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─二階・廊下─
[甲高い音が何であるか。
その奥の状況。
耳に届く周囲の話を聞きながら、ふと、意識を向けたのは]
……千切れている?
[何かに断たれたような、不自然ないばらの蔦。
学者としての性はそちらに引き寄せられるものの。
断ち切る、という言葉>>766と、向けられた視線>>768に、天鵞絨を人の集まる部屋へと向け、そちらに向かった]
……剪定か、伐採か。
用途によって、用いるべきは異なる。
[ユリアンの言葉>>770の後、唐突に開いた口から零れるのは、こんな一言]
剪定のためのものなら、あちらの日用品置き場で確保できそうだが。
大掛かりな枝払いを考える場合と。
根本的な部分からの伐採を考える場合。
それに関しては、ここに使える物があるかも知れん。
[言いながら、躊躇いなく武器庫へと踏み込み、しばし、棚の間を物色して。
やがて、手に取ったのは一振りの山刀]
……ん。
以前、フィールドワークで使っていたのに、近いな。
後は、サバイバルナイフでもあれば、臨機応変に対処できるだろうが。
[それだけ聞くと物騒な呟きと共に、山刀を鞄に押し込んだ。
それをどうするのか、と誰かに問われたなら]
……いばらを払う必要があった時に、使うつもりだが。
[至極あっさりと、こう返して、武器庫を出る]
……ん。
俺に、何か?
[武器庫を出た所で、探すように呼びかける声>>790に気づいて天鵞絨をそちらへと。
向けられた、問い>>791。
天鵞絨は、険しさを帯びて]
……根の部分をしっかりと見れた訳ではないから、断定はできんが。
自然な生育の結果……というには、余りにも伸び方が的確な気がするのは確かだな。
[零すのは、冷静な分析。
は、と一つ息を吐き、ちらり、と鞄に視線を向ける]
それと……俺も、いばらに関連して気にかかっている事がある。
偶然なのかも知れんが、俺の持ち込んだ私物から、バラに関する研究資料だけが、綺麗になくなっていた。
……これが、偶然でなく、意図的なものであった場合。
何を目的として、それが行われたか、が問題となるんだがな。
[いばらを増やすためなのか、その逆なのか。
それによって、進むべき道の意は大きく変わる。
そんな意図を込めた言葉を返すと、廊下に出て]
……ん?
[武器庫のある部屋に入ったときは、石像にもたれていたナターリエの姿がない事に気づき、瞬き一つ]
[>>803に対して]
おっしゃる通りでございます。
用途によって道具を変えるのは効率化の鉄則であります。
[>>804の声に]
うむ、ナイフは便利です。
いばら退治にかぎらず、応用が利きますですし。
[山刀を持ち武器庫を出て行く姿を見て]
じゃあ、僕はナイフを探しておきますです。
[武器庫を出る前に聞こえた、ナイフを探す、という声>>807には、任せた、と頷いてた。
身動きや負担を考えると、一人で二種持つ気にはどうにもなれなかったから、なのだが]
─二階・廊下─
……さて。
どうやら、ここ以外の道はないようだし。
……本格的に、これをどけねばならんようだな。
[天鵞絨が見つめるのは、男性の石像。
先ほどから、名を知らぬ女性もこれを気にかけていたらしく、壊す壊さないの話題も上がっていたような覚えもある]
……粉塵被害を広げるのもどうかと思んだが。
取りあえずは、調べて見る、か。
[言いながら、先には触れるのを躊躇ったそれに手を伸ばす]
……やはり、研究員、か。
[装いの違いに、それは確信となる。
扉を押さえ込むような姿勢で固まっていた石像は、先のナターリエの働きかけで多少、位置をずらしていた。
それによって生じた空間から、今度は扉の方を調べて]
……鍵がどうこう、という前にだな。
いばらが扉を封じてないか、これ?
[鍵穴のありそうな辺りは、よくは見えないが。
その辺りにも、しっかりといばらが絡みついているのはぎりぎり見て取れた]
……もう少し、隙間が広がれば、何とかなる、か。
[なにやら一人で納得しつつ、慎重に石像に力をかけて、押す。
壊してしまえば早いと理解はしているし、それを躊躇うほど感傷的でもない。
単純に、狭い廊下で石の粉を散らしたくない、という重いからの行動だった]
/*
より正確に言うと。
「繰り返しネタは、面白くねぇっ!」
という、くろねこ的反骨精神のせいです(ぉぃ。
っつーか、また誤字ってる。
ほんとに多いな、今回!
―3の部屋・武器庫前―
――…ナイフ一振り。
あとは…ハンマーでもあった方がいいのかもしれんね。
こう毎回――…倒して壊すのもな。
[落ちた破片を見ながら呟く。
壊れた石、元は人だったものを壊す行為。
……違う、一番心配しているのはそこではない。
今は、――も見つからない。小さな咳が、何度か続く。]
[>>806武器庫から出てきたライヒアルトに質問を投げる。
目の前の青年にも思うところはあったのか、
返ってくるのは険しさの混じる眸。]
…そう、か。
どちらの可能性も見込んだ方が…いいのかね。
何を目的として行われたか…。
それによってあの玄関も、声の主も…意味合いを変える。
不慮の事故で閉じ込められたその先に、特効薬があるのか。
それとも…意図的に閉じ込めた先に、特効薬を置いたのか。
[首のベルトに指を引っ掛けぬよう、耳の後ろを軽く掻く。
後者の場合は施設関係者を…身内を疑うということに繋がる。]
…あまりこういう考え方はしたくないんだがね。
研究者(俺達)は救う為…護る為に、居るんだか ら…、
[言葉尻は声が掠れて、また一つ咳をした。]
…兄さんの研究資料?
