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[礼斗の言葉に、神楽が吐き捨てるように返す]
新たな友達が死んで……幼馴染が死んで……背負うも背負わないも無い!
もう、走り続けなきゃいけないんだ!
雪夜……!クソッ!
[今にも全身が爆発しそうな足取りで、神楽が雪夜の死体のそばまで歩き出した]
……。
[その体から流れる血は白いその体と合わさってとても綺麗に見えた。
いまだに温かいその体から溢れる血は何かの冗談のようだ。それでも、先程感じた死のイメージは絶対で、彼がすでに旅立ち始めているということを知らしめている]
[怖い、は急に降りてきて、過去の怖いと混ざって増える。
自分の悲鳴が邪魔をして、伽矢の声も周囲の声もどこか遠い。
神楽が何か言っていた。つかさ?つかさって何?ワタシガツカサ?
ツカサはカグラ?じゃぁひょーまは 何?
かえれない、カエレナイ。
ツカサトヒョーマガイルカラカエレナイ。
パニックを起こした頭はぐるぐる回りつづける。
大好きな人から、何も見るな、何も聞くなと言われ抱きしめられて。
くたりと意識を手放した。
うさぎはじっと、舞い散る桜の花弁を*見つめていた。*]
[交わされる会話に耳を傾けていた。残りの司は誰なのか、と。
屠るべき相手を見つけ出して早々に殺し、残された者たちを喰らう。
…………そこに慢心があったのだろう。]
(ずぶり)……んな!? かはっ……
[会話に意識を割くあまり、背後の注意が疎かになっていた。
そこに深々と刺さるペティナイフ。
呆然とする間に、さらにナイフはぐさりぐさりと突き刺さり、]
(……はっ。せっかく不自由しない身体が手に入ったって言うのに。
最後に言われた言葉が、聞き飽きた『悪魔憑き』かよ。
…………はっ。胸糞悪りぃ。最悪な気分だぜ。
………………伽矢。すまねぇな、偉そうな口利いた割りに押し付け、ちまっ……て……)
[そこでぷつり意識は途絶えた。]
[涙は出ない。涙は出ない。
こんなに悲しいのに、こんなに苦しいのに、それでも、涙は出なかった]
……。
[みんなに背を向けるように、ずっと雪夜の体を見下ろし続け、やがて、神楽が懐から扇子を取り出した]
……。
[顔は誰にも見せない。どんな表情をしているのかは分からない。
だがそれでも、その舞だけで、どれほど彼女が悼み嘆いているのかは、分かりすぎるほど分かった]
……。
[憑魔を浄化するため。黄泉への旅立ちへの餞のため。
最後の舞を神楽が、雪夜に向けてだけ舞い続ける]
[背後の悲鳴に一瞬足が鈍る。
けれど相手も動きを止めていた。
姿勢を低くし、目的のものを無理矢理に奪い取った。
普段からすれば機敏過ぎる動きであるけれど、本人は必死で気がつかない]
……く、
[生温い血の感触。
手が滑り、掌に痛みが走った]
少女 千恵は、巫女 神楽 を投票先に選びました。
[やがて、雪夜の体から立ち上るモノが神楽の元へと集まり、神楽がそれを『喰らう』
それは今までよりもずっと激しく、ずっと切ない、憑魔の浄化。
自らの体に宿し、そしてまた自然に帰れるように、神楽は舞う]
……神楽……舞う。
[小さく、途切れ途切れに最後に呟くと、雪夜の体は何処にも存在していなかった。
ただ、上気したような湯気のようなものがたなびいて消えただけだ]
……おばさん。
[背を向けたまま、神楽が百華に静かに語りかける]
憑魔を見つけ出し、滅してくれてありがとう。
だけど……しばらく、その顔は見せないでおいて。
私の幼馴染を殺したことを思うと……思わず復讐してしまいそうだから。
時間が経てば、少しは自分の中で折り合いがつけると思うから、今は近寄らないでよね。
[抱き締めていた従妹の身体から力が抜ける。
オレは抱えて、広場の隅にあるベンチへと駆けた。
後から幼馴染も追いかけて来ただろうか。
意識を手放した従妹をベンチへと寝かせる]
…くそ、お袋……何で……。
[オレは二重の意味で声を漏らし、拳を握った。
視線を遠くに戻すと、母親の得物は眼鏡の男に奪われていた]
……瑞穂、お前ん家、また貸してくれ。
[従妹を運ぶと告げると、幼馴染は頷いてくれる。
オレは母親を気にする素振りも見せながら、従妹を抱えた。
幼馴染は律儀にも、その場に残る者達に従妹を運ぶ旨を伝えている。
それを待ってから、オレは幼馴染と共に広場を後にし、幼馴染の家へと向かった]
……!
