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なんかみんな可愛いなー。
頭撫でてやりたいけどイライダはそんなに背が高くない。
そして憧れられてるとかそういうような視線にはなんとなく気付くけれど、
イライダ、思ったより旦那一筋だった。
[視線落とした後、名呼ぶ声にはっと顔を上げた。
その表情に既に笑みらしきはもう、欠片も無く]
…何。
[一度眉を寄せた後、ぽつりと呟きのような声。
女の子らしくない、と気にしている風な幼馴染を見上げ
きゅ、と、車椅子の車輪を握る手に力を籠める]
――変な顔。
[迷う様相の続かぬ言葉に、むすっとした侭に呟いた]
[はらりと視界の端を、黄色い花弁が風に舞う。
春の色映した花の色、常には心浮き立つはずの色にも、
今は目を向けずに幼馴染の前に立つ。
見上げる烏色の瞳の表情に、ボクは思わず唇の端を下げた。
少し力入るときの癖。昔からの癖だ]
さっきの態度。気になったから。
[車椅子を握る手に、何気なく視線を落とす。
地面を踏みしめるボクの足と、おんなじだ。
そう思って言葉を続けようと息を吸い込んだところへ、]
…っ、関係ないだろっ!
[意地悪な言葉が聞えて、ボクは思わず言い返した。
むっと、ますます口がへの字に曲がったのを自覚する。
悔しいから、両手を自分の頬に当てた。…これで大丈夫]
ロランが変だから、こういう顔になる。
[じとりと、幼馴染の黒い目を睨んだ]
[ミハイルから分けてもらった肉はとりあえず二人分だけだった。
全部を解体するには時間が短すぎて。
野菜を家に届けてくれるといったイヴァンの言葉もあってまずはそれだけもってかえる。
兄はほかのところもに話をしにいっていたようだった]
あ、お兄ちゃん。
ミハイルさんとロランが狼対策のこと話してたよ。
[家に帰る途中で見つけたマクシームに声をかけて、手伝うように言えば、それぐらいならと頷くのが見える]
うん、あたしはミハイルさんとロランに料理つくりにいってくるから、宜しく。
[手伝うために広場に向かう兄の背を見送って、一度家の中へと入った]
…俺の態度だって、関係ないだろ。
[キリルが言い返すのに、胡乱げな烏色向けて言い返す。
睨み来る彼女の顔、口端があがるのはほんの微かだが
村にいるもの達にはその変化も読み取れるのだろう]
俺が変なのはいつもの事。
知ってるだろ。
[自嘲めいた言葉を零すのは、いつもの事]
――…知ってるだろ。
どうせ何かあったらまず死ぬのは俺さ。
逃げられやしないだろ。
[続けた言葉は、人狼騒ぎの事について。
ふと向けた視線の先、広場の真ん中に篝火炊くため、
マクシームが台を組もうと丸太を運んでいるのが見えた。
逃げられやしない、手伝っても邪魔になる。
表情薄く意識はキリルに向けた侭、彼の動きを目で追った]
関係ないけど気になったから、ここにいる。
[ボクは負けじと言い返した。
幼馴染のこんな態度には慣れっこだ。
ほんの僅か、笑みの形に唇の端が上がるのを認めても、
ボクは両手を頬から外さなかった。
気を抜くと、また唇の両端が下がってへの字になる]
いつもより変だったからだよ。
いつもと同じくらい変なら、気にしていない。
…。ロランも噂信じてるの。
[烏色の瞳が広場へと向けられる。
その視線を追った見た光景に、ボクは軽く眉を顰めた。
篝火焚く広場の様子は活気があって、一見祭りの来るかのよう。
けれど決して、祭りのように明るいものではない]
それじゃ、騒ぎが収まるまでボクかカチューシャの家に来れば?
誰かいれば大丈夫だろ、狼なら。
逃げるのだって、手があればまるで違う。
[視線を広場から幼馴染へと戻す。
ボクよりもずっと濃い黒髪が、陽を弾いて綺麗に揺れた]
[更に言い返してくる気配に、肩を小さく竦める。
車輪握った手を、膝の上へと乗せて落ち着かせた]
信じてるというか…
――俺は楽観的な思考が欠如してるから。
[あの旅人のくれた本は、今でも家の机の上。
かの人が此処にいたのはどれくらいだっただろう、
それでも外の話を沢山聞くことが出来た事はとても最近に感じる]
キリルかカチューシャの所に?
[いくら幼馴染とは言え、車椅子とは言え。
視線を頬に手当てたままの幼馴染へと向け直し首を傾け]
…イヴァンとマクシームに怒られる。
[やんわりと頭を横に振った]
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ここで転落事故に関わりに行ったらどうなるか。
どうなるか!!!
