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[じっと九尾(黒)を見る。確かに、力を持ったままのコイツならば、危険に危険を重ねてくるだろう。
ただ……]
『……あれ、半分はお前の地だったよな?』
……否定はしない。
[ある種、一番封印しなければならないのはこの男かもしれない]
……ただ、絶対に傷つけないさ。
『もし傷つけたとしても、魂の融合という絶対不変な形で互いを補えるように魂を吸収する予定だった。
傷つけるという肉体の楔に拘り過ぎなんだよ。天界連中は』
……それは初耳。
『そりゃ失礼』
……でも、それなら、どっちでも同じか。一概云々ではなくて、世界なんて俺にはどうでもいいからな。
─屋上─
[例によって、出入り口を通り、屋上へ。
中で転寝していた時間が思っていたよりも長かったのか、大気の感触や空の色彩は変化を始める頃合い]
……っつーか、昨日一日で色々ありすぎだっての。
[はあ、とため息を一つつき、空を見上げ]
……さて。
『封護の陣』、調律かけていかんとな……。
……わかる訳無いじゃないか。俺は俺で、マリーじゃない。例えどれだけ思っていたとしても、他人の気持ちなど、十分の一も理解はできない。
『そりゃそーだ。恋人同士だから。家族だからって何でもかんでもわかったよーな口聞いて、幻想抱くのは人間の性だな』
……ただ、五分の一はわかってる。おそらく、彼女は俺のために無理をしているんじゃない。いや、俺の事もあるだろうが、それだけならば彼女は五神だ。一度はかけあってどうにかする道を模索するだろう。ならば、そうならなかったのは……。
[そこで顎に手を当てて考え込んだ。俺のために無理するのは理解できる。ただ、それだけではどうにも埋まらないナニカを感じていた。
それは何だ? 一体何が彼女を追い詰めた?]
……あ。
[そこではっと何かに気づいて、彼はケイコを見た]
……アズマはこっちにきてるのか?
─『隔離の陣』・霊亀の個室─
[気配というものを探してみた。やっぱり蒼龍の知識を漁ったりしたわけだが、風もようしてるからか。それとも木の生徒会長が作った結界内だからか。というかつかってなかったのかなり無駄だったのでないかとか。とりあえずたどり着いてノックをしたが返事もないので、静かに入ったのだが]
……はぁ…やべ。本気で不甲斐ねぇー…
[気を流動させないように抑えながら座して待つ]
/*
中身も戻ってきてみたら直後に発言があってびっくり。親戚故のタイミングです。
とりあえず勝手に部屋の中に入ってみておいた。
−自宅−
[昼頃、もそりと起き。
それからもそもそと食事を食べ始める。
自分が作ったものではないので、あまりおいしいとは言えなかったが。
そのあと部屋でしばらくぼーっとしたあと、夕方過ぎに思い出したように出かける支度。
上の姉からどこ行くの、と聞かれて]
…ガッコ。
[私服だけど。
そんな突っ込みは聞かないふりをする。
自転車に乗り、学校へ。
昇降口でアイスコーヒーを買ってから、屋上へ]
地なんかい。
[思わず素でツッコミ入りました]
マリィをそんな奴に…いやそれは言っても始まらないし。
[おまいは父親かとばかりに。でも一途に愛し合ってるのは嫌でも知ってますからね。溜息一つ]
そう頭の痛いことばかり言いなさんな。
マリィを生み出したのは、そしてアンタを生み出してマリィと引き合わせたのは、この世界なんだぞ?
