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[幾度も繰り返し鉄紺が辿り、漸く顔を上げたのは大分時を経てからのこと。
ふ、と集中から解かれた故の呼気が漏れて。
緩やかに見下ろした先、一文を指先で撫でて、閉じる]
……ん〜〜、肩凝ったあ。
[ぐる、と右肩を一周。
動かない左肩も拳で数度軽く叩く]
[エミーリアから借りた本ならば礼と共に積み直し。
そうでなければ本はその手に持ったまま。
一度自室へと戻って行った*]
─ 前日 ─
[暫くピアノの前に座ったまま動かずにいた後、談話室に戻ると既に殆どが食事中か食事を済ませた後だった。
自分も用意されていたそれを取り、用意してくれたのだろう司書へと礼を言ってから有り難く頂く。
司書の歌を自分は聴いたことがあっただろうか、彼と同じ名を持つ歌い手>>0:234の話を聞いたことはあったが自分はそれを口に出したことは無い]
ご馳走様。
これだけの人数分、準備するのは大変でしょう?
明日はアタシも手伝わせてくれるかしら。
[食事を済ませ、司書に礼と共に申し出をしたが受け入れられずとも気にせずに食器を片付けた後自室へと戻って。
数刻前、カルメンが声も無く立ち去っていった事も併せて、この夜はピアノを弾きに行く気にもなれずそのまま部屋の中にいた*]
―翌朝/個室―
[空気の冷たさに女は目を覚ました。
毛布を被りなおし寝なおそうとするのも冬のお約束。
けれど喉の渇きを覚えて、仕方なく寝台から下りた。]
――…甘いクッキーと紅茶。
[呟いたのは一人暮らしをはじめてからの朝の定番。
自宅には買い置きのクッキーが常備してあるが
雪に道を塞がれた状態では自宅に戻る事も
菓子を買いにゆくことも出来ない。]
材料はきっとあるのよね。
小麦粉に砂糖に……、卵にバター、……。
[それ以上材料が続かないのは作る事がないから。
いや、作らないわりによく出た方だと思う。]
[下着姿のまま、ぐっとのびをする。
クローゼットを覗き込み、今日着る服を物色しながら]
んー、頼めば作ってくれるかしら。
そういえば、パイの感想も言ってなかった。
[菓子作りが得意なエーリッヒの顔を思い浮かべ呟く。
そうして手にするのは黒のワンピース。
修道女の服に似たデザインの服に袖を通した。]
…………。
[少女の頃の服で身長はそう変わっていない。
けれど胸のあたりがきつく圧迫感を覚える。]
ま、一日くらいならいっか。
[我慢出来る範疇と喪に服すような装いのまま
髪をとかし身嗜みを整えてから部屋を出る。]
─ 翌朝 ─
[浅い眠りを覚ましたのは、刺すとまではいかないが凍える寒さ。
暖炉には燻り終わった炭が白く在り、それは部屋をより冷え切らせている様に見えた]
…まだ早いわよね。
今の内にお風呂頂いちゃおうかしら。
[昨日はこんな事になると思っていなかったから入浴を控えたが、流石にそろそろ芯から温まりたい。
朝早くならば誰かと鉢合わせることも少ないだろうと、浴室に向かっていった。
此処のお風呂は温泉を利用しているから沸かす必要がないのは有り難い。
幸い誰も居なかったからゆっくりと足を伸ばして身体を温めた後、身嗜みを整えて濡れ髪をタオルに纏め。
化粧は部屋ですれば良いか、そんなことを思った矢先、だった]
───…、え ?
[誰かの、>>39男の声が耳に届いたのは]
─ 翌朝 ─
[また何か起きたのだろうか、そう思えば矢も楯もたまらずに浴室を飛び出した。
聞こえた声はどこからか解らず、けれど恐らくは外からだろうと思ったのは昨日の老尼僧のことを無意識になぞったから。
そしてその無意識は、正解だった]
─── っ
…マテウスさん!
[まず気付いたのは、>>41雪の中蹲っている男の姿。
あわてて駆け寄りながら大丈夫かと声を続けようとした所で、視線はそのすぐ傍、白を染める赤と]
ギュンター、おじ、さま?
