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[アーベルの言葉と、愛想笑いとはいえ笑っていたハンスの顔…今はよい方に解釈したかった]
なら、よかったわ。
[静かにため息をつくと、その身は静かな歌声に変わりながら*薄れていった*]
[ため息をついてから、薄れて行く姿を見送る。
それから、旅人が消えた辺りを見やって]
……後に、残すもの……か。
[旅人が呼んでいたものが何かは知らないけれど。
何かを置き去りにする、というのは、やはり、辛いものなのだろうかと、ふと、思った]
……わっかんねぇな。
[小さな呟き。
彼はいつも、置いていかれる側だったから]
[彼は知を得る為に旅をしていたのではないのかと。
そう思うとまた嘆かれた。
嗚呼、せめてその死が安堵に包まれん事を。]
…貴方に、「豊富な平和」を。
[上下を黒のスーツに着込んだ彼は、
ハンスの部屋に向けお辞儀する。
そしてその場を去った。]
―昨晩―
[彼は女王に告げられた通り、Iの部屋へ。
王がわざわざ道しるべに、腕を置いていてくれた。
貴女の優しさを踏み躙るものかと、疼きを押さえて部屋の中へ。
妙な香りが鼻を突いたが、望んだ匂いは良く分かる。
風呂場の戸を開け其処には、嗚呼。なんとまあ……]
[シャワーで流しきれないあかを。
私が落として差し上げましょう。
舌で優しく撫でて、撫でて、撫でて、撫でて、
彼にはそれで、もう十分。]
いいや。
[ふるり、首を横に。]
お前にも、色々あったんだろうなって。
[其れは、こうなるまでは考えもしなかった事。
何時も他人を気遣う振りだけはしていたけれど、本当に考えた事などあっただろうか。]
[返ってきた言葉はやや、意外なもので。
一つ、瞬く。
その表情はどこか、惚けたもののように見えるだろう]
色々……って、まあ。
確かに、普通に生活してる分には、あり得ない事の方が多かったな。
[苦笑しつつ言って、無意識のように胸元に左手を伸ばす。
そこにはもう、失った聖女の形見はないけれど]
[ふと思い立って、彼の部屋へ。
グリューワインと、ラム酒の小瓶を手に取る。
彼女の口に、合うだろうか。
ついでに簡単に身支度を整え、引き返す。
イレーネの身に何も無ければ、彼は横で彼女の目覚めを*待つだろう。*]
そうか。
[胸元に手を伸ばす様子を見て。無意識の上の仕草にそれは見えたけれど、僕は其処に何があったのかも思い出せない。]
・・・・きっと、辛いことも。
[あったのだろう、と。]
[空を掴む、左手。
そこにあった銀も、右の手首の銀糸も、今はもう、ないのだと。
改めて感じ取る]
辛い事……か。
ああ、そう……なんだろうな。
生まれた時には、父親なんてモノはなくて。
母親が死んですぐ、『表社会で生きていけない存在』と言われた。
それから……裏の世界に引きこまれて。
その時点で、辛いとか何とかは、感じなくなっちまったけどさ。
[感じなくなったのか、それとも、感じていても直視しなかったのか。
それは、今となってはわからない事だが]
[あかい瞳の半端者。
今日もまた、あかを受けてあかあかと]
…イレーネが、狼を見つけたと。
そう、言っていました。
お気をつけ下さい…
[目の前の彼が語る口調はあくまで淡々としていて、だからこそその内容の壮絶さが際立つように思えた。]
嗚呼、そうか。
[“裏”で、非日常で生きることは、必ずしも青年が自ら選んだことでは無くて。]
必然、だったのか。
[それなのに僕は。]
必然……そうだな。
生きるためには、必然だった。
死にたくなかった。理由もわからずに。
生きたかった。どんな事をしてでも。
[そのために、一度『死んだ』のだけれど]
……笑うか?
人を傷つける……他者を殺める生き方を選んだのは。
自分が死にたくなかったから、なんて、そんな理由なんだぜ。
[他人を殺める、その言葉には流石に少し目を見開いた。]
嗚呼、道理で。
[少女を止めた銀の糸。田舎の村の暮らししか知らない僕には、それを操る彼が「幻魔」などと呼ばれていることまでは知らなかったけれど。]
いいや。笑えるものか。
[自分が死にたくないから、他人を殺す。
あの僕の恐慌状態が、この青年にもあったというのか。きっとそれは、表面には静かなものだったのだろうけれど。]
・・・・・・・悪かった。
[小さく零れた謝罪は、青年には少々唐突だったろうか。]
そう……か。
[笑えるものか、という言葉に。
何故か、安堵を感じた。
冷徹を装い、何でもないように振る舞いつつ。
他者の恐れを嘲りながらも、抱えていた感情。
それこそ、嘲笑されても仕方の無い事だと思っていたから]
って……なんで、謝るんだよ?
