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[震えを帯びるアナの背を緩く叩く。
小さな子供を宥めるように]
…エリーゼも、俺と同じだから。
『ごめんなさいね。
驚かせる気はあったけど、怯えさせる気はなかったの』
[ちち、ちっ]
[くるりと青は二人の周囲を回り、
再び枯草色の肩へと舞い戻る。
頭を垂れるような仕草が謝罪に似て]
・・・、あの、その、
[言葉を捜す内にも指先に感じた錯覚は消え失せて、困り顔]
不思議が不可思議・・・とでも申し上げればよいのか。
わからないことがわかりませんの。
何か、起こったのでしょうか?
[逆に途方にくれたように年端の行かぬ少年に問いかける]
[不意に聞こえた誰かの声に辺りを見回し…]
…いってらっしゃい?
[周りにいる人物がイゾルデしか居らず、じ、と見つめ]
さっきの、「いってらっしゃい」、っていうの。
イゾルデの?
情報屋 ヒルダは、ランダム を心の中で指差しました。
えー、お世辞じゃないのにー。
[ツィンカにはきっぱりとこう言い返し。
それから、ドロテアに問われて、また、首を傾げる]
え、えーと?
……そう言われても、オレにもわかんないんだけど。
[困ったように呟き、眉を寄せる。
手にしたランタンが揺れて、光が跳ねる。
少年の周囲をくるり、巡るよに]
ありがと、ミステル。
[空気が更に澄んでいく。
王の力の影響だろう。]
うっかり、王様と同じ人を連れて行かなきゃいいんだけど。
[背を緩やかに叩かれると、
暖かい手の温もりに、
父にそうされている様で泣きそうになる]
…え?
[けれど、エリーゼも、と聴こえると
ぱちぱち瞬きながらルイの胸の内で、
ルイと青を見上げるような視線を送る]
……ぁ、……ぁ、……っ
[ぱくぱくと口を幾度も開閉し、
喋った?!、とかホントに?!、という色が見て取れる程]
あはは。
それでもちょっとうらやましいや。
[歌えることにというのには、少しばかり強い羨望。
けれどそれも一瞬のこと、ヒルダと笑って月を見た]
これなら本当に妖精にだって会えそうだ。
…あれ。
ドロテアさんも、イゾルデも。どうかしたの?
[地上に顔を戻すと、様子が違ってきょとんと*なった*]
[消えた不思議な感覚よりも、奉公人としての仕事が優先。
主の所在を問いかけられ、ぐるりと辺りを見回して首を振る]
・・・いいえ、若様はまだお戻りではありませんわ。
騎士様は・・・御一緒にいらしたのでは、
[ないのでしょうか、と問いかけたい声は半ばで消える。
奉公人に詰問する権利はない]
・・・探してまいりますので、少々失礼いたします。
『そうだねぇ、それが心配だ』
……王様が、誰連れてくかって、わかんないの?
『さすがに、それは。
これ、と決めたら動かれる御方だし。
……まあ、重ならない事を、祈ろう』
うーん。
それもだし、このおじさん自身は…
僕達の存在、あまり信じてくれてないみたい。
[意志は、力を使う時に大きくかかわるのだった。]
少し僕の力が戻ったら、今度はミステル、やってみてくれない?
できるだけ力、貸すよ。
青年 クルトが時計を進めました。
青年 クルトは、ランダム を心の中で指差しました。
嬉しいけど、
あんまりいいすぎると、てれるのよ
[照れ笑いをしながら
ランタンを拾っていない手で、
マリオンの頭をぐりぐりと撫でた]
アラ?
ゲルハルトさん、
噂好きサン、どーかするした?
[やってきたゲルハルトと、
尋ねられたドロテアの様子に、
瞬きながら首を傾いだ]
医者 ヴェルナーは、ランダム を心の中で指差しました。
[ぐるぐると思考が巡る。
コエと共に感じたナニカ。
それは以前にも、子供の頃にも視たチカラ]
…え、あ。
[思考から引き戻したのはマルガレーテの声。
ハッと我に帰り、視線をマルガレーテに向ける]
あ、れ。
僕、声に出してた?
[あのコエが他にも聞こえたのかは判らねど、聞こえていたがために口に出した可能性を考え、そう答える]
[困ったらしい少年にちらりと目を向けて謝罪の代わりとする。
その周りを巡るようなランタンの光は視界に入った。
その意味を考えるのは、落ち着いてからになるのだけれど]
若様、ホラント様!
・・・・・・いらっしゃいませんの?
きゃ・・・!
[揺れるランタンを片手に木立の影を覗き、軽く躓く]
『……見るからに、かたそうだもんねぇ……』
[騎士の姿をまじまじと見つめつつ、しみじみと]
『ああ、なんとかやってみようか。
ぼくら二人の『お仕事』なんだし。
……その時は、マリオンの力も少し借りる事になるから、三人、かな?』
[意味を飲み込むまで、静かな瞳が少女を見下ろす。
鳥の姿をしていながら、闇をも見通す青の瞳も共に]
[呑み込んだらしき様子と
声にしないのかならないのか、開閉される口に]
…秘密、な。
[小さな声と小さな頷き。
片手は再び人差し指だけを立てて口元へ]
[浮かぶ表情は常よりも随分と解り易い*楽しげな色を浮かべて*]
わからない…
いつものイゾルデの声じゃ、なかった。けど。
他に、誰も居ないし…
[何処か気が抜けているイゾルデを訝しげに見て]
さっき…耳鳴りだっけ?
そのときも、だけど。大丈夫?
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