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〔そう言ったきり後には何もなく、
深紫と臙脂とは並びて歩を進め、
導かれるやうに白に沈む濃色目指す。
川の流れにつられて眼差し移せば、
紫苑が風に揺られるのが見ゆるか。〕
[夕暮れはとうに過ぎていた。
時折干果を口に運び、昼食も夕食もない時間をすごす。
その間やはり遠巻きにしている雅詠にかすかに視線を何度かやったところでその位置は変わらず]
…。
[さぁさぁと、風が葉を鳴かせていた]
あやめねえさま、すなおじゃなか?
[驚いたような顔をして]
やっぱり綺麗なんじゃぁ。
おらも、拝見させて、いただきたかったのぅ
[その一言にはにこにこと]
[ただ、笑うだけ]
――うん。
あたたかくて、大好きじゃぁ
[白の中、埋もれるように。
抱えた朱と金を見つめていた紅緋が、ゆる、とまばたく]
……ねいろ?
[小さく呟きつ、顔を上げ。
声の響きし方を見やり]
[川の辺に足を投げ出し、戯れに摘んだ草の葉を、くるりと輪にして、繋ぎ止め、小枝に留めれば、かざぐるま、さやけき風にくるくると、薄いみどりの輪を巻いて]
あやめねえさまは、おずるいのじゃぁ
[先ほどよりも元気なのは、小兄の姿を認めたからか]
[小兄が見上げてくるのに、もっと笑顔になって]
[だけれどその先、大兄の姿]
[にこにこ笑顔は変わらずに]
[されど考えれば、すぐに小兄のそばに向かう]
いってくるんじゃぁ
ふうれんにいさま。
どうしたんじゃ?
[どうした、と問われ、ひとつまばたき]
どうも……しないよ?
[僅か、首を傾げつ返す様は。
眠る前と大差なきようにも、どこか違うようにも見えようか]
……どうも、してん?
[ちょこんと、自分も座り込んで。]
…………ふうれんにいさま。
元気ないように見えるけ。
悲しいけん。
[顔をじぃっと見つめる]
[だけれどそれは、はっとして]
[風の音にか、水の音にか]
[どこか焦って、視線を反らす]
うん、どうもしない。
風漣は、風漣。
[それは、言い聞かせるような響きを帯びるか]
元気なく、ないよ?
……悲しいの?
[音彩の言葉に、ゆる、とまばたき。
視線を逸らす様に、僅か、首を傾げ]
ふうれんにいさま……
[問いの言葉に、再び見るか]
[しかしそれはやっぱり離れ]
むりも、しとらん?
……ふうれんにいさまが、むりしとったり、元気のうなったら、おらは悲しいと思うんよ
[そっと手を地に]
[触れた小石を、くるくるくる]
[手の中に、握る]
うん、無理もしてない……よ?
[視線を逸らす様子。
その意は悟れず。
また数度、まばたくか]
……どして、悲しい、の?
[小石を掴む様を見やりつつ。
浮かんだ疑問を、そのままに。
霞の向こうでも。
そんな言葉を投げられた事はない、と。
ふと、過ぎらせつ]
ほんとうけ?
[手を持ち上げる。]
[小石をじっと見る]
[小兄を見ることは出来ず]
じゃって、ふうれんにいさま、やさしうて。
お歌も上手じゃし。
鞠も上手じゃ。
おら、ふうれんにいさまのこと、好きじゃけぇ、
無理しとったり、おつらかったりしたら、悲しいんじゃ
[ぽつり]
[呟くような言葉]
[さらさら、さらさら]
[川の音が大きく聞こえた]
〔近くには、くうるりくるくる、かざぐるま。
遠くには、ぐうるりぐるぐる、みずぐるま。
風に揺られて、水を廻らせて、それぞれに。
真白の海の中に咲く色は、
臙脂に濃色、それから紫苑に深紫。
草の緑と川の音は心を落ち着かす。〕
[呟くような言葉に、紅緋はまた、まばたく。
不思議そに、不思議そに。
それから。
くすり、とこぼれる笑み]
ねいろは、優しいのだね。
[返す言葉は、何故か揶揄めいた響きを帯びて]
でも、大丈夫なのだよ。
風漣は、そういうものだから。
[曖昧な、曖昧な言葉。
それと共に、立ち上がり、ひょう、と鞠を空に投げ、受け止める]
こういうものは、餓鬼の頃から得意でしてねえ。
[笑み佩いたまま、立ち上がり、片手のかざぐるまを差し出して]
ひとつ、お持ちになりますか?
おらは、優しくなんてなか……
[小兄の言葉を否定して]
[まるで先のねえさまのよう]
[そんな言葉に見た先で]
[高くたかく、鞠があがる]
ふうれんにいさま……
おら、ほんま、にいさまが好きよ?
おやまあ、童の頃とは。
何かしら思い出しにでもなったのかな。
[差し出されたそれを見遣り手を伸ばす]
せっかくだから、頂くとしようかな。
此方は花の冠を作ったことはあるけれど、
其方の風の車は作ったことはないからね。
やさしいよ?
[ゆる、と首を傾げつ、言って。
再び、ひょう、と鞠を空へ。
回る、まわる、鮮やかなる朱と金の紋。
次がれた言葉は、聞いているや、否や。
紅緋が向くは、ただ、華の紋]
いらぬ子は好いてはならぬのだよ?
[それは、口にはせぬけれど]
あの子のように、なってしまうよ?
[あの子が誰か、はわからぬけれど]
それはお目出度い、
と言うべきなのかしら。
[こてりと首を倒して、くるりと回す風車]
此方は未だに霧の彼方、
深く深く煙る白の向こうに。
多少晴れて来はしたようだけれども。
おらは、ちがうんよ
おら……
おらは、
[投げられた鞠の行方は追えず]
[手のなかにある石をみて]
やさしいんは、ふうれんにいさまじゃぁ
[やがて摘むものもつなぐ言葉も何もなくなり。
ふ、と小さく息を吐けば思い出したように梔子の布を解く。
すっかり編み癖のついてしまった髪を解けばそれこそ波のようにふわりふわりと夜の風にあおられよう。
その髪を一房つまみ上げて蜜色はそれを眺めていたけれど]
…。
[ふい、と髪を後ろへと投げやり同じように頭のてんこで布でまとめた。
そしてゆるりと立ち上がる]
[伸ばした手に、華の紋を受け止める。
紅緋の瞳は、どこか困ったよな光を映そうか]
ねいろの方が、優しいよ?
[くすくすと、笑う。
それは、楽しげにも、哀しげにもとれようか]
心次第か。
確かに、その通り。
何方に向いているかは知らぬけれど。
[紫黒は同じように二つの色へと向けられて]
はてなさてな、
濃色の童はわからぬけれども、
臙脂の童は小ねえさまがどうだとか。
なにゆえ、鈴の音に応えたのだろうかね。
おらは違うんよ
[川のせせらぎ]
[笑い声]
ふうれんにいさま……
お歌、うたってけん?
[それを止めたくてか]
[それともただ聞きたくてか]
[口にして]
……違うの?
[それは、童には意外にも思えてか。
笑いは静まり、不思議そな言葉が転げ出る]
唄?
……よいよ。
[続く音彩の言葉に、ゆる、とまばたいて。
こくり、頷き、てん、と一度鞠をつく]
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