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― 森の中 ―
[聞こえる話し声、クレムの声は少しは慣れているせいか、全てを聞き取るのは難しかったけれど
「逃げないで」と言うポラリスの声に、同調するかのように彼の方を見た
「止まるつもりがないなら……」
だけど、少女には止める権利も、止める力もなく]
……だめ、だよ…
[小さな声を零すだけ]
クレムお兄ちゃん……?
[謝る理由がわからなくて、疑問の色がコエに乗る
だけど、聞こえたそのコエは悲しそうで、泣きそうだったから]
………泣かないで?
[側に寄れたなら、きっと、抱き締めていただろうと思うのに
今は、コエしか返せなくて]
/*
一つ、どうしていいのかよくわからない理由があって
ボクのとこにいるのは、『魔』本体だけど、
赤は『祈り子』の影響を受けた人だってことで、『祈り子』本人じゃないってことなんだよね。
だから、直接語りかけてもどうなるものじゃないんじゃないかって。
ああ、そっか。
そうするしか、ないかな。
─ 回想 ─
[ポラリスが森へと向かう前。
封に関わった家系ならば、現状に対しての責任を感じてもいるだろう。
彼女に向けた問いの答え>>34には、ただ問うだけしか出来ていない自分に謝る必要はないと頭を振って返した。
男と同じように駆けつけたエリィゼ>>53が謝罪を紡ぐのには、最初意味がわからなかったが、続いた問い>>54に彼女が何らかを知っていると伝わって。
それに対してのポラリスの答え>>60も聞いた後、口を開く]
封じないといけない、じゃない。
最善の方法を選ぶ。
それが、大事なことだ。
[封から解かれたものが望んでかどうかも解らない。
必要なことをするべきだと答えて、自宅へと入っていった]
―森―
[小さなため息とともに、目を閉じた]
――。
あの子をこれ以上―…。
[呟きの後、再び歩き出す。
声のする方へ、『祈り子』の力を感じる方へ]
― 泉 ―
[再び目を開ければ泉がすぐ近くにある]
封じが解けた今なら
私の記憶も取り戻せるのかな。
[置き去りにしたのは自分。
十年分の記憶も大事なものであったはずなのに
抱えたままでは苦しかったから手放して]
――――。
[恩人であり医師であるそのひとも
思い出させようとはしなかったから
そのことに甘えてそのままにしてきたけれど]
[手放したままではいけないと思う。
向き合うべきなのに向き合えなかった十二年。
強さなんてないけれど
本当はこわくてたまらないけれど
膝をつき、泉へと両手を伸ばす]
― 森の中 ―
テレーズ姉さんもソーヤも悲しませたくなかったから...だから...
[だから眠らせたのだ、と、そう告げながら、ポラリスも同じように眠らせればいいのか、と思案する]
[もうそんな力は残っていないかもしれないけれど、それで...終わりになるなら、最後の望みは、叶う...かも]
─ →森中 ─
やるだけやっても、良くならないことは確かにある。
お前の身体は人に比べて弱いのも確かだ。
だがな。
端から諦めていたら良くなるものも良くはならん。
お前は、何も出来んと口にするほど何かをしてきたか。
[エリィゼの横を通り、クレム達の元に向かう。
引きとめようとするならそこで足を止めるが、そうでないならクレムとポラリスの中間まで歩いていって、正面からクレムに向き直り]
医者は患者の手を取るのが仕事だ。
患者が手を差し出してくれるから、医者は仕事が出来るんだ。
手を差し出すこともせず、正面から向き合おうともしないで、どうせなんて言葉口にするな。
これは私のものだから
返してもらうよ。
[記憶を封じたのは『魔』の優しさか『祈り子』の優しさか]
ごめんね。
それから、ありがとう。
[泉からさがしあてるは懐かしいもの。
両手に掬ったそれを包み込んで胸元へと宛がう]
─ 森の中 ─
……ばっかやろ。
[ぽつり、紡いだのは幾度目かの言葉]
悲しませたくないって、なんだよ。
そんなんで、こんなにされて、誰が喜ぶんだよ、馬鹿。
それだったら、一緒にいて。
ちゃんと、考えてる事話してもらえた方が、よっぽど嬉しいに決まってんだろ……!
[言いながら、ぎゅ、と拳を握る。
何もできないのが、もどかしい、けれど]
いつの間にか、何もできないうちに、いなくなられてる方が。
もっと、ずっと、辛い事くらい、わかれ、馬鹿……!
[気配を追ってゆけば、泣いているポラリスへ近づこうとしているクレムが見えた。
困ったような表情で黙ったまま、首を振った]
どうしたら、その嘆きを癒せるのでしょうね。
[ぽつり、と呟いた口調は、普段とは全く違う気配のもの]
― 森の中 ―
[不意に、枝の折れる音がしてそちらを見ると、やはり追いかけてきたらしいヒューゴがそこにいた
怒っているように見えるのは、クレムが自分の時間が短いと嘆いたせいだろうか?
だけど、子供には難しいことまではわからなくて、そのまま視線を二人へと戻す
ゆっくりと、クレムがポラリスへと歩み寄るのを見て、不意に不安を感じて]
……クレムお兄ちゃん、だめ!!
[少しだけ近付いて、制止の言葉を投げた。
止められるなんて思わない、けれど、止めなければ封じられてしまうから]
/*
こう、クレムが封じられそうになったら体張って止めに行こうとするリィが浮かんでですね(
自分が(一時的でも)眠ることで時間稼ごう、とか。
流石に、最終日想定なんで出来ませんが(
あ、そろそろクレム投票に変えておこう(ぇ
旧家の子供 エリィゼは、青年 クレム を心の中で指差しました。
青年 クレムが時計を進めました。
青年 クレムが時計を進めるのをやめました。
― 森の中 ―
ねえ、クレムお兄ちゃん
本当に、今まで辛いことだけしかなかった、かな?
[コエ、ではなく、声に出して]
リィは、お兄ちゃんとお話できるの、楽しかった、よ?
それに、お兄ちゃんが、もしいなくなっちゃったら、リィ、悲しいもん
リィに言った「忘れないで」って、そういう意味だったの?
[人間ではない己が出るよりも、人間どうしで解決できるならその方がいいのかもしれない。
はるか昔の思い出が胸をよぎって、ふ、と口を閉じた。
胸の内からは、宿主が己に激しく呆れている気配が伝わってきて、
それはそれで辛いのだけど]
[クレムが他に気付いたことでポラリスも集まって居た人達に気付く。
ヒューゴの言葉、クレムを止めようとするエリィゼの声、聞き覚えのある声なのに他者を思わせる口調。
伸ばした手が宙を彷徨う]
みんな……
[それぞれを見た後、視線はクレムへと戻る]
[憤りのまま、言葉を続けて。
初めて村の逸話を聞いた時のことを思い出す。
内容は覚えなくても良いではなく、覚えていたくないと思った理由は]
一人で考えて、これで良いと決め付ける。
確かに、当事者はそれで良いだろう。
だが、本当にそれが良いかどうかは、他人に聞いてみて初めて解ることだ。
[『魔』も、『祈り子』も。
目の前にいる、青年も]
傷つけたくない者がいるのなら、何故頼らん。
手前勝手に一人で抱え込むこと自体傷つけることだとも解らんくせに、傷つけたくないなど言うべきではない。
[正論過ぎるといわれても、知ったことかと、言い切った]
ひとりになったら、寂しさに負けて、人を傷付ける力を揮ってしまうかもしれない。
それが怖くて......
[最後の願いは...誰かを傷付ける前に、消えること]
でも、それは...間違っていた、の、かな?
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