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―客室―
……ぅーあー…。
[つっかれたー。と僅かうめき声を上げながら、身体を寝台へと投げ出す。
同時に、ぱた、と小さな音を立てて背表紙を閉じれば、
サイドテーブルへと積み上げたままの書物へ、手を伸ばそうとして。やめた。
…これで、漸く三冊。
昼過ぎには問題も無く手荷物や室内の探査も終えて。
空いた時間、執事に選んでもらった書物を読み漁っていたは良かったのだが]
[―――本を読む事自体は嫌いではない。
今回だって、手荷物の中に数冊の小説も持ってきていたし]
…だーから、何とかなるかと思ったんだけど。
[甘かった、と言わざるを得ない。
文献や論文を読み解くのは、小説を読み進めるより遥かに読解力を要したし
そもそも、元は興味の深くない論説を読み続けるのは
最早青年にとって苦行に等しかった。
…それでも、律儀に読みきろうとする辺りの行動は褒められるだろうか]
…ほんと、にーさん…すげぇ。
[…常々真似出来ないとは思っていたが。
恨めしそうにサイドテーブルへと視線を投げ、思わずぽつりと呟きが漏れる。]
[ぼんやりと。また屋敷が騒がしいな。と思っていると。
かちゃり。という静かな金属音とともに知恵の輪が外れ、その音を合図に思考も覚める
さて、なにをしようか。何気なくまた本をぺらぺらとめくろうとしていると、こんこん。とドアをノックする音が聞こえる]
あー、入っていいよ
[何かはわからないまでもそう答えると、数名の使用人がいた。用事は、便箋を届けにきたと言うことと、部屋や荷を調べるとのこと。そういえばそんなことしなければならなかったのだったな。と思い返し鷹揚に頷きながら、自分は手紙を書き、その間に不振なものがあるかどうか調べられることとなる]
……ご協力感謝します
[感情の篭らぬ感謝の意を伝え、軽く一礼する
もっと犠牲になってほしい、という言葉には僅かに眉を寄せるものの、すぐに緩めると]
……滅相もございません。ただ、1人が2人に増えた理由が気に掛かっただけでございますから
[身体を寝台へと投げ出したまま、暫く躊躇ったまま視線を送って。
それでも漸く。……ゆっくりとではあるが。
サイドテーブルへ積み上げられた新たな書物を手に取れば、
よ、と小さな掛け声を上げながら、身体を反転させる。
寝台の上へと本を開け、肘を突きながらも表紙を捲れば
オルゴールに関する記述が並ぶ頁へと手を進めた]
[まぁ…苦行の甲斐有ってか、執事の告げた通りの順序で書物を辿れば
逸話に関するある程度の知識は詰め込む事に成功はした。
まさか専門家に及ぶ程の知識は持ち合わせはしないだろうが
今の自分には十分だろう、昨夜の自分の知識よりは余程良い]
[緩く歩みを進めながら、執事は思考する。何故、今日は二人だったのか。
魂を奪うのが目的にせよ、音色を聴きたいが為にせよ、どうにも奇妙だ。
対価が足りなかったか――なれば、それは“犯人”に取っては予想外の事。
庭園に差しかかれば話し声が聞こえ、つい、歩みを止めた]
[女は薔薇を手折ろうと紅い爪を伸ばし――その棘に阻まれる]
ァツ…ゥ…、主に似て情の強いことォ…。
[白い指を染めた紅に唇を寄せ、舌先でチロリと舐め取る。
そして視線だけで感情の篭らぬ謝意に応え、*身を翻した*]
[疑って部屋を調べるとはいえそこはやはり使用人。荷を乱雑に扱うことはせず一つ一つ検分していっている。
それを背後に手紙を書く。
詫び状。店がしばらく閉店すること。父宛てに。
内容ごとにわけて、一つ一つかきあげる。その間。無言。
しばらく後。何事もなく荷物と部屋の検分を終えた。
手紙も書き終え、封をすることなく渡す。
後は勝手に処理してくれるだろう。届けばいいのだからそれでいい。
特に不振なことを書いていない手紙はすんなりと通ることだろう]
よいしょ、…っと。
[思わず上げた声に、うわ、俺ジジくさい!とか独りごちつつ
ぺら、と薄い音を立てて書物の半ばを開けば
『永遠のオルゴール』の名から始まる論文の表紙が現れて。
ここかと判断すれば、前の書物から挟んでいた栞を抜き出して
その頁へと差し込みながら、読み進めを開始する。
この姿勢では、直ぐにでも肩凝りで断念しそうな予感はするのだが
座りながら活字を追うのもそろそろキツかった。
主に首が。]
[窓外からの陽は既に沈みつつあった。
活字を追うのも、室内の明るさでは最早難しい筈なのだが
青年は、僅か目を細めるだけで。その視線は流れるように紙面を走っていく]
3発言で残1295pt とか、ちょっと長文すぎやしないか俺…orz
5発言のユーディ(1321pt)超えたよ?
