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……悪運は、お強いようで。
[ユリアンに短く言葉をむけ。
青の青年を、再び見やる]
なくしたもの。
それは……君、自身、か?
[呟いて。ふわり、背に開く、白の翼。
かけた眼鏡も外して。
それは、竜郷で見せた姿と同じ物]
……この姿で会った時には、あったもの?
[それならば。時空竜たる彼には、読み取る術もあるのだけれど──]
[なんだか邪魔をしちゃいけない気がしたので。
ダーヴィットと機竜から少し離れたところで、ぺたりと座った。
何かあったら駆け寄れるキョリに。]
< 機鋼の竜、と、猫は呟きました。
まだ、あっていません。
あっちゃいけないっていうみたいに、青いしるしがいいました。
でも。
猫は、なんだかかなしくて。
あいたいって、おもいました。
だって、リディは、力をその子のために、っていっていました。
だから。
あってみたかったのです。
もう、猫は、自分をとらえた力にも、なにもおもっていませんでした。
ただ、かなしいだけでした。 >
…言葉。少なくとも、イレーネは皆そう呼んでいる。
私たちがどれ程居ようとも、”イレーネ”はずっと一人だから。
[流水の不思議そうな顔に、蒼を薄く伏せて。
続く言葉には、一つ頷いた]
此方も了承した。そう呼べば良いよ。
イレーネの一人を示す事は、変わり無い。
[イレーネの言葉に考え込み]
何でしょうね。躾というんでしょうか。
ダーヴィット様は仲間意識だとか言ってたような気がします。
思うところがあるみたいでしたね。
エルザ様も少しの間、お話されていたようでしたが・・・。
先ほどは見かけませんでした。
う、ん。
ひとり?
< 猫にはやっぱり、イレーネのことは、むずかしすぎて、わかりませんでした。
でも、
ことばと、こころがちがうなら、ひとり。
ねこは、そう思いました。
ひとりだけど、ひとりが いっぱい。
そういうことなのかな、って、思いました。 >
うん。
あなたの、ときは、そう呼ぶ。
ええと、
あの子のときは、ノイって、よぶ。
いや。
何で俺中心で繋ごうと考えてるかな。
他にも繋げる奴居たんだろ?
[同じ場所に居られるように。ミリィとも繋ごうかと。そう告げるユーディットの居る方向に裏拳突っ込み]
…通路の先に、機鋼竜、ね。
『まだ力の吸収はして無いわけか』
[呟きは口の中だけで。ここに何名か居る時点で、それが起こっていないことは容易に想像出来ては居たが。機鋼竜の目的を知る以上、気をつけねばならないこと]
[抑えが効かない。崩れる均衡を戻すために本来の力を得ようと。
だが無作為の開放は無理な干渉を引き起こしかねない。
どうすればいいのか]
『 ...Oeffnung und Umwandlung 』
[呟きと共に左手の鎖が全て外れた。
同時に人の子の身体が崩れ、紫のもやっとした球体へと。
そのままエリアも越えて薄く広がってゆき。
軋む世界を宥めるかのように流れる]
感情は――与えた。
恐らく、私が触れた事で。
……この界の崩壊の可能性を聴かされて。
悠長にしている余裕も持ち合わせていなかった、と。
――そう思って貰えれば。
[疾風の軽口にも似た言葉に、小さく苦笑を零して。
尤も、其れで此処に居ては意味の無い事だけれど]
…そうか。しかし唯恐れを抱き続ける寄りは――ずっと好い。
利害が一致したと、其れだけの理由でも。
誰にでも繋げられるは繋げられましたが・・・。
言いませんでしたか。
わたしは人以外に興味はないんです。
[裏拳つっこみを受けて倒れる]
[よけようとするユリアンを追尾し、ぶっ放そうとした瞬間聞こえた声
そして、強制転送により落ちたのは第二廃棄エリア。ちなみに、チャージが完了して発射間際だったわけだから]
ちょ、待っ……!?
[着地して、慌てて砲身を何もない(はず)の方向へ。ファイヤー]
< お話のとちゅうだったけれど、猫は足を外にむけました。
そういえばギュンターはどこにいったのかしら。
リディは大丈夫なようですけれど。
……外へ。 >
―第一集積所→……―
[今までとは異なる何かに、私は彼の仔を抱いて身を竦める。
まるで世界が――機鋼界自体が軋むかのよな、音]
『何が…!?』
[事態を把握せんとする私の腕から、彼の仔が飛び出して。
応えるは、時空竜の声]
[一瞬の後、『波動』が響いて、消える。
私は、渡った彼の竜の無事を祈り、出ぬ喉で高く一音啼いた]
――…躾。
新たな機竜には、まだ魂が宿っておらぬに。
[氷破の言葉に眉を寄せる。
本能的に動く其れを、…躾ける事は可能なのか。
心で、理性を育てて漸く――成り立つ物だと思うのだが。]
ダーヴィッド……嗚呼、火炎の若竜君か。
同族で在るからに、多少響く物も在るのかな。
< びっくりして猫の姿に戻ってしまいました。
きこえた場所はこっち。 >
―…→第二集積所―
なに、が
< ねこの すがたなので ないてるだけにしか、きこえないでしょうが。 >
そう、一人。
…解かった。覚えておこう。
――あの仔の時は、ノイと、呼んでやってくれ。
[流水の言葉に、緩く瞬きながら応えて。
続く言葉には、了承の意を返して。
出て行こうとするその背中を見送――]
[…何か、凄い音が響いたな。]
誰なのか、
何なのか、
すべて、ぜんぶ。
後、少しで、わかるから、
そうしたら、 きっと。
[砂とも光とも知れぬ粒子が舞う]
[人の形は文字の羅列へと変わって]
[*瞬きの後、その姿はもう、其処には無い*]
精神──感情を司る、か。
[与えたと聞けば納得したように少しだけ笑って]
確かにのんびりはしていられなかったか…。
この騒ぎが続く限り、均衡は崩れる。
騒ぎを収束させない限りは。
まぁ、それについて責めるつもりは毛頭無い。
何をどうするかは、個人の自由だ。
[好きにすれば良い、と笑う。自由気ままに。ハインリヒが風の力を操るが所以か]
そうだと良いが、な。
目的が一致すれば、苦手な、嫌いなものでも──。
[そこで言葉が途切れる。あの少女も、そう言う状況だったのだろうか。やっていることは認められるものではないが、その気持ちは少し分かったかもしれない]
ダーヴィット様はそう思っているのではないでしょうか。
コードに繋がれてみたりなさってましたし。
機鋼の竜にも少しは自意思らしきものがあったようですけど・・・。
[様子を思い返し首をかしげる]
[通路数本と、ドロイド十数体、あと部屋もいくつか貫いたかもしれない光の奔流が消え去った後にはぽっかりと開いた穴
ビキビキビキと元の腕の形に変化する右腕を押さえ、神経の激痛に耐えていたが]
…………どういう、こと
[そう呟くと、壁に寄りかかりながら、中央・機鋼竜のところへ向かう]
[抱くようにその身を預け、プラグごしに伝えようとする声。]
欲しけりゃ、俺の分なら幾らでもくれてやる。
…でもさ、そうして手元に集めても…それはお前のにはならないんだ。
[返されるユーディットの言葉に]
…あーあー、お前はそうだったな。
[遠い目で薄ら笑い]
[そんなところで轟音が響くか]
…見に行くならお気をつけて。
[その場に居る者にそう声をかけて。痛みから回復していないために動く気は無いらしい]
< 猫、その姿をみて、かけよろうと思ったのですけれど。
そこらへんの穴が、なんだかこわかったのです。
とっても こわかったのです。
ぶるぶる。
小さな白い猫でしかない猫は、おびえて、ふしゃー。毛をさかだてています。
とうぜん、うごけません。 >
誰なのか、何なのか、か。
[小さな呟き]
自分は、自分。
それ以外の何だってんだよ……?
過去があろうと、なかろうと。
時が刻まれ、螺旋巡り行けば。
新たな物が開き、積み重なる。
……そこに……価値は、見出せない……のか?
どうせなら一緒にいきませんか。
素敵な結末が見られるかもしれませんよ?
[収束であれ破滅であれ結末は結末。恐らくはどちらに転ぼうと素敵と言うのだろう。]
どうやら――取り込んだ力を、見に付けて行くらしい。
幼子の様にな。
あの機鋼の者が、ノイの力を吸した時も……僅かに。
感情を表した様に見えたのでな。
[疾風の笑う様子に、苦笑を零す。]
時空のに聞いた。…口外するのは憚られる事だが――
クロムの力が鎖された「非常事態」に、
ドロイドが暴走するという「非常事態」が重なっているものだから。
……これ以上の均衡の崩れは、…界の崩壊を招くと。
まぁ、そう云って貰えるなら、此方としても気が楽だよ。
[祈りの声。
それは、『渡る』瞬間には届いていた。
しかし、込められた想いは届いたか否か。
届いたなら、何を思ったか。
それを知るのは、彼の他には魂分かつ、白梟のみだろうけれど]
[静かな駆動音]
[幾数ものコード]
[中央に横たわる機鋼竜]
[普段と変わらぬ筈の光景]
[それらが視界に入ったところで、]
[足が床に突いて、][膝から力が抜けた。]
[どれほどの時間がたったであろうか。
もしくは、刹那ほどの時であったろうか]
[宥められゆく気配に気付き、私は目を閉じて感覚を追う]
『……これは…影輝……?』
[おぼろげに感じるは『均衡』を司る気配。銀茶の髪の少女のそれ。
私は不安そうに鳴く彼の仔を抱き、導かれるままに部屋を後にした]
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