[飛んできた誰かが、右手の物をもぎ取った。
そして近くで新たな血の匂いを感じる]
あ。 あ。
やっちゃった……
[私はどうやら、人を殺めてしまったようだ。
先程の巫女さんの叫びは耳に届いていなかった。
私が彼に本当に憑魔が憑いていたと知るのは、
舞い終わった巫女さんに尋ねてからだろう。
彼らは怯えているだろうか、子供たちを振り返る。
そして傍の人物の方を向く]
あ。 史さん、手が。 手……
[彼は、私を止めてくれたようだ。
手当てしたくとも、やり方はすっかり*記憶の彼方*]
[それだけを言い残すと、そのまま神楽は正面へ向けて、何処へとも無く歩き出した。
何処へ?などとはどうでもいいことだ。
どうせ、危険などはここで見た顔の人間しか残っていない。
それならば、何処へ行っても同じ事でしかないから。
来るならば、来ればいい。それだけの覚悟をするつもりならば]
……嘘も空も……心の臓も……声も……時が動かすの……
きっと誰も……きっと今も……セイなど……知りえないの……
[ポツリポツリ。
途切れるように唄を歌いながら、神楽が*その場から離れていった*]
[巫女さんの静かな声が耳に届いた]
憑魔を、みつけ、だし。
[ああ。彼は本当にとり憑かれていた……。
私が刺したのは、幸運にも憑かれた人間だった]
幼馴染、だったの。
[それ以上彼女にかけられる言葉はなかった。
一つ頷くと、そのまま去っていく彼女の背中を*見つめた*]
[痛みで取り落としそうになる刃を握る手に力を込めた。
垂れる血は雪夜のものか、傷口からか]
……っそぉ!
[掠れた叫びを上げて、得物をできるだけ遠くへ投げた。
茂みの揺れる音]
―生前・中央広場―
[千恵を抱く伽矢、自分は何もできず離れている。
神楽が、憑魔が死んだことを告げるのを何とはなしに聞いていた。
伽矢に家を貸してくれといわれるのをどこか上の空で頷いていた。
一応皆に知らせながら伽矢の後についていく]
伽矢くん…、私は伽矢くん…殺さなきゃいけないときが…来るのかな?
[質問に答える声はない、聞こえていなかったのかもしれない。]
[肩で息をしながら振り返った。
一応の警戒もあって、2人の間に立つ]
すいません、ももさん。
けど、瑶は昔っからこうなんです。
今に始まったことじゃない。
……もーちょい笑って欲しいなとは、常々思ってるんで。
[正気を取り戻したらしい相手に、頭を下げた。
笑みは上手く作れただろうか]
あー、大したことないんで。
[本当は結構深い傷だったけれど、気にされれば軽い調子で断った]
/*
全体的にちょっと遅れ気味だったのも原因かも?
静音さんの胸借りてください。
今回墓下についてWikiにないけど中味控えたほうがよさそうかな?
[百華が巫女の方へ目を向ける。
緊張の糸が切れたように、どさりと座り込んだ]
……怪我、ないか?
