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駄目そうだ、クインジー。
彼に背中を向けても、彼の包囲網を擦り抜けようとしても、多分俺はデッド・エンド。間抜けすぎるオチだ。
――戦うしか無いみたいだね。
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ま、クインが何をしたかったのかサッパリ分からんかった、と言うのもあります。
庇う気があるならもっと早く態度を決めろと言うか。
反応が薄すぎて読めなかったってのが大きいですね。
まあこういう独り言を書くの自体、美学に反してますね。あーあ。もうダメだ。
[身体の痛みを抑えるかのように深呼吸]
……クインジー、忘れたの?
終焉の使者を殺さなきゃ、終わりが来てしまうのよ。
相手にしないと言う選択肢は、無いわ。
[瞳はオッドアイから滅紫の瞳のみへと変じる。ケープに滑らせた右手はナイフの柄を掴み、直ぐに抜き放てる体勢へと]
――そうか
[声は届いていたから、男は低く答えた]
[それから、緊張をはらむシャーロットへ目をやる]
シャーロット、動けるか?
[――こつ。]
ああ。
使者は、死んだかしら。
[緊迫した場には、きっと場違いな声だったでしょう。
左手には灯。
階段の下から見上げると、赤い色が見えました。]
――、ニーナか
[左の手を滑らせた時、うしろにいたニーナへ、男は目をやった]
[軽い警戒が浮かぶのは、声音のせいか]
あぁ
一人死んだ
――ハ。笑わせる。
その男は、
[と、ギルバートを注視しつつも、隻眼の男に一瞬視線を向け、]
本気で護る気などなかった。
守る気ならば、捨てられた筈だ。
望みを叶えるなど……奇麗事に過ぎない。
[ギラ、と憎悪の燃える音。]
さて……本当に「護る気が無かった」のかどうか。それは御本人に伺うしかありますまい。
クインジーは――極めて不穏な空気を発していたよ。
本当は彼が、獣か――或いは獣の遣いで、俺達を滅ぼす気なのではと疑っていたよ。
本当さ――…
[ニーナの声に僅かばかりそちらへと意識を向ける。悟りきったような、驚きを含まない声。むしろ知って居たかのような口調に警戒心は募る]
…随分と落ち着いているのね。
[階上と挟まれるような形。緊張が走る]
お前は、ラッセルのそばにいたんじゃなかったのか?
あいつはお前に何を言った?
――お前のそれは、玩具に対する執着と何が違う?
[声のした方向、赤い色へ顔を向けました。
視界の隅には、少女の青い色。
わたしは眼を細めます。
それらの色の境目が、よく見えなかったものですから。]
そう。
それは、――残念。
[薄ら笑っていたようにも、見えたかも知れません。]
――…そうか。
[ナサニエルの言葉に、小さく呟く。]
君の感慨は、聞いたよ。
でもね――…
その為に俺が死ぬのは、俺にとっては極めて理不尽なのだよ……
――気に入らない。
気に入らないよ……。
[ニーナの表情と言葉に軽く眉根が寄る]
残念、そう思うんだ。
じゃあ貴女は終焉を望む者と言うことなのね。
邪魔はさせないわよ。
私はここで死ぬつもりはない──。
[そう呟き、滅紫を階上に居るナサニエルへと向ける]
どうでも良いと言うのなら、くだらない御託は止めたらどう?
無駄以外のなにものでも無いわ。
貴方を殺し終焉を食い止めるか、私達を殺し終焉を齎すか。
それだけの話でしょう?
[滅紫の双眸が細められ、ナサニエルを睨みつけた]
[ニーナの声に警戒を持つが、男の視線は上へ]
[ただ一度シャーロットに目を向け、ニーナを見た]
[体は戦場に出るように、*静かにたかぶっていた*]
もう1人は、残っているの。
[声は途切れ途切れ、わたしの耳にも届きました。
姿はもう、見えませんけれど。]
――まあ、
それも、時間の問題かしら。
本当に、残念ね。
クインジー。
俺はあれが、フィンが、生きていてくれるだけで良かった。
俺を売ろうと裏切ろうと、どうでも良かった。
俺の命など、要らなかった。
[だから、もういいのだ――と声にならぬ呟きを]
ねえ、お兄さん。
君はひとつ勘違いをしているよ。
……殺戮を始めたのは、君だ。
全ての災厄は、君達から始まったのだよ。
君が居なければ、俺達は「殺し合う」必要など無い。
違うかい?
[ギルバートの口元に、薄い笑みが浮かぶ。]
……君が「神の視点」でその話をするのは、お門違いというものさ。
さてね。
[笑いを収め、姿勢を落とし]
[軽い前傾姿勢で、攻撃の構えを取る。]
[未だ夜は来ず、獣化はない]
「俺と殺し合え」と言った心算だったが。
だが、どっちみち同じだろう。
おまえたちを鏖(みなごろし)にすれば、この世界は閉じて終焉を迎える。
俺が死ねばおまえたちの悪夢は終わる。
簡単なゲームだ。
――いや。
此処から出て、記憶を取り戻した時、
おまえたちの悪夢ははじまる、のかもな?
[ギルバートの腐り落ちた左目を見詰め、嘲弄するように]
[男は*呵呵大笑した。*]
邪魔――?
本気で言っているのかしら。
[首を傾けて、青い色を見ました。
わたしの眼には、形は捉えられません。
作られる表情も、その心臓のある場所も。]
…終焉の使者なんて言うから、期待したけれど。
もう、どうでもいいわ。
[ただ一つ、手許の灯は、ゆらゆらと頼りなげに揺れていました。]
君と俺との違いを教えてあげるよ、お兄さん。
俺は、人殺しをした後に、そんな風に笑うことは、無いよ……
何故だろうね。人なんて殺したことは無いのにね。
でも、それだけは確実に分かる。
君のように、血に染まるとを悦びと変えることは――…ありえない。
たとえ、俺の中で悪夢が始まろうともね。
[血塗れになった男に、再びナイフの先を*向けた*]
終焉なんて望まないもの。
貴女が終焉を望むと言うのなら、それは阻止させてもらうわ。
終焉の使者を殺し──え?
[どうでも良い、と彼女は言った。階上へと向けていた滅紫をニーナへと戻す]
…何を考えているの?
[虚無感すら感じるような物言いに、更なる警戒心が募った]
[蒼氷を一つ、ゆる、と瞬かせ。
視線を、紅蛇へと落とす]
そういえば。
[呟きに、仰ぎ見る、闇色の眼]
お前、はどうなるんだ?
[短い問い。
知らぬ。
返る答えは簡素]
……いい加減だな。
ま、もっとも。
この場から、解放される保障もないわけだが。
[呟き、蒼氷を再び城へ。
落ち着かぬ様子で揺れる紅蛇の尾は、何かを感じ取っているかの如く。
それが、自らの始まりとなったものと同属の死によるものか、他に理由があるのかは、定かではなく。
そして、それへの興味は薄く。
蒼氷はただ、静かに緋の内に]
そう。
世界はこんなにも、醜いのに。
[表情は見えません。
わたしの嫌いなこの世界を、それを望む者など、見たくはないから。
そして、疑問にも答えません。
今はまだ。]
…まだ、元気はあるようだから。
少しは期待してもいいのかしらね。
[眼を背けた先は、階上。
笑う男の形が、ちらと見えた気がしました。]
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