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お金稼ぎたいーって気持ちが、音に乗ってお客さんに伝わっちゃうと困るかしら。
……手段として楽器を使うのは、間違ってる?
[師匠の言葉に悩んで]
独奏のお手本見せて欲しいけど……流石にお店でも扱ってないわねー。何か代わりになりそうな物ってあるかしら?
[師匠を見て首を傾げる]
んじゃまあ、探してみるかね。
あ、後、お前。事件について何か情報掴んだら教えてな。それなりの礼はするからよ。
『礼!?
も、もしかして、ぱっ!ぱぱぱふぱふとか!?』
しねえ!!!!!
[最後に思いっきり殴りつけてやった]
―広場・露店―
ああ、またね。
[去ってゆくカヤを見送る]
本気でやればすぐに分かることだろう。
だからこそ……。
[気持ちが出てしまうから][楽団では歌えなくなった]
[そこまでは言えずに]
とりあえず音が出るというだけでいいならあるよ。
[売り物としてはまだ出せない品]
[磨く前の煤けた扉飾りの鈴を奥から取り出した]
[裏通りから出ると、それなりに時間は経っていたようで、太陽の位置がかなり変わっていた。
しばらく、薄闇に慣れていた目が細くなり、手で影を作りながらそれを見上げる]
おお。もうこんな時間か。
まずは、自警団詰め所に言って、団長から話の続きでも聞きに行くとするかい。
[そう言って向かった先で、その自警団長が失踪したと聞くのは*それからすぐの話*]
─広場・噴水傍─
最初見た時も屋根の上を駆けてたからな。
[余計な一言]
[実際見たままを言っているだけなのであるが]
んなこと言ってると仕事終わった後にホントに押し掛けるぜ?
代金と思うならそれでも構わねぇ。
俺は世辞は言わん。
ああ、言って無かったな。
俺はジャーナリストなんてもんをやってる。
この街で起きてる失踪事件を取材しにきた。
…アンタは何か知ってるか?
[口元に笑みを張り付けたまま隻眸が細められ]
[相手の一挙一動を見逃さんと言わんばかりに視線を向けた]
稼ぎたい、という気持ちよりも。
お客さんに品を見て欲しいという気持ちが前に出れば。
一概に無理だとも言えないけどな。
[悩むベティに答え]
楽器としての役目まではこれじゃ無理だろうけどな。
どういう意味かなら分かるかもしれない。
アーベルならね。
[エルザにしろアーベルにしろ]
[器用に色々と演奏するのを見てはいたから]
[悪条件をどうするのか面白がっている節が無いとも言わないが]
― →広場露店付近―
[通り抜けていった少女の姿には気がつかなかった。
ちなみに万華鏡の件については今は忘れているらしい。
露店の一つを覗き、飴玉の詰まった袋を一つ購入して、さて帰ろうかと背を向けて]
おや。
[ここ最近で見慣れた露店の前に、先程見かけた楽団見習いの姿を見つけた。
何気なく近づいてみる]
アタシはいつでも本気ですよ。飽きさえしなければですけどー。
……?
[紡がれることのなかった言葉が気になったが]
[続く言葉と、出てきた鈴を見て、目を輝かせる]
気持ちを前に出す……む、難しそうですー。まずは精神修養からですかね。
[どう演奏するのか、期待に満ちた瞳でアーベルを注視]
─広場・露店近辺─
ま、そうだよね。
[本気でやれば、という言葉に苦笑する。
途切れた言葉の先までは、知る由もなく]
ん、まあ……何とか、なるかな、これでも。
[煤けた鈴を受け取り、手の中で軽く、鳴らしてから]
ま、上手く行ったら、御喝采、って事で!