[瑶子に尋ねながらも、朦朧とし始めているのは己の方。
右手には固まりかけた雪夜の血。
――『憑魔』の血。
視界が捩じれ、歪んで、
掌に舌を這わせた]
……ク。
ざまぁ見やがれ。
[微かな声。
わらいを含むそれは、瑶子にだけは届いたかも知れない。
掌に作られたばかりの傷口は、既に*塞がり始めていた*]
─繁華街・瑞穂の家─
[鍵をかけ忘れたままになっていた幼馴染の家。
その中へと入り、二階へと上がる。
寝床を用意してもらうと、そこに従妹を横たえ、上掛けをかけてやった]
……千恵……。
[怯えた悲鳴。
至近距離でのあの悲鳴はかなり耳に来た。
それだけの恐怖を味わったと言うことなのだろう。
オレは口元をマフラーで隠し、ほくそ笑む]
[隠した笑みを消し去ると、オレはしばらくの間、従妹の傍についていた]
─繁華街─
[あの惨劇から数時間、各人が各々の行動を取った後。
オレは幼馴染を散歩と称し外へと連れ出す。
危険だ、などと言われたなら、護ってくれるんだろ?と強引に言い包めた]
[そうして中央広場が近付いた頃、オレは移動の足を止める]
……なぁ、瑞穂。
お前、本当にオレの事、護ってくれるのか?
[幼馴染の方を見ないまま、オレは訊ねる。
彼女はどんな様子で是と答えただろうか。
問いも唐突なもの、警戒されたかも知れない。
けれどそんなことはどうでも良かった]
護ってくれるんならさ……。
オレにそのチカラ、くれよ。
[風切り音を奏で、オレは鉤状にした右手を振るった。
見た目はそのままながら鋭さを持ったそれは、幼馴染の喉元を抉る。
柔らかい肉と細かい骨が右手に残り、幼馴染の喉からは鮮血が舞う。
その鮮血から逃げるように、オレは幼馴染の傍から飛び退いた]
……っは、流石、司は美味い。
溢れてきそうだ。
[抉り取った肉と骨を口へと放り込み、手についた赤を舐めとる。
噛むごとにゴリゴリと骨が砕ける音がした]
その源を喰ったら、どれだけのチカラが得られるかな。
瑞穂、お前の全て、オレにくれよ。
死んだらチカラをくれるって約束、果たしてくれ。
くはははははははは!!
[もはや物も言えないだろう幼馴染は、どんな表情をしていただろうか。
オレが憑魔と知ってどんな思いになっただろうか。
そんなことはオレが知る由もない。
愉しげな嗤い声が響く。
ただ、司を喰らえる悦びだけがオレを支配していた]
[その後の攻防は一方的に近かった。
司だけあってただやられてはくれない。
けれど先の一撃と、相手がオレであることからか、幼馴染の動きは鈍かった。
オレは特化された能力──スピードを活かしHIT&AWAYを繰り返していく。
時折反撃を食らったりもしたが、相手に比べれば大したダメージでもない。
身に刻む傷に構うことなく、オレは両手を──空気を圧縮した爪を振るった。
腕を、足を、腹を、背を。
接近する度にどこかを一か所ずつ削ぎ落としていく。
その度にオレは血肉を喰らい、チカラを増して行った]
苦しいか、瑞穂。
オレに嬲られるのは悲しいか?悔しいか?