一つになるってのは響きがいいけど、愛してるって心まで手放すってことだ。それは、あまりオススメしない。
[気の流れを辿り、読み解く。
陣を張る際に力をかけすぎたのはどこか、どこを律して、正しき形となすか。
そんな事を考えていた所に感じたのは──火気の近づく気配]
お、と。
[緩く、瞬き、陣への干渉を中断して。
階段の方を振り返る]
─家屋・宛がわれた個室─
[静寂なる部屋に響くノック音。しかし返す声は発されず。静かに部屋に入って来た人物の気配にも気付くことが出来ずに幸貴は眠り続けている。着替えさせられた浴衣姿、蒼白な顔に白いそれは嫌に映えて。寝返り等の身動ぎもしない様子は陰鬱な雰囲気を漂わせた]
[長い長い時間をかけて。廊下を歩いてきたそれは、幸貴の部屋の前で立ち止まる。誰も居らぬなら無理矢理扉を開けようとしただろうが、気配を察するとその扉を頭突き、ノックを行う]
――っはは、全くですね。
[相手の言葉に、一度、眼を見開いて。
一度眼を細める。くつりと喉を鳴らした。――嗚呼、]
…その通りです。
「天魔」が天魔である以上、本人が望もうが望むまいが、
――「気脈を乱す存在」なのは変わらない。
友人、知人? …例外なんて、ある筈もないのですがね。
[甘い人たちばかりですよ。 楽しげに、嗤う。
彼らに比べたら、よもや同じ四瑞とは思えない言葉だろう。
…尤も、そう言われた所で、彼には痛くも痒くも無いが。
向けられる闇に、薄く眼を細める。
楽しげに、しかし何処か気だるげに視線を向けた。]
…もちろん、貴方もです。
少々、骨が折れそうなのが――面倒ですが。
[「救う」という大層な事をするつもりなんざ、有りはしないが。
徹底的にするには、少々厄介であるのは、事実だった。
天魔以外を屠る趣味は無いし、上が煩いし。
――何より、これでもこの友人は気に入っているのだし。
続く問いには、小さく肩を竦めつつ。]
完璧にとは言えませんが、一応は。
[ぎ、と軽く扉を軋ませて朱から紫の滲み始める空へと続く場所へ。
階段を上がるたびにひしひしと感じていた気配を見つけて、ものすごく嫌そうにため息をついた。
自分が放り投げた姿は屋上にはぱっと見当たらないようだったのでどこかへ運ばれたのだとなんとなく想像がついた]
いや、全部を分かれっていうんじゃなくて。
[どうしてこのクラスメイトとは微妙にすれ違うことが多いのか。まあ、それでも気にはなる相手(恋愛感情に非ず)なのですが]
………。
知らないケド。
さっき、結界が微妙に揺れてた、かな?
[物凄く頼りなさ気にだが。
サキ以外の誰かが連れてこられた気はする、と]
…見に行くなら一緒に行く。
[身動きもせず、顔色も悪い。死んでいるのではないかと心配になっているが、呼吸は行われている。己の属性では何もできない…どころか陰の関係であることに苛立ちすら感じていたが]
ん?
[ノック音。まさか頭突きが行われてるなんて知りはしないが。そっと立ち上がり、扉を開ける。
目線に誰も移らない。首をかしげながら探すように目を動かすと]
お…いた…ぁあっと。黒亀とかいわれてたっけか。
[現れるなりため息をつく響の様子に、何となくがじ、と頭を掻いた。
まあ、心理的には、似たようなものなのかも知れない、なんて思いも多少あるが]
……なんか、お探しですか、先輩?
[ともあれ、何にも言わないのもなんなので、軽い口調で、声をかけてみたり]
……ああ、大丈夫。コイツに操られていた時、何か小部屋みたいなところに居た。イメージだと思うが、手は繋げる。心も一緒。バッチグー……。
[どうやら、彼的にはそれで問題ないらしい]
あ……ただ、言い忘れ。こいつが無茶したのも、こんなにバタバタ怪我人出てるのも、いきなり仕掛けてきたそっち側の責だと思う。だから、一概に責められてもおかしくないんじゃないかなぁ?
[最後は、五神のケイコの心に問いかけてみた]
……リカは己の心の向くままに。許せないが、まだ理由としては許せる。だって俺と同じくエゴを貫こうとしただけだけだから。
……だから、理解はできるが感情が許せないだけ。
[ヒサタカを諌めるケイコの言葉を瞼閉じたまま、身じろぎもせずに聞く。口を挟む気はない。
近くに土吸う金が二人―――内一人のコントロールは甘いのだ。
下手に感情を揺らせば、まだ土気を身に戻すのが遅れる]
…………ホンマ、わからんよ。
なんでそこまで世界を否定するんか。
ゴハンも水も電気もその他もろもろ、自力で全部賄うんなんか無理だどー。まりりん病気なったら医者とかどーすんねん。
原始人的生活バンザイにしたって、なんかなあ。
[何か変な方向にずれました]
[開けられた扉に首を擡げる。名を呼ばれた亀は恭也を見上げ、くり、と首を傾げた]
[部屋の中へ入ろうと、亀は一歩踏み出す。しかし手のひらサイズ故にちょっとした段差も亀にとってはかなりの壁で。部屋へ上りあがろうとして、ころんと転げた。しっかりひっくり返ってしまい、両手足をおぶおぶと動かす]
[言い忘れの講釈を垂れつつ、結界が揺れたという言葉を頼りに廊下に出た]
……九尾には、アズマが連絡用にと風の印をつけていた。もし、ソレを使って虚偽をマリーに教えたとしたら?
