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枝の上には、変わらぬ桜色の小袖の少女。
花の内、そこだけは桜の季節そのままなのか。
悠然と、悠然と、花は微風に揺れて。
[ギィ、と軋んだ音を上げて、扉が開く]
っはー…
[声をあげようとして。
寝転ぶ人物に気づき、呼吸までも止める。
派手な色のフードに見覚えが無い訳はなかった]
………あずまん。
[一瞬の躊躇い。
けれどいつも通りの呼び方で、逃げる事もせずに、
扉の傍に佇んだまま、声を投げかけた]
[一言も発さないまま、桜の下まで来た。
ふと思い出して携帯を取り出し、開く。挟まれたままだった萎びた桜の花弁がはらり、落ちた。]
……
[小袖の少女を見留めれば、僅かに目を細める。]
[問い返しに、微か、苦笑を過ぎらせて]
だって。
聞いていたんですよ……ね?
憑魔の、言葉。
俺が……。
[人を喰らった事を、と。続く言葉は辛うじて聞こえるかどうか、というところだろうか]
ああ…
[そのことか、と、少し意外そうに呟いて]
……もう、そういうものだと聞いていたからな。
そもそも話させたのも、俺だ。
今更、気味悪がるのも、あんまりだろう。
[淡々と言う]
──……、あー。
…、ちわッス。
[名を呼ばれて、黙りこくるわけにもいかずに
短く返事を返して。もぞりと僅かに身じろいだ。
何時もの呼び方に、何処か安堵する。
昨夜の様に「オマエ」とか呼ばれたら、
多分、もっと凹むだろうから。
……何か精神弱くなってるな、と内心苦笑しながら
ゆるりと起き上がって、軽く頭を振ると
フードがぱさりと落ちた。]
どしたんスか。こんなとこに。
ヨウスケ君はどうするつもりなの。
[ぱちん、と携帯を開く音に
フユは樹上の少女には興味が無いというように
目を逸らして、ヨウスケを振り返った。]
いまと。
これからと。
確かに、そうかも知れないですけど。
[淡々とした言葉に、小さく息を吐く。
瞳には、やや、冥い陰り。
それは、浄めた憑魔の最期の言葉を思い出しての事だろうか]
それにしたって、普通はもっと、気味悪がりそうなものなのに。
……冷静、ですよね。
………、よす。
[軽く手を上げる。
少しぎこちないのは、仕方ないだろうか。
扉から離れて、1歩、2歩と足を進め、
寝ているアズマを通り過ぎてフェンスまで向かう]
んー。
ジンセイについて。
悩んでた。
[ガシャン、揺れる音。
視線を上げた先、青空が広がる。
頭に乗ったままの仔犬も、同じように見上げた]
[似たようなことを、フユにも言われたな、と思い出す。僅かに笑みが浮かんだか]
………目に見える恐怖の方が、相手にしやすいから、な。
[ぽつりと、言葉が零れたのは、ポケットのメモを見たばかりだったからかもしれない]
何か、良くは分かんねーけど。
あいつを殺したのは、ヒトじゃないんだって聞いた。
[桜を見上げたまま、淡とした声で。]
そいつが今残ってる奴の中に居るんだったら。
[目の前の少女を疑うことはしないのか。]
――殺す。
[僅かとはいえ浮かんだ笑みに、ほんの一瞬、戸惑うか。
それでも、刹那覗いた柔らかさは掻き消えて]
目に見える恐怖……確かに、そうかも知れないですね。
見えないものは、必要以上に怖いもの、だから。
[ぽつり、と呟かれた言葉に、小さく呟いて]
見えないから……道に、迷うんだろうし。
[続いたそれは、どこか独り言めいていたか]
[よ、と小さな声を上げて立ち上がる。
一晩中寝転がっていた所為か、背中が小さく音を立てた。]
おや、奇遇ッスね。ちょーど俺も悩んでました。
[何処か棒読みにも近い発音でけら、と薄い笑みを浮かべ。
自らもフェンスまで歩み寄った。
ショウからは、少し離れた位置まで移動して
ゆるりと眼下に広がる景色を眺める。
桜の木の下に佇む2つの人影を見つけて、僅かに目を見開き]
……、あれは
視線を向けられた少女は、くすり、と笑んだように見えたかも知れない。
その笑みが何を意味するかは、はっきりとは読み取れぬだろうけれど。
人は、迷うものだ。
迷わなければ、辿り着けない場所もある…と、
これは、親父の受け売りだが。
[マコトの顔をじっと見つめる]
………迷っているのか?
