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[たとえば そう
――手を伸ばしたいのに 上手くできないこと
――すくいたいのに 拒絶されること
――守ろうとして断ち切ること
――誰かが泣いていて、それで
たとえば、――]
…… …ままならない わ ね
[痛みが弱いながらも戻ってきた指先、
伸ばそうとして、逡巡して、少しだけ近づいた
血の滲む手、止まらない咳]
…… 貴方 も
もっと 自分を心配すると …いいのだわ
[小さく頷くゲルダに、僅かに口端を持ち上げる。]
ユリアンの声が聴こえても。
ゲルダが恐ろしい目に遭う事は無かっただろうね。
私は──ユリアンには、何か、
新しく面白い事をつくりあげる未知の力が
宝の山のように眠っていて、
そして、それを共有していける気がしていた。
勿論、勝手な思い込みかもしれない。
[共有者が居なくなってしまったと静かな声で呟き、自分自身の肩に手を置いた。難しいと言うゲルダにしっかりと頷く。揺れかけていたサファイアブルーの瞳に戻る信念の光。]
ああ、時間は無い。
選択を迷い、決断を悔やまないのは、誰でも難しい。
私の歳になってもまだまだ、
おそらく、ハリンリヒの歳だってそうだ。
ゲルダ。君が、聴こえる事を背負いこまなければ良い──私はそう思う。
…なら…、…急がなきゃな。
[痛くないほうが怖い、
ブリジットのその言葉に頷いて。
…感じなくなるほうが、痛みよりも怖い。
自分が自分でなくなるような…鏡の奥に取り残されるような。]
[血の滲まぬ左手を、恐る恐るブリジットへと伸ばす。
退いた手と、拒んだ手…また、求める手。
―――届くだろうか。]
[背負い込むと言った所で、駆けて行ってしまったノーラをハッと思い出す。それから、ダーヴィッドを。]
ノーラとダーヴィッドは、
ゲルダが上がって来た方に居たか?
そうだね…。
面白いひと、だった。
[いろんな意味で、そう思う。]
ヘルムートさんとは正反対に見えるのに…
ううん、正反対だったから、なのかもね。
[語る口調と、白いシャツだけの肩が、なんだか寂しそうに思えた。]
そう、だね。
…間違うの、怖いよ。
でも、間違うのを恐れて、選ぶ前に終っちゃうのはもっと怖いから。
だから、無理せず出来る範囲で…出来る事はちゃんとやりたいんだ。
…感じて伝える事が、わたしに出来る事ならば…
…うん、さっきあっちに。
[ノーラとすれ違った、と指をさす。]
……あぁ、もう一つ…いわなきゃいけないんだっけ。
カルメンさん。
あの人の魂はボロボロに蝕まれてた。
多分、ピューリトゥーイの薬の所為。
でも…
[一度口ごもって、けれども伝えるべきだと思って。]
もしかしたら、投与前から何か心に背負っていたのかもしれないの。
だから、蝕まれるのが早かったのかも。
…気をつけなきゃ、いけないよ。
意志の強い人、だったら…影響されてても普段どおりに振舞ってるかもしれない。
[――痛い、ほうがいい。
きっと、そうなのだと思う。]
――…ええ。
なおすの。…なおして――
[―――言葉が途切れる。かえる、でも。
抱くのは恐れ、沈めた記憶の底。否、知っているのに。
ハインリヒが、手を伸ばす。
逡巡していた手を、自分も、伸ばして。
触れることが出来たのなら そうっと、握る。、]
有り難う、ゲルダ。
[二つの事に礼を言う。
ノーラの行方。カルメンのピューリトゥーイの話。
カルメン。彼女は、何処かで会った事があるような顔をして、ヘルムートを蒼の瞳で見た。]
カルメン。
彼女とは──実は何も話していない。
ただ、[女性に気を配る言い回しで] 勘にすぎないのだが、
春をひさいでいた女性では無いのか、な。
[大人しい女性だと評した者もあったらしい彼女の、独特の艶かしさ。彼女を捜して戻って来る度に疲弊してみえたオトフリート。仄白くかぼそい肉体と眠たげな眼差しが底なしの沼のような。花柳界には、その種の女性が多く居た。]
意思の強さで──か。
気をつける。有り難う、ゲルダ。
[途切れた言葉、華奢な身体を此方へ引き寄せて。]
…逃げることも…時には必要さ。
[>>93それは途切れた言葉の先のものへか。
その後の行動への警告だったのかもしれない。
拒まれないのならばそのまま…ブリジットを抱きしめた。]
…ある現実(モノ)をそのまま受け止めてたら…
耐え切れずに、壊れるものだって…あるかもしれない。
…壊れそうなものは…無理に立たせようとしないで。
そっと…包み込んでやれたら…いいんだがね…。
[それができていない…と、そう呟いて。
紺青の眸を伏せて。ゆっくりと息を吐く。
掠れた咳は、振動となって伝わったかもしれない。]
ライヒアルトが暴れた後ゆえ、
ユリアンの側に蛇は出ないと思うが。
[ゲルダと分かれた後、ノーラに追いついて、走って行った理由を尋ねる。
けれども、彼女が識ってしまった事実は、何も語られる事は無く。
彼は、石化したエーリッヒの元へ向かおうとするノーラに、来る途中で拾った杖を、エーリッヒが探して来た松葉杖を手渡した。ヘルムート自身は、まず*実験室へ*。]
政治家 ヘルムートが「時間を進める」を選択しました。
… ぇっ?!
