情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ベアに差し出されたなら、素直に口を開けて食べさせてもらい、美味しそうに笑うはず。
口の端から零れた欠片も、指で拭って舌先で舐めて。
耳に届いたユリアンの言葉には、茶色の目を丸くして]
…食べたいの、私を?
[不思議そうにそんな言葉を返して、*首傾げ*]
[コエは聞こえていたのかいなかったのか]
[今はただ、深いねむりのうちに…]
[その左の掌から、ひときわ大きな種がこぼれて、それを蔦が抱えこんだ]
[――生命の竜に続いて、心の魔が迷宮へと堕ちたのは予想外だった。
まだ、刻には些か早かったかもしれないが、そうも言っていられない]
[彼女は、ベアトリーチェに全てを伝える。
『鍵の書』の事を、今までの出来事を、そして彼女の目的を。
幼き少女は黙した儘に、大人しくそれを聞いていた。
左の手首の、天聖の象徴たる真珠をあしらった、鎖の輪を眺めながら]
−ベアトリーチェの部屋−
[朝を告げる鳥の囀りがしずかな空間を充してゆきます。お日さまは今日も変わらず、天にありました。その光は前までと少し違って感じられ、浴びるものたちも少しずつ、あるいは急激に、変っていたのですけれども。]
……………。
[ベアトリーチェは両の手で紙を持って、それを眺めます。以前に「Kirschbaum」で画いていた絵、彼女に聞いた“世界”の成り立ちを表したものでした。]
[それを少女に教えたのは、彼女だった。
世界はとても広くて、美しいものなのだと。
けれども、少女の世界はこの町の中だけ]
[全ては、手の届かぬ場所に在るもの]
[ベアトリーチェは、世界が好きでした。
だって、この世界にあるのですから。
だって、この世界に生きているのですから。
けれども世界は、ベアトリーチェを受け入れては呉れないのでした。]
―Kirschbaum2F/東の部屋―
[体は重かった。動きはとても鈍い。
手を動かそうとして、苗床はようやく左の手の動きに気付いた。
口の端に浮かぶは諦めか。
届いていたコエを気にせぬふりで]
……
[はやく、しないと。
呟きは口唇をふるわすこともなかった]
[起き上がろうとする体を、蔦が支える。しかしつかまる場所がなければ、動けるはずもなし。
ベッドから落ちるように床に崩れて、困った顔をした]
−工房−
[アマンダはベットできちんと眠っていた。
膝まである長い髪は土の床へと流れ落ち、大地へと繋がっている]
[やがて、アマンダは目を覚ます。
千の花弁(欠片)閉じ込めた、二連の首飾りを撫でて挨拶]
…おはよう、千花。おねぼうさん。
[それから、身支度して工房を後にする。足が向かうはKirschbaum]
─Kirschbaum─
[ソファーに横になったまま、ぐったりと臥せている。
軽く手当てはされていたが、それでも髪や衣服に染み付く血の香り。
血を好む生き物には甘露と評される、竜の血の香が漂っている。
おそらく、歩いてきた道のりにも、点々と残っているだろう。]
−Kirschbaum−
[アマンダはドアベルを鳴らし扉を開ける。
一つ纏めた長い髪を揺らし店内へと入れば、漂う血の香りに首を傾げ]
…おはよう、ダーヴ。
まだ、調子悪いの?
[血は止めたはずなのに、と不思議そう]
ん、…いや、だいじょぶ……。
[片目だけを開けて、ぼんやり答える。
額に巻かれた包帯には、僅かに血が滲んでいた。
痛むのと眠いので、ぼんやりしている。]
そっか、ならいいや。
ここなら、美味しい食べ物もあるし、ゆっくり休めば直るだろう。
[アマンダはダーヴに頷いた。大丈夫との言葉を真に受けたようだ]
…ハーヴ、いつもの…
[カウンターに声を投げ掛けたところで、階段の方から何かの音と、乱れた微かな――翠樹の気配]
ティル…?
―南通り・宿の一室―
[暖かな陽が差しだした。同じ建物の中からここ数日感じていた、流水の気配は無い。]
[朝の陽に誘われて、部屋の隅を動く、小さな影。
ねずみの類だろう。素早く横切ったそれを、追った目の光りは一瞬だけ、獣のもの。封じ、いまは容易く解き放つ事の出来ぬ場所に在る、本性のもの。]
[手の中に形作った、薄い氷のダガアを投げる。
小さな命は貫かれ、僅かの血を流した。
まだ息の残るそれを拾い上げ、口許へ運ぶ。
人を装うための食事でも、精霊としての力の補充でもなく、本性の求めを癒すための、摂食。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新