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[二人から視線を外しアヤメを見た。
その言葉を聞き、考え込む。
隠された四翼。宿る守護の力。それを口には出来ないが、]
……女の勘と言うヤツか。
ジョエルはどうした。誰か姿を見ていないか?
[別の意味に摩り替えて、周りへと問う。
儀式の準備中、姿を見たものはいないとの答えが返った。]
あの責任感の固まりがいないだと。
………何かあったな。探すぞ。
[荷を片隅に置いたまま、大股で扉へと足を向ける。]
[ひとの気配はない。
下にもいない。
狐はわらって、上から小さなしずくをたらした。
どくりどくりとあふれ出す、やみを。
虚の残滓のように、すこしだけ、たらした。
狐の面を外した男は、すぐにふたたび蓋をして、その場に痕跡を残さずに飛び立った。
向かう先は、広場。]
[堕天尸がまだいると、人にしらしめるためか――
それとも、堕天尸に立場をおしえるためか――
こたえは、狐の口から語られることはない。]
[扉へと歩みながら、睨む子供に目だけ向ける。]
……そうだ。
[答えは短い。
足も止めず、その側を通り外へ向かおうとした。]
そうなんだ〜
[エリカの話を聞いていたのかいないのか。理解したのかそうでないのか。
既に立つ力もない様子のエリカを抱きとめたカルロスに]
あは、もうパスするの禁止禁止〜
エリカを運んでね。きっと楽しいよ〜えっとえっと……でーと?
萌黄と翠……?
[ 翠流のちからといえば―――――。
目を閉じて神経を研ぎ澄ます。]
広場に人が…?
まさか…長老、誰かを封じたのですか…。
[ そして―――――、]
もしや…いや、でも他にその力あるものも…。
けれど……。
[ 膝から落ちるエリカを見ながら自問自答を繰り返す。]
――――――っ?
[ ふいに何かを感じて空を仰ぐ。]
虚の気配…?
どうして、結界の内側から…?
[ 怪訝そうに空を睨む。]
……ま、そんなとこ、かな?
[女の勘、という物言いに苦笑しつつ、ふらつきながらも立ち上がる。
隠した二翼の疼きも、胸騒ぎも消えない]
……まさか……ね。
[ふと過ぎった嫌な予感に、ぽつり、呟いて。
オーフェンに素っ気ない言葉をかけるスティーヴの様子に、またか、とため息一つ]
……堕天尸と確信出来る証拠があれば一番だがな。
そうでなくば疑いの域からは出ない。
[通り過ぎざま、オーフェンを抑えるラスに言葉を返す。]
おいおい…。
[呟きは酷く、苦い。確認と言うよりは、独白のように]
消えたのは2人で…翠と、萌黄…は、羽根の色、か?
これは…誰かに伝えるべきなのか?
[ネロの言葉に、しっかりと頷く]
そうだな。パス3は失格だし…お嬢さん方、今の事、長老か誰かに話しに行ってくれないか?
聖殿か…いや、結界樹か分からんが、頼む。
……そもそもよそ者の言葉を信頼するかどうかも分からないが…。近くにアヤメが居る事を願うかな。
[肩に置かれたラスの手に力がこもったような気がして、今すぐ飛び掛りたい衝動を抑えて、小さな声で]
……そう……
[悔しさに、ぎり、と歯軋りの音を立てる。スティーヴを睨む瞳には決意の色が浮かんでいる]
[地面に足をつけたときに、わずかに体勢が崩れた。
しかしそれはわずかな話。
狐自身ではわかること。虚などほんらいは、使えはしないのだ。]
――さて、と。
長老殿のところに行くか。
[何事もないように、進む。]
うん。失格失格〜。ならないほうがきっと楽しいよ。
でもエリカは、結界樹で、クローディアは清めの対象にはならないっていってたけど
…他の人はなるのかな?鳥の名前は何かな?
[言って、じぃとエリカを見るが、呆とした様子に何も返ってこないため諦め]
そうですね…長老にお話を聞きに行くのが早いでしょうね。
広場に人が集まっているようです、長老も恐らく其処に。
[ そう言って他の4人を見る。]
急ぎたいので、ご一緒する方はお運びします。
といっても、術系統は苦手ですので人力ですが。
[ そう言って羽根を広げる。]
…疑い。
[通り過ぎたスティーヴの背中を見る目には、仄かに暗い色が宿る。
が、それも一瞬の事ですぐに糸にするとオーフェンを振り返り肩に置いた手をポンポンと軽く叩き]
リディアも「大事」だったんだな。
結界樹の、なか・・・?
巫女と同じって事は……虚、か?もう一つは、違う……。
[アヤメではないと聞いて一瞬安堵した顔になったが、すぐに両方翠流、と聞いて厳しい顔になる。さらに問いかけようとすれば、少女は力尽きたように]
……エリカ!?