例えば、話し合いで助けられる可能性のある俺を取っ掛かりにして、九尾の命も危ないと脅しをかければ……。もしくは両方か? 今天界側をどうにかしないと、『ヒサタカも九尾も命はないぞ』なんて話をされれば……。
[あの心優しい恋人は思いつめ、親友にさえ牙を剥くかもしれない]
別に。
朝方、バカ犬を放置しておいたから、そのあとどうなったかと思っただけ。
[相変わらず不機嫌そうな様子で口にする。
相当、目の前の元後輩に対して鬱憤がたまっているのか態度はちっともよろしくなく]
バッチグーじゃないってばさ。
[ガックリ。力が抜けました]
…ま、ね。
鵬谷達だけの責任とは言わないよ。
私も急ぎすぎたというか、考えなしだったというか。そこは本当に悪かったよ。事態をより混乱させちゃったとは思う。
ただ、ここまでの荒療治してくるってのは事情が…。
[一旦言葉を切り]
ううん、私は天に在るべきものじゃない。
代弁なんぞできるわけがない。
だからそこはご老公にでも聞いてくれ。
[ツッと視線を外して]
そか。それなら、まあ。
互いに思うところをぶつけあうといいんだ。単なる傷つけあいにならないレベルでね。
[扉を開けると、亀はこちらをみて首を傾げたような気がする。あの翠の毛玉やご老公の鳥と同じようなものだろうか。そしてあがろうとしてひっくり返ったりして、なんというほのぼのとした光景。とほんの少し和みつつ]
よくここまで歩いてきたな。
幸貴のとこまで来た…ってことか?えらいもんだ
[地にもぐれるとかその辺りは知らないわけだが、ひっくり返ったのをもう一度返すようにしてから、甲羅をもち。扉もそっと閉めて。中…とりあえず幸貴の近くにおいてみる]
[バカ犬、ってなんじゃ、と一瞬思ったものの。
ふと、従姉が陣の内に連れてきた者の事に思い当たって]
ああ……。
ここに放置されてた怪我人なら、従姉殿が保護しましたが。
手当てはした、と言ってましたし、今は応龍……宝条先輩に、付き添いを任せてるそうなんで。
大丈夫なんじゃないかと。
[そこで何が起きているかに関しては、今は意識上の接触を向けていないので、感知してはいない。らしい]
……で、ご用件はそれだけですか?
[何となく、それだけでは済まなそうな気配は感じつつ。
問う声の調子は、変わらない]
天魔も四端も結局、同じ様なもんだと思うんだがね。
[ お前を見てると、尚更、思うわ。
体勢を崩して、薄く笑みを滲ませながら、言う。
対立するもの。対立するから、在れるもの。
立場が――在り方が違うだけで、存在そのものは同質ではないのか。
全く異なるものであるというなら、
何ゆえ、彼らの力に呼応して喚び起こされたのか ]
地獄に堕ちた悪魔は決して還れぬ天界を望む――
無駄な足掻きと知りながら、赦される時を待つ。
馬鹿馬鹿しいねえ。
[ 相手の心の内は、知るまいか。
ただ、対峙する二人の纏う雰囲気は、何処となく似ていた ]
面倒なら。
やっちまえばいいじゃん、それこそ。
金剋木――だっけ?
今なら、簡単だろうさ。
[ 壁に体重を預ける。
* 視線を受ける眼は闇を抱いた碧、澱んだ色 *]
…環?
[そこで聞こえた名前にわずかに目を見張る。
小さく、息がこぼれる。
それは結果的に、自分だけが蚊帳の外にいたという事実。
三人でつるんでいたにも関わらず]
あとは…そうさな。
お前とはまともに決着がついてない気がして?
