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[応える声を確かに感じた、
今一緒に話している者たちとは違う、
少女を思わせる印象を受ける声]
俺はマテウス。
そっちは?
そうでしたか。
それにしても、……見ない子ですね。
この子も、容疑者、なんでしょうか。
[眉間に皺が刻まれる]
ああ、説明……それならば、聞いて来なければなりませんね。
[胸元に行きかけた手を引き下ろす]
ヨハナさんは、ここに居られますか?
何か必要なものがあれば、持ってきますが。
[交わされる、『始まる』と言う言葉。
それが意味するものは何か。
自身の知る事と合致するならば、それは最悪以外の何者でもないのだけれど]
……術、か。
『伝承』を辿るなら、ないとは言い切れないだろう……な。
[ゼルギウスの言葉に、翠が微かに翳る。
胸元に伸びた手が、何かを掴むような仕種をして、落ちた]
……子供だろうと、関わりない、というのは、ここまでで立証されているだろ。
[マテウスの呟きには、ため息を交えてこう呟く]
「生きてる」か。
俺のところにもそう言うのあったりしたのかなぁ。
[それも全ては白い靄の奥]
[エーリッヒの言葉は理解出来るが、現状ではそれこそ迷惑以外の何物でも無く]
[やはり呆れたように頭を振るだけだった]
っと、ベアタ、体調は大丈夫か?
その様子だと発作とかは起きてないみたいだが。
変な話聞いた後だ、具合悪くなったら直ぐ言えよ。
[エーファのことに安堵の息を漏らすベアトリーチェを見止め]
[病状は精神的な部分からも変化しやすいためにそう声をかける]
[小突かれた額に手を当てる仕種は、歳よりも幼い。
翠玉は笑みの形に似て、少しだけ細まった。
前置きの後に話された内容に、また表情は乏しいものに戻ったが]
獣の傷…。
人狼かもしれないから、だから子供たちやヨハナ様も呼ばれたのね。
[薄い口唇に指先を当て、考え込む]
うん。きっと…、数日したら、獣の仕業だって話しになるわよね。
それまでは、学校の合宿だとでも思って楽しむ?
[お湯をポットとカップに注ぎ、器を温めて。
あらためてポットに茶葉とお湯を]
ナターリエ。お砂糖とミルク運んでもらっていい?
[ベアトリーチェと呼ばれた少女に視線を向けて]
そういえば自己紹介がまだだったな。
俺はマテウス=ボーマン。
こんな出会い方でなんだが、よろしくな。
[笑いかけてからゼルギウスに視線を移し]
いやまぁ、俺もゼルギウスに聞いて答えが出るとは思ってないわけだど、ついな。
[エーフィに関しては同意して頷き]
複雑な事情ってやつか。
たしかにそうだな、ヨハナさんの反応から見るとこの村の子じゃないんだろう?
なのにこんな冬の時期に…。
わけありそうだな。
[はっとわたしは我にかえった。]
[薬師さんと、エーリッヒさんが心配している。]
え?
[胸に異常は感じなかった。けれど、なんだか色々ありすぎて]
あ、なんだか、疲れたかなぁ。
休むことにします。
ありがとう、エーリッヒさん。
[その手を取り、案内してもらう。]
[ウェンデルの言葉には、さすがに少々眉をひそめた]
……此処にいる、ということは集められた人の一人、ということでしょうね。
ああ。
水も毛布ももらいましたし、今のところはだいじょ……?
[言って。
階下に降りようとしたウェンデルの手が、エーファと同様に胸元にいきかけたのが目に留まった]
……胸をどうかなさったのですか?
