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[青い光を手のひらに包んだまま佇んでいた少女は、かけられた声に茶色の瞳を向ける]
「私は、最初のエーファなの。ライヒアルト」
[短い問いの続きを汲み取るように、少女は青い光を見つめて言葉を繋ぐ]
「この子と私は、対でつがい、そのように産まれて育てられた。でも私が食べられてしまったから、この子はひとりになった」
[青い光がふわりと空に浮かび、風に戯れるように飛び回る]
「この子は全てを忘れるようにと命じられた。でもエーファという名だけは忘れなかったから、それがこの子の新しい名になった」
対で、つがい。
……文字通りの、双花、という訳か。
[飛び回る蒼の光を視線で追い、それから、改めて暗き翠は朱花の少女へと]
新たな、という事は、やはり真名は他にあった、という事か?
しかし、何故。
全てを忘れるように、などと……。
「忘れなければ、壊れてしまうから。愛したことも、信じたことも、憎んだことも、苦しんだことも、全部忘れてしまえば、ただ花として働くことが出来るから」
[少女は飛び回る光に手を差し伸べる。淡い光は、そっとその手に止まった]
「でも、何度も何度も心を消されて、この子の魂はこんなに小さく削られてしまった」
―二階個室―
[目を覚ましたのと前後して、大きな音が響いた]
…今のは?
[続く物音は特にないようだが。
簡単に身支度を整えると、様子を窺うために部屋から出た]
-回想・二回廊下-
[集会場内を探し程なくして、エーリッヒたちに会うことができた。]
ああ、だいぶ疲れが見える感じではあったが、
まぁしかたがないだろうな。
[肩をすくめて]
エーリッヒ達ももう休め。
なにかあったときに疲れて動けないといけないしな。
[笑いかけて自室へと戻る二人を見送り自分も自室へと]
壊れてしまう、か。
確かに。
双花の役割は、最も強く心を切り裂くもの……。
[過ぎるのは、蒼花宿せし友の姿]
ただ、終わらせる事を望んでいたのは……文字通り、それ以外になかったから、という事か。
[小さく呟き。
揺らめく様子に、微か、眉を寄せる]
……消える。
それを望んでいる、のか、お前たちは?
[残された小さな灯火。
嘆息。
手を伸ばしたなら、触れる事はできるか否か。
触れられたとて、無理に捕えるつもりはないが。
ただ、撫でるよにそれぞれに触れるのみで]
……先の世へと転じたとて、同じ事となるのなら……。
[消えた方が幸いなのか、と。
呟きは声にならず、心の内へと、ただ、落ちる]
― 集会所一階・廊下 ―
[顔を上げる。
服には染みの痕。
頬にはじんとした、痛みが残っていた。
濡れた目と、渇いた喉。
水を欲していた。
壁にすがり、立ち上がる。
定まらない視界の中、額に手を当て、歩みだした]
―厨房―
[小気味良い音を立て、刻まれていく野菜。
此処で料理をするのはもう何度目で、そして後何度有るのだろうと、ふと思う]
…終わったら、エーリッヒとマテウス兄さんと一緒に。
[それらの約束を信じてでもいなければ、崩れ落ちそうで。
今はただ日常の名残に縋る。
出来上がった一皿は、アスパラガスのスープ]
……二重人格では、なかろう。
共に、産まれ、育ち。
一方が喰らわれた後、残された方の側に在り続けた……というところか。
本来は二人、文字通りの『対なる双花』だったようだ。
[暗き翠は二色を見つめたまま。
淡々と、言葉を綴る]
置いてゆくのも、置いてゆかれるのも。
辛かったのだろうな。
[過日、ゼルギウスと交わした会話の中、自らが言った言葉を思い出す。
薬箱の中の導眠剤。
皿に盛ったスープの上、入れるつもりは無く、けれど導眠剤の瓶を傾けた]
…。
[扉が乱暴に閉められる大きな音に、首だけを曲げ、その姿勢のまま固まった。
幾ら首を曲げても、何が起こったか見えるはずもないのだが]
─広間入り口付近─
[扉を開け、廊下を見やると]
[ふらつくようにしながら歩むウェンデルの姿]
[服の染み] [頬の痕]
[ああ、外に居たのは彼だったか]
[何を見たのか、何をされたのかが見て取れた]
[彼も青灰と同じ場所に送ったら喜ぶだろうか?]