しかもまだ発言続くよ?大丈夫?
[髪を撫でるために手が外されたことによって覗いた口元の笑み
それを盗み見た彼女は確信に到る
ああ、私の歌姫を奪った犯人はこいつだ、と
だがしかし、今ここで問い詰めようとも、在り処を口にするどころか犯人であることすら認めようとはしないだろう
……まだ、情報が足りない]
……そうだ、彼なら何かを知っているに違いない
[ゆらり
どれ程の時間が経ったか、その体はいつの間にか寝台へと運ばれて。
その周りには誰もおらず、ゆるりとその体に手を伸ばすも何かに阻まれるようにそれには届かずに]
ふむ…戻れはせぬ、かの……。
[呟いてただ立ち尽くす。
己に起きたであろう事をもう一度思い返して]
あの夢。あれが罠であったか。
…人の思いにつけこむとはなんと卑怯な。
いや、だからこそ『魔』なのであろうが……。
[あの、赤を纏った女…ヘルガの挙動を思い返せば、納得のいくことばかりで]
昨日、あの時に気付いておれば……口惜しい事よの。
[常とは異なる場所で、誰にも聞こえぬ嘆きを零して]
/中/
さて、ヘルガ様不在化ということで
すぅぱぁ問い詰めたぁいむっ(ぉぃ
というか、どういう流れで進めよう
表で部屋訪れちゃうのはぁゃιすぎる気がするからなぁ
ただ、all裏だと誰か来ちゃう可能性あり
うーん
/中/
いぇーい、問い詰めターイム!なんなら、もう暫く発言落としたら
退席記号付けるから、そこから裏でロール廻す?
表でユーディも退席つけて赤でこっちこれば
客室までは来ないっしょ。…多分。
そういえば、なんかまた騒がしかったような気がするけど、何かあったの?
[手紙を渡したところで、ようやく口を開く。
とはいっても沈黙に飽きたからいったに過ぎず、昨日からそんなものだろ。ぐらいに思っていたのだっただが。ザムエルとナターリエの話を聞いてしばし閉口する]
ザムエルさん…ナターリエさん…
今度は二人も?……か……
[しばし呆然としていたが、その反応を注視しているような、使用人に気づき出て行け。という仕草をして、また一人になる。]
―――…、
[ふいに、僅か吐息が零れて。
活字を追っていた長い指が、紙面の端を捉え、ぺらりと紙を捲る。
流れるように動いていた視線は、一瞬、ふと伏せられて。]
…―――やはり、
[ポツリと落ちる呟きは、何処か低く響いた。
闇の帳が下りつつある室内で、僅か伏せた瞳の輝きを見る事は叶わずに。
続く言葉は音に成らない儘、青年は再び頁を*捲り始めた*]
青年 アーベルが「時間を進める」を選択しました
……それにしても。
[ふい、と顔を上げ抜け殻の体を眺め首を傾げる]
何故に、ワシじゃったんだろうの。
あぁ、歳若き者では敵わぬとでも踏んだかの。
ギュンターと親しき故に、かの。
さて、人ならぬものの事はわからんわいの。
[ぽつぽつと一人ごちて]
しかしながら、ワシで良かったのかも知れんの。
先の短き故、もしもの事があったとて、いずれ逝くのだ大した違いはあるまい。
先のあるものを選ばなかった事は認めてやろうかの。
[そこまで呟き、しかしながら邸に別のざわめきが起きるのを聞く]
[その声のする方に意識を向ければ、そこはまた混乱の中にあって]
……なんと、もう一人囚われたと?
ワシ一人では足りぬか…?
それとも………?
[何もなき虚空に一人在りて、他にすることもなく思考に身を落とせば、いつしか*時さえも忘れて*]
…やはり、間違い無い。
[今でも変わらないんだな。
とポツリ零れる音は、室内へと低く響く。
暗闇の中で、紅を湛えた瞳を持った青年の姿をした其れは
僅か、その薄い口端を上げてほくそ笑む。]
[潜んでいた場所から僅かに移動して、邸の門の方角を見やる。
そろそろ、侍女と郵便配達人とがやり取りを終え、去っていく頃か。
昼から無理を言って引き止めていたから、不審に思われたかもしれない。
魂を奪われたものの容態や、犯人の逃亡も考慮すればやはり、]
……時間がない、か。
[呟いて、庭園に一歩、足を踏み入れた]
─アーベルの部屋の前─
[庭園をあとにすると、彼の知っていることを聞き出すためにアーベルの部屋を訪れる
僅かに躊躇するが意を決し、コンコンと扉をノックをする
中から返答があれば、失礼します、と中へ入るだろう]
[...は疲れか、苛立ちか。髪をかきあげる頭を抱える。
昨日予想していたわけだが、犠牲は一つに留まらなかった。
悲しくないといえば嘘だが、抑えきれないほどでもない。
思慮深く穏やかなザムエル。古く想いのこもった綺麗なものが好きなナターリエ。
どちらもあったばかりだが嫌いではなかった。
特に、ナターリエとは感じかたが似通っていたからか。特にその印象がある。でも…]
わからないのはどうしようもないってのがまいる
[さまざまな感情を吐き出すように。深く息を吐いた]
[室内へと響き渡るノック音に、伏せていた視線を微かに向けて。
本来ならば、すぐさま青年へと譲り渡していただろう意識も
扉の向こうに感ずる気配にくつりと笑みを零すだけで]
―――どうぞ?
[何処か愉快めいた低い声を返しながら、
寝台へと横たえていた身体を起こし。]
[丁度、召使いの少女と擦れ違うも、いつも通りの笑みを向け挨拶を交える。
訊ねる間も与えず通り過ぎたから、相手の反応もまともには見ていない。
白と黒の咲き誇る一角まで辿り着くと、刺に僅か付着した赤に目を眇めた]
/中/
はい、やらかしましたすいませんっ!
ていうか、明示されてない事は表に書いた者勝ち、っていうのを伝えきれてなかったなー。
ここら、しっかりせんと(' ';;
……失礼します
[中に入ると、こちらを見ている彼の瞳は真紅
ああ、彼の方かとなんとなく思う。なら]
前置きはいいですわね。知っていることを教えてください
……、随分な挨拶だな。
[闇の中に現れた侍女の姿に、くつくつと笑みを零す。
手に持った書物をサイドへと閉じ置けば、紅の光を其方へ向けて]
まずは聞こう。―――何処まで判った?
[まるで、答えあわせをするかの様な問い]
─2階・客室─
[意識が戻れば、周囲は淡い闇の内。
その色彩に、ずっと眠っていたのか、と嘆息して]
……それにしても、『暴走』……ねぇ。
[小さく呟いて]
基本的に、存在が暴走してるようなモンだろうが、あれ……。
[はあ、とため息をついて、起き上がり。
テーブルの上のレポートを一冊手に取って、ぱらり、ページをめくっていく]
[何処まで判ったか、と問われれば僅かに思案し]
恐らく、犯人はヘルガ様。先ほどまで一緒に居まして確信しました
……最初は貴方かと思ってましたが
―――私が?…まさか。
わざわざ手に入れるだけなら、態々君を焚付けた意味すら無くなる。
[侍女の言葉に、僅か眉を上げ。
それでも起こる様子は見せずに、くつ、と愉快そうに笑みを零す]
そして、その確信に間違いは無い。
…肝心なオルゴールについては、まだ掴めず仕舞い…か?
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