[フユによって持ち去られた肢体
その死体の血を啜り、肉を喰い千切り、臓物を貪り喰うフユの姿をただ見下ろす
その瞳には、死体を辱められる怒りも体を失う悲しみも宿ってはいない
ただ一つその瞳に宿る感情。それは]
…………可哀想な先輩
[フユに対する憐れみ]
これの……。
[言いつつ、手にした木刀を見やり]
剣の師も、そんな事を言ってましたね。
[小さな声で答え、それから、投げられた問いに表情を引き締める]
迷いは……捨てた、つもりです。
今の俺には、なすべき事は、一つだけ、ですから。
[静かな、答え。
瞳は静かで、でも、どこか冥く]
………そっか。
[返す言葉は、短い]
なんで。
こーなっちゃったんだろーな。
誰がどうかなんて、
わかんなくて。
みんな信じたいし、
みんな信じらんねえ。
[ぽそり、呟きを落とした。
小さな声に反応して、視線をゆるりと動かす。
人影が見えた。]
本当は、
もう誰でも良いから
もしかして、妹さんを殺したかも知れない奴が
居るかも知れないんだったら、
手当り次第に殺して
しまいたいと
そう思うんじゃないの?
[フユはヨウスケの笑みを、目を見つめた。]
[そうか、という言葉に、一つ、頷いて。
唐突に変わった語調に、僅かに首を傾げる]
悪趣味なこと……ですか?
まあ……答えられる、事なら。
ああ、答えたくなければいいんだが…
[少し、言い淀みはしたが、結局再び口を開いて]
憑魔は、人の心臓を喰うと回復するようだが…お前は…司の方はどうなんだ?
憑魔以外の人間の心臓が力の足しになったり、するのか?
……なんで、でしょーね。
[落とされる呟きに、思わず苦笑にも似た響きが籠もる]
俺は、もう自分も信じられないッスよ。
17年間、無条件に信じてた事が突然覆っちゃって。
[遠く動く人影に、ゆるりと瞬きながら
何の事はない様にぽつりと呟いて。
ふと、相手へと視線を向ける。 すこし開いた、距離。]
……あ、そーだ。センパイ、
[言うの忘れてた、と短く声を上げて]
おにぎりありがとーございました。遅くなったけど。
[あれセンパイっすよね。と緩く首を傾げ]
……さあね。そこまでは考えなかった。
俺はただ、
[顔はわらったまま。瞳の奥でまた何かが動くのは少女に見えただろうか。]
あいつを殺した奴が死んでしまえば良い。
それだけ。
[同じことかも知れないなと、またわらう。]
確かに、あんまり趣味のいい質問じゃないですね。
[投げられた問いに、浮かぶのは苦笑か]
……浄化の際に、憑魔の力は、取り込めたようです。
実際……昨日よりも、風の制御が楽になってますから。
[でも、と。ここで一度、言葉を切って]
恐らく、憑魔の拠り代になっていない心臓を喰らっても、意味はないでしょう、ね……。
はっきり言っちゃいますけど……まだ……吐き気が残ってる、くらいです……。
食べたいと思えないものが、益になるとは……ちょっと、思えないかな。
[階段をのぼる足音は軽い。
左手にはバトン。
洋服はかわいらしいワンピース。
顔はえがおで]
わからないから、殺してしまお
[言葉は、おかしい]
音色。
[小さき魔の意識は消えても。
その記憶が全て失せるわけではなく。
彼の魔が呼んでいた名前を呟く]
……榎本先輩。
[ゆらりと影は揺れながら。
その人を、その魔を見つめて]
同じ事だよ。
[フユはまた苦笑した。]
でも、
私はそれで良いと思う。
あなたがそう思うことを否定するのは、
あなたの悲しみを否定することだから。
[ヨウスケの瞳の奥に潜むものを捉えようと
フユはただ、自分の瞳の中に彼を映し、彼の瞳の中に自分を映す。]
たしかに殺して。
私からもお願い。
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