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これはご丁寧に。
僕はエーリッヒ・ルーデンドルフ。
都市で画廊を営んでいる。
足を痛めているのでこのままで失礼するよ、すまないね。
[同じ所作で挨拶が出来ない非礼に詫びを入れつつ、エーリッヒもまた名乗り返す。
ヘルムート・ヴィアベル、と心の中で繰り返し、以前耳にしたあることを思い出した]
貴方の名前はお得意様から聞いたことがあるな。
音楽家であるとか?
[客からその名を聞いた時は、同一人物であるとは露ほども思っていなかった。
あの小さかった子が、なんてことを考えながら、相手の様子を窺う]
おや、知られておりましたか。
未だ若輩の身ではありますが、演奏や曲作りにて、禄を食ませていただいております。
[ここまでは、芝居がかった口調で綴って]
まあ、特定の誰かに仕えている訳でなく、後ろ盾もない、気ままな楽器弾き、というのが正しいのですがねぇ。
[それから一転、崩れた口調でさらりと告げる。
そんな態度の切り替えは、どちらかというと大人しかった幼い頃とは容易に結び付かぬもの。**]
─ 広間 ─
[十四まで、との言葉>>30には、なるほどと頷いて]
ありがとう。
…そうだね、ようやく治りかけていると言うのに長引いてしまうのは、僕としても困る。
[怪我に対する忠告に苦笑いを浮かべながら礼を向けた。
問いに返る言葉>>31には軽く相槌を入れつつ、芝居がかった口調と崩された口調の切り替えに僅か瞬く。
かつてとは異なる印象、年月の流れを知らしめる変化のように思えた]
新進気鋭の若手だと聞いているよ。
一度拝聴したいものだね。
[リップサービスに近い言葉だが、実際聞いてみたいとは思う。
知っているはずの者が知らない者のように思える一因。
それはきっと新鮮な印象を与えるはずだ**]
ああ、ありがとうございます。
……ところで……。
[礼を述べた後、楽器類の移動をしたかどうかを確かめる。
その辺りが変わっていない、と聞いたなら、一服の後立ち上がり]
それでは、私は軽く挨拶周りに。
また、後程。
[優美な礼の後、荷物を片手に広間を出ていった。**]
― 集会場/玄関 ―
よいしょっとー。
着いた着いた。
[村での配達を済ませて集会場へ現れる頃には、呼び出しを受けてからどれほどの時間が経過していただろうか。
扉の脇、なるべく邪魔にならないように荷車を停めて、積んできた荷を下ろす]
こんにちはぁ。
ヴァイデンフェラーですー。
[その荷物を抱えて玄関前に立ち、いつもの通りに声を掛けた]
はいこれ、卵とミルクと、あとチーズ……量はこのくらいで良かったよねぇ。
いつもありがとーございますっ。
[程なく出てきた老婦人へと、持ってきた品について一つ一つ確認を取る。
相手から問題ないとの返答を得て、にっと笑い]
じゃ、いつも通り食糧庫に置いとくよ。
[集会場への配達物は老婦人に任せるには少し多い量で、食糧庫へ運ぶまでが彼女の仕事だった。
了承を得て、玄関から室内へ入り]
あっ、そうそう。
なんかよくわかんないけど、団長さんからここに呼び出されてんだよねー。
運び終わってからちょっと待たせてもらうよ。
[ふと思い出したように振り返り、そうも告げた*]
― 教会〜集会所 ―
さて、と。
あンのくそじじいが呼び出すっつーことは、相当めんどくせー事態ってことか……?
[仮にも神に仕える神父らしからぬ発言。
自分より遥かに年上のギュンターに対して、大分アレな発言を繰り返している。]
ん、リロイか。
……肩に登るな、暑い。
[集会所へ向かう途中、茶と白の長毛種の猫が、男の肩へと駆け登ってくる。
この時期は、辛い。]
― 集会所/玄関 ―
リロイ、重い。
[文句を言いながらも肩に登ったままの茶白の猫をそのままに、集会所へたどり着く。]
やれやれ、やっとついたか。
……失礼する。
[玄関の戸を叩き、屋敷内へと声を投げて人が訪れた事を伝えた。*]
─ 広間 ─
そうか、楽しみにしてるよ。
[機会もある>>33と聞いて、エーリッヒは笑みながら頷いた。
保管された楽器については興味の対象外だったために記憶に薄く、説明が無ければ直結しない。
説明の前に老婦人がお茶と共に広間に戻って来て、差し出されたカップをありがたく受け取った。
渇いた喉がじわりと潤む]
あぁ、また。
[一服の後に席を立つヘルムート>>34に座したままの礼を返し、その後姿を見送る]
この屋敷にはそんなに楽器があるのかい?
[問いかけるのはこの屋敷を管理している老婦人。
是が返るのを受けて、そうなのか、と返すと同時、心のうちで、知らなかった、と零した]
しばらくはここに居るよ。
無理に歩き回るわけにも行かないからね。
[席を外そうとする老婦人に訪ねられ、広間に残る旨を伝える。
それを受けた老婦人は、では、と残して広間を去った。
エーリッヒはしばらくの間、お茶と共にゆるりとした時間を過ごす]
─ 集会場・地下 ─
[楽しみに、という言葉と笑み>>40、それに返ったのは少しだけ柔らかな笑み。
そこにほんのわずか、幼い頃の面影が残る事には気づかれたか。
その後、挨拶回り、と称して足を向けたのは、地下。
ピアノは広間に置かれているが、それ以外の楽器は置き場もなく、地下に保管されていた]
……ふむ。
かわっとらん、ねぇ。
[使う者もなかったのか、ケースに収められたり丁寧に梱包されたりしている楽器の位置取りは、記憶の中の五年前のものと一致している]
と、なると、ものによっては本格的な手入れも必要か……。
それだけの余裕があるかどうかが問題だねぇ。
[独りごちつつ、手に取るのは手近なフルートのケース。
埃を払うと、それだけで咽そうなその様相に苦笑が浮かぶ]
……取りあえず、長期滞在になるような話もされていたし。
まずは、部屋を一つ、借り受けるか。
……暑いな。
[そんな事をひとりごちながら、茶白猫を床へ降ろす。]
あ。おばさん、こんにちは。
じz……団長に呼ばれたから来たんだけど……
[こちらを振り向いた老婦人に、要件を告げる。]
……他にも何人か来てるのか。
とりあえず俺、広間に行くけど、おばさんも無理せずにな。
[老婦人から、何人か来ている事を教えてもらいながら、男なりに気遣って。
そのまま広間へと、茶白ネコと共に移動する。]
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