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ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[響く唄。
鞠をつく、音。
霞揺らめかす風は運ぶか、幼き声を]
[なにゆえ、との言葉には、けらりと笑い]
さてさて、神隠しに遭うて帰らぬは、現と縁の薄い子でしょうかねえ?
いや、子供だけとは限らぬやも。
[悪戯めいて、女を見やる]
[雅詠の前をまっすぐに抜けていく。
襖をぱたんぱたんと開けてゆけばそれはそのまま反対側の縁側へと続く。
そこまですれば満足だったのか、月の明り煌々と落ちる板間の上で空を見揺れば白く細い手が太刀の柄へとすべり、そして──すらりと抜く。
ひと ふた み よ 。
音律はなく、かといって歌も無く。
ただそれは緩やかに太刀が月の下の空気を切り取っていたから舞とわかるようなものだろう]
違うん
じゃって……おらは、
[しかし、続きは口にのぼらず]
[てーん]
[つく鞠の音に、やさしいこえ]
……みいや ようや
[小さくちいさく、口が動いて]
……ふうれんにいさまの、お声、好きじゃぁ
/なか/
少しまとめよか
・手伝い→手伝わなければならない
・薄い着物→貧しい
・ねえさま、にいさまたち→孤児のようなものが集まっている
尼僧あたりが良いのだろうか。
[途切れた言葉は届くや否や。
紅緋はひょう、と空へ舞った華の紋を追う。
伸ばした手は、それを確りとかき抱き]
舞弥のにいさまの他に言われたのは、初めてだ。
[くすくすと、楽しげに。
ごく何気なく、誰かの名を紡いで]
はてなさてな、
縁が薄いのかも知れぬし、
未練がないかも知れぬね。
[三日月の如くに眼を細めてくすくすと]
けれども、それが好く思い出せぬというから困りもの。
[終わった歌に、今度はようやっと、その姿を見ようか]
[鞠はしっかり腕にある]
にいさま?
ふうれんにいさまも、にいさまがおられたの?
[小さく首を傾げて]
[その姿を見上げ]
/なか/
おっかぁ:うんでくれたおっかぁ。捨てられた
おとう:だれだかしらん
かかさま:拾って育ててくれたかかさま。ととさまはおらん
ちいねえさまがた:ひろわれごのなかま
おおねえさまがた:たまにくるおねえさま
ちいにいさまがた:ひろわれごのなかま
おおにいさまがた:たまにくるおにいさま
おおにい、おおねえは、お稼ぎしとるんじゃろう
本当に、困っておいでなのですかねえ?
[零れる声に、肩を竦めて、しかし咎めるふうもなく]
さて、そろそろ夕餉を頂きに戻るとしますか。
あやめ嬢はどうします?
[問いかけて、軽く首を傾げる]
/なか/
隠された秘密を、ゆめで知ってしまう能力。
ゆえに鬼の子とも言われ、秘密を見てしまうがゆえにいとまれた。
かかさまがそうせぬようにと編んでくれたおまもりだけが、
唯一それをふせげた。
だけれどかかさまはなくなってしまった
そのときに、きえたときはもうでてこないと言い残してはいるはず
[投げられた問いに、ゆる、と首を傾げ。
何か、想うように紅緋を伏せる]
……うん。
舞弥のにいさま。
風漣を、お守りしてくれ……た。
[意識の霞、その淵に。
ゆらり揺らめくは面影か。
露草色の髪の、若人の姿が揺らめいて、消えて]
/中/
舞弥で、露草色の髪ということは、マイルズくんでしょうかね。
どうでもいいけど、マイルズ×ジョエルで、印象が固定されている件。
(関係ないから!)
やさしい、にいさまね。
[どこか、思うような小兄の邪魔をせぬようにか]
[声は小さく]
ふうれんにいさまの、にいさま。
まいやにいさま、いうんね。
[にこと、笑って]
[と、視線を送られるのに気付けば]
……あやめねえさま?
なんじゃ?
[首をかしげて]
[小さな声に、うん、と頷く]
そう、舞弥のにいさま。
[名を口にする時、紅緋の瞳はどこか嬉しげか。
それは、思い出せた事への喜びか、それとも]
……あやめのねえさま?
