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/中/
せんせ?
みんな落ち着いたら、みんなで踊ろ?
宴は楽しいほうがいいもんね。
[風がよく通る場所で、少女は医師の手を握り、笑う]
え、な、何、どうし……
[近づく右手に、どきりとしつつ、問うて――]
いっ!?
[抓られた。]
い、痛いじゃない、何するのっ!!
[手を振り払って、抓られた箇所を押さえて抗議する。]
/*
おっとと。ミリィはお疲れさまです。
おやすみなさい、良い夢を。
* * *
そうですね、この宴の間くらいは。
感謝の心だけを胸に過ごしましょう。
[微笑を浮かべて少女の手を握り返す。
吹きぬけてゆく風も、どこか優しい気がした]
痛。
[ようやっと腕の痛みに意識が向いて、小さく声をあげた]
いや。
悪い、悪い。
[けれど次の瞬間には、ちっとも悪びれた素振りもなく、薄く笑みすら浮かべて謝罪を述べると、ぽん、と軽くユーディットの頭を叩いた]
……うーん?
夢ではない、としても、そうしたら奇妙な話だね。
これも“場”とやらの所為なのか……。
もう……、ともかく、腕ちゃんと診せて。
出血を止めなきゃ。
[頭に手を置かれれば、むう、と頬を膨らませる。
ポケットからハンカチを取り出して、アーベルの右腕をぎゅっと縛りながら]
奇妙? って何が……。
[アーベルの言い様に、まだ判らない、というように尋ねかけて――]
アーベル。その眼。元に戻ってる。
[異常にやっと気付いた。]
―――――――。
[名前を呼ばれた。昔の、捨ててしまった名前。
あの穏やかな村では誰も呼ぶ事がない、無くしてしまった名前だった。
ほんとうは、髪を見ただけで気づいたのに。
認めたくないと、思ったのはどうしてだろう。
胸の中には不安、警告。おそらくそれは、再び無くしてしまう恐怖。
だけどそれと同じくらいの甘い蜜が胸を埋めていく。
見つめる鳶色の瞳は腕に抱く子と同じ色。
ありがとうと、すまないと、愛してると、言い残して置いていった人。
決して忘れることのなかった人。
目は分かれた時のように痛そうじゃなくて。
苦笑するような顔は、途方に暮れてるようにも見えて。
どうしてそんな顔をしているんだろうと思ったら、胸の中の子がむずがって身じろいだ。
ああ、なんだ。私が怯えてるからかと。
ようやく理解って、少し、息を吸ってから口を開いた。]
[ゆっくりと立ち上がり、ミリィに手を差し伸べる]
お相手願えますか。
Mein Geliebte.
[そして二人は踊った。
彼女が世界に還るまで。
彼が影と変わるまで。
時の風が絶える、その瞬間まで]
ぅ、りア、ん。
[名前はちゃんと、呼べなかった。
嗚咽が喉を塞いで、涙が止まらなかった。
幼子は胸の中でただ不安げに、泣く母親と目の前の誰かを交互に見つめている。]
/*
居ないのが分かっていても、思いついたので落としておきます、と。
………。
でもよりによってそこに挟まってしまうとか。
申し訳ありません…(がっくり
……道理で、視界が良いはずだね。
[ユーディットの手当てを受けながら、周囲に視線を巡らせる。
生まれ育った村とよく似ているのに、何処かが違っていた。葬列の日とは思えない程、吹く穏やかな風で、死の気配とは程遠い]
そもそも、だ。
落ちたり、痛覚があったり、血が出たり、
ってこと事態、本来なら、可笑しいだろう。
……生き返った、なんて神の気紛れでもなさそうだし、
さて、なんでだろうね。
[お手上げ、というように肩を竦めてみせた]
[己の名を呼んでくれたことに、苦笑はそのままだったが眉間の皺は取れて。
ゆっくりと母子へと歩み寄る]
……こうやって、また会えるとは思わなかった。
会いたかった、イレーネ……──。
[手を伸ばせば届く位置。
子を挟んでその前に立ち、伸ばした手で零れ落ちる涙を軽く拭ってやる]
[アーベルの青い眼をしげしげと見つめていたが、提示された疑問にはっとした。]
ほんとだ。私たち、死んだのに。
……死んだよね?
[くるりと目を宙に向ける。
思い出せる。狼に向けられた爪、哄笑、朱、痛み。
目を戻す。]
うん、死んだ。
[こっくり頷いて。自分の手をぐーぱーさせてみる。
そこには確かに、血が通った温かみが感じられる。]
何だろうね……。よく判らないけど。
でも、悪くない。
[肩を竦めるアーベルに笑いかける。]
ね、折角元に戻った……みたいだし。どうする?
/*
て、あれ。
私ボケてますね。一日勘違い。
今日でエピ終わるものだとばかり!(大爆笑
[お前は本当にそれで村建てなのかと小一時間]
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