
……還す……よ?
[静かな言葉への返事を待つ事無く。
辛うじて人であったものとわかるそれに、ゆっくりと近づいて。
風に乗せて、光へと]
私?
[空になった器を盆に乗せながら、手を止めた。
底抜けに無邪気な、マイコの笑顔を見てフユは少し考え込む。]
ん…………
私はあまり夢が無いからね。
でも、邪魔するものがあったら、取り除けようとはしてる。
ユメの邪魔?
[首を傾げる]
そんなことする人がいるんですかー?
取り除いちゃっていいと思いますよ
私もそうするつもりですしー
[にこにこと笑って]
そういや……結局、聞けなかったな……。
[光が散っていくのを、見送りつつ、小さく呟いて。
その全てが風に散れば、再び枝の上の少女を一度見やり、剣道場へと足を向ける]
うん。
[フユは、空になった器と、まだ中身の残る器を乗せた盆を片手に乗せて立ち、もう片方の手をマイコの頭の上へ乗せた。]
それで良いんだよ。
私はそういうの、好きだな。
[調理場へ。]
あ、皿洗いなら別に。
アンタにやらせたらどうなるか分かんないし。
でも、ここの学校におかしな事をしてる奴を
何とかしないことには何にもどうにもならないね。
[てきぱきと、残飯を処理して食器を片付ける。]
私も、マイコの
うーん……何て言ったら良いのかな。
味方? だから。
[少し言いよどんではにかみながら、タオルで濡れた手を拭く。]
[矢羽根を取り替え、削った表面の屑を拭き取ろうと、ポケットのハンカチを引っ張り出す、カサ、と軽い音がして、小さなメモが一枚床に落ちた]
…………
[メモを拾い上げ、そこに書かれた父親の文字をじっと見つめる]
『戻ってきなさい』
[と、一言だけ。それは恐らく、どう書くかを逡巡した挙げ句の、懸命な一言だったろう]
それはどーゆー意味ですかー!
[むぅっとして、食器を片付けるのに手伝うのはできなかった。
というより、任せてもらえなかった]
そうですねぇ。
せんぱい、心当たり、ありませんか?
[なんとなく首を傾げて尋ね]
私もフユせんぱいの味方ですよー
[はにかんだ顔は可愛らしく、わぁっと嬉しそうな声]
せんぱいかわいいー
うーん、
[言うか言わないかなど、考えない。
言ったところで相手がどうなろうと、知ったことではないのだから]
かのうせんぱいが、何かよくわからないことしてたんですよねー
なんだったんでしょう?
─剣道場─
[中に入り、いつものように上座に向けて礼をする。
これだけは、しっかりと身についた習慣で、それは変わる事もなく]
…………。
[中央に立ち、木刀を構えて目を閉じ、精神統一。
開いた瞳は鋭く。
直後に、大気の断たれる音が鋭く、響いた]
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