[引き寄せられて、驚いたような声が零れた。
近づく温もり。言葉を警告と取れたかどうかはあやしい。
抱きしめられるまま、大きく眼を見開いた。]
……、っハイン、 …
[心音が跳ね上がった。
――けれど、続いた言葉に耳を傾けるうち
思考はそちらへ。彼が時折見せていた表情に繋がることなのか。
こわれる。――たとえば沈めた記憶。]
…――、… それは
…むつかしい こと、なの だわ…きっと…
おのおのに、想いが あれば、こそ
[咳が、止まらない。
彷徨っていた手を、そっと背に回し撫ぜるように触れた。]
[名前を呼ぶ声が聴こえても直ぐに離そうとはしなかったろう。
華奢な温もりは、それでも本来の少女のものよりかは
少しだけ、ひやりと冷たいのかもしれない。]
――…目の前でこわれるのを見るくらいなら…、
おのおのの想いなんて…、……
[ケホ…掠れた咳が視線と共に落ちると背を撫ぜられる。
それが何処かむず痒くて誤魔化すような咳を零して、笑った。]
…強がらなくていい…って、
言ってやりたかったんだがね。
どうも…こういうのは…得意じゃあない。
[点滅する視界…まただ、また…。眸を伏せると
血の滲む手を、ブリジットを抱く手を、強く握り締めて]
…ブリジット…。
逃げることも…時には必要なんだ…。
だから…――
[もう一度紡ぐ、同じ言葉。
気付いたのは何時だったか、何時…思い出せない。
違う――…軋む音が、直ぐ傍で聴こえた時。
ケホ…咳が零れて。また軋んで――…崩れる。]
もしも…さっきみたいなことが…
また起きそうになったら…迷わず、逃げろ。
[血の滲む手、落ちた首輪――白くなっていった。
彼を…オトフリートを危険と見做して断ち切った…違う。]
それか――…断ち切ってくれ。
お前が…皆が生きる為に。
[―――奪ったのは……衝動。]
[点滅するように、紺青の眸は理性と虚ろの合間を彷徨って
鏡の中に意思が取り残されるかのように呑まれていく。]
[自分の意思に反して―――徐々に狂気に侵食されていく。]
[ケホ…と、小さな咳を零してブリジットを離す。
紺青の眸を細めて困ったように笑った。]
…立ち向かうだけが…勇気じゃないのさ。
きっと…。
[ノーラは男がピューリトゥーイではないと言っていた。
自分でもわからない…侵食するものの正体。けれど…。
男からは離れたほうがいい…少女へ遠回しの警告の仕草。
ブリジットが動かなければ、自ら離れるよう立ち上がって]
…まだ、今は…大丈夫だよ。
まだ…もう少しだけ。
[何時また狂気が現るかわからない。正気が保てる間に…。
そう呟いて泣いた時のようにブリジットの頭を撫ぜると、
階下の水道の方へと降りていく。**]
/*
殺してくれコール届くかなというか
本当すまん 6時とか。ぐふぅ…。寝てるといい。
今日落ちできるんならノーラを襲いたいとかそんな。
自分に白出した占い師いじめたいとかそんな。
星詠みってあてにならないんだぜってやりたいとかそんな。
そ、そんなことは ないんだぜ…!!
[考えてわくわくしていた。**]
[杖を見つけられないまま、6の部屋の入口に立つ。
杖無しで階段を上るのは無謀だと、思ったが]
見つからないものは仕方ないもの。
[離れた場所から、響く咳の音。今は傍に行きたくないと、なぜか思って、階段の方へと向かう。
アーベルの声は、後ろからしただろうか。
引き止められるなら、自分で無事を調べに行くんだ、と言って]
居たくないの。あの部屋に。
[辿りついた階段で、零す]
●業務連絡●
コミットの件:ノーラさんありがとうございます。よろしくお願いします。
あと、ゼルギウスファイルイベントですが、ゼルギウスはいつも在席とは限りませんので、進めていただいた場合はアンカーをおいてくださるとありがたく思います。
[部屋から階段までの距離。上るときの段の幅。上までの段数。それを覚えていても、杖無しでは難しくて。
2段上ったところで、躓いて膝をつく。
両手で先の段を探して、這うように上る]
無様だけど。……落ちる可能性は低いから。
[手をついて、膝を突いて、足を持ち上げる。時折、痛みがついた場所に広がるのはいばらの所為。
一番上までたどり着くと、その先、エーリッヒの石像のところまでは歩いて、座り込む。
倒さないように、体は預けない。
首を、こてんと石の足に傾けて、呟く]
今度は、一人で上がってきたのよ。
あのね。
先生も、しんじゃったの。
薬も見つかったのに。ヘリのドアも開いたのに。
助かる道筋が、見つかったかもしれないのに。
死んでほしくない人がいるの。
ううん、みんな、だけど。
でも、周りばかり、気にして自分の事は労わってくれないんだ。
[意識が落ちる。打たれた薬が回っているのか、抵抗する間もなく。程なくすると寝息を*立て始めた*]
盲目 ベアトリーチェが「時間を進める」を選択しました。
盲目 ベアトリーチェは、消防士 ダーヴィッド を投票先に選びました。
/*
占い師:ノーラ
霊能者:ゲルダ
守護者:ブリジット
共有者:ヘルムート
狂人:俺
ピューリトゥーイ:ダーヴィッド
灰:
なっちゃん、ライヒ、リーチェ、アーベル
没:
オトフリート、カルメン、ユリアン、エーリッヒ、イレーネ、リディ
こうか。お、男…先導立てるの減りそうだな。
じっつは、ユリアンにすごく期待してた…!