[無残に傷つけられた自衛団長の姿を捉え、足が止まった*]
― →翌朝/聖堂玄関前 ―
[元より目覚めは早い方で。
いつものように髪をきっちりと編み込んでから、昨日持ち帰った1冊を持って部屋を出た]
今だったら誰もいないかな。
[出来れば自称司書と出くわすのは避けたい。
今のうちに返しておこうと、図書室へと足を向けて]
『蒼と朱、ふた色の花。
対なる双花を身に帯びし、『双花聖痕』。』
[本の一頁にインクで刻まれた文章。
エーリッヒから発された『蒼い花』に閃いたのはその最後。
けれどはっきりと覚えていたのは最初の数行で、閃きが信じられなくて。
辿った幻燈歌には間違いなく記されていた]
[……違えばいい、とも思った。
紡がれる歌が繋ぐ先にある一文は]
[そっと、鉄紺色が流れる。
先に揺れる、赤]
……そうだと言うのなら。
…………俺は。
─ 前日 ─
[歌を捧げていたり、思わぬ怪我の手当てをしたりしていたから、談話室に戻ったのはだいぶたってから。
食欲はあまりなかったものの、食べない事には、と一人分を平らげた。
片付けは請け負ってくれたレナーテ>>3に任せ、蒼の小鳥は暖かい談話室に置いて。
自分は山羊の様子を見たり、地下から食材を出してきたりと中での仕事に没頭した]
…………。
減った。
[その途中、酒蔵を覗いた時に思わず呟いてしまったのは已む無しか。
原因はわかっていて──そこへの複雑な思いもあるから、は、と息吐くだけに留め。
チーズや根菜類を厨房へと移したり、パンを焼いたり、と。
日常の中に沈みこむようにして、一日を過ごした]
─ 前日/自室 ─
……は。
[ようやく息をつけたのは、自室に戻ってから。
思っていたよりも張り詰めていた、というのが改めて感じられた]
……情けない、な。
[零れ落ちるのはこんな呟き。
気が逸ると一人で動きすぎるのは、自分の悪い所だ、とは、老尼僧にも言われていた事だが、それを改めて思い知った気分だった。
元より、あまり他者に気を許さない──許せない気質だから、というのもあるのだが]
……それでも、少しはマシになったつもりなんだけど。
[何かしら、共通の楽しみや感性がある、と感じたものには、気を許せるようにはなった、と思う。
先に、奏者からの手伝いの申し出>>50に素直に頷けたのも、その手が紡ぐ旋律に惹かれるものがあったから、というのは否めない。
申し出を受けた瞬間の、きょとんっ、と瞬いた天鵞絨を、向こうがどう受け止めたかはわからないが。
少なくとも、ありがとう、と言って笑えた──と、思う。多分]
/*
ちょうど、箱が落ちたタイミングで投下されてたから、かんっぺきに見落としたっ……!
さて、さくさくと占い結果出して時間軸合わせるっ!
/*
マテウスさん朱花かー。
何か役持ちなのはてぃん、ときたけど。
[ここらへんは本当に勘、としかいいようがないし、中身が分かりきってるのもある(笑)]
レナーテは占濃厚になってきたけど、うん。
エルザはレナーテに守護は向けない気がする…。
イレーネ、ミリィの二人が赤だと面白い。
大穴でヴィアさん←
― 回想・客室 ―
ううん。私だってもう小さくないんだから。
できれば、パパの邪魔をするより役に立ちたいもん。
[父に謝られて>>10、腕に縋ったまま首を横に振った。
それでも、どうしてもの時はと言われれば嬉しくて。うん、と頷かずにいられなかったが]
おやすみなさい。
[暖炉を整えて部屋を出てゆく父>>11に挨拶をして、布団の中で目を閉じたが、眠りに落ちることはなかった。
早鐘を打つ自分の鼓動を聞きながら、瞼を閉じてできるだけゆっくりと呼吸をしようとする]
聞こえない、よ。
[遠くに流れる円舞曲が消えると>>31瞼を上げて、焦点の合わない視線をどこかに据え、ポツリと呟いた]
― 回想・客室 ―
あっ、ミリィお姉ちゃん?
起きてるよ。
[それとどのくらい前後してか、ノックの音>>45に身を起こして扉を開けようとした。
ベッドからは降りるより落ちるようになって、ドタンという音を立ててしまったが、余計な心配をさせただろうか]
ちょっと痛いけど、大丈夫。
ご飯ありがとう。
[腰をさすりながら、てへへと笑う。そう出来るくらい元気になっていたけれど、部屋の中から出ようとはしなかった。
運んで貰った食事はスープを半分、パンは一口、ザワークラフトは一緒にあっても申し訳ないが丸々残して。
夜の眠りに落ちるのも早く、父が様子を見に来てくれた時には>>36既に深く眠り込んでいた]
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