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[全員にぺこりとお辞儀をすると]
僕はハンス・バチャーニーって言います。
日々の糧のため、周辺諸国を回っては紀行本を出しています。書店でお見かけの際はどうぞよろしく、サインくらいはつけますから。え?いらない?
[...は、自分で言った言葉に、一人で楽しそうに笑う]
あ。
アーベルさんですね、こんばんは。long time no see, いつでも食事をとりにきてくださって良いのですよ。遠慮なくいらっしゃいな?
[視線をそらしたのに気づきながらも、そんなことを言って。
続いた男に対しての言葉には、微笑む。]
箱庭?
いいえ、きっとここはedenですよ。だってとても素敵な場所ですもの。
神がお住まいになる平和な場所です、きっと。
可愛い弟分……ねぇ。
[笑うユリアンの様子に、苦笑めいたものが掠めるだろうか。
街で必死で生き抜こうとする姿に、つい、面倒を見ていただけだったのだが。
そんな事を考えつつ、部屋に戻る姿を見送って]
……さてね。
俺はそも、神なんてモノは信じちゃいないからな。
[再び、男──ハンスに向けた蒼の瞳は、やや、鋭く。
笑みの下の意図を察してか、口元には、薄い笑み]
ま、正気の沙汰じゃねぇ、とは思ってる。
今は、それだけだ。
エルザさん・・・・
[女性の名乗りに暫く視線を宙に。その名と目の前の姿を結び付け、さらに記憶の中の女性を呼び起こすのには時間が掛かった。]
あれ、若しかして・・・「歌姫」の?
[数年前に姿を消した筈の。ハミングする姿は幼い頃ステージで見たその時の侭に見えた。]
別に男女で差をつけているつもりは無い。
お…貴方も敬意を払ってくれるなら相応の敬意を返す。
[ユリアンには取り繕った声で返して。
女性に対するそれは、幼い頃からの躾の結果でしかない]
……だが、先程は失礼を、した。
[続けた声は、自室へと戻る彼には聞こえないくらいに小さいが]
そう、ですか?
[不思議な瞳、の言葉には小さく首を傾げ。
でも確かに一族の中でもこの色の瞳を見かけたことは無かった]
[そのままハミングを始めた彼女の声にじっと*聞き入って*]
[and so,名前を聞けば男を見て]
ハンスさん。バーニー…さん。
あら、以前町にこられていたかしら。
神父様とお話をされていた?
[incline her head,首をかしげて]
その節は楽しいお話、有難うございました。
とても楽しい時を過ごさせていただきました。
[名を呼ばれ、仕方ない、と言わんばかりの態度で、肩越しにシスターを振り返る]
……そりゃどうも。
とはいえ、俺は自分で稼げる。
それができねぇ連中に、その分回せばいい。
[食事の誘いは受け流して。
続いたシスターの言葉には、気楽だな、と嘆息を交えて呟き]
神様神様
楽しいことをはじめましょう
箱庭を一つ作りましょう
花がたくさん 緑で囲んで
大きなお屋敷建てましょう
硝子の壁から まばゆい光
ふかふかじゅうたん敷き詰めて
[考え込む]
…ええと、後はなんだったかしら。
[旅の男―昔見た顔だ―に差し出された手を取り、笑顔を向けて。]
ええ、御久し振りです。
[彼は「安心」と口にしたが、僕自身はちっともそのような気にはなれず。]
巻き込まれた・・・
ええ、そう言う事になりますね。何方も此処を御存じ無い様で。
[正直とっとと帰らせて頂きたいと、其処までは言わなかったが。]
[遠い記憶を辿りながら]
駒を集めて綺麗に並べ
素敵な遊びをはじめましょう…
[うろ覚えの歌詞。けれど]
[どことなく不快になってくる]
…ゴホン!
[不意に呼吸が苦しくなる]
(ああ)(やっぱり)(歌えない)
ゴホゴホゴホッ!
[身体を二つに折り曲げて咳き込む]
[顔は蒼白に]
それでも少し、淋しいものですから。
一人で食事をとるなら、教会にいらっしゃいな。
皆、歓迎しますよ。
[微笑む様子は優しげに。]
気楽、かしら。
…ですが、神様の場所ならば、何も大変なことはないでしょう。
あら、お名前を間違えてしまっていましたの。申し訳ありません
[ハンスの言葉に、頭をさげて]
ええ、そうですね。きっとそうでしょう。
とても楽しい、各地のお話でしたもの。
子供たちも喜んでおりました。
[言いながら...が街の名前を告げる。]
そこのsisterをしております。
ナターリエとお呼びくださいな。
別に、俺はなんとも思わんが。
[淋しいという言葉にも向けられた笑みにも。
やはり、感慨らしきものはなく]
……ああ。あんたは、神を信じてるんだっけな。
[続いた言葉には、今思い出した、と言わんばかりにこう言って]
……?