[続いた言葉は、やはり唐突に思えて。
戸惑いを帯びた声と共に、蒼が瞬く]
[聞き返された言葉に、少し躊躇った。
ややあって口を開く。もしかすれば、青年にはもう分かっていたかも知れない事だけど。]
あんまり、さ。関わりたくないって思ってたんだ。
いや、もしかしたら見下してたのかも知れない。お前の事も、あの――ユリアンって奴も。
何も知らない癖に。
だから、・・・・御免。
[声は震えるけれど、最後だけは蒼をしっかりと捉えて。]
[関わりたくない。
それは、ある意味ではごく普通の反応だと思っていた。
明らかに、他者と違う立ち居振る舞いの自分に対しては。
平穏な暮らしをしてきたのであれば、尚更に]
……気にしなさんな。
裏の住人と関わりを持ちたくない、って思うのは普通の事さ。
まして、こんな事でもなきゃ、知り合う事もなかったような相手同士なんだし、な。
それに……。
[小さく、息を吐いて]
見下してたってんなら……多分、俺もかわらねぇ。
何も知らずに、のほほんと生きてるだけ、苦労もしらねぇで、ってな。
お前が暴走してた時に、何もしなかったのも。
そんな気持ちがあったからなのかも知れん……すまなかった。
[告げられた言葉をしっかりと受け止めつつ。
自分もまた、真っ直ぐに相手を捉えながら、静かに告げて]
――エントランスホール――
[金に近い輝きに光る、太陽の光を反射させた月の色の眸がちらりと見えた。
彼女(イレーネ)は人狼の――?
二階にオトフリートが立ち去り、帰ってくる間に、広間に運びこまれたイレーネの元に歩みよる。]
/中/
しかして、実は表の時間軸がよーけわからん俺がいるわけです、はい(笑)。
つーか、内訳は読めたが、しかし……(笑)。
とりあえず、あれだ。
ユリアンがどう立ち回るかに期待大。
こっちで予想している動きがきたら、一瞬だけ壊れようかねw(黒)
普通か。
[その言葉は、今は酷く遠いもののように思えた。]
嗚呼。此処に来なけりゃ、こうやって話すことも無かったんだろうな。
ずっとあのまま、外面だけ良くして・・・
[何れ壊れていたかも知れない。自身でも気が付かないうちに。]
謝られる事なんか無い。
何も知らなかったのは事実だ。
[静かに告げられた言葉に、僅か洩れたのは苦笑だっただろうか。]
[手を布団の中に収まるようにいれると、再度頭を撫でた。立ち上がり、]
イレーネ、人狼の道を行くか人間の道を行くかは君次第だ。
[オトフリートとはすれ違わずに*二階へと消え去る。*]
/中/
流れ的に、ユリアン最後まで残されるだろうなー。
赤雨の俺に、立ち位置が近くなってる感じだし。
この展開で生存は、リアルにも結構来るのよね(^ ^;
しかし、次は誰がくるかなー。
ミハエルは、襲撃はされないだろうしなー。
そうだろうな。
[話す事もなかった。確かにそうだろう。
彼と自分に、接点となり得るものなどないのだから]
ここに来なければ、俺は……。
[『銀糸の幻魔』として。
言われるままに人を殺め続けただろう。
ただ、淡々と。虚ろなままで。
ふと浮かんだその考えを、振り払って]
……そうか……。
じゃあ、お互い様、って事にしとくか?
[こぼれた苦笑に返すのは、やはり、苦笑めいた表情]
[途中で止まった言葉の続きは、何となく伺えて。だからこそ、それを追う事は止めた。]
嗚呼、そうだな。
お互い様。
[本当にそれで良いのかは分からなかったけれど、青年の表情に頷く。
少しだけ、痞えていたものが取れた気がした。]
/中/
うーん、この後の展開が読めん。
ミハエル人狼と言い切った事を考えれば、襲撃対象にはならないよな。
(中の人……めいさん、かな? 大変だけど頑張れ)
今日の吊りはどうなりますかねー。
イレーネは、このノリだとシスターへキリングしかけるんだろうか。オトの動き次第かな。
(つーか、オトの中の人が読めません。誰ですかと。
イレーネは……気のせいかな。なんか、覚えがあるよーな、ないよーな、そんな雰囲気)
とはいえシスターは……専守宣言されてるしねぇ。
そうは、吊られないだろう。
(まあ……うん。頑張れ/何)
じゃあ、そういう事で。
[頷く青年に、頷き返して。
微笑む。
ごく自然に浮かんだ笑みは、『幽霊』となる以前。
まだ、レオンハートと名乗っていた頃の少年のそれを思わせるだろうか。
もっとも、それを覚えているであろう者はここにはいないが]
・・・ん。
[頷いて。
その表情にはやや虚を突かれ、少し瞬いた。]
嗚呼、何だ。
そういう風にも笑えるんだな。
[「幻魔」としての笑みでは無いのは勿論のこと。
先程までの苦笑とも、彷徨う身になって最初に見た微笑みとも、その表情は違うように思えた。]
そういう風にも……って?
