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だって………、んっ。
[僅かな時間。口唇が重なって、目を閉じた。
数瞬後、温もりが離れていくのを残念に思いながら、目を開ける。
眉を寄せたアーベルの顔がそこにあった。]
……感想がそれなの?
[くすくすと笑った。]
ありがとう。駄目って言われたらどうしようかと思った。
[分からない、には俯いて。
自分だって分からないから、ユリアンが分からなくても仕方ないのかもとはふと泣きながら頭のどこかで思いつつ。
すまないと、謝る声はほんとうに申し訳なさそうだったけれど、それで涙が止まるわけもなく。
そういえば、こんなに泣くのは何時以来だろうか。
ユリアンが死んだ時ですら、こんなには泣けなかったのに。
わぁわぁ泣きながら、頭の奥の冷静な部分がそんなことをぼんやり考えていたが、ふいに問われぐいと、自分でも目を無理やり拭り、何度かしゃくりあげながらも喉と息を調える。]
あの、とき?
[意味が分からずきょとんと見上げたが。
腕に抱いた子の事を問われたのかと思い、答えた。]
ええと、ユリアンの子だよ。
[至極普通に口にして、腕の中の子を見ると、泣きそうなのに今更気づいて慌てて背を撫でてあやした。ぎりぎり、間に合わなかった。
ぴぃぴぃ泣く子を見ていると自分の涙は自然と治まってくるから不思議である。]
[訊ね返す声には、ん、と返事をするだけで。
あの時とは惨劇の起きた時の事。
しかしはっきりと口にするのは憚られたために曖昧に言った。
己の子と言われると、その表情は柔らかなものへと変化し]
…そっか。
俺の、子。
[泣く我が子に顔を近付け、その頭を優しい手付きで撫でた。
己と同じ瞳、イレーネと同じ髪を持つその子は、紛れも無く己らの子で。
死して尚、我が子に触れられることに、不可思議な今の状況に対して感謝した]
だって?
[問いながら、軽くユーディットの肩を押して、体勢を戻させる。
完全に身を起こして座り直して彼女へと向くと、顎に指をかけ、男のそれより厚みを持った唇の直ぐ下を、親指で、なぞるように撫ぜた。爪先が掠める]
感想は、ね。
こっちのほうが、やりやすいだろ。
[問いのようでいて、答えは待たない。
指先をずらして、笑うように眼を細め、再び顔を寄せる。啄ばむように幾度か口接け、最後には耳許へと滑った]
駄目って言った覚えも、礼を言われる覚えもないね。
後悔しても知らない、とは言ったけど。
[小さく笑う。
耳朶にも触れて、一度音を立ててから、離れた]
だって。この時間が終わったら、どうなるか判らないし。
もう後悔したくないなぁ。
って、
[すっ、と微妙に体勢が変わり、顎に指がかけられる。
予期するものはあったものの、唇に指で触れてくるアーベルをきょとんと見つめていた。
ふっと顔が寄せられる。
もう一度目を閉じて、幾度かの口接けを。
そのひとつひとつが愛おしい。
耳元で囁かれる言葉には、悪戯っぽく笑って返した。]
そう、だったね。
……そんなの、するわけないけど。
[離れようとするアーベルに、好きよ、と囁いた。]
[あのとき、が差す具体的なものが分かっておらず。
あれどこかで会わせたっけ、などと見当違いも甚だしいことを思いながら。]
うん、顔少し似てるし、それに。
今は普通だけど、たまに体が狼になるの。
[幼いながらも身の変化は確実に起こっていて。
それを嬉しそうに語った。]
あ、う、ごめんね、ユリウス。
[母に代わり泣きじゃくる子に、少しの間だけでもほっぽいてしまった事を小さく何度も謝りながら、曲がった指で背を撫でた。
ユリアンが泣く子を撫でる様子を、見ていたらまた少し涙が出てきた。
そんな夢みたいな光景が、嬉しかった。幸せだと。
また幸せだと、思ってしまった。]
……この子も──。
[己の血を引くと言う事は、その力も引き継ぐと言う事。
嬉しそうに言うイレーネに、こちらも小さく笑みを浮かべた。
己の子である確固たる証拠、転変の力。
血が途絶えなかったことに喜びが頭を擡げた]
……驚かせてごめんな。
[未だ泣く子に頭を何度も何度も優しく撫でながら声をかけ。
また泣きそうになるイレーネに気付くと、肩に手を回し己の方へと引き寄せた]
どうだかね。
[返される言葉。含みを持った薄い笑みがつくられる。
けれど離れる間際の囁きに、一瞬動きが止まった。少し惑ったような間が空いて、それから、口唇が動く]
――………、
[微かに零れた音が何を象ったか、それを知る者がいるとすれば、ひとりだけ。
彼女の反応を見ぬ侭、抱き寄せて、此方に向かせまいとするように、頭に手を乗せた。
傍にあるぬくもりは心地好く、
青の両眼に映る空は何処までも*澄んでいた*]
[小さな小さなその声に、言葉に、嬉しそうに微笑む。]
ねえ、今の、もう一度言って。
よく聞こえなかっ、……わっ。
[素早く抱き寄せられて、彼の顔を覗こうとしても頭に乗せられた手がそれを許してくれなくて。
けれど、文句を言う気分ではなかった。
くすり、と笑む。
それはとてもしあわせな。奇跡のようなひととき。
のんびりとした白猫の鳴き声が*どこか遠くで聞こえた気がした。*]
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