[面白がられているのは知ってか知らずか。
吊るし紐を手首に巻きつけ、軽く、揺らす。
一つ、響く、澄んだ音]
それは、ごめんなさい。
あまり言われ慣れていないものですから。
[返すのは苦笑。
押しかけるという台詞自体には何も言わず]
――事件を調べに来た方、ですか。
「行方不明になった方がいる」。
私が知っているのは、それだけです。
残念ながら。
お仕事とはいえ、あまり足を踏み込まれないほうが良いかと。
自衛団の方も、解決に手こずられている事件です。
[深く眉根が寄せられる。自らの手で、もう片腕を掴んだ。
淀みのない、抑揚の薄い口調で答えた後、視線を男から転じる]
[最初の一鳴らしの後、リズムを刻むよに手が動き、鈴が跳ねる。
連なる音は、本来演奏に用いるものではない事もあり、どこかたどたどしいものの。
それでも、確かに、旋律としての形を成して。
音を生み出し、旋律となす表情は、ハーモニカを奏でる時と同様に、楽しげなもの]
[言葉通り一度自宅に戻った彼女は、キャリーケースを携えて外へ
向かう先は言わずもがな孤児院──その路地裏]
─孤児院裏・路地─
[たどり着いてみると、言われた場所に確かに横たわるギュンター
くすりと笑うと]
なるほど。覚悟は出来てるってことだ
もし躊躇したりして失敗してるようなら、仲良く両方捕まえてあげるつもりだったけど
ま、結果オーライ。私も楽が出来て嬉しいよ
[くすくすと笑いながらとんでもないことを口走ったり]
[いち早く気付いた少女がこちらに手を振るのに小さく笑い、片手を上げて返事をした。
それから尚も進む足は、青年の鳴らす鈴の音を聴き止め、少し距離を開けた位置で止まった。
そのまま始まった演奏会を、釣り気味の眼を細めて見守る]
[暫くくすくすと笑っていたが]
さて、じゃあ私のお仕事をやるとしましょうか
[そう呟くと、ドンッと手にしたキャリーケースを置く
その音は見た目よりも重そうなもの]
さあ、おいでなさい。私の『傀儡人形(ヨハンネ)』
[手を広げ、高らかにその名を呼ぶと、バタンとキャリーケースが口を開け、中から明らかにその容量よりも大きな人形が現れる
全ての体を現した人形は、彼女の背丈よりも少し大きいくらい
その全身は木で出来た、まさしく木偶人形]
では、さっさと運んでしまいましょう
誰かが見つけて仕事が増える前に
[そう言うと、人形はギュンターを肩掛けに抱え、前を行く彼女のあとに付き従い、収容所へと向かうので*あった*]
―広場・露店―
そこが一番問題かな?
[飽きなければというのに笑う]
[続く言葉の代わりに出たのが先の鈴だった]
まあ、それも一朝一夕では無理かな。
俺だって完全な思い込みまでは難しい。
[鈴を手首に巻いたアーベルを見る]
[澄んだ一つに続いて連なる音色]
[演奏用に比べればずっと鈍いその旋律は]
[だがとても美しかった]
─広場・噴水傍─
そりゃ意外だ、アンタなら引く手数多だと思ったが。
[返す言葉はやはり軽くて]
[見つめた隻眸の先で眉根が寄せられるのを見た]
[それを見ても己は表情は変えぬのだが]
そうかい。
関わりを恐れて足を踏み入れなかったら仕事にならねぇよ。
それに少しだけだが進展もあったようだしな。
[口にするのは先に聞いた話]
[尤も、聞かれれば答えるも、内容は率先して口に出さない]
[そうしているうちに相手の視線が己から外れ]
[露店から奏でられる音の方へと移動する]
気になるなら行きな。
俺に関わってもろくなことにならんぜ。
[咥えていた手巻きタバコも短くなってきている]
[頃合いか、と思いそう相手に言葉を投げた]
[ちなみに、場所と時間は事前にライヒアルトに伝えておいた
もしかしたら、裏で色々と動いてくれていたかもしれないが、それは彼女の知り及ぶところでは*なし*]
進展――?
[気にはかかったが、音色に意識は奪われがちで。
深く問うことはなく、小さく頷きを返した]
碌なことじゃないかどうかは、私が決めることですから。
[それだけを告げて、噴水から離れる。
一つに纏められた髪が、風に揺れた]
─広場・噴水傍─
[途切れた疑問に答えは返さなかった]
それもそうだな。
まぁ忠告として受け取っておけ。
[告げられた言葉にくつりと笑いながら返し]
[髪を揺らしながら離れて行く姿を隻眸で見やった]
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