[突然咳き込み始めた女に、訝るような視線を投げる]
[エーリッヒの潜めた不快感を汲み取り、おそらくこいつも、本当に巻き込まれた部類だな、と思う。集団に混ぜ込まれた加害者である可能性は低い。ならば状況が動く(どんなふうに?)(わからないけれど)のでないかぎりは、こちらに害を与えてくることはないだろう。]
>> エーリッヒ
はい。いつもの通りノートを整理していました。
来週には一冊、出版社に送らなきゃいけないもんで…今回は北の騎馬民族諸国の風習がね…いや失敬。
めまいがしたと思ったら、ここに。
しばらくは恥ずかしながら、はい。
隠れてましたよ。
[改めて見回して見れば、先程去った少年と何処か似た雰囲気の青年に、彼らと知り合いらしいシスター。それにかつての歌姫らしき人…それぞれ知り合い同士というのは幾つかあったものの、共通点は見当たらない。]
嗚呼、失礼しました。
僕はエーリッヒ=カルゼン=ブラッカーと申します。
[自分が幾人かに名乗っていなかったことに漸く気付いて、今更ながら礼を。
そうしているうちに歌を紡いでいた女性が激しく咳き込み始めて。]
あ、と。
・・・大丈夫でしょうか?
[如何して良いのか分からなくて、とりあえず声を掛ける。心配そうな表情で覗き込んで。]
[言おうか言うまいか少しの間迷う]
シスター、気持ちはうれしいわ。
でも…あたしは肺病病みなの。魔術士の医者にかかったから感染だけはさせないはずだけど、唇の触れたものは気持ちが悪いでしょう?
[アーベルの方を見て、困ったような顔。]
淋しいわ、とても。
皆で食べる食事は美味しいのよ。
無理は言わないけれど、ぜひ、来てほしいと思います。
[それから、続く言葉に、smile]
神を信じる事が何よりの救いです。
信じることをやめてはなりません。
……格好つけても、徳にはならねぇんじゃねぇの?
[虚勢を張る女の姿にぽつり、呟いて]
[名を告げるエーリッヒの声にちら、とそちらを見やり]
……アーベル=ゲシュペンスト。
[無造作に名を告げる。
『幽霊』を意味する姓は、誰が聞いてもすぐにそれと察するであろう、偽名。
とはいえ、彼にはこれが、自らを示す、唯一の名なのだが]
[体調の悪そうなエルザの言葉。
肺病と聞いては余計に心配そうになって。]
大丈夫です。
気持ち悪くなんてないですよ。
病なのですね、お辛いでしょう? 無理はなさってはいけません。
そのようなことをおっしゃる前に、お飲みになってくださいな。
[整理しないと落ち着かない、というハンスの言葉にへえ、と気のない声をあげ]
整理したところで、答えが出るとは思えんがね。
……ま、あんたも後で、問答してみりゃいい。
[埒が開かんがな、と付け加えつつ]
[困ったような顔を向けるシスターに]
……気が向いたら。
別に、何を信じようと信じまいと、俺の勝手だろ。
[返す言葉は、冷たく響き]
[エーリッヒの名乗りには、そちらを見て優しいsmile。]
ナターリエ=ホリーと申します。
[それは当然、エルザにも聞こえるだろう]
[女性のほうを気に掛けるように振る舞いながら、男の声には振り向いて。]
御仕事中に、ですか。
僕は昨日、自宅の部屋で横になったところまでは覚えて居るんですが・・・・
[大仰な身振りには少々わざとらしさを感じるものの、彼が今のところ何かを企んでいるという風には感じられない。
水を運ぶシスターに気付いて一歩引いて。]
歌を忘れた・・・
[女性の言葉を繰り返したが、変につついて厄介を招くのは嫌だったからそれ以上は何も言わない。]
いいえ、こちらこそ。
お名前を間違えてしまうだなんて、とてもいけないことですもの。
[puddingの話にはblushing]
美味しかったのならば良かったです。
あなたのお口に合いましたかどうか、わからなかったものですから。
そう言ってもらえることが、何より、priceless,価値のあることですわ。
[ハンスの言葉に頷いて、...は頭を下げた。]
[エルザの歌には何処か聞き憶えがあって]
[それを必死に手繰っていたため、咄嗟の事態に動き損なった]
[シスターが運んできた飲み物を口にする彼女の姿にホッとして]
[もう一人、同じ歌を口にした男をぼんやりと見た]
あなたが来てくださる日、楽しみにしています。
[アーベルの言葉に、そう言ってから。]
ええ。
わたくしたちはあなたに神を信じろとは言いません。
ただ、神はいつでもわたくしたちをご覧になってくださっていますわ。
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