[そんな考えた頭を擡げ始める]
[俯き加減に。
半ば、壁に身を預けるようにして、廊下を歩む。
右手はともすれば落ちそうな頭に添え、左手は捨てられなかった十字架を握ったままだった]
……ああ。
[かわいそう、という言葉に、小さく呟いて]
場が如何様な結末を迎えるのであれ。
この子らは、全てから解放されてほしいところだ……。
[教会の組み上げた因果が、どこまでの束縛となるかは知らない。
けれど。
それは、純粋な願い]
ああ、どうやら、そのようだな。
[動く、という言葉に、意識を現世へと向ける]
……さて。
選び取られるは、如何様な選択肢か。
[どのような選択がなされるにせよ、自分は見届けるのみ、と。
割り切ってはいても。
現世には、未だ、気がかりな者たちがいる。
特に、対なる者を失った朱花の主は気になっており。
暗き翠は自然、その動きを辿っていた]
今の、何…?
[行くべきか否か、悩むも、容易に動く決意は固まらず。
暫くの後、聞こえてきたのは引きずるような足音]
…っ、ウェンデル。
[瞬きは二度。
手に持った薬瓶を慌ててスープ皿の横に置き、ウェンデルの近くへ駆け寄る]
大丈夫?何か有った?
[問い掛けながら、身体を支えようと手を伸ばす]
[ぱしり。
払い除けられた手が、高い音を立てる。
少しの痺れと、遅れて伝わる微かな痛み]
…。
ウェンデル?
[咎めるでも無く、名を呼ぶのは、問い掛けるもの]
[眺めているうちにウェンデルは厨房へと入って行った]
[微かに聞こえた高い音]
[他にも誰か居るだろうか、と視線はそちらに向けたまま]
………。
[口元に薄く笑みが浮かぶ]
[渦巻く混沌の気配を感じ取った]
[ウェンデルがゲルダに向ける問い。
微か、眉が寄る]
……対を喪い、均衡を失した……か?
[呟く声には、案ずる響き]
ゼルギウス。
今の音は何だったんだ。
[広間へと歩きながら声をかける。
蒼花が既に散らされていることはまだ知らずに。
薄く浮かべられた笑みが見えれば、こちらの表情も硬くなる]
…違うよ。
信じてもらえるかは分からないけど。
[抑揚に欠けた声。乏しい表情。
ただ、エプロンの裾をきつく握る]
あたしを殺しても、何も終わらない。
[余計な言葉を口にせず、短く答える]
ん? ああ……。
ウェン君が外に出たから団員達に連れ戻されたみたいだよ。
[訊ねて来るエーリッヒに簡潔に答え]
[真紅をそちらへと流した]
[口元に張り付けた笑みはそのままに]
それと。
エーファが 外で 紅くなってた
[己が見たものを口にする]
[直接的な言葉にならなかったのは、その色が鮮明に記憶にこびり付いていたからであろうか]
騒がしいな。
[自室で木刀を素振りしながら階下の騒がしさに気づく。
軽く身支度をすませて階下へとおりていく]
どうしたんだ?
[広間に向かう途中入り口付近にゼルギウスとエーリッヒの姿が見えて問いかける]
ウェンデルが?
何か刺激するようなことしたのか。
[団員たちのストレスも相当なものだろう。
初期に余計なことをいっただけでもあの反応だったのだから。
そんなことを考えているところに、伝えられる事実]
…なに。
[一瞬言葉を理解し損ねる。
ついで、その意味を理解して衝撃に目が見開かれた]
しまっ…!
…。
[疑心は消えない]
なら、誰がそうで、誰を殺せば、終わるという。
[背にした扉からずれ、壁を背に。
金の瞳は、翠玉を睨みつけたまま。
今、ウェンデルを動かしているのは、花の熱ではなかった]
マテウス。
[呼びかけに視線を向ける]
[笑みはそのままだったことだろう]
[エーリッヒに説明したのと同じように簡潔に事態を伝える]
そりゃあ。
集会場に隔離していた奴が外に遺体が投げられていたのに、集会場の中から出て来られたら何されるか分からないと考えるだろうさ。
誰なんだろうねぇ。
あんなに鮮やかに咲かせた奴って。
[エーリッヒの様子は気にも留めず]
[声色はやや愉しげなものとなる]
[ゼルギウスの笑む様子に不審そうにそちらを見ながら周囲を見回し]
ゲルダはっ!?ゲルダはどうしたっ?
[今の状況よりもそちらが気にかかったらしくエーリッヒに視線を向けて]
厨房か?
あたしでは…何も終わらない。
[繰り返した言の葉に、自分で溜息を吐く。
金の瞳に宿る疑心を見て、翠玉はゆっくりと瞬いた]
ウェンデルが信じられないなら、試してみるのもありだと思う。
あたしを殺して、花がどうなるかを見るのも。
だけど。
あたしはエーリッヒやマテウス兄さん、欲を言えばウェンデルとも…生きて一緒に帰りたいから、絶対抵抗するよ。
[紡ぐ言葉は、常よりも柔らかい。
最後の言葉は、消え入るほどに静か]
だから、あたしは…
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