既に縁故貰いすぎですかね、そうですかね。そうかも知れんww
― 自宅 ―
[キッチンで鹿肉の下処理をしながら、キリル>>23が直してくれるといっていた戸棚をみる。
食器棚の一部、下段の扉のたてつけが悪くなっていた。
マクシームでも直せるのに、家の中のことはサボる兄を思い返して小さく吐息を零す]
キリルが直してくれるって言ってたから、いいか。
でも、あのキリルが、ねえ……
[料理が苦手だった幼馴染が手伝いたいと言い出した事を思い返し。
その様子>>94を思い返してしみじみつぶやいた]
恋ってほんとすごい。
どこまで教えられるか分からないけど、とりあえずレイスさんの表情が変わるところ見てみたいから、がんばろっと。
[キリルの兄の笑顔はほとんど見たことはない。
お花見とかで一緒してても、他の人と話していて視線がそれている間に、とかだったりするからだった]
…あの人だって、ただ死んだわけじゃない。
獣だって食べなきゃ生きていけないから、食べられた。
それだけだろ?ボクたちが鹿を食べるのと同じ。
[僅かに首を振って、考えながら言葉を紡ぐ。
思考の先を追って、幼馴染の指先へと何気なく視線を向けた。
骨ばった手が膝の上に添えられている]
っ、どうしてさ。
イヴァンは怒らないよ、ちゃんと知ってるもの。
兄貴だってきっと嫌がらない。
マクシームだってカチューシャだってそうだ。
だってずっと、きょうだいみたいにして来ただろ?
[言い募る。眉に力が入って、唇の端がぎゅっと落ちた。
だから対抗するように、両手で両頬を押さえる。
ボクは全力で、車椅子の幼馴染を睨みつけた。
けれどふと、その力が…抜ける。
口を開こうとした。けれども言い出せなくてまた閉じた。
多分さっきよりも、情けない変な顔になってしまった]
…でも、
[キリルの言葉に、反論を返そうとして。
首を振る様子に続く言葉は紡がずに胃へと落とした。
小さく喉が鳴る。
視線は幼馴染の料理の下手な方を見上げた侭にじっと]
――ん。
[息を、吐く]
[全力で睨み、早口で捲し立てるように言う彼女。
対照的に、感情薄い表情のまま、じっと見上げていた。
彼女が頬を抑える手に力を籠める様子。
そして、その力を抜く、表情も]
…何。
[情けないそれに、少しばかり怪訝な顔をした]
あ。
ミハイルさんにお肉持ってきてもらうよう頼むの忘れてた。
――イヴァンさんもまだみたいだし、ちょっと行ってこよう。
[パン種を作ってる途中でふと思い出した。
たぶん言わなくても、いつものように持ってきてくれるはずだけれど、ちゃんと頼んでおきたくもある。
パン種をこねて、発酵させるために暫し置く時間を利用してもう一度外に出る]
ミハイルさん、おうちに戻っちゃったかな。
[広場のほうへと視線を向けたあと、とりあえず歩き出した**]
でも──…?
[幼馴染の口噤む様子に、ごく小さく首を傾げた。
言葉飲み込む様に疑問の色を向けていたのは少しの間、
続いて向けられる烏色の双眸に、今度はこっちの言葉が詰まる]
………うう。
…ねえ、ロラン。
もしかして、さ。まだ怒ってたりする…かな。
[ひどく曖昧な問いを口にした。
口にしたのは随分大昔の話だ。もう14年前。
幼い頃の話。山に行くと言った幼馴染におねだりをした。
山に咲く白い花、斜面に咲く花が庭に欲しいと我儘言った。
彼が何故大怪我をしたのか、本当の事情までは知らないけど、
ボクは、危険を彼に唆した自分を良く知っている]
だからさ…。だからかと思って。
[違うと思う。そうじゃなきゃ背など叩いてくれないだろう。
それでも不機嫌な表情に、渋る様子に思考は負へと傾く。
ボクは向けていられなくなった視線を、地面に落とした]
[あれから。ボクは歩き回るようになった。
元々嫌いじゃなかったけれども、森へだって行く。
兄貴の使う薬草を集めるのだって得意だし、
男の子のするような日曜大工だって、多少の自信は持っている。
それで料理が少し疎かになったのは些細な話だ。
人に頼るよりも自分でやってみようと思った。
女の子らしさが少し欠けた気もするけど、仕方ない]
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やっときますしね……折角だしn
一度はやりたい:過去 無茶振り
かちゅーしゃああ!!!覗いているのか!