そろそろ楽にしてやるよ。
あまり長引いて誰かに見られちゃ敵わねぇ。
あばよ、瑞穂。
[歪んだ笑みを張り付けて、オレは幼馴染に顔を近付けた。
その至近距離から軽く地を蹴り、脇をすり抜ける]
約束通り、チカラは貰ったぜ。
[そう言って、オレは右手に掴んだ生の塊に齧り付いた。
鼓動を失った幼馴染の身体は、ゆっくりと前のめりに倒れて行く。
幼馴染の左胸に空いた穴から大量の滴が零れ、地面を彩って行った]
一人でやらなきゃならなくなったのは面倒だが、愚痴ったって何も始まらねぇ。
次はどいつが良いかな。
[生の塊を喰らい切ると、手についた赤を舐めとる。
受けた傷は得たチカラも相まって既に塞がっていた。
ひゅん、と風が振り切れる音が鳴る。
あれだけ派手にやっておきながら、服や帽子、マフラーに赤の痕跡は無かった]
[こうしてチカラを増したオレは、演技にも更に磨きをかける。
その場に立ち尽くしているのを誰かに見られたら、こう答えることだろう]
さ、さっき、瑞穂が居ないのに気付いて窓の外見たら、何かを追いかけるのが見えて…。
様子がおかしかったから、後を追ったら……!
[駆けつけたら幼馴染が倒れていて他には誰も居なかった、と伝え、僅かに身体を*震わせる*]
/*
大量投下過ぎて表と独り言が1pt差になってた。
多分、今日一日くらいは残される、よね…?
占い告発も無さそうだし。
襲撃を表でやったのはCOしてるオレしか残らないんだから、わざわざ赤でやる必要が無いってのと。
出した方が墓で補完かけれると思ったから。
出来るだけ配慮したつもりだけど、一方的なものに感じたならごめんなさい。
まだまだこの辺未熟です。
てか、喰いログほとんど作ったこと無いんだ…!
襲撃描写もほとんどやったことないんだ…!
。・゚・( ノノ)・゚・。
「ひびきは、かわる。
おもいは、かわる。
ゆらゆら、ゆらら。
ゆらゆら、ゆらら。
まよい、まどうは、ひとのさが。
まどい、まようは、よのならい。
ゆらぎ、ゆく子ら。
ゆくさき、いずこ?」
―稲田家・二階→繁華街・広場―
[カーテンは少しだけ開いていて、その隙間が頬に当たって暖かかった。
ぱちりと目を開けて、ぐしぐしと目を擦る。
傍に人がいても、その人らは眠っているようで。
百華が居たとしても、その姿をぼんやりとした様子で見ていた。
誰も起こさないように、そばに置いてあったうさぎ背負い絵本を手にし、そっと一階へと降りてゆき、一人で外に出る。
ぽてぽてと、散歩するように外を歩いた。
朝日はゆっくり地表を暖めてくれるけれど、空気はまだ冷たく小さい体を包み込む。
はーっと、両手に息をふきかけ、まっかな指先を暖めた。
少し先にある広場に立つ。
そこで昨晩何が起こったかなんて知らぬまま。
どこかぼーっと、辺りを見ていた。]
―繁華街・広場―
[視界の隅に何かいた。
そちらへ動く。じっと奥のほうを見ると、そこには動かぬ小さな猫がいた。
あの時見つけた子猫なのか。
そんな事は、知らない。]
………ひょーま?つかさ?
[じ、と。子猫を見つめてそう問うも、もう、みぃという答えすらない。
きょろと辺りを見回して、地面に転がっていた少し大きな石を見つけると、大事な絵本を脇に置き、石を両手に持ってきた。]
ひょーま、つかさ。
[ぶん、と
石を
大きく
振りかぶって]
(―――――――――――ぐちゅり。)
『み゛ぎぃ、っ』
[小さな命が最後にくぐもった声をあげた―――ような気がした。
それで最後。
少し大きい石を持ち上げると、頭を潰され目が飛び出た肉塊が転がっていた。
ぺいっと、石をその上に捨てる。
どすっと鈍い音がして潰れて、血が反対側に少し飛んだ。量が少ないのは、きっと時間がたっていたから。]
いっぴき、かなぁ?
[無邪気な問いはうさぎしか拾わない。
そのままじーっと死骸を見ていると、それはふいにゆらりとした桃色の陽炎に包まれ消えていった。]
?
[きょとん。不思議そうに、石を持ち上げる。そこには血の痕跡が残っているだけ。
桜は正しく、子猫を輪廻の輪の中へと導いた。]
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