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誰が吹いているのかねえ。
[風漣の疑問に、相槌を打って]
出掛けているのは、あやめ嬢だが、どうもあのお嬢の笛の音とは聞こえないね。いや、なんとなく思うだけだけれども。
[素直に頷く音彩には、くす、と笑いを零し、酒杯に興味を抱いた様子に首を傾ける]
これは御酒さ、ねいろ坊は、知らないかい?
[烏の言葉にまた一つ、まばたき]
先に出られたねえさま……とは、違うかもしれぬね。
あのねえさまであれば、もう少し……。
[上手い言葉が見つからず、続きは途切れる。
知が追いつくのであれば、『艶めいて』という言葉が零れるのだろうが]
だとしたら、誰だろか。
他にも、呼ばれたひとがいるのだろか。
[白のただ中に佇む黒に、惹かれるように歩みゆく。
ゆうるりと振り向きし紫黒にも、琥珀は物怖じすることない。]
時の移ろいはわからぬが…今日和でよいじゃろうか。
[挨拶なのか問いなのか。曖昧なままの言葉を零す。]
〔紫黒の眼差しは琥珀の眸と交はらむ。
白の中に見ゆるも白く、
まるで今に生まれ出でたやう。
髪の鶸茶が目に留まらねば、
そのまま見過ごしてしまふ程。
風がそよぎて白のかけらが辺り舞ふ。〕
はてなさてな、
白拍子殿とお見受けするけれども、
先程聞えし音は其方のもので好いのかな。
[双瞳を細めればますます猫のよう]
陽の沈むところを見ず、
星の出るところも見ず、
なれば今日和と言うが好いかも知れぬね。
[わかっている、と言われて、何がだろうか、などとふと思うものの]
あの子らが、楽を奏でるようには思えぬものね。
[ちら、と童子たちを見やり。
それから、烏と音彩のやり取りに、やや、眉を寄せて]
烏のにいさま……?
それは……。
[御酒であれば、童は飲めぬのでは、と。
ふと、そんな事を考えて]
[きらきらと見上げる瞳に、少々胸が騒いだか。それでも悪戯心は止まず、ほんの少しの冷酒の雫を、杯の底に零して、音彩の膳に、そっと置く]
ほら、少しだけだよ、一息に呑んではいけないからねえ。
[さあ、と風が吹き、白の欠片が舞い過ぎる。
藍墨茶の小紋に咲く白花が散ったかに見えて、琥珀が揺れる。
やがて留まるは赤の咲く手。その手に握られた舞扇。]
ああ、幾ら探しても見つからぬと思えば…。
そなたが手に休んでおったのじゃな。
すまぬの、その扇は我のもの。…恐らくはじゃが。
不躾で済まぬが、返してはいただけぬじゃろうか。
[はっきりとした確信は持てぬのか、乞うように見つめ。]
はぁい!
少しだけじゃぁ。
[それでも顔は嬉しそう]
[視線を大兄に向ける小兄に、きょとんとして]
どないしと?
ふうれんにいさまも、おのみになりとう?
[膳に置かれた杯を、そっと両手で持つ]
[きらきら、きらきら]
[底で酒水がきらめいて]
[肩を竦める烏と、嬉しげな音彩とを、困ったように見比べて]
ええと、風漣は、それは、よいよ。
[止めた方がよいのだろうか、ああ、でも、今止めても別の時に、と。
そんな思いが巡り、それきり言葉は止まってしまう]
/中/
PC的には止めたいけれど、PL的には美味しいから放置したい(笑/まて)。
しかし、役職定まらないのもあるけど、独り言が例によって中しかないねー(^ ^;
ああ、ああ。
主を失くして白の海を漂っていたものだから、
ついつい、拾い上げてしまったのだけれども、
其方のものだと言うのならそれは好かった。
[朱唇に弧を描きつつ歩み寄り舞扇を手渡す]
恐らくはと言うことは、
はてさて、もしかすると、
其方も記憶が霧の彼方なのだろうかな。
此方は名以外の事がぼやけていて仕方ない。
[猫のような眼差しを避けるよに、自らの衣に目を落とす。
白の水干、白の袴。
否、どちらも白であるならば、直垂と言うべきであろうか。
否と応ともわからぬゆえに、次なる問いにのみ答えを返す。]
笛の音であれば、我であろうか。
他に誰そ吹いていたならばわからぬが。
…やはり陽も星も移ろわぬのじゃな。
ならば今日和でよいのじゃろうて。まこと不思議じゃの。
なん、。
なん、じゃぁ??
[口につけて、感じたあつさに]
[ぽとり、杯は落っこちて]
ふぇ……
[ひり、ひり]
[初めて飲むには、強すぎたようだ]
[少量だったというのに、口元をごしごしと拭う]
[ああ、やっぱり。
音彩の様子に過ぎったのはそんな言葉か]
大丈夫?
[心配げに問いつつ。
さざめく童子たちに、水を、と声をかけ]
あっはっは、やっぱり坊には、早かったようだねえ。
悪かった悪かった。
[楽しげに笑いながら、音彩の落とした酒杯を拾いあげ、ぽふぽふと頭を撫でる]
ふぇぇ……っ
[心配そうな小兄に、泣き出しそうな目を向ける]
[頭を撫でる大兄を、それから見上げて]
[小兄に頼まれた水を、童子たちが持ってくる。]
[受け取って、ごくごくごくごく、一気に飲み干した。]
笛の音色であったから、其方であろうね。
重なり聞えるは鈴ばかりであったから、
他の者ではないと思うのだけれども。
二度聴かせてくれるのならわかるかな。
時は移ろうているのかも知れぬけれど、
己が感じず周りも変わらぬのならば、
それは移ろわぬのと同じだろうかね。
単なる遊歩のつもりであったけれど、
思わぬ収穫はうれしき限り。
此方は館へ往くけれど、
其方はいずこへ往くのかな。
ありがたや。感謝いたしまする。
…よきお方に助けてもろうたの。
[短く礼を述べ、寄る辺なき身に馴染む舞扇を愛しげに撫でる。
次いで問い返されるよに告げられし言の葉に、琥珀はゆるり瞬く。]
目覚めた時に傍にあったのじゃ。
ゆえに我のものと。
…そなたもわからぬのかえ?
[おなごの弧を描く朱唇を見つめれば、迷い子のように瞳が揺れる。
さあと風が吹き、鶸茶とも青鈍ともわからぬ髪がその面を隠して。]
我は…ゑゐか。えいかじゃ。
それ以外はわからぬ。
戯れが過ぎるよ、烏のにいさま。
[音彩の頭を撫でる様子に、呆れたように言い]
ねえ、甘いもの、あったらわけておくれ?
[やや首を傾げつつ、また、童子らに声をかける]
ねいろ、ねいろと風漣は、甘いものにしよう?
からいものは、風漣もきらい。
[水を飲んで少し落ち着いたか]
[小兄の言葉に、こくこくと頷く]
おらも、からいの、もういいんじゃぁ……
おさけも、いらん……
おら、ふうれんにいさまと、いっしょの、食べとうよ
/なか/
あいだな
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おや、叱られてしまったねえ。
[風蓮の言葉に、首を縮めておどけてみせる]
ああ、甘いものかそれはいい…はて、いや、待てよ?
[ふと思いついた様子で、傍らに置いていた背負い箱の底の引き手を開ける]
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