くそー、幼馴染会したかtt
まだ、って。
[キリルの言葉に、少しだけ上瞼を引き上げた。
確かに生還した後、お前のせいだ、なんて怒った覚えはある。
だけれどもそれはちゃんと後で謝った、筈だ]
…何でそんな話しを今するのさ。
俺はキリルに怒ったりなんか、してない。
[今でも夢に見る。忘れられぬ思い出。
頼まれた白い花を見つけ、斜面に採りに降りたまでは良かった。
家族の楽しい山登りの筈が、不意に変った山の天候。
ざざぶりの雨に崩れる足元と、母の悲鳴。
伸びてくる大きな手、落ちて行く荷物。
父の手が掴んだのは母の細い手だけだった]
[それでも幸か不幸か、ロランは死ななかった。
胸元に白い花を根っこごと抱えて倒れているのを見つけられた。
見捨てたのに、生きていた息子。
生きていたのに、両足の自由を失くした息子。
そんなロランを置いて、両親は逃げるように村を出た。
それでも祖父が亡くなるまでは面倒をみてくれたし、
カチューシャが届けてくれる料理は美味しい。
他の村人たちだって優しいし、――不満なんてない。
それでも、その話を笑ってする事が出来る程、
ロランは大人にはなる事は出来ず――]
…
[幼馴染達に気を使わせているのは、判って居るのに。
これは甘えだと、自覚もしている]
うう゛……
[唸りながら、そろりと顔を上げる。
目が、ロランと地面の間を行き来した。
お前のせいだと幼い少年が怒ったのはもう遠い昔の話。
後に謝られてからずっと、また幼馴染として付き合ってもきたけれど]
真っ先に死ぬとか言うからだ。
なのに一緒にもいないなんて、怒ってるかと思うだろ。
…幼馴染なんだし。
[答えになってないこたえを返して唸る。
谷へと落ちた小さな少年。少年が抱えていたのは白い花。
その白い花を、少年の父から渡された。
泣きながら庭の土を掘って植えた上に、雨が降った。
涙と雨と湿った泥で、小さなボクもぐちゃぐちゃになった]
…うん。
[少し当時を思い出して泣きそうになったから、目を瞑る。
頬に手を当てても、もうへの字を直せているのかも分からない。
再びボクは目を開いた。幼馴染に、こくと頷く]
……うん。今も、あるよ。
[敢えてロランに見せようとしたことはないけれど。
兄貴の使う薬草を育てる庭の片隅に、白い花はいつも咲く。
ひっそりと揺れる花は、春先にとても良い香りを放つのだ]
逃げ足が遅いのは事実。
[悲観的でも楽観的でもない、と、淡々と告げる。
目を瞑る様子を、頷く様子を見上げた。
ゆっくりと首を傾けると、烏色の髪が視界を縦に割る]
でも、やっぱり。
キリルは知らないかもしれないけど、
俺も一応年頃の男だから。
君とカチューシャの世間体とか。あるし。
[きょうだいのように育ってきた、その通りだけれど。
家に行けばよい、というのには遠慮すると首を横に振った。
幼馴染で同い年の彼女がイヴァンの前でする女らしい仕草に、
少し置いていかれている感を感じているからなのかも、しれない]
…俺はキリルに怒ったりしていないよ。
[もう一度、口の中で転がす風に言葉を投げる。
僅かに柔い色を添え、何度か目を瞬いた]
…そう。
――咲いたら、
[見れるかな。
続く言葉は音にならず、緑色の風に浚われた]
本心からなのに。意地悪なんて心外ね。
町も楽しいから、一度くらい行っても損はないと思うのよ。
[言葉は拗ねたようにも聞こえるのに、笑っていては信憑性の欠片もない。
子供の頃なら撫でられた頭が、自分より高い位置にあるのは当然の話だと、此処に戻ってきた時からわかっている。
そうね、と。苦笑めいた笑みが浮かんだ]
もう、大人ね。みんな。
お酒も飲めるし。……あ、でも若い子にはだめよ、大人の特権。
[若い子にはジュースね、なんて、話を進める。
邪魔じゃないと言われれば、嬉しそうににこにこと笑って]
またあとでね。
[小さく手を振った。
それからすぐに墓に向き直ったから、振り返りこちらを見たことには気づいていなかった]
[夫、メーフィエはとても軟弱者だった。一見、イライダの尻に敷かれていた。
二人、どちらもなれそめを語ったことはないけれど、彼女は彼が良いのだと語ることはあった。
どうしてそんな男をと言われたことがある、とも。
言われても怒りはしないが、好きだから以上のことは答えようとしなかった。
此処に来てから、野菜を作ることを学び、最初は腰を痛めた。
猟の体験を願い、銃の重さに筋肉痛になった。ついでに撃てなかった。
ただ一年経っても、へこたれなかった。ちなみに酒にも滅法弱かった。
体調を崩すまでの間、馴染もうと努力はしていた。
イライダ自身はそういう時、誰に対して何を言うでもなかった。
娘で手一杯だったともいう。
どうしてわざわざ此処に来たのか。メーフィエに尋ねた人がいたら、彼は笑ってこう答えていた。
「イライダの育った所だから、過ごしやすいだろうと思って」
彼の口から、親の話や兄弟の話が語られることはなかった]
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