[瞬いた後の言葉に、少し戸惑う。
自分がどんな表情をしていたかの自覚などはなく。
無意識の内に、一番自然な笑い方をしていたなどとは、当然の如く、想定外。
ただ、どんな表情をしていたにしろ、オトフリートが見たらどう思うやら、と。
ふとそんな事を考える。
彼には、常に冷たき『幻魔』である事を求められていたように思えていたから]
/中/
というか、なんなんだろうか。
これなんて青春モノですかー、と(笑)。
まあ、うん。
友情系の絡みっていいよね(何。
そいや、友情村はいつやるんだろーか。
ていうか、危うく忘れそうになってるけど。
ファイルの上書きちゃんとやれよ、自分っ!
いや、何と言うか・・・
今何か、何時もと違う気が。
[戸惑うような顔をされて、此方も何と言って良いやら分からなくなった。頭を掻いて。]
何だろう。
凄く、・・・・普通に見えた。
[裏通りで暮らしている、何処か冷めた奴ではなく。
極普通の青年に笑いかけられたような気分。]
いつもと、違う……。
[悩みつつ、こちらも頭を掻いて]
凄く……普通……か。
良くわからんが。
まあ……悪い事じゃ、ないんだろう、な。
[言いつつ、ふと考えた。
もしかしたら、『幻魔』の艶笑を忘れているのではないだろうか、と。
いや、今となっては、それは。
必要のないもの。
右の手首には、既に銀糸はないのだから]
そうだな。悪いことじゃ無い。
[その内心など知る由も無いけれど、頷いてみせる。
青年には生きていたときより随分と話し易い印象を受けていた。棘が取れた、というか。
口には出さないけれど。]
[肯定の返事に、感じるのは安堵。
他者と話していて安堵を感じたのは、恐らく五年前……失った聖女と話していた時以来だろうか]
……じゃあ、そういう事にしとくわ。
[冗談めかした口調で言う。
……直後に、揺らぐような感覚を覚えた。
意識が、過去に引き摺られるような、そんな感覚。
『銀糸の幻魔』である、という事から解放された意識が、幼い頃の、そして聖女との想い出を辿ろうとしているのだと。
ふと気づいた時には蒼の姿は拡散し、*その意識は遠い過去へと飲み込まれ*]
/中/
時間切れにつき、退席します。
また夜にー。
嗚呼、・・・・・あ?
[此方も微か笑って言葉を返そうとし。
青年の姿が揺らめいて消える。
其れを只、呆けたように見送って。]
/中/
了解。長らくお付き合い感謝です。
また後で。
・・・・・・・・
[誰も居なくなった台所。]
何、やってんだろうな。
僕はもう、終わってしまったのに。
[独りになると途端に戻ってくる現実。
また今日も、薄い布を隔てたような向こう側では誰かが殺されて。僕は其れに怯えなくてはいけないのだろうか。
ゆらり。何気なく足は広間へと向かう。]
[広間にはソファーに横たわる銀の髪の少女の姿。其れと、隣に寄り添うような顔見知りの男性。
彼らが僕に気付くことは無い。疎外感。]
・・・・・
[そのまま其処を通り抜け、エントランスホールのほうへ向かおうと、壁に向かって一歩――]
[――ひやり、とした。
感覚などもう失われてしまった筈なのに。]
―――ッ
[慌てて振り返る。其処には先程と同じ光景。何も変わらない。
異様なのは目の前の壁だけ。嗚呼、此れは――]
[思い切って進む。暗い小さな空間が目の前にあった。
作られたのか、隠されているのか。兎角其処に強い魔力が作用しているのだけは分かった。いざ足を踏み入れてみるまでは分からなかったけれど。
部屋の中央には下へと続く階段が一つ。]
『広間の地下には――』
[あの唄の中では、何が*あったのだったか。*]
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