あいつ男前だと思うんだようそうそいやほんと。
/*
思わずブリジットに入れそうに
今まで欠片も表に出してなかったおかげで乗り遅れた感がひしひしと。
駄目だと判っていても、やっぱり惹かれてしまうのね。
後10歳上乗せしておけば良かった。
むしろ、リーチェの性格が恋心とかない感じに
研究員 ハインリヒが「時間を進める」を選択しました。
[ユリアンはメデューサでは無かった。
それでも、死は、誰の前にも平等で無慈悲で。
理解していた筈なのに、身近で生き死にが展開されると心が痛むのは、泣きたくなるのは何故だろう。
傍に来て抱きしめてくれるライヒアルトの、温もりも優しさも、悲しみも。全部理解したいと動く左手で背中を撫で。]
優しい人。あなたの傷を癒やしてあげられたらいいのに。
[守られるだけじゃなく、守りたいと。強く思って唇を噛む。
駈け去るノーラに気づいて気になったけど、やっぱり追う余裕もなくて。]
[ライヒアルトに抱えられて、ヘルムートが救急箱を探るのをぼうっと見る。
名前を呼ばれて微笑む。かなり無理した笑顔だったけど。結局、言葉はくれなかったけど、気遣ってくれたのはわかった。]
ありがとう、議員。あたしは、あなたは自分の命を預けるに足る人と、思う。
[疲れてるから途切れ途切れ言った。長く傍にいたわけではないけど、見ていた時の行動で信頼に足る人だと、指導者に相応しいと理解できた。
こういう人がピューリトゥーイを投薬されていたら、とよぎりはしたけど。
ヘルムートを見てライヒアルトを見る。
自分になにかあったらライヒアルトを頼むとヘルムートに目だけで言った。通じてはいないかもしれないけど。]
/*
オハヨーオハヨー。
ゆりあんとオトフリートさんはお疲れ様でした。
さて、表での絡みは帰ってきてからやるとして出かけてきます。
[ダーヴィットは先に行った。
ライヒアルトに抱えられて三階を進む。途中会った人には会釈して。]
ゆっくりでいいから気をつけてね、ライヒ。あ、ゆっくりだと疲れるかな、あたし重いし。
[少しでもライヒアルトの気持ちを浮き立たせたくて、取り留めもなく話す。
休憩室の近くで、エーリッヒの傍に佇むノーラに合流すれば騒ぐのは場違いな気がして黙り込む。休憩室の中にはイレーネもいるし。
エーリッヒの傍を通る時、小さな声で]
ありがとう。
[と言った。]
[二階に下りると廊下でハインリヒとブリジットが話していたか。取り込み中みたいだから声はかけずに6の部屋へ。
床に下ろしてもらってライヒアルトにお礼を言う。
石化したオトフリートに黙祷して。
薬のアンプルをハインリヒが持ってるなら声をかけないといけないけど。]
薬って注射なんだ。
[眉を寄せる。]
怖いんじゃないけど。ね、ライヒ。注射、あなたが先にして。
[ライヒアルトの天鵞絨をじっと覗き見て。
見てないと自分は打たなくて取っておくのではないかと心配で。]
一緒に生きるんでしょ。
[ライヒアルトが先に注射をすれば、注射の針から目を逸らしながら注射を受ける。]
[注射を受ければ右手と下腹が熱くなって眠気が襲って来た。]
ライヒも少しでも休んで。
[ヘルムートの手伝いをする約束をしてたのを見たから言って。傍から離れるのは寂しいと思ったけど言わず。]
あたしはちょっと眠ってるから。
[床へ身を横たえる。踏まれるかもって思って苦笑して。今なら嫌な夢を見ないだろうと確信して。]
――、…ハインリヒ…?
[逃げること。
もう一度、繰り返される。
咳。止まらない。
少しだけ動かした顔。
視界に入る、首輪の数値、
身体はあたたかいのに。
崩れる音、微か。聞こえない。]
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