[どちらかといえばそちらのほうが重要だというニュアンスもあり。
こん、と音を立ててアイスコーヒーのパックを床の上に置き]
[部屋の中へと入れてもらい、幸貴の近くに置いてもらった亀は、恭也に向かって頭を下げる仕草。それからのそのそと幸貴へ擦り寄るように近付くと、擦り寄った場所で文字通り頭と手足を引っ込めて丸くなった]
『……幸貴、鳳凰は貴女の願いを聞き入れてくれたわ。
後はあの子達次第……』
[『霊亀』が意識下で幸貴に語りかける。それに安堵したのか。蒼白だった幸貴の顔に僅か血の気が戻る。ふるり、瞳を覆う瞼が小さく震えた]
[リカのことについては珍しくふっと笑みをこぼして]
……こういうタイプは気づいたら喧嘩友達でマブダチに……いやそれも気持ち悪い。
[そこまで嫌うか? という反応である。まぁその話はともかく――]
……可能性はある。でなければ、マリーが突然こういう行動に出る理由がわからない。
[と、不意に思いついた事があり、ケイコへと振り返った]
……もしかしたら、サキが何か聞いてるかもしれない。結界を揺るがしたのがアズマでなかった時の二度手間にならないように、ケイコはサキの様子を見に行ってくれないか?
[その場合、彼は部屋を一つ残らずこじ開けていくつもり]
[残りの四端を探してさ迷い歩くうちに空が白み始めていたか。
いよいよ精根尽きたのか、路地裏で項垂れていた。
ぼうと地面を見つめていたが、ざっ、と誰かが眼前に立つ気配に緩慢に顔を上げると、そこには]
…………キュー、ちゃ、ん?
[今にも泣き出しそうな顔でQちゃんが立っていた。]
[名を呟く、その際の心理は知る由もなく。
知ったとしても、理解の及ぶ所ではなく。
故に、そちらには特別感慨もない様子でええ、とだけ頷いて]
……決着、って、この間のっすか、もしかして?
[どこかわざとらしく、瞬き一つ。
あの時は本調子ではなかった事と、結界を揺らがせる訳にはいかなかった事。
そして、一撃を受けた事から、引いた訳だが]
俺は、別にこだわりないんですけどねぇ……。
気持ち悪いとか、可哀想だよ。
[これまで別段親しくもなかったけれど、可愛い寮の後輩君なんです。同志認定したし。…さておきましょう]
そうだね。
逆上してればともかく、マリィは優しい子だから。
分かった。話聞けそうなら聞いてくる。
だけど、そっちも無理とかしなさんなよ?
[アズマと対峙した時のことを思えば、複雑で重い気持ちになりもするわけで。小さく頷くと、ヒサタカと分かれてサキが寝ている筈の部屋へ。
できるだけ早く戻ってこようとも思ってたりしたの*だけれど*]
[亀の動きを見ながら、また元の場所に戻り。静かに座る
さすがにずっと目覚めない状態を見ているのにひどく不安は生じていたが]
ん…?幸貴…幸貴
大丈夫……じゃないとは思うが、意識はあるか?
[幸貴の顔を覗き込むようにしながら呼びかける]
ほかに、何か?
[風にあおられて髪が揺れる。
夏とはいえ、夕暮れを過ぎればそれなりに涼しい]
…俺の平穏な日常を奪った代償は大きいんだよ。
イライラしてるから、今なら平気で女相手でも殴れそうだし。
だから別に、お前相手じゃなくてもいいといえばいい。
…九条院だって、お前らの一味なんだろ?
[従姉殿という言葉、指している人物が想像どおりであるならば。
僅かに目を眇めて]
/*
申し訳ない、こっちも一時離席。
30分程度で戻って来ようと思っていますが、必要とかあったら自由に動かしちゃってください!
[深い意識の底。力の回復のために深く深く眠っていたのだが]
(……きょ……や……?)
[自分を呼ぶ声。聞き慣れたその声に、すぅ、とゆっくり意識が浮上していく]
…………。
[ふる、と瞼が幾度か振るえ、薄っすらと瞳が開かれる。覗き込んでくる顔を、ぼぅとした様子でしばし見つめ]
……きょー、や?
[掠れた小さな声ではあったが、しっかりと相手の名を紡ぐ]
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