は、『伝承』を辿れば、ね。
何とも不確かな情報だこと。
[ライヒアルトに向けたのは呆れを含んだ声]
その伝承すら事実か怪しいってのに。
その手のことは全く分からんから、俺には何も出来ることはなさそうだ。
何事もないことを祈っとくよ。
あ、わたし、ベアトリーチェ・エアハルトといいます。
[すこし、マテウスという男の人の顔を見つめてみる。]
えと、よろしく…。
あ。カレー…。
[翠玉の視線は宙を滑って、一点で留まる]
紅茶の香りの邪魔になったら嫌だし。
また後でかな。
[少し後ろ髪を引かれる様子]
[頭の中に聞こえてきた声と、同じ人…。]
[よくわからないけどきっとこれは、秘密にしなきゃいけないこと。]
/中/
マテウス、おまwwwww
ボーマンって、私が使ってたノーマンのファミリーネームじゃん!w
あんたはボルマンだろうに!w
そうだ、傭兵のマテウスだ。
ベアトリーチェ…、
[と目の前の少女に自然と意識が向き、
聞こえる声からベアトリーチェの存在を認識し]
どうだろうな?
俺もこんなことは初めてだが、俺がもっている特殊な力が何か関係してるのかもしれない。
今話題の伝承、御伽噺の
人狼
おそらく俺はそれだと思うんだ。
そしてその俺とこうして特殊な会話ができるということは、
そういうことなのかもしれないな。
なんにせよこのことは二人だけの秘密だな。
[気持ちは分からんでも無いが、とマテウスに苦笑を返す]
そうらしいな。
行き倒れ、ってことなのか?
自衛団の話じゃ現場の近くに居たから連れて来たんだろう。
[自分で行き倒れと言って自分の時のことを思い出したが、とりあえず彼方へと追いやった]
そう、無理はしない方がいいよ。
じゃあ行こうか。
[少女の手を取る。小さな手。
ふと思い出す過去。一つ息を飲み込んで深く沈める]
ゼルギウス、部屋暖めてくるのまではやるから。
後で診てやってくれな。
[そう言い残し、少女の手を引きながら二階へと向かう]
そもが、『伝承』の存在相手なんだから、そこから当たる他、あるまい?
[呆れを含んだゼルギウスの言葉に、浮かべるのは苦笑。
先の団長との会話に上がった『教会の口伝』に触れないのは、意図的なものか、それとも違うのかは定かではなく]
何事もない……か。
そうだな。
祈るくらいしか、今は、できそうにない。
―厨房―
だろうな。節操なく集めるのも…あいつらの立場的には仕方ない、といった所か。
そうだな、暫く辛抱するさ。
数日経てば、何事もなく終わると…
[言いながら、視線は持ってきてしまった鞄の方へと向くが。
それも一瞬のみ。]
学校か…懐かしいな。
そうすれば少しは気が紛れるか。
…そういえば、けっこう揃ってるんだよな。マテウスも居るし。
[そう呟き、言われたとおりにミルクカップと、砂糖の壷を盆に持った。]
ん、疲れたなら休んだ方が良い。
エーリ君エスコート頼んだよ。
あ、万一のためにベアタの部屋の隣空いてたら俺の部屋として取っといてくれ!
[ベアトリーチェの言葉には頷いてそう言い]
[エーリッヒには部屋の確保も頼んだり]
……でしょう、ね。
[察してはいた答え。
老婆の口より発されたことで、否が応にも現実と理解する]
ああ、いえ。
…幼い頃に、少しだけ、病を。
ですが今はもう見ての通り、健康ですから。
多分、緊張で気が昂っているのだと思います。
駄目ですね、しっかりしないと。
人狼…人殺しの…?
[なぜだろう、恐れるべきその単語に、胸が熱くなる。]
わたしも…人狼。
[歓喜に心が震え、お腹の奥に燃える火が勢いを増す。]
…このことは秘密、ね。わかった。
そりゃそうだけどよ。
あー、これ以上ごちゃごちゃ考えても仕方ねぇ。
伝承とか何とかそっちのは他の奴に任せるっ。
範疇外過ぎるや。
[ライヒアルトと話をしながら、その内容をぽいと放り投げた]
[口伝に関して触れぬ様子は、その事情を知らぬために全く気付くことは無い]
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