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[再び震え始めた少女の頭を何度も撫でる。
右手は握られたまま下げられて。
色が変わるほどの力が入っている]
ったく。こんな子を怯えさせてまで…。
一度それが良いと思ったら絶対にそれを押し通す。
変わらないね。
[同居人の呆れ声に、苦々しく吐き捨てた]
ゼルギウス、エーファの様子はどうだった?
[団長に食って掛かる様子を見つけて、
いい負けて引き下がったところに尋ねて、
皆の会話を聞きながら]
あっちは聞く耳はもちそうになさそうだしな。
しかしいくら普通じゃない死体がでたからってこの扱いはひどいよな。
それとも俺らの知らないもっと別の何かでもあるんかね?
んでは、そんな感じで。
ベアトリーチェは心底からの快楽殺人者なんで、それっぽい雰囲気があれば簡単についていくんで、よろしく!
[エーファを寝台へと横たわらせると、背後から声が聞こえた]
……誰でしょうか?
[振り向き、扉の影から顔をのぞかせているウェンデルの姿を見つけると、笑みを浮かべて口を開いた]
ああ……ウェンデル坊や。
どうしたのですか?
何かご用事でも?
[ライヒアルトとエーリッヒのギュンター評に大きな溜息が漏れた]
嫌な保証だ。
で、結局俺らは容疑者としてここに拘留される、と。
人狼なんて正気か?
口伝だか何だか知らないが、眉唾物の話だろう。
仮に本当に人狼が居たとして、俺らにどうしろってんだ。
身に覚えのねぇ方にしてみりゃ良い迷惑だぜ。
[どかりとソファーに腰掛けると、そのまま身体を背凭れに預け]
[また大きな溜息を漏らした]
接触表
ライヒアルト○
ゼルギウス○
ゲルダ
ベアトリーチェ
マテウス
ナターリエ
イヴァン
ヨハナ
ウェンデル
エーリッヒ○
エーファ
アーベル
ん、ああ。
さっき少し寝たみたいなんだがまた起き出してな。
何かぼけーっとしてたなぁ。
「始まる」とかなんとか呟いてたみたいだけど、良く分らん。
こっちが騒がしくなったから上は婆ちゃんに任せて来た。
[マテウスの問いにソファーに腰掛けたまま彼を見上げて答えた]
[落ち着いてくる、というアーベルの背に軽く、視線を向け。
吐き捨てる家主の様子に、肩を竦める]
……何処も同じ。
信心と、使命感に囚われたなら、こんなもの。
[淡々と言って、団長を見やる。
こちらの厳しい評価にも、動じた様子などはなく。
また、やれやれ、と息を吐いた]
[いままでに感じたことのないものを心の奥底に感じて]
んっ、誰か…、
いるのか?
いや、感じているのか?
[そっとここの声で語りかけてみた]
―厨房―
その方がいいか…って。
この。
エーリッヒとは違うからな。
[微か笑み、ゲルダの額を小突いて。
そんな会話だけでは静けさはまだ埋まらない。
ゲルダの声に耳を傾けた後、暫し沈黙した後。]
御伽噺だと言いたい。
…ただ、気になるのは。
[あまりいい話じゃないがと前置きしてから。
視線は、ゲルダではなく、鍋の方を向く。]
いつもの通りに、死体検分に同伴したんだが。
その時の死体につけられていた傷。
あれは人がつけたものじゃない。獣がつけた傷だった。
だから、人が犯人、とは思ってない。
じゃぁ誰が?…という話に戻るわけだが。
…その辺をうろついている、飢えた獣だといいな、といった所。
[言い終わると、湯からあたたかな湯気が立ち上がっていった。]
正気なんだろ、こうやって、拘束と監視をする、って言うんだから。
[ゼルギウスの言葉に、軽く、肩を竦める]
仮に、いたとして、か。
……見つけ出してどうにかしろ、と。
そんな所だろうな。
[どうにか、の部分が何を示すかは、言わずもがな、という所だろう。
あえてぼかしたのは、脅える少女の姿が見えたから]
[わたしの震えは、少しして止まった]
[回りの男の人たちは、団長さんのやり方に不平をいってる。]
[けど、みんなそこまで深刻そうじゃない。]
何も起こらなければ…いいんですよね。
[わたしは自分にも言い聞かせる。何も起こるわけない、何も起こるわけない。]
ああ、いえ。
何事かあったのかと思いまして。
階下の雰囲気も……
[先程とは違うのはわかったが、何が違うかは明確にはわからず。
己の胸にも、わだかまる違和感]
それより、その子は?
[でも…ほんとうに何も起こって欲しくないの?]
[体の中から、小さく、でも確かにそんな声がした。]
[そして、体の外からも、囁きが。]
…誰?
まぁ、元気そうならいいんだが。
[ゼルギウスの説明を聞きながら]
はじまる?
何がはじまるっていうんだ?
[寝言かなにかなのだろうが]
まぁ、倒れてたことと何か関係あるのかね?
[考えてもわかることではないので一人でそういってまとめた]
あーやだやだ。
頭のお固い人って。
[ライヒアルトの言葉に小さく頭を振った]
[そこに当人が居ようが声は潜めない]
見つけ出してどうにかしろ、ねぇ…。
その見つけ出す術とやらがあれば良いけど。
無いんだったら手当たり次第か?
冗談じゃない。
[彼が何を言いたいのかは理解出来た]
[理解出来たからこそ、嫌悪の色を浮かべる]
此方のほうは、この子が熱を出して寝込んでしまったので、私とゼルギウス君とで、一緒に見ていた、ということですね。
ああ。今は落ちついているので大丈夫ですよ。
階下のほうは、さすがに、私には分かりませんねえ。
きっと、今回の状況に対する説明でもなされているのではないでしょうか?
[のんびりとした口調でウェンデルへと語りかける]
他人任せな話だな。
[ライヒアルトのどうにかという言葉に呟き]
容疑者ってだけで子供にも下手すればそんなことさせるつもりなのかと思うとな。
[アーベルが出てゆくのを見送って。
ゼルギウスの声にゆるく首を振る]
大きな街と違って、そういうものが「生きている」場所だからね。
迷惑以外の何物でもないけれど。
…始まる?
[続いた言葉に小首を傾げて。
だがゼルギウス自身も分からないというのに追求はせず。
ヨハナがついているのなら、まあ大丈夫かと判断する]
俺に聞くなよ。
俺だって分かんねぇんだから。
[「始まる」の意味を訊ねて来るマテウスに肩を竦めながら返し]
何かのっぴきならない事情がありそうってのは確かかなぁ。
あの薬拒む様子からも。
見つけ出して、ねえ。
[同居人がぼかした理由は少女だろう。
手当たり次第、というゼルギウスの言葉に眉が寄る。
確かに率先して聞かせたい話ではない]
そう、何も起こらなければいい。
…ベアトリーチェ、そろそろ休むかい?
二階に部屋があって使えるようになっているんだ。
[連れ出そうとするのが半分、療養中だという少女の身体を気にするのが半分]
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