[それから、音彩の言葉にその視線を追い。
こちらを見やる姿に、ひとつ、まばたく]
[なんともなしに黙りこくってどれほどの時が過ぎたか―
揺藍が立ち上がるのを見て、夕餉に向かうのかと腰を上げかけ―襖を開けながら通り過ぎる姿に再び腰を下ろす。
やがて始まりし剣舞にはただ*息を呑むばかり*]
良いにいさま、なんじゃねぇ?
ふうれんにいさま、嬉しそうじゃけ
[ちらと向けていたあやめねえさまのところには、大兄の姿]
からすにいさまも。
おかえりになるんかのぅ?
/*
雅「舞弥…『いいわね、いくわよ!』なペルソナ使いを思い出した馬鹿背後はほっといて(キッパリ)多分マイルズだろうな。かく言う烈琥もレッグなんだが。っつーかこれで『れく』って読ませんのは無理だろどう考えても」
お守りしてくれたから。
舞弥のにいさまだけは。
[にこり、と笑いつの言葉、それには如何ほどの意があるや。
紅緋の笑みからは、計り知れぬか]
烏のにいさま。
にいさまも、遊んでらした?
[近づいてきた烏の言葉に、ゆる、と首を傾げ]
ゆうげ。
お食事、おらも食べたか!
[にこっと笑って、立ち上がる]
からすにいさまも、お遊びじゃったん?
[それから、同じ言葉を問うた小兄を見て]
おらも、ふうれんにいさま、お守りするけ。
[にこと、笑って]
みんな、いっしょにごはんじゃの?
ほぅら、坊やたち。
烏がなくから戻ろうか。
そうそ、皆で一緒に夕餉の時間さね。
[くるくるり、かざぐるまを回しつつ*わらう*]
[お守り、という音彩の言葉に、掠めしは曖昧なる笑みか。
それには、何も答えはせずに]
そうだね、お食事。
みなで、一緒に。
[みなで、という言葉には、奇妙に力が込められて]
うん、お食事。一緒にしよ!
[嬉しそうに小兄に笑みかけて]
[はっと白の花びらを、思い出すはあやめの顔でか]
[きょろ、きょろとまわりを見て]
[小さく走ってそばに寄る]
あやめねえさま、これ。
おらより、ねえさまのほうが似合うけん
[頭から冠を取ると、背伸びして彼女の頭に乗せようとする]
[しかしやはり、届きはせずに]
ああ、遊んでいたよ。
今日は森の方に行って来た。
仔うさぎが、たくさんいたから、坊達もいつか見に行くといい。
[大人に接するそれとは異なる瞳の色は、昨日までより、更に和らいでもいようか]
[嬉しげな音彩に、笑みつ、頷き返す。
そこには、それまでの陰りめいたものはなく]
森?
いきものが、いるの?
[烏の言葉に、紅緋の瞳を好奇で煌かせつつ、続くように歩き出し]
[ねいろの言葉にけらりと笑い]
いじめないとも。いじめるように見えるかい?
[風漣の問いには頷きひとつ]
ああ、たくさんいるようだよ。みんな大人しい動物ばかりだったから、坊達でも危なくはなかろうさ。
[やがて、館の入り口をくぐれば、童子達が差し招くまま、座敷にあがって縁側の楽無き舞を目にするか]
[すう、と息を吐き出して太刀は鞘に収まろう。
ぽかんとしたような視線を背に感じたものだから、ちらりと蜜色を背にやれば雅詠の様子が目に入り、それがあまりにも不思議だったから首をひねる]
[やがて夕餉を用意する童子に元いた位置へと戻るだろう]
からすにいさまはいじめっこじゃぁ
[思い出すのは、昨夜の酒か]
危なくなかね。
嬉しかよ!
ぜったい、いってみたいと思うんじゃ
[にこと笑って]
[同じ顔の童子たちにはやはり少しおびえるも]
[ぎうと自分の袖を握って]
[舞が終わったばかりだろうか]
[その姿に、きょとんとし]
[太刀を収めた揺藍の姿に、ぱちぱちと手を打って、惚けたような雅詠の様子には、くすくすと忍び笑い]
いや、御見事。雅詠の旦那はすっかり見惚れて、魂も抜けたと見えますな。
たくさん、いるの!
[烏の言葉に、声を弾ませ。
続くようにやって来た座敷で、揺藍と、雅詠に向けて一つ、礼をする]
揺藍のにいさま、舞をなさるのだね。
[舞弥のにいさまのよう、と。
その呟きは、とても小さく]
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