それがこのいばらと関係することになる…のか?
[>>806ライヒアルトと別れる前、彼の残した言葉には不思議そうに。
それは、なくなった資料の内容に対してではなく
一介の"園芸家の私物"がなくなっていたということに対して。
顎に手を当ててから暫し考え]
…そうか。まぁ…おじさんの訊きたいことは以上だ。
助かったよ、感謝する。
また…なんかいばらに関することでわかったら教えてほしいね。
ああ、そうだ…花の兄さんの名前は?
自己紹介をしてなかったんじゃないか?ちゃんと覚えてないが。
[俺はツヴァイだ、と自分の名前を告げてから
ライヒアルトの姿を見送った。]
[――…きしり。]
[きしりと――…軋む音。]
[咳が増える度に増える――…石化病の影響か。]
[自身に宿る副作用には、未だ気付けない。]
─二階・廊下─
……疲れる、な、やはり。
[休息を交えつつ、ずりずりと。
途中、誰かが見かねて手を出すなら、余程の事がない限り拒む事はせず。
辛うじて、扉の前の空間を確保する]
……彫像類の移動は、室長によくやらされていたが。
やはり、今は、勝手が違うな。
……と、言うか、先に床の滑りを良くすれば良かったんじゃないのか……。
蝋燭くらいなら、あっちにあったろうに……。
[ぶつぶつと呟きながら、額の汗を拭う。
四肢への影響は比較的軽いとは言え、やはり、何事もなかった頃のようには動けない。
それを再度認識しつつ、改めて扉に向き直った]
―1の部屋―
[ケープが身に掛けられているのに気づいた。]
純白、可愛い。でも、あたしには似合わないね。
[言いつつも嬉しそうに笑う。肩にちゃんとかけ直した。
左手で右手に触れる。微熱があるのに右手は冷たい。ちゃんと肌色をしているのに。目に涙が浮かぶけど、一人になっても泣けないでいる。]
/*
うみゅ。
カルメンの人、退席見えないけど動きとまってるから、さくさく進めちゃってるけど。
やりたい事あったなら、ごめんよー。
っつーか。
自重組以外は、みんな潜伏してたりするのかしら。
……と、悩む間に進めようね、俺。
時間有限。
―3の部屋のほうへ―
[もう廊下に出ても、ノーラの姿はなかった。
そして、さっき騒がしかった場所、3の部屋に向かう。
中に入ると、幾人かがいただろうか?]
そういや…着替えたんだなリーチェ。
味気ない水色よりも、ずっと可愛らしい格好だ。
[武器庫の入り口にベアトリーチェが居たのなら、
そう声を掛けて頭を撫ぜようと手を伸ばしただろう。
小さな少女の首の数値が見える…、
皆、少しずつだが数値が上がっている気がする。
何時から――…目が覚めてからか。]
どうする、リーチェ。
動けそうなら一緒に部屋を探っていくかい?
[そう金髪の少女に呼びかけてから思い出す。
もう一人の金髪…ナターリエのこと。]
ああ…先にナターリエを医務室に運んでからだな。
解熱剤も生きてりゃよかったんだが…。
[まずライヒアルトがちょうど出てくるところが見えたか。
彼は階段手前の石像へと向かっていく。3の部屋に入ると、目に付いたのは、粉々にくだけた……人だったもの……。
さっきの音はこれだったことがわかる。
もう粉塵は収まっているが……。
部屋の奥を見ると、扉が開いている、その前にハインリヒの姿を見>>811、声をかけようとした。]
ツヴァイ…?
― 回想/薬品庫 ―
[手に付いた紅交じりの砂を落とした所で、後ろに人の気配。
自分も探すというリディの様子に、微笑を向けた。
後は淡々と薬品庫からインスリンを探す作業に移る。
腕を上げると、背中が軋んだ。
腕が持ち上げれる稼働領域が狭まっていることを知る。
幸いなのは、長身と長い腕故に、そう苦労なく薬品棚の上にも手が届くこと。]
僕の方は見つからなかったです。
リディさんの方はいかがですか?
[インスリンを探すのと並行して、
各薬品の中から一番製造年月日が新しいものを集めていた。
何かあった時に使いやすいように。
何もなければいいと思いながら。
――使って良いか保障はできないから。
その作業がひとまず終わったところで、少女に話しかけた。
少女の反応はどうだったろう、なんにしても]
[>>775ノーラの声に頷いて、その場に佇む。
内容から自分に向けてだろうか、と>>781男の声を聞きながら首をかしげ]
石になっても治るもの? 研究が進んだら治るのかもしれないけど。
でもここって、そのための研究もしてたはず。だよね。
[疑問を口にする。どちらにしても、壊れた石は元に戻らないだろうと足元に当たる小石を、そろそろと拾い上げた]
そうですか……。
2階にも部屋があるみたいですし、
そこにも薬品あるかもしれません。
僕、少し行ってきますね。
[あったとしても量が多いにこしたことはなく、
なかったなら尚更のこと――まだ、可能性のある場所を求めて。
――そして、密かに気にしているのは首のバンドの存在。
ノーラが服があると言っていたから、襟のある服を着直すことで、
せめて自然に数値が見えにくいようにしたかった。
青年の足は開かれた2Fへの階段へと向かった。]
― 回想/了 ―
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