職人見習い 裕樹は、青年 聡と翔を尻目に、玲から承った菓子を各方面に配り始めた。

研究生 孝博は、お茶を飲んで和んでいる。靴の件は視界に入れていない

細工物屋 玲は、研究生 孝博の下ろされた手を見、バンダナ青年の手の靴に視線を逸らす。

細工物屋 玲は、重箱の蓋をそっと元の位置に戻しておいた。

少年 翔は、ちっちゃー　の声に、ぴく。

職人見習い 裕樹は、細工物屋 玲に頷きつつ、手の中の靴を見て。

小説家 榛名は、少年 翔をじーっと見た。

細工物屋 玲は、桜見るよに上向いて、幾度か瞬き。抹茶の緑に薄墨ひらり。

細工物屋 玲は、研究生 孝博へ少し潤んだ眼差しで頷き、睫毛伏せて茶碗に唇を寄せる。

自治会長 銀一郎は、配られた菓子を片手に空を見上げる。

青年 聡は、少年 翔の小声はきっちり聞こえているっぽい。にこにこ。

細工物屋 玲は、小さく舌を出して呟き、騒ぎをゆったり*見守っている*

職人見習い 裕樹は、全く悪気のなさそうな笑顔で、翔をみた。

小説家 榛名は、ぴょこぴょこと、木に近寄った。

職人見習い 裕樹は、少年 翔に靴を差し出しながら、にっこり。

細工物屋 玲は、おばあさまの褒め言葉に、睫毛伏せたまま微かに頬を上気させた。

小説家 榛名は、ぺとぺと木の肌に触った。かたい。

自治会長 銀一郎は、ばくばくもぎゅもぎゅと豪快に菓子を食している。

物識り 八重子は、自治会長 銀一郎の豪快な食べっぷりを微笑ましげに見つめている。