[倒れこみ、カルロスに支えられる。駆け寄って身体の様子を見るが]
昨日と同じ……感じ。
[扉を抜け階に足をかけた所で、歯軋りの音に振り返る。
こちらを睨む少年の深紅の瞳には、決意が見えた。]
……いい目だ。文句があるなら自分で探して見せろ。
[口の端を上げて挑発し、空へと階を蹴る。]
―回想―
[スピードを上げて飛びつつ、その意識は「虚」によって剥がされる。
ふわり、はがれた意識は更に早く飛ぶ。
黒いソレは、風より早く、飛び――]
ツカマエタ――
[俺の、大事な人。
自宅を出るジョエルを捉えると、一気に肩に手を伸ばし、力づくで封じる。]
ちょうど見えたから声をかけただけだ。
[少しわらいを含んだ声で]
―― 本当に、苦労する生き方だな、鷹目殿は。
[片手を軽くあげた。見送りのあいず。]
この島ごと、この世のコトワリごと壊すまで――
そこで、見てるんだ…!!
[それは一瞬の出来事。
「虚」の力に抗う事も出来ず、吸い込まれるジョエルの顔を見て―― 哂った。]
[広場に人が、と言う言葉にふと目を閉じ、耳を澄ませるようにして、ロザリーの言葉を確認する]
本当だ。そりゃ封じる、と言っていたけれど。もう始めていたのか・・?
行こう。
[頭の中、最善策を模索して、]
いや、俺は広場に行かない方が良い。異端の人物の話を混ぜるよりは…ロザリーちゃんの話が通りやすい。
[エリカの様子を見るカレンには、]
カレンちゃん、薬師だったっけ。…家は、診療所か何か?
近いなら、エリカちゃんをそこに運びたい。
ネロはどうする?俺たちと来るか?
……大事……?
[ラスに肩を叩かれると、涙の跡の残る顔で振り向き]
……うん……何の得にもなんないのに、僕にご飯作ってくれたり、家に連れてってくれたり……
お姉ちゃんになってくれる、って、言って、くれた……大事な、人、だよ
……結界樹の中で封印、なんて……
[顔を歪めて、天を仰ぐ]
[わらいの声音を聞き、不機嫌に鼻を鳴らす。]
………貴様の酔狂な生き方よりはマシだがな。
[そのまま飛び去ろうとして、翼を大きく鳴らす。]
―――ジョエルを見たか?
ネロは、行かないのか?……行きたくないなら、無理強いはしないけれど、気をつけて。
私もきちんと術を使った上でなら、ある程度のものなら運べるけれど……。
[カルロスの言葉を聞いて、どうする、と言うようにロザリーとカルロスを見上げた]
[腰に下げた布で、オーフェンの頬をぐいと拭こうとしながらももう片方の手で頭を撫でた。]
…死んだ訳じゃない。
「虚」に掴まれていたなら、浄化されるんだろう?
それは悪い事じゃない筈だ。
[だろう?と、腰を屈めてオーフェンと目線を合わせてじっと目を見た。]
――――…。
では、カレン殿はカレン殿で判断はお任せしましょう。
ネロ殿は行かれないのですね?
では、私1人で参ります。
カルロス殿、後はお願い致しますね。
[ 自分の思い違いならいいが。
「彼女」が封じられるなんてことは―――――。]
……弱りましたね。
[ そう言って空を仰いでから広場へと飛び立った。]
うん。広場はいかな〜い。
ロザリーやカレンが飛んでくの見るの〜
[カルロスやカレンの問いにはそれが楽しみなように答えるが、次の行動までは言わない。
思いつくままにいる...には計画的なことは難しく]
あは。またね〜またね〜
[と飛び立つロザリーを手を振って見送った]
ああ、施療院。ここからさほど遠くはない。といっても翼でだから、歩くとどの程度かは分からないが……。
[エリカは施療院に居たがらないかもしれない、とも思うが、倒れるのもこれで2回目、急ぎの用件だし、我慢してもらおうかとカルロスに施療院の位置を教える]
[くるる、と鳴くラウルに大丈夫だよ、と声をかけ。
オーフェンは、ラスに任せておいた方がいいか、と判断し]
……結界樹の様子……見て、こないと。
[もし、これで終わるのであれば、変化があるはずだから、と。
ゆっくりとした足取りで、外へ向かおうと歩き出す]
[紫紺の男の挑発的な態度に、深紅の瞳に炎が灯る]
……そう、するよ……
[空へと向かう背中を見送った後、全身から力を抜き大きく息を吐く。ラスに頭を撫でられながら]
うん……そう、だね。
……悪いことじゃ、ない……
[じっと見つめるラスの視線を見返し。視界の端にアヤメの姿が映るか]
俺も、判断はカレンちゃんに任せるよ。
家で、エリカちゃんの容態を見るか、それとも広場について行って現状を知ってくるか。
広場に行くなら、場所だけ教えてくれ。
[教えられれば、承知の意を込めて頷き、エリカを抱え上げる]
分かった、カルロスについていきたいようなら、そちらについていって。
[ネロに答え]
それじゃあ、カルロス、……頼む
[それだけ言うと、翼胞から翼を広げ、飛び立った。あせって動かす翼が、ばさりと鳴る]
[ロザリーが飛び立つ様子をじぃと眺め見送り。
そしてカレンが飛び立つ様子も同じように、手をぶんぶん振って見送って
それから今度の行動を考え、残ったカルロスに]
ねえ。一人でエリカは運べる?
[愉しいとの言葉には鼻を鳴らすだけで答えず。]
……見てないか。ならいい。
[紫紺の翼を大きく羽ばたかせ、高度を取る。
旋回し見えるは結界樹。そしてこちらを目指す淡い金色の翼。]
…………ロザリンド。
[また何かがあったのかと眉間の皺が深くなる。]
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