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――…っ、
[グラォシルヴの痛みが伝わるような泣き声。
返る声がない事を理解しながら
何処かでヴァイスルヴの聲が聞こえるのを期待していた]
ヴァイス……
[二つの言葉に何も返せなかった。
同じことを思っていたのに。
返せぬままになった言葉をくちびるのみで紡ぐ]
[その直後、ゲルダとミハエルの声が聞こえれば、一度ぎゅっと下唇の裏側を噛み、それから]
喧嘩しそうに見えたから、やめてくれって、二人とめてたんだ。
涙は、乙女の武器だからよ…。
[口調はいつもの様子に、返す言葉はわずかに力がなかったかもしれない。
アーベルから離れて振り返り、目元は言葉のとおり涙の後があっただろうか]
私の勘違いだったみたいだ。
それより、はやくゼルギウスの方に。
[話題をそらすようにそっちの方へ、自分は心配いらないからと幼馴染に視線を向けて、それからアーベルに同意を求めるように]
――…何で、先に逝くんだよ。
お前、子供の顔みれるの、愉しみにしてたのに。
なんで、………っ!
[頼りない足取りでイレーネとゼルギウスに歩み寄る。
閉じられたままの紅が此方を向くことはない]
イレーネ……
済まない、何も、出来なかった。
[青年が居たとしても手に余る状態だっただろう。
それでも何も出来なかった事を悔いて彼女に謝る]
賭博師 アーベルが「時間を進める」を選択しました。
[宿屋へと移動するようなら共に歩き始め。
ふと思い出して、ベッティの隣に行きこっそりと声を掛ける]
そうだベッティ、聞きたい事がある。
先程宿屋を出る前に言っていた言葉。
「幼馴染同士で人狼が居たことになる」と言うのはどう言う意味だ?
ゼルギウスは、ライヒアルトとユリアン、それと僕しか視て居ないぞ。
[考えても解らなかった疑問。
ゼルギウスが秘するのを止めたのだから言っても良いだろうと、今まで視た者の名も挙げた。
結果を訊ねられたなら、全員人間だったと答えるだろう]
未練。
……そう、ね。
[目の前にあるのは苦い色。
自然、同じものが浮かんだ]
もう、お届け物も頼めないわ。
[言葉は冗談めかしてこそいたけれど]
[ゲルダには自分の言葉が聞こえていたらしく]
あ……、
[ばつの悪そうな顔をして顔を背けた。
嘘がばれた時、子供の時からそうしてよく幼馴染達に怒られたりもしただろうか]
とりあえず、戻ろうぜ。
[そう、アーベルたちと宿屋への道を行く途中ミハエルからかかった声にそっちを見た]
―宿屋食堂―
[泣く事を続ける事は難しい。
もぞと腹の実が動けばその勢いは少し削がれた。
それでも下を向いたまま、涙は溢れ続けて
しゃくりあげる声も止まる事は無く
目を閉じ眠るような夫の手を握っていた。
幼馴染の声に、悼む心はより強く湧き出て。
謝罪>>25が聞こえたが、顔を上げることは出来ずに
ただ辛うじてゆっくりと、首を振ることだけはした。
そのうち自衛団が遺体を引き取りに来れば、その手は無理に引き剥がされた。]
や、だ……
か、ないで……
[弱々しく見上げるも夫だった人は連れて行かれて。
縋る事も出来ずに床に座り込んだまま、夫が居た場所をじっと見つめていた。]
そう。
あの人形たちもちゃんと送り届けたかったのに。
[冗談めかした言葉に合わせて。嘘ではないことを]
せめて親父の所まで届けばな……。
話が伝われば這ってでも来るだろうから。
[事態の確認のためにもきっと]
…かえろっか。
僕もゼルギウスさん心配だし…
[優しく在る彼を想いながら言の葉は紡がれて。
ミハエルがベッティに話しかけているらしきと識ると、
不思議そうな貌をして。]
……見つけられるひとが、ふたりだとしたら
是は如何いうことになるのかな
[つぶやきが聞こえたか如何か。
娘はアーベルとゼルギウスを想い馳せながら、
一つの結論を出す事となるか。]
[ゼルギウスが見たという相手、ユリアンはそもそも人狼に殺されていて、
他にも人狼がいれば今頃放っておくわけもないので、その結果は人なのだろうと、改めて聞くことはなかった]
ゼルギウスがあんとき、二人いて片方死んだら疑われることになるって話からだ。
その論理がそのまままっすぐに通るとしたら、幼馴染同士で人狼がいたことになるだろう。
[そのとき思ったことをそのままに]
ミハエルの命の優先と信用がどうなってるのか、私は知らないけどよ。
人狼が死ななけりゃ、ことは長引くし、最終的に大切な人は死んでくことにもなりかねないんじゃないか?
[それから視線をそらし]
まぁ、あんときは言い過ぎたけどよ……。
――…イレーネ。
[振られる頤に幼馴染の名を紡ぐ。
無理をするなと、言いたいが言葉にはならず。
自衛団がゼルギウスを連れて行こうとすると]
くっ……、乱暴はするな。
彼女には子が宿ってるんだぞ!?
[思わず声をあげて自衛団員を睨む]
……大丈夫か、イレーネ。
部屋に、戻って、休もう。
床は冷える――…、子にも障るから、な?
[床に座り込む彼女の直ぐ傍に膝を折り案じる声を掛ける]
…ヴァイス、ヴァイス………
[同胞が名を呼べば、伝染ったように名が内に零れた。]
どうして、言ってくれなかったの…
辛いのも、苦しかったなら、
どうして……っ
[答えは解っているけれど、
そう口にせずにはいられなかった。]
おとうさん、って……
呼びたかったのに……
[子が産まれたら
そんな夢も、儚く消えて。]
……そうですね。
まあ、旅生活なんていうのはそもそも、いつ何かどうなるか分らないものですから。
[大丈夫でしょうと、少しだけ苦味残しながらまた笑った]
――…心配掛けたくなかったんだろうな。
どっちにしろ、心配掛けることになるって
如何してわからねぇかな……。
如何して、いつもいつも……
[嘘が下手な同胞の伴侶]
眠いの我慢してぶっ倒れた次は、
これ、なのかよ……
[は、と零される吐息]
うぬ?
[答えを返されて>>32しばらく悩む]
……どちらも人狼じゃない可能性もあるだろう?
疑いがかかるだけで、どちらかが人狼と確定するわけじゃない。
ベッティは、どちらかが人狼である確証でもあるのか?
[口に出して、自分が引っ掛かった点に気付いた。
本当はベッティは誰が人狼か知ってるのではないだろうか、と]
僕が一番信じてる人を、僕が手に掛けることは無い。
それだけは言える。
[他の信じたい者が死なないとは言わなかった。
順位が決まっている以上、場合によっては手に掛けざるを得ないこともある]
…あの時は色々と差し迫った状況だったからな。
僕は気にしていない。
狼を見つけられる人が二人いるとしたら…
そのどちらが嘘をついている可能性もあるのだよね
[人狼の伝承が書かれた本の内容を思い出す。
彼らに味方する者の存在も含まれているとすれば。
ベッティにそう応えると、また歩き出す。
ちょん、とミハエルの背をつつき、叶うならば。
ゼルギウスが誰を占ったのかを訪ねるだろう。]
お話